「あからめ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「あからめ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

古典での「あからめ」は、意識的に目をそらすことや、愛しい相手をよそに見る行為、あるいは一時的に他人に心が移る様子を指します。特に和歌や物語では、情愛や関心の移ろいを表現する繊細な語として重要視されました。一方、近世以降の「あからめ」は、目をそらすことに加え、はっきりとした嫌悪や照れ隠しなど、日常感情の動作に関連付けて用いられるようになります。時代劇などでは、男が女から目を逸らされて狼狽する場面、もしくは無関心の演出として使われることも多く、情緒的なニュアンスは薄れています。

一言で言うと?

  • 古典:意図的によそを見る=to avert one’s gaze with intention
  • 近世:そっけなく目をそらす=to glance away coldly
  • 現代:無視や関心の欠如=to avoid eye contact or show disinterest

あからめの一般的な使い方と英語で言うと

  • 昨日の件を思い出したのか、彼女は私と目が合った瞬間にあからさまにあからめをしました。
  • (She must have remembered yesterday, as she very obviously averted her gaze the moment our eyes met.)
  • 上司の一言に恥ずかしさを感じたのか、彼は急にあからめをして目を伏せました。
  • (Embarrassed by his boss’s comment, he suddenly looked away in a clear sign of shyness.)
  • お客様の質問に即答できなかったことで、営業担当は焦ってあからめをしながら答えを濁しました。
  • (Unable to respond to the customer’s question, the salesperson hastily averted his gaze and gave a vague answer.)
  • 過去の失敗について問われた際、彼女はあからめもせずに正面から事実を受け止めていました。
  • (When asked about her past mistakes, she accepted the truth head-on without averting her gaze.)
  • その話題になると、彼は決まってあからめをして話を逸らそうとします。
  • (When that topic comes up, he always averts his gaze and tries to change the subject.)

似ている表現と失礼がない言い回し

  • 視線を外す
  • 目を逸らす
  • 関心を示さない
  • 顔を背ける
  • 視線を落とす

性格や人格として言われた場合は?

あからめという語を人格描写に使う場合、「人と正面から向き合うのが苦手」「感情を表に出しづらい」「恥ずかしがりである」といった内向的な印象を与えます。特に恋愛関係や人間関係において、自分の気持ちを表すよりも視線を避けることで感情を隠す性格とされる場合が多いです。したがって、控えめで繊細な性格を指して「あの人はすぐにあからめるような人だ」と述べると、ある種の奥ゆかしさを含んだ評価になることもあります。

あからめのビジネスで使用する場面の例文と英語

  • 本件についてのお詫びを申し上げた際、先方はあからめをなさっており、ご不快の念を抱かれたと推察いたしました。
  • (When I apologized for the matter, the other party averted their gaze, suggesting they may have felt displeased.)
  • 会議中に先方が急にあからめをなさったため、発言内容が不適切であったかと懸念しております。
  • (During the meeting, the client suddenly looked away, making me worry that my remark might have been inappropriate.)
  • 弊社の提案に対し、御社ご担当者様があからめをされたご様子でしたので、再検討が必要と判断いたしました。
  • (Your representative seemed to avert their gaze at our proposal, so we concluded that reconsideration is necessary.)
  • ご説明中にお客様があからめをされていた点を踏まえ、内容の分かりやすさに課題があったと反省しております。
  • (Noting the customer averted their gaze during the explanation, we reflected on the clarity of our message.)
  • 打合せ中、先方のご担当者があからめをされましたため、対応方法に再検討の余地があると存じます。
  • (As the client’s representative averted their gaze during the discussion, we believe there may be room to review our approach.)

あからめは目上の方にそのまま使ってよい?

あからめという語はもともと感情や反応の描写として柔らかく用いられる傾向がありますが、目上の方に対してそのまま使うと、無遠慮な印象や不敬と取られる可能性があります。特に「あからさまに目をそらした」といった表現は、失礼に受け取られるおそれがあるため、控えるべきです。ビジネスや敬語の場面では、相手の仕草や態度を直接的に述べること自体が望ましくない場合があるため、より婉曲的な表現を選ぶことが求められます。あからめを用いたい場面でも、「目を伏せられた」「ご表情に変化が見られた」といった間接的な語彙を使うほうが好まれます。

  • 敬語では「ご視線を外されたご様子」といった表現に改める
  • 相手の動作は描写を控えめにし、推察の形を取る
  • 感情を指摘するよりも、「ご不快に思われたようです」と配慮を示す
  • 言い換えとして「ご反応に変化があったように見受けられます」とする
  • ビジネス文では原因を自分側に置いて婉曲に説明する

あからめの失礼がない言い換え

  • 本件についてご説明申し上げた際、先方がご視線を外されたご様子を拝見いたしました。
  • ご提案の直後にお客様のご反応に変化が見受けられた点、慎重に再確認いたします。
  • ご案内時に相手先の方が目を伏せられたことから、内容のご理解に不十分があったかと存じます。
  • 先方がご視線をそらされた場面を拝見し、説明の仕方に配慮が欠けていたと深く反省しております。
  • お打合せ中、ご表情に変化がございましたことを受け、今後はより丁寧なご対応を心がけます。

注意する状況・場面は?

あからめは一見穏やかな語にも見えますが、使い方を誤ると相手の感情や態度を断定的に語ることになり、不快感や誤解を招く恐れがあります。特に対人関係においては、視線をそらすという行為が「無視された」「不快に思われた」と受け取られることがあるため、慎重な扱いが求められます。また、ビジネスでは相手の感情をあまりにも明示的に描写することは配慮を欠く行為と見なされやすいため、敬語表現を選んで婉曲に述べるようにすべきです。

  • 相手の感情や反応を断定的に語らない
  • 目上や取引先には直接的な描写を避ける
  • 恥ずかしさ・無関心・怒りなどの感情を読み取る際には推察の形をとる
  • 「あからめをした」と言い切ることは避け、「そのように見受けられた」などの表現を使う
  • 人間関係や信頼を損なわないよう慎重に配慮する

「あからめ」のまとめ・注意点

あからめは古典においては恋愛感情や心の揺れを繊細に表現する重要な語であり、目をそらすことによって相手への思いを示したり、内心の変化を描く手段とされました。近世以降は感情の動きとしての描写にとどまり、恥ずかしさ・無関心・戸惑いなどの感情を目線の動きで表す際に使われるようになります。現代でもこの語は文学的な文脈や時代劇などで耳にする機会がありますが、日常会話やビジネスにおいてはあまり一般的ではありません。特に職場や取引先で用いる場合、相手の態度や感情をあからさまに語るのは失礼と受け取られるおそれがあるため、敬語表現や間接的な言い回しを用いるよう注意が必要です。文章中で使う際も、相手の気持ちや動作を決めつけず、「そのように見えた」「ご様子から拝察するに」といった慎重な表現が望まれます。特にメールや文書では丁寧で配慮のある言い換えが必須です。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。