シリウスはハリーの名付け親だったの?どういう関係?

シリウスはハリーの名付け親だったの?どういう関係?

ハリー・ポッターシリーズの中で、「シリウス・ブラック」はただの脇役じゃありません。彼はハリーの「ゴッドファーザー」、つまり名付け親。けれど、その言葉だけでは語りきれない、もっともっと深い絆がありました。

彼が名付け親になったのは、ジェームズとリリーが息子を授かった時、ふたりが心から信頼していたのがシリウスだったから。ゴドリックの谷での静かな生活の中、彼らは“いざという時”を考えて、息子の名付け親にシリウスを選びました。ただの形式じゃなく、命を守る覚悟を込めた選択でした。


小説を読むと見えてくる「父のような存在」としてのシリウス

『アズカバンの囚人』で初めてちゃんと登場したシリウス。最初はただの“脱獄犯”としか思えなかったけど、真実が明かされるたびに、彼のことをどんどん好きになっていった人も多いはず。

ダンブルドアですら「真実を知るまでは信じなかった」彼を、ハリーは本能で信じました。シリウスはそれに応えるように「一緒に暮らそうか」とまで言ってくれます。子どもにとって、「家に帰る場所がある」と言われることがどれだけ大きな希望になるか…。それまでダーズリー家で心を閉ざしていたハリーにとって、その一言はまさに「世界が変わる」瞬間だったと思います。


映画ではちょっとだけ描かれたけど、本当はもっと濃かった絆

映画でもシリウスはかっこよく登場して、ハリーにとって大事な人になっていく流れはちゃんと描かれています。でも、映画はどうしても時間の制限があるから、小説で描かれていたような、心が震えるような会話や気持ちの重なりは、ちょっと足りないと感じた人も多かったのでは?

たとえば、小説でのシリウスは「親代わり」として、ハリーに無理にアドバイスしたりしません。友だちのように話を聞いてくれて、ときには「大人」として守ってくれる。あの微妙な距離感って、実の父ではないからこそ出せたもの。映画ではその深さがほんの少ししか表現されなかったことが、すこし残念です。


『呪いの子』では…シリウスの名前は出る?出ない?

『ハリー・ポッターと呪いの子』では、過去の登場人物たちの名前がたくさん出てきます。けれど、シリウスの登場はありません。ただ、ハリーの中に彼が生きているという描写は感じ取れます。

ハリーは息子に「アルバス・セブルス」という名前をつけました。もしシリウスがもっと長く生きていたら、彼の名前もその中に入っていたかもしれません。シリウスの死は、ハリーにとって「本当の父親をまた一人失った」くらいの痛みだったからです。死んだあともずっと、彼はハリーの中で「家族」であり続けているんですよね。


原作者ローリングの考えは?なぜこんなに早くシリウスを死なせたの?

多くのファンが「どうしてあのタイミングでシリウスを死なせたの?」って思ったはずです。彼はまだまだハリーのそばにいてあげてほしかった。でも、原作者のJ.K.ローリングは何度も語っています。「ハリーが本当に一人で立ち上がるためには、誰かに頼る場所を全部失わせる必要があった」と。

それはとても残酷な選択。でも、そのことでハリーは「ただの少年」から「闇に立ち向かう魔法使い」に変わっていきます。シリウスの死は、ストーリーの転機。そして何より、彼の存在が「ずっとハリーの中に生き続ける」ことこそが、愛の証だったのかもしれません。


「家族じゃないけど、家族だった」――血のつながりより強い絆

シリウスとハリーは、血のつながりがあるわけではありません。でも、ハリーにとって彼は「家族より家族らしい人」でした。ダーズリー家では愛されずに育ったハリーが、はじめて「自分のことを心から信じてくれる大人」と出会ったのがシリウスだった。

彼は「親友の子だから」と言うだけで、全力でハリーを守ろうとし、ハリーもまた「父を思わせる存在」として彼を慕いました。その関係は、言葉では言い表せないほど深くて、切なくて、だからこそ美しい。

シリウスとリリーって仲悪かったの?

