azure障害の確認方法は?また対処法は?

azure障害の確認方法は?また対処法は?

  • 発生時刻の目安:10月30日 01:00頃(10月29日 16:00 UTCごろ)。Azure経路(特にAFD)起点の障害で、Azureポータルや各種PaaS/IaaS、Microsoft 365、Xboxなどに接続障害・遅延が拡大。(The Verge)
  • 復旧見込み(当時の公式目安):10月30日 09:40頃までに全面復旧見込みとアナウンス(実際には地域・サービスにより尾を引く遅延/部分影響あり)。(The Verge)
  • 影響の広がり:航空会社など外部事業者のシステム停止・遅延報告も発生。(Reuters)

原因(公式説明の要旨)

  • Microsoftは「不注意な構成(設定)変更」が引き金になったと説明。AFDに関連する経路で障害が拡大し、既知の良好設定へロールバック/是正展開を実施。(mint)

現在の状況(10/30 日本時間 午前)

  • ほとんどのサービスで回復傾向。AFDの可用性は「98%超」に改善、残件は一部テールエンドの回復対応。ユーザー報告件数(Downdetector)もピークから大幅減少。(The Verge)

公式での確認先(信頼度が高い順)

  1. Azure Status(日本語版/英語版):全体状況・インシデント履歴。(Azure Status)
    2.(Azure利用者向け)Azure Service Health/Resource Health:ご自身のサブスクリプション資産ごとの影響・地域・時間帯を特定(Azure Portal内)。※ポータルが不安定な場合は時間を置いて再試行。(Azure Status)
  2. Microsoft 365 管理センター(サービス正常性ダッシュボード):Teams/Exchange/SharePoint等の影響確認。(Reuters)
  3. Xbox Status:Xbox Live等の接続状況。(Pure Xbox)

直近の実務対応チェックリスト

  • 影響判定:Azure Portal → Service Health で「影響あり」のイベントIDと対象リージョン・サービスを確認。記録のため時刻はUTC/JST双方で控える。(Azure Status)
  • アプリ監視:Application Insights/Log Analyticsでエラー率・遅延の時系列変化を確認し、復旧後の残留影響(キュー滞留、リトライ失敗)を洗い出す。
  • リリース運用:完全復旧と公式の「問題解決」表示が出るまで、本番の大規模デプロイ/構成変更は極力延期。(The Verge)
  • クライアント影響:Microsoft 365(Teams/Outlook等)の断続的障害があったユーザーには再サインインやクライアント再起動を周知。(Reuters)
  • 外部向け連絡:SLA・インシデント報告書(RCA)入手予定を明記し、暫定の事実と現在の復旧度を対外共有。

以下の順で確認してください(管理者権限がある想定)。

全体状況(誰でも閲覧可)

  1. Azure Status
    サービス別・リージョン別の稼働状況とインシデント履歴を確認。まずここで「広域障害か/局所か」を切り分けます。(Azure Status)
  2. Microsoft Service Health Status(全社横断の公開ステータス)
    Microsoft 365/OneDrive/Teams なども含めた公開ステータスの確認に使えます。(status.cloud.microsoft)
  3. Xbox Status(ゲーム関連の影響確認)
    ゲーム/ネットワーク機能の状態を個別に確認。(support.xbox.com)

自テナントへの実影響(管理センターで特定)

  1. Azure Service Health(Azure Portal)
    Azure Portal > Service Health で、自サブスクリプションに紐づく「進行中のサービス障害/計画メンテ/注意喚起」と対象リージョン・サービス・影響時間帯・メッセージIDを確認します。影響資産の特定(リソース単位)や履歴もここから可能です。(Microsoft Learn)
  2. Microsoft 365 管理センター > サービス正常性
    admin.microsoft.com に管理者でサインインし、[正常性]>[サービス正常性]で Teams/Exchange/SharePoint 等の障害・回復状況、影響範囲、更新履歴を確認します(サービス サポート管理者やヘルプデスク管理者ロールでも閲覧可)。(Microsoft Learn)

補助的な即時観測

  • Microsoft 365 Network connectivity(接続品質の簡易ヘルス)
    ネットワーク観点の健全性を把握。広域障害か、拠点ネットワーク起因かの切り分けに有用です。(connectivity.office.com)
  • 外形監視/ユーザー報告の傾向(参考)
    公開監視サイトのピーク推移で「収束傾向か」を目視確認(一次情報は必ず上記公式で確認してください)。(downdetector.jp)

すぐにやる運用(再発見・見逃し防止)

  1. Azure Service Health 通知を有効化
    Service Health を Azure Monitor のアラート(Email/SMS/Webhook/Teams など)に連携し、今後のインシデントを自動通知。(Microsoft Learn)
  2. 事後検証のための履歴確認
    Azure Portal の Service Health「履歴(Health history)」で自テナントに関係する過去イベントを確認・記録します。(Azure ドキュメント)

記録時のポイント

  • 公式ダッシュボードの「イベント/メッセージID」「影響サービス/リージョン」「開始・復旧時刻(UTC/JST)」を必ず控える(RCA・SLA確認時に必要)。
  • 公式の「解消」表示を確認するまで、本番の大きな構成変更やリリースは見合わせるのが無難です。(Microsoft Learn)

今日ただちに実施できる緊急対処」です。AFD(Azure Front Door)やCDN/ゲートウェイ経由の経路障害を想定しつつ、一般化影響と目的を短く示し、その下に実施手順を具体的に書いています。上から順に取り組んでください。

