毒親はどうして謝らないのか?謝れない
毒親とは、子どもの成長や自立を阻み、心に大きなダメージを与えるような親のこと。たとえば、過干渉や暴言・暴力、子どもの人格や意思を認めない態度などが代表的ですが、“ミスや過ちを指摘されても絶対に謝らない”という特徴を持つ親も少なくありません。
「謝らない親」ってどういう状態?
親が何かしらの失敗や不適切な行動をしていても、子どものほうが「おかしくない?」と訴えると、「うるさい!」「親に逆らうな!」と逆ギレするだけで、謝罪の言葉が出てこない……。これが日常化していると、子どもは「どうしてこんなに謝らないの?」「私が悪いわけじゃないのに」と混乱し、ストレスがたまります。親からすれば、「自分は間違ってない」「子どものせいでこうなった」と思いこんでいるケースも多いようです
なぜ毒親は謝らない?――心理的背景と理由
「子どもが明らかに傷ついてるのに、なんで謝ってくれないの?」と疑問に思う方は多いはず。以下では、毒親がなかなか謝ることができない理由をいくつかの視点から解説します
自分を守るための防衛本能
“親が間違うはずがない”という自己防衛 親として「子どもに教える立場」だからこそ、失敗や間違いを認めたくないという心理があります。自己肯定感が低い親ほど、“自分が悪かった”と認めるとプライドが崩れるので、謝る代わりに子どもを責めたり、話をそらしたりするのです。
コントロール欲・支配欲の強さ
謝ったら“子どもに主導権を握られる”と思い込んでいる 毒親は、“自分こそが正義”“子どもを支配すべき存在”と考えていることが多いため、謝罪は「子どもに負ける」というイメージを抱きがち。結果、どれだけ自分が悪くても、“負け”を認めるようで嫌なのです。
自己愛やナルシシズムが強い
“自分大好き”で、“自分を貶める要素”を否定したい 「私は素晴らしい親」「こんなに頑張ってる私に間違いなんてあるわけがない」という意識が強いので、謝るどころか「子どもが悪い」「周りが悪い」と他責志向になり、反省を避ける場合が多い。
過去のトラウマや劣等感
“親自身の傷”を認めることが辛すぎる 親が実は自分の親から毒親的な育てられ方をされており、同じパターンを踏襲しているケースも。もし自分の間違いに気づくと、自分の過去やトラウマが刺激されるため、無意識に謝罪を拒んでしまいます。
「毒親は謝らない、自分大好き」あるあるチェックリスト
以下の項目を読んでみて、当てはまる数が多いほど、あなたの親は「絶対に自分を悪く言わない」「謝らない毒親」の可能性が高いかもしれません。3〜5個で要注意、7〜8個以上当てはまればかなり深刻と言えそうです。
- 親が子どもに何か理不尽なことをしても、「私が悪いわけがない」と言い張る。
- 家族や周りが「それは違うんじゃない?」と指摘しても、絶対に譲らないし謝らない。
- 「だって私が正しいもの」と根拠なく自信満々。自分への評価が異様に高い。
- “親なのに謝るわけない”という空気を醸し出し、“子どもが大人になれ”などとすり替えられる。
- エピソードや証拠を示して「ここが悪かったよね」と言っても、「そんなの知らない」で終わり。
- 子どもを傷つけた事実を伝えても「被害妄想でしょ?」「大げさなだけ」と逆に責める。
- 親自身が得意げに「私がいないとダメでしょ」と言いふらしているが、具体的に何をしてるかわからない。
- 子どもが親のミスをフォローしたりカバーしたりしても、「当たり前でしょ」と感謝ゼロ。
- 周囲からの指摘に対して「私ほどいい親はいないわよ」と胸を張る。子どもが反論しても耳を貸さない。
- “過去に自分がやった”ミスや失敗はなかったことのように扱い、むしろ子どもの小さなミスを責め続ける。
- 家族が「一緒にごめんなさいしようよ」と提案しても「何で私が?」と拒否する。
- SNSや他人の前では“謙虚なフリ”をするが、家族には一切謝らない二重人格的態度。
- “子どもに育ててもらった”感覚がなく、“子どもは私の成果物”と本気で思っている節がある。
- 親が“自分をほめてくれる人”ばかり大事にし、正しい指摘をする人には激怒。
- 大きなトラブルがあっても、「子どもが悪いから私が怒っただけ」と主張し、反省の色なし。
謝らない毒親とどう向き合うか
親がどうしても謝らない性格を持っていると、子ども側からのアプローチだけでは解決が難しい場合が多いです。それでも、少しでも衝突を和らげ、自分の心を守るための方法をいくつか紹介します。
深い議論を避け、受け流す
“勝とう”とせず、自分が消耗しない道を選ぶ 謝罪を求めても「私は悪くない」の一点張りなら、話し合いが成立しないことがほとんど。そこを無理に突っ込むと、親の感情が爆発し、さらにストレスが増すだけかもしれません。ときには相手を立てるフリをしつつ、自分のやりたいことを続けるのも手です。
距離を保つ、接触頻度を減らす
同居なら別居を考え、近距離なら訪問回数を抑える 親子関係では辛い決断かもしれませんが、親が絶対に謝らず、常に子どもを苦しめるなら、物理的距離を取るのが効果的。連絡を最小限にし、自分の生活やメンタルを守る手段を確保しましょう。
周囲の協力や専門家に頼る
家族や友人、カウンセラーと話して心の負担を軽減 「家でこんな状態なんです」と一人で抱えずに誰かに共有することで、毒親の言動に対して客観的な視点を得ることができます。専門家に相談して、親の性格傾向を解きほぐすアドバイスを受けるのも選択肢。
必要以上に期待しない
“親がいつか分かってくれるはず”と期待しすぎると自分が疲れる 親が変わるには、本当に親自身が心から「変わりたい」と思わない限り難しい場合が多いです。子どもは“何とかなる”と期待しすぎず、自分の人生や幸せを守る方向にエネルギーを注ぐのが賢明でしょう。
毒親が「自分大好き」で謝らないことに関する疑問
Q1. 親が少し反省しそうになると、すぐ話題をそらすのはなぜ?
