「喉から手が出る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「喉から手が出る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「喉から手が出る」という慣用句は、「非常に強く欲しがっている様子」や「どうしても手に入れたいと願っている状態」をあらわす言い回しです。あまりの欲しさに、喉の奥から手が伸びてくるような、現実には起こり得ない極端な表現を用いることで、強烈な願望や渇望を誇張して示す特徴があります。この言葉は、日常的な欲望だけでなく、切実さや焦燥感を含んだ強い気持ちをも表すことができるため、場面によっては感情の深さや本気度を表現するのにとても適しています。

例えば、貧しい生活の中で高価なものが欲しいときや、競争の激しい場面で目標やチャンスを掴みたい気持ちが強く表れる場合などに使われます。ただの「欲しい」では伝えきれないほどの思いが込められています。実際の会話では「喉から手が出るほど欲しい」などの形で使われ、「絶対に欲しい」というニュアンスを、言葉に勢いをつけて強調することができます。こうした意味合いは比喩的で、相手に強く印象づける効果があります。

英語ではこの感覚に近い表現として、“I want it so badly”や“I’m dying to have it”がよく使われます。より直訳的な表現に近いものでは“It’s like I want it so much, my hand reaches out from my throat”といった比喩を用いることもできますが、英語圏ではそのまま理解されづらいため、通常はより自然な言い回しに置き換えて伝えるのが一般的です。特に“I’m desperate to get it”や“I’d do anything to have it”などは、「喉から手が出る」ほどの強い願望を上手に伝える英語表現です。

喉から手が出るの一般的な使い方と英語で言うと

  1. 子どものころ、友達が持っていた最新のおもちゃが喉から手が出るほど欲しかったが、うちは買ってもらえなかった。
    (I wanted that brand-new toy my friend had so badly when I was a kid, but my parents couldn’t afford it.)
  2. 新卒で内定が出なかった頃、有名企業の求人情報を見て、喉から手が出るほどその仕事に就きたいと感じていた。
    (When I couldn’t get a job offer after graduation, I desperately wanted that position at a well-known company.)
  3. 彼が手にしている限定モデルの腕時計は、昔から喉から手が出るほど欲しかったものだったので、つい目が釘付けになった。
    (I couldn’t take my eyes off the limited edition watch he had—it was something I had been dying to own for years.)
  4. あの会議の席で発言のチャンスをもらえるなんて、喉から手が出るほど望んでいたことだから、本当に嬉しかった。
    (Getting the chance to speak in that meeting was something I had been hoping for so badly, so I was thrilled.)
  5. 海外の大学に留学することは、私にとって喉から手が出るほど実現したかった夢のひとつだった。
    (Studying abroad at that university was one of my dreams I wanted to achieve more than anything.)

似ている表現

  • 飛びつきたいほど欲しい
  • 目の色を変えるほど欲しい
  • 血眼になって探す
  • 夢にまで見るほど欲しい
  • 食らいつくように欲しがる

喉から手が出るのビジネスで使用する場面の例文と英語

この言い回しは、ビジネスの場でも用いることができますが、くだけすぎない程度に表現を調整する必要があります。主に、強く求めている案件やポジション、チャンスについて話すときに効果的です。営業や企画、交渉などでの強い意志や熱意をアピールしたい時にもよく使われます。

  1. あの大型案件は、わが社にとって喉から手が出るほど獲得したい取引でしたので、全力で提案に取り組みました。
    (That major project was something our company was eager to secure, so we put our full effort into the proposal.)
  2. 喉から手が出るほど欲しかった海外市場への参入権が、ようやく現実のものとなりました。
    (We finally gained access to the international market we had been desperately seeking for years.)
  3. あの業界トップの顧客と取引できる機会は、誰もが喉から手が出るほど欲しがる貴重なチャンスです。
    (That opportunity to work with a top-tier client is something everyone in the industry would love to get.)
  4. あの会議の講演枠は、喉から手が出るほど希望していたので、選ばれて本当に光栄です。
    (I was honored to be selected for that speaking slot, as it was something I truly hoped to get.)
  5. 喉から手が出るほど必要としていた人材が、弊社に加わってくださることになり、非常に心強いです。
    (We’re thrilled that the highly sought-after talent we needed so badly has decided to join our team.)

喉から手が出るは目上の方にそのまま使ってよい?

