SharePointで「内部ユーザー」とファイルを共有する方法
SharePointは、チームや組織内で情報を共有し、共同で作業を進めるための非常に強力なツールです。特に「内部ユーザー」、つまり皆さんの会社や組織に所属しているメンバーとのファイル共有は、日々の業務で頻繁に行われることでしょう。
しかし、「どこから共有すればいいの?」「権限ってどう設定するの?」といった疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。ここでは、SharePointで内部ユーザーとファイルを共有するための基本的な考え方から、具体的な手順、そして効率的な運用に役立つ知識までを、一つずつ丁寧に解説していきます。
「内部ユーザー」って誰のこと?
まず、「内部ユーザー」とは何かを明確にしておきましょう。
組織に所属するメンバー
SharePointにおける「内部ユーザー」とは、皆さんの会社や組織のMicrosoft 365(旧Office 365)テナントに属しているユーザーアカウントを指します。つまり、皆さんの会社のメールアドレス(例:@yourcompany.com)でサインインできる社員や従業員のことです。
外部ユーザーとの違い
これに対し、「外部ユーザー」は、皆さんの組織のテナントに属していないユーザーのことです。例えば、取引先の担当者や、協力会社のメンバーなどがこれにあたります。SharePointでは、外部ユーザーとの共有には別途、外部共有の設定が必要となり、内部共有よりもセキュリティ上の配慮が求められます。
今回のテーマは「内部ユーザー」との共有ですので、基本的には皆さんの同僚や上司、部下といった社内メンバーとの共有に焦点を当てて解説していきます。
SharePointのファイル共有、その基本の考え方
SharePointでファイルを共有する際には、いくつかの基本的な考え方があります。これを理解することで、より適切にファイルを管理し、共有できるようになります。
共有の「単位」を意識する
SharePointでは、大きく分けて以下の単位でアクセス権限を設定し、共有することができます。
- サイト全体:サイトのメンバー(社員全員、特定の部署など)に、サイト内のすべてのコンテンツへのアクセス権を付与します。
- ドキュメントライブラリ/リスト:特定のドキュメントライブラリ(ファイル保存場所)やリスト(情報の一覧表)単位でアクセス権を設定します。
- フォルダー:ドキュメントライブラリ内の特定のフォルダー単位でアクセス権を設定します。
- ファイル:個別のファイル単位でアクセス権を設定します。
通常は、サイト全体やドキュメントライブラリ単位で共有設定を行うのが最もシンプルで管理しやすい方法です。特定のファイルやフォルダーだけを例外的に共有する際には、細心の注意が必要です。
権限の種類を理解する
ファイルを共有する際に、相手にどの程度の操作を許可するかを指定します。SharePointには、いくつかの基本的な権限レベルがあります。
- 閲覧(読み取り):ファイルを見たり、ダウンロードしたりできますが、内容を変更することはできません。最も制限された権限です。
- 編集(メンバー):ファイルの内容を変更したり、新しいファイルを追加したり、既存のファイルを削除したりできます。共同作業を行う場合に一般的に付与される権限です。
- フルコントロール(所有者):サイトやライブラリのすべての設定を変更したり、他のユーザーの権限を管理したりできる、最も強力な権限です。通常はサイトの管理者が持つ権限です。
「閲覧」と「編集」が、日常的なファイル共有で主に利用する権限レベルになります。
グループを活用する
SharePointのアクセス権限管理において、個々のユーザーに直接権限を付与するのではなく、「グループ」を活用することが強く推奨されます。
- SharePointグループ(例:〇〇サイトのメンバー):SharePointサイトごとに自動的に作成される「所有者」「メンバー」「閲覧者」といったグループや、独自に作成するグループです。
- Microsoft 365グループ(旧Office 365グループ):TeamsやOutlookグループなど、Microsoft 365の他のサービスと連携するグループです。このグループにメンバーを追加すると、SharePointサイトのアクセス権も自動的に付与されるため、非常に便利です。