A. 自己否定に耐えられないからです。認めてしまうと“自分が間違っていた”ことを受け止める痛みが大きいので、別の話題や子どものミスを引き合いに出して、謝罪を回避しているのです。
Q2. 「でも親を褒めてあげれば仲良くできそう。間違ってるのに褒めるのはアリですか?」
A. その方法で一時的に家の空気が和むかもしれませんが、長期的に見るとあなた自身がストレスを抱えやすい。親を“ちょっと褒める”テクは悪くありませんが、全てを受け入れ続けると自分の感情が置き去りになりかねません。
Q3. 親が謝らないのに、子どもに「早く謝れ」と強要してくるのは矛盾でしょ?
A. まさに毒親の特徴的矛盾です。自分は絶対に謝らないのに、子どもや周囲には謝罪や反省を求める――支配欲と自己正当化が見え隠れします。こういうケースでは深入りせず、メモや記録を取りつつ、信頼できる人と情報共有するのが無難です。
Q4. どうしても親に謝ってほしいけど、無理なんでしょうか?
A. 親が本気で自分の間違いを認める意志があれば別ですが、多くの場合、毒親は謝罪を回避する傾向が強いです。もし謝罪を引き出せても、本心からの反省でなく“表面的な謝罪”にとどまるかもしれません。正直、親を変えるよりも自分をどう守るかを優先したほうが建設的でしょう。
「毒親は謝らない…」対策
「毒親ってどうして謝らないの?」「なんでこんなに自分大好きで困るの?」――それは、親自身が自分を否定することに耐えられず、防衛本能やコントロール欲、自己愛の強さなどが絡んでいるからと考えられます。結果として、子どもからすると「どんなに酷いことをされても、一切謝られない」と不満や悲しみが大きくなるわけです。
あるあるチェックで客観的に把握
「うちの親、まさにこれ」と感じる項目が多数あれば、あなたの苦痛は十分に“本物”。親の問題行動に対する認識を深めることで、自己否定や混乱から一歩離れるきっかけになるかもしれません。
親を変えるより自分を守る
毒親が自分を否定しない限り、謝罪を得るのは難しいのが現実。「謝ってほしい」と求め続けるより、自分のメンタルや生活をどう安定させるかにフォーカスしたほうが賢明です。距離をとる、記録を残す、カウンセリングを受けるなど、自分を救う行動を少しずつ重ねてみましょう。
完全な理解や和解を無理しない
毒親に対して「いつか謝ってくれるはず」と期待しすぎると、逆に傷つくことも多いです。もし親が心から変わりたいと思うなら、その兆しを見逃さずサポートしてあげるのはいいでしょう。でも、それまでにあなたが苦しむ必要はありません。自分の感情を大切にしながら、生きやすい関係や環境を模索してみてください。
おわりに
「毒親はなぜ謝らない?」「自分大好きで困る」という悩みは、親子関係の中でも非常に根深いテーマです。親が謝らないのは、“自分を悪いと認めたくない”心理や“コントロール欲の強さ”などが原因であることが多く、子どもがいくら正論をぶつけても、無駄に終わってしまう場合が少なくありません。
もし今回のあるあるチェックで該当項目が多いなら、あなたの苦しみは十分に正当です。無理に親の謝罪を引き出そうとするよりも、まずは自分の生活や心を守る工夫をし、親からの干渉や言動に振り回されないようにするのが得策でしょう。必要ならば物理的・心理的距離を置いたり、周囲のサポートを得たりすることも忘れないでください。