ジェームズをめぐる友情とすれ違いのなかにあった真実


最初は、リリーはシリウスが嫌いだった――それははっきり描かれている

リリー・エバンズとシリウス・ブラックの関係は、ハリー・ポッターの物語のなかでもあまり語られていません。でも『不死鳥の騎士団』でスネイプの記憶に登場するホグワーツ時代の場面を見れば、リリーがマローダーズ(ジェームズ、シリウス、リーマス、ピーター)の「いじめっ子っぽさ」に嫌気を感じていたことがわかります。

特に、シリウスとジェームズがスネイプに対してやっていたこと――あれを目の前で見せられて、リリーが怒るのは当然でした。彼女は魔法が得意でも、心はすごく優しくてまっすぐな人。力を誇るようなふるまいは、嫌いだったと思います。

シリウスは、そんな彼女のことを「うざい」と思っていたかもしれません。でも、彼自身もまたリリーのことを「ジェームズを変えていった存在」として、心の奥ではちゃんと認めていたのかもしれません。


ジェームズが変わっていった――それはリリーの影響であり、シリウスにとってはさびしい変化だった

ジェームズは最初、シリウスとつるんで「やんちゃ坊主」のままでした。けれど、リリーと本気で向き合い始めてからは、次第にふざけるだけの男じゃなくなっていきます。誠実さ、責任感、仲間を思う気持ち――それまでの彼にはあまり見えなかった面が、どんどん見えるようになっていきます。

この変化は、リリーと結ばれるために必要だったことでもあり、ジェームズの成長そのものでした。でも、シリウスにとっては、幼いころから一緒にいた「無敵の親友」が、大人になって遠くへ行ってしまうような気持ちだったかもしれません。

リリーは悪くない。でも、「リリーが来てからジェームズが変わった」と無意識に感じていたとしたら――そこにちょっとした距離感や、すれ違いの種があっても不思議じゃありません。


戦友としてのリリーとシリウス――不器用な信頼があった

やがて、リリーとジェームズは結婚し、シリウスは名付け親に選ばれます。これは、リリーが「シリウスを信頼していた証拠」です。昔の嫌悪感が消えたというだけじゃなく、「息子を託せる相手」として彼を選んだという事実。それは、言葉以上に重い信頼です。

二人の関係は、「友だち」ではなかったかもしれない。でも、「同じ目的のために戦う仲間」としての絆がそこには確かにあったはず。純血主義と戦い、ヴォルデモートに立ち向かう中で、互いに命を預けるような時間も過ごしたのです。

戦争中の仲間というのは、家族よりも強い信頼が生まれることもある。そういう“家族じゃないけど家族”という関係が、リリーとシリウスのあいだにも存在していたと考えると、少し切なくて、でもあたたかいです。


「リリーのために復讐する」――それがシリウスの怒りの原動力だった

ジェームズとリリーが殺されたあと、シリウスはピーター・ペティグリューを探して怒りを爆発させます。その怒りはジェームズの死だけでなく、「リリーも守れなかった」自分への怒りでもあったと思います。

リリーが最後までハリーを守って死んだという事実は、シリウスの中でも相当重くのしかかっていたはずです。なぜなら、リリーを名付け親としても受け入れた時点で、彼は「この家族を守る」と心に決めていたから。

守れなかった。止められなかった。リリーのあの献身的な死に対して、シリウスはどこかで「自分は何もできなかった」という悔しさを抱えていたのではないかと思います。


仲が良かったとは言えないけど、大事な絆はちゃんとあった

シリウスとリリーは、最初から「ウマが合った」わけじゃありません。性格も価値観も全然違いました。でも、大切な人――ジェームズを通して、お互いを知り、理解し、戦い抜いた仲間として、ちゃんと信頼関係を築いていった。

その関係は、親友の奥さんとしてのリリー、そして子どもの命を託してくれた母としてのリリーに対して、シリウスなりの“尊敬”や“責任感”があった証です。だから、ふたりの関係は、「仲が良い・悪い」では語れない、深くて複雑な、でも確かな絆だったと思います。