- セキュリティグループ(Active Directory):会社のActive Directory(またはAzure AD)で管理されているユーザーグループです。
グループに権限を付与しておけば、ユーザーの追加や削除、異動があった際に、グループのメンバーを更新するだけで済み、個別に権限を調整する手間が省け、権限管理のミスも減らせます。
内部ユーザーとファイルを共有する具体的な方法(基本編)
では、実際に内部ユーザーとファイルを共有する具体的な方法を見ていきましょう。最も一般的で推奨される方法は、SharePointサイトにメンバーとして招待するか、共有リンクを利用することです。
方法1:サイトにメンバーとして招待する(推奨)
この方法は、特定のチームや部署のメンバー全員と、サイト内のコンテンツをまとめて共有したい場合に最適です。サイトにメンバーとして追加されたユーザーは、そのサイト内のファイルやリストに自動的にアクセスできるようになります。
共有したいSharePointサイトを開く:共有したいファイルが置かれているSharePointサイトにアクセスします。
メンバーを追加」または「サイトのアクセス許可」をクリック
- モダンサイトの場合、通常は画面右上に「メンバーを追加」ボタンがあります。
- または、歯車アイコン(設定)をクリックし、「サイトのアクセス許可」を選択します。
ユーザーまたはグループを追加する
- 「メンバーを追加」をクリックした場合:追加したいユーザーの名前やメールアドレスを入力し、付与したい権限レベル(例:サイトメンバー[編集]、サイト所有者[フルコントロール]、サイト閲覧者[閲覧])を選択して「追加」をクリックします。
- 「サイトのアクセス許可」をクリックした場合:「共有」または「ユーザーを招待」を選択し、ユーザー名やメールアドレスを入力して権限レベルを選択し、「共有」または「追加」をクリックします。
- ポイント:ここで個々のユーザー名を入力する代わりに、Microsoft 365グループやSharePointグループを指定すると、管理が非常に楽になります。
方法2:共有リンクを作成して共有する
特定のファイルやフォルダーだけを、特定の内部ユーザーと共有したい場合に便利な方法です。ただし、リンクの誤送信には注意が必要です。
共有したいファイルまたはフォルダーを選択:
SharePointサイトのドキュメントライブラリで、共有したいファイルまたはフォルダーの左にある丸いチェックボックスをクリックして選択します。
「共有」ボタンをクリック
画面上部に表示される「共有」ボタンをクリックします。
リンクの設定を確認・変更する:
共有ダイアログが表示されたら、上部に表示されるリンクの種類をクリックして設定を変更します。
内部ユーザーとの共有では、「組織内のユーザーがリンクを持つと表示できる」または「組織内の特定のユーザー」を選択します。
「組織内のユーザーがリンクを持つと表示できる」
リンクを知っている組織内の誰もがアクセスできます。誰にでも広く共有したい場合に便利ですが、リンクが拡散する可能性も考慮しましょう。
「組織内の特定のユーザー」
あなたが指定した組織内のユーザーだけがアクセスできます。より厳密な共有を行いたい場合に適しています。
共有したい権限レベル(例:「編集を許可」または「閲覧を許可」)を選択します。
「適用」をクリックして設定を確定します。
共有相手を指定して送信、またはリンクをコピーする:
- 直接メールで送信する場合:共有したい内部ユーザーの名前またはメールアドレスを入力し、必要であればメッセージを追加して「送信」をクリックします。この方法だと、相手に共有リンクが記載されたメールが自動で送られます。
- リンクをコピーして自分で共有する場合:「リンクをコピー」ボタンをクリックすると、共有リンクがクリップボードにコピーされます。このリンクをTeamsのチャットや社内メールなどに貼り付けて、共有したい内部ユーザーに送ります。
内部ユーザーとファイルを共有する応用的な方法とヒント
より効率的で安全なファイル共有のために、知っておくと良い応用的な方法やヒントをご紹介します。
ドキュメントライブラリにファイルをアップロードする
最も基本的な方法ですが、非常に重要です。SharePointサイトのドキュメントライブラリにファイルをアップロードすれば、そのドキュメントライブラリにアクセス権限を持つ内部ユーザーは、自動的にそのファイルにアクセスできるようになります。