「喉から手が出る」という表現は、少々くだけた比喩的な言い回しであるため、目上の方や取引先に対してそのまま使うのは慎重になるべきです。会話の雰囲気によっては情熱や熱意を伝える良い手段になることもありますが、相手によっては言葉のインパクトが強すぎて、やや軽率な印象や子どもっぽさを与えてしまう可能性があります。そのため、ビジネス文書やメールなどの文章で使用する際には、より丁寧で落ち着いた言葉に置き換えることが望ましいです。

特に、初対面の相手や年配の方に対して使うと、「言葉の選び方が雑だ」「配慮に欠ける」と感じられることもありますので注意が必要です。相手に敬意を示したい場合や、ビジネスの場で真剣な話をしている際には、「非常に望んでおります」「心より願っております」など、落ち着いた丁寧な言葉で代用する方が誤解を避けられます。

  • 砕けた印象を与えるため、公式な場面には不向きである
  • 強すぎる願望が押し付けがましく伝わる可能性がある
  • 丁寧語や謙譲語に置き換えて伝えるほうが好印象
  • 誤解や軽率さを防ぐため、目上には使用を控える
  • 相手によって受け取り方に差が出るため注意が必要

喉から手が出るの失礼がない言い換え

  • 心より切望しております
  • かねてより強く望んでおります
  • 実現に向けて強い関心を抱いております
  • 何としてでも実現させたいと存じております
  • 以前より非常に関心を寄せておりました

適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?

書き出し

  • 以前より貴社の取り組みに深い関心を抱いており、このたびはご連絡の機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
  • 常日頃より御社の活動には注目しており、ぜひとも関わらせていただきたいと願っておりました。
  • 平素よりお世話になっております。このたびは貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。
  • 御社の取り組みに感銘を受け、今回の機会をいただけましたことを大変光栄に存じております。
  • 以前より御社とのご縁を強く望んでおりましたので、本件に関しご連絡差し上げた次第です。

締めの挨拶

  • 最後になりますが、本件に関し前向きにご検討いただけますと大変ありがたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 末筆ながら、今回のお話が良い方向に進むことを心より願っております。ご不明点等ございましたらいつでもご連絡くださいませ。
  • ご多忙のところ恐縮ですが、ぜひともご一考いただけますようお願い申し上げます。引き続き何卒よろしくお願いいたします。
  • 誠に勝手なお願いとは存じますが、前向きなご返答をいただけますと幸いです。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 以上となりますが、本件についてご意見を賜れますと幸甚に存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

注意する状況・場面は?

「喉から手が出る」という表現を使う際には、その言葉が持つ強い感情ややや演出がかったニュアンスが、受け手にどう伝わるかをよく考慮する必要があります。この言い回しは、強い願望を表すにはとても便利ですが、その強さが時に「必死すぎる」「欲が深い」といったネガティブな印象を与えることがあります。特に、公的な場やビジネス文書、メールで使う場合は注意が必要で、場にそぐわない言い方だと判断される恐れがあります。また、関係性が浅い相手や、年上・役職が上の相手に使うと、敬意に欠けていると取られる場合もあります。

  • 目上の方との初めてのやり取りでは避けるべき
  • 提案やお願いの際、誠意を伝えたい場合には適さない
  • 感情的に聞こえる恐れがあるため、落ち着いた表現に変更する
  • 文書やメールでは誇張を控えた丁寧な言い回しにすること
  • 誤解を避けるため、直接的な場面での使用に注意

細心の注意払った言い方

  • 以前より大変関心を持っておりました本件につきまして、ぜひとも御社と前向きなお話ができればと存じます。
  • 本件につきましては、以前より関心を寄せており、可能であればご相談の機会をいただけますと幸いです。
  • このたびの案件については、かねてより強い関心を持っており、真摯に取り組む所存でございます。
  • 御社の取り組みにはかねてより注目しており、今回のご縁を非常に大切に感じております。何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 本件の内容につきましては、社内でも高い期待を寄せており、ぜひとも前向きな協議ができればと考えております。

喉から手が出るのまとめ・注意点

「喉から手が出る」という表現は、非常に強い欲望や願望を表す印象的な慣用句です。その語感や比喩の力によって、ただ「欲しい」と言うよりもはるかに強烈な印象を相手に与えることができます。その一方で、言葉の持つ勢いが過剰に感じられることもあり、使う場面や相手には十分な注意が必要です。特にビジネスの場では、丁寧さや節度ある言葉遣いが求められるため、相手に対して誤解や不快感を与えないよう、言い換えや言葉選びには慎重になる必要があります。日常会話やカジュアルな場面では使いやすい表現ではありますが、正式なやり取りでは、落ち着いた丁寧な言い回しに置き換えることで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。「喉から手が出る」という言葉の強さを活かしつつ、相手の立場を尊重した言葉遣いを心がけることで、誠実さと熱意が両立した言い回しが実現します。使い方次第で、相手に強い印象を与える言葉になる一方、場違いな使い方をすると信頼を損なう危険もありますので、その点は十分に注意し、状況に応じた選択を心がけることが大切です。