  1. 影響の即時切り分け
    ・目的:自社起因か広域障害かを1分で判断し、無用な変更を避ける。
    ・手順:外形監視(社外NW・LTE等)で3系統以上のチェック/Azure Status・Service Healthで同時刻の障害有無を確認/社内NW(DNS・プロキシ)を一時バイパスして再確認。
    ・結果の扱い:広域障害が確定ならアプリ変更よりも経路切替を優先。
  2. トラフィック経路の暫定切替(AFD/CDN回避)
    ・目的:AFD等のエッジで落ちている場合に、オリジン直収に切り替えて可用性を回復。
    ・手順:
    — DNSのTTLを300秒以下に下げる(既に低い場合は維持)。
    — カスタムドメインのCNAME/Aレコードを、AFD→Application Gateway/App Gateway→App Service(Origin)/AKS Ingress等へ切替。
    — WAFがAFDにある場合は、暫定的にApp GatewayのWAFを有効化して防御を確保。
    — 既存のTLS証明書のバインド(App Service/App GW)を確認、証明書が無ければKey Vault連携で即時発行・適用。
    ・注意:AFD固有のヘッダ/ルール依存(X-Forwarded-Host等)がある場合、アプリ設定で許容するか、App Gateway/NGINXでヘッダ補完。
  3. DNSトラフィックの地域分散・フェイルオーバー
    ・目的:一部リージョンや経路のみ不安定な場合に流量を健全側へ退避。
    ・手順:
    — Azure Traffic Manager/外部DNS(Route 53, NS1等)のフェイルオーバープロファイルを有効化し、健全性プローブで不良エンドポイントを自動切離し。
    — 重み付けルーティングで段階的に健康系へ比重を移す(たとえば 30%→60%→100%)。
    ・注意:プローブのタイムアウト/しきい値を一時的に緩和し、フラッピングを抑制。
  4. 代替リージョンへの一時フェイルオーバー(DR)
    ・目的:リージョン単位の障害時に業務継続。
    ・手順:
    — データ層:Geo-Replication(SQL Database/MIのAuto-failover group、Cosmos DBのマルチリージョン、Storage RA-GRS等)をセカンダリへ昇格。
    — アプリ層:セカンダリのApp Service/AKS/Functionsをスケールアウト。
    — エッジ:DNS/Traffic Managerのエンドポイントをセカンダリに切替。
    ・注意:整合性要件(RPO/RTO)を満たすか、書込を一時的にキューイングに切替。
  5. アプリケーション側の即応(タイムアウト・リトライ・キュー保全)
    ・目的:部分復旧中の“尾を引く”失敗を最小化。
    ・手順:
    — リトライは指数バックオフ+ジッタ、最大試行回数を制限(爆発的再送を防止)。
    — 外部呼び出しのタイムアウトを短縮(例:30→10秒)し、全体待ちのスレッド枯渇を防ぐ。
    — キュー(Service Bus/Storage Queue)滞留の監視とワーカーの一時増強。
    — Circuit Breakerを有効化/しきい値を一時的に保守的に。
    ・注意:ログレベルを一時上げる場合は高トラフィックでのストレージ逼迫に注意。
  6. Microsoft 365の業務継続策(利用者向け)
    ・目的:メール・会議・コラボの影響を最小化。
    ・手順:
    — クライアント再サインイン・キャッシュ再構築(Outlook/Teams)。
    — Web版(OWA/Teams Web)への迂回を周知。
    — 会議は音声ダイヤルイン等の代替手段を併記して招待を再送。
    — 重要部門には一斉連絡(社内ポータル・Slack/Teams)で現在の可用性と代替手順を明示。
  7. セキュリティとレート制御の一時運用
    ・目的:防御を維持しつつ可用性優先の暫定策を取る。
    ・手順:
    — WAF/Rate Limitは完全無効化ではなく、緩和(閾値引上げ・特定ルール除外)で対応。
    — Bot/クローラ流量を抑制、帯域・CPUの人為的圧迫を避ける。
    — 管理プレーン(Portal/CLI)が不安定でも、データプレーンの鍵や接続文字列はローテーションしない(復旧時の不整合回避)。
  8. 変更管理ルール(障害中の“やらないこと”)
    ・目的:二次障害を防ぐ。
    ・手順:
    — 大規模デプロイ/スキーマ変更/TLS入替/ネットワークACLの恒久変更は保留。
    — 監視・アラート設定の削除はしない(閾値は一時調整に留める)。
    — 根本原因が不明のまま恒久設定を上書きしない。暫定策は必ず巻き戻し計画を添付。
  9. 社外・社内コミュニケーション
    ・目的:問い合わせ・SLA対応の混乱を抑える。
    ・手順:
    — 影響開始・暫定策・現状可用性(%)・次の更新時刻を定型で告知。
    — 顧客向けはRCA提供予定・SLA影響の判定方針を明記。
    — 社内は当番と意思決定経路を一本化(司令塔1名、承認者1名)。
  10. 復旧後の巻き戻しと確認
    ・目的:暫定策の置き土産を残さない。
    ・手順:
    — DNS/Traffic Managerの重み・TTLを通常値へ戻す。
    — AFD/ゲートウェイの設定差分を比較し、不要な例外・緩和を撤回。
    — Synthetics・APMでエラーレート/遅延の“平常回帰”を確認し、キュー滞留を解消。
    — 変更履歴と時刻(UTC/JST)・影響・教訓をポストモーテムへ集約。