- SharePointサイトのドキュメントライブラリを開く。
- ファイルをドラッグ&ドロップ:PCから共有したいファイルを直接ドキュメントライブラリのエリアにドラッグ&ドロップします。
- または「アップロード」ボタンから:「アップロード」ボタンをクリックし、「ファイル」または「フォルダー」を選択して、PCからファイルを選択してアップロードします。
OneDrive for Businessとの連携
個人の作業スペースであるOneDrive for Businessに保存されたファイルも、内部ユーザーと共有できます。
- OneDrive for Businessを開く:Microsoft 365のポータルからOneDriveを開きます。
- 共有したいファイルを選択し、「共有」をクリック:SharePointと同様の手順で共有リンクを作成できます。
- 組織内のユーザーを共有相手に指定:共有設定で「組織内のユーザー」を選び、特定のユーザーを指定して共有します。
Microsoft Teamsからファイルを共有する
多くの企業で利用されているTeamsは、SharePointと密接に連携しています。Teamsのチャネルで共有されるファイルは、裏側で対応するSharePointサイトのドキュメントライブラリに保存されます。
- Teamsのチャネルを開く:ファイルを共有したいチームのチャネルを開きます。
- 「ファイル」タブにファイルをアップロード:チャネルの上部にある「ファイル」タブをクリックし、そこにファイルをドラッグ&ドロップするか、「アップロード」ボタンでファイルをアップロードします。
- チャネルメンバー全員と共有完了:そのチャネルのメンバーであれば、自動的にそのファイルにアクセスできるようになります。
アクセス権限の継承と解除を理解する
SharePointのアクセス権限は、通常、親となるサイトやドキュメントライブラリの設定を「継承」します。
- 継承:サイトの権限がその下のドキュメントライブラリやフォルダー、ファイルに自動的に適用されることです。これがデフォルトの動作で、管理をシンプルにします。
- 継承の解除(固有のアクセス許可):特定のフォルダーやファイルだけ、親サイトとは異なるアクセス権限を設定したい場合に、継承を解除して個別に権限を設定することができます。ただし、これを乱用すると権限管理が複雑になり、誰が何にアクセスできるのか分からなくなるため、できる限り避けるべきです。
賢いファイル共有のための注意点と管理方法
内部ユーザーとの共有といえども、無計画な運用は混乱やリスクを招きます。
共有ルールを明確にする
- ファイルの置き場所のルール:どの種類のファイルをどこに置くのか(例:プロジェクト関連はAサイト、部署共通資料はBサイトなど)を明確にしましょう。
- 命名規則:ファイル名やフォルダー名のルールを設けることで、検索性が向上し、重複を防げます。
- 権限付与のルール:誰が、どのような場合に、どの権限を付与できるのか、明確なガイドラインを定めましょう。
不要な共有リンクは速やかに解除する
一時的な共有のために作成したリンクを放置しないようにしましょう。プロジェクトが終了したり、共有の必要がなくなったりした場合は、速やかにリンクを解除するか、アクセス権を削除すべきです。
定期的な棚卸しを行う
SharePoint内のサイト、ドキュメントライブラリ、ファイル、そしてそれらのアクセス権限を定期的に見直し、不要なものは削除したり、アーカイブしたりする「棚卸し」を行いましょう。これにより、常に整理された状態を保ち、セキュリティリスクを低減できます。
ユーザーへの教育と周知を徹底する
新しい共有ルールやツールの使い方を従業員に周知し、必要であればトレーニングを実施しましょう。利用者全員が正しい知識を持ってSharePointを利用することが、健全な運用には不可欠です。
SharePointで効率的な共同作業を
SharePointを正しく理解し、適切な方法で内部ユーザーとファイルを共有することは、組織の生産性向上に直結します。
複雑な設定に思えるかもしれませんが、基本を押さえ、グループを有効活用し、そして何よりも「誰に、何を、どの程度の権限で共有するのか」という意図を明確にすることが重要です。このガイドが、皆さんのSharePoint活用の一助となれば幸いです。

