蓋然性(がいぜんせい)
読み方
がいぜんせい
意味
ある事柄が実際に起こる可能性や確実さの度合いを指します。確率的に考えられる事象の発生の見込みや、事実である可能性を論じる際に用いられる言葉です。日常的な「可能性」という表現よりも、論理的・客観的なニュアンスが強い言葉です。
語源
「蓋(けだし)」は「多分」「おそらく」という意味を持ち、「然(そのようである)」と組み合わさって、「そのようである可能性が高い」という意味を表すようになりました。
言い換えると
- 可能性
- 確率
- 起こりうる見込み
- 信憑性
使用する注意点
- 専門的な分野(論理学、統計学、法学など)で使用されることが多く、日常会話ではあまり使われません。
- 文脈によっては難解な印象を与えるため、適切な説明を伴う方が良い場合があります。
目上の方に使える言葉?
目上の方にも使用できますが、専門的な文脈で使用する場合に限ります。代わりに「可能性」「見込み」といった一般的な言葉に言い換えると分かりやすいことがあります。
ビジネスで適した例文
- このプロジェクトの成功には高い蓋然性があると判断しました。
- 市場の動向を分析し、成長の蓋然性が高い分野に投資する方針です。
- リスクを最小限に抑えるため、失敗の蓋然性を慎重に評価する必要があります。
- 商品開発の成功蓋然性を高めるためには、より具体的な市場調査が必要です。
- この提案が承認される蓋然性について、データをもとに説明いたします。
どういう場面で使う言葉?
- 事象が発生する可能性を論理的に説明する際
- ビジネスや学術的な場面で、確率的な見込みを示す場合
- 法律やリスク管理の文脈で、客観的な見解を述べる際
使用した例文を5例
- 新規事業の成功蓋然性について、詳細なレポートを提出しました。
- 気象予測では、この地域での雨の蓋然性が非常に高いとされています。
- 裁判所は証拠の蓋然性に基づいて判決を下しました。
- 今回のキャンペーンの結果が良好である蓋然性は、過去のデータからも明らかです。
- 失敗の蓋然性を事前に評価し、対策を講じることが重要です。
失礼に当たる使い方
- 相手にとって不利な可能性を断定的に述べる場合、冷たい印象を与える可能性があります。
- 専門用語を過剰に使用し、分かりにくい表現になる場合。
- 日常的な文脈で難解な言葉として使い、誤解を招く場合。
英語で言うと?
“Probability”(確率)や “Likelihood”(見込み)が適しています。
どうしてその単語になったか
“Probability” は数学的・論理的に確率を示す際に使われ、”Likelihood” は可能性や見込みを示す一般的な表現で、「蓋然性」の意味に対応します。
英語での使用例
- “The probability of success for this project is high.”
(このプロジェクトが成功する蓋然性は高い。) - “We need to assess the likelihood of failure before proceeding.”
(進める前に失敗の蓋然性を評価する必要があります。) - “The likelihood of rain tomorrow is estimated at 80%.”
(明日の雨の蓋然性は80%と予測されています。) - “The court considered the probability of the defendant’s guilt.”
(裁判所は被告の有罪の蓋然性を考慮しました。) - “Our analysis shows a high probability of market growth in this sector.”
(この分野の市場成長の蓋然性が高いことが、私たちの分析で示されています。)