踵を返す(きびすをかえす)
読み方
きびすをかえす
意味
その場で後ろを向き、すぐに引き返すことを意味します。比喩的には、決断を変えたり、態度を急に変えることを表現する場合にも使われます。
語源
「踵(きびす)」とはかかとのことで、「返す」とは方向を変えることを指します。文字通り、かかとを軸にして身体の向きを変える動作を表現しています。この行動が、急いで戻る様子や態度の急変を比喩的に表す言葉となりました。
言い換えると
- 振り返る
- 引き返す
- 方向転換する
- 方針を変える
使用する注意点
- 具体的な動作を表す場合と比喩的な意味で使う場合があるため、文脈を明確にする必要があります。
- 比喩的な使い方では、態度や方針の急な変更を強調することがあるため、相手にネガティブな印象を与えないよう注意が必要です。
目上の方に使える言葉?
目上の方に対しても使用できますが、比喩的なニュアンスで「態度を急に変えた」と指摘する場合は、失礼に当たる可能性があるため注意が必要です。
ビジネスで適した例文
- 不足の事態に気づき、踵を返してプロジェクト計画を見直しました。
- 新たな市場の動向に合わせ、踵を返すように戦略を変更しました。
- クライアントの意向を確認し、踵を返して提案内容を修正しました。
- 会議の結論を受けて、踵を返し、業務の優先順位を再検討しました。
- トラブルを察知し、踵を返して対応に向かいました。
どういう場面で使う言葉?
- 急いで戻る行動や決断を描写する場面
- 計画や方針を急に変更した際の説明に使用する場合
- 思い直しや方向転換を強調したい場面
使用した例文を5例
- ミスに気づき、踵を返して作業をやり直した。
- 彼は急用ができて踵を返し、オフィスに戻っていった。
- 計画が不適切だと判断し、踵を返して新しい案を考えた。
- 彼女は突然態度を変え、踵を返すようにその話題を避けた。
- トラブル発生の知らせを受け、踵を返して現場に向かった。
失礼に当たる使い方
- 急な態度の変更を皮肉として使い、相手を非難する場合。
- ネガティブな印象を伴う文脈で使用し、相手の行動を揶揄する場合。
- 比喩的に使用する際に誤解を招く表現となる場合。
英語で言うと?
“Turn on one’s heels”(急に引き返す)や “Change course”(方針を変える)が適しています。
どうしてその単語になったか
“Turn on one’s heels” は文字通りかかとを使って向きを変える行動を表し、”Change course” は方針や態度の急な変更を示すため、「踵を返す」のニュアンスに合致します。
英語での使用例
- “He turned on his heels and left the room without saying a word.”
(彼は踵を返して部屋を出ていった。) - “After hearing the news, she turned on her heels and rushed back to the office.”
(その知らせを聞いて、彼女は踵を返しオフィスに急いで戻った。) - “The company changed course to adapt to the new market trends.”
(その会社は新たな市場の動向に適応するため方針を変更した。) - “Realizing the mistake, he turned on his heels and apologized immediately.”
(ミスに気づき、彼は踵を返してすぐに謝罪した。) - “The sudden change in their strategy was like turning on their heels.”
(彼らの戦略の急な変更は、踵を返すようなものであった。)