杞憂(きゆう)とは?
単語
杞憂
読み方
きゆう
意味
「杞憂」とは、実際には心配する必要のないことについて、無用な不安や取り越し苦労をすることを意味します。この言葉の由来は、中国の古代国家・杞(き)の人が「天が落ちてくるのではないか」と心配したという故事から来ています。
言い換えると
- 無用な心配
- 取り越し苦労
- 過剰な不安
- 不必要な懸念
- 懸念しすぎ
目上の方に使える言葉?
はい、「杞憂」は目上の方に対しても使用できる言葉ですが、相手の意見や心配を軽視するように聞こえる場合もあるため、慎重に使う必要があります。たとえば、「ご懸念は杞憂に終わる可能性が高いと考えます」のように、丁寧に補足する表現が望ましいです。
どういう場面で使う言葉?
無用な心配を指摘する場面
「その懸念は杞憂に過ぎないと考えています。」
「心配されていた問題は、杞憂に終わりました。」
冷静な判断を促す場面
「現時点では、過剰な懸念は杞憂に終わる可能性があります。」
「データに基づけば、それは杞憂であると言えるでしょう。」
自分の心配が不要だったと述べる場面
「私の心配は杞憂に終わり、無事にプロジェクトが完了しました。」
「新システム導入に伴う不安は杞憂でした。」
問題の可能性を否定的に評価する場面
「このリスクに関する議論は杞憂に過ぎないかもしれません。」
「おそらく、それは杞憂として片付けられるでしょう。」
学術的・哲学的な議論の中で
「過去に起きなかった災害を懸念するのは、杞憂と言えるでしょう。」
「歴史的事例を俯瞰すると、技術の進歩に伴う懸念は杞憂であることが多いです。」
注意点
- 相手を軽視しない配慮を心がける
「杞憂」という言葉を使うと、相手の意見や懸念を軽んじている印象を与える可能性があるため、「おそらく杞憂かと思いますが」といった柔らかい表現を添えるのが良いでしょう。 - 具体的な説明を添える
杞憂であると判断する理由や根拠を示すことで、相手に納得感を与えられます。たとえば、「最新のデータでは、その可能性が非常に低いことが分かっています」といった形で説明を加えます。 - ポジティブな結論を伝える
「杞憂」という言葉を使う際には、「結果的に問題ありませんでした」という明るいニュアンスを添えると、相手に安心感を与えやすくなります。 - フォーマルな文脈で適切に使用する
「杞憂」はやや硬い表現のため、ビジネスや学術的な文脈に適しています。日常会話では「心配しすぎ」「大丈夫」といった平易な表現を使う方が自然です。