Power AutomateでExcel操作を自動化!日々のデータ処理を劇的に効率化する完全ガイド!
「Excel(エクセル)のデータを毎日手作業でコピー&ペーストしているんだけど、この手間を自動化できないかな?」「Power Automate(パワー オートメイト)を使って、Excelの表から特定のデータだけを読み取って、別のシステムに転記したいんだけど、どうすればいいの?」「毎月決まったExcelレポートを作成しているんだけど、その一部の計算やグラフの更新を自動化できないかな?」
こんな風に感じたことはありませんか? Excelは、データの管理、分析、レポート作成など、日々の業務で欠かせないツールです。しかし、そのExcelファイルに対する多くの操作(データの入力、読み取り、加工、ファイルの保存など)は、繰り返し行われる定型作業であり、時間と労力を費やし、ミスも発生しやすいものです。
Microsoft Power Automateを使えば、プログラミングの知識がなくても、Excelファイルに対する様々な操作を自動化する仕組みを簡単に構築できます。これにより、手作業でのExcel作業から解放され、あなたの時間と労力が大幅に節約され、業務の効率と正確性が飛躍的に向上します。
Power AutomateでExcel操作を「自動化する」ってどんなこと?その大きなメリット
Power AutomateでExcel操作を自動化する、とは、あなたが設定した条件やタイミングに基づいて、Excelファイル(通常はSharePoint(シェアポイント)やOneDrive(ワンドライブ)などのクラウドストレージに保存されたもの、またはパソコンのローカルにあるもの)の内容を読み取ったり、書き込んだり、特定の処理を実行したりする一連の操作を、人間が手動で行う代わりに、自動で実行させることです。
なぜExcel操作を自動化したいのか?その主なメリット
Excel操作をPower Automateで自動化することには、たくさんの良い点があります。
- 劇的な時間短縮と労力削減:毎日、毎週、あるいは都度発生するExcelファイルを開く、データをコピー&ペーストする、特定のセルを更新する、集計するといった定型作業が完全に自動化されます。これにより、手作業にかかる時間と労力が大幅に削減され、あなたはデータ分析や意思決定といった、より価値の高い業務に集中できるようになります。
- 入力ミス・転記ミスの根本的削減:手動でのデータ入力や転記作業では、どうしてもタイプミスや転記漏れが発生しがちです。自動化することで、これらの人為的なミスがゼロになり、Excelに記録されるデータの正確性と信頼性が向上します。
- データ更新のリアルタイム化:フローをスケジュール設定したり、特定のイベント(例: データが更新されたら)をトリガーにしたりすることで、Excelレポートやダッシュボードが常に最新のデータに基づいて自動で更新されるようになります。これにより、古いデータに基づいて誤った判断をしてしまうリスクを減らせます。
- 業務プロセスの効率化と標準化:Excel作業が自動化されることで、その前後の業務プロセス(例: データ収集→Excelへ転記→レポート作成→関係者への自動通知)も効率的につなげることができます。また、常に同じ手順でExcel操作が実行されるため、業務の標準化が図れます。
- 情報の一貫性確保:常に同じルールに基づいてExcelが更新されるため、データやレポートの品質と内容の一貫性が保たれます。
- 場所やデバイスを選ばない自動化:Power Automateのクラウド版であれば、あなたのパソコンが起動していなくても、マイクロソフトのクラウド上でExcel操作(クラウド上のファイルに対して)が自動で実行され続けます。
Power AutomateでのExcel自動化:クラウド版とデスクトップ版の使い分け
Power AutomateでExcel操作を自動化するには、主に「クラウド版」(Webブラウザで操作)と「デスクトップ版」(パソコンにインストールして操作)の二つのアプローチがあります。どちらを選ぶかは、Excelファイルがどこにあるか(クラウド上か、パソコン上か)、そしてどんなExcel操作をしたいかによって変わってきます。
1. クラウド版Power Automate(クラウドフロー)でExcelを操作する
得意なこと
- SharePointやOneDrive上のExcelファイルを操作する。
- Excelファイル全体をコピー・移動する。
- Excelファイル内のテーブル(表)に対して、行を追加・更新・削除する。
- 特定のセルにデータを読み書きする。
- Excelファイル全体をPDFに変換するといった、ファイルの変換操作。
- ExcelファイルをWebブラウザで直接操作するような、サーバーサイドの処理。
主なアクション
- 「表に行を一覧表示 (Excel Online (Business))」: Excelファイル内のテーブルのすべての行を読み込みます。
- 「表に行を追加します (Excel Online (Business))」: テーブルの最後に新しい行を追加します。
- 「キー列の値で一致する行を更新します (Excel Online (Business))」: テーブル内の特定の行を更新します。
- 「ワークシートに書き込みます (Excel Online (Business))」: 特定のセル(例: A1)にデータを書き込みます。
- 「ファイルの作成 (SharePoint / OneDrive for Business)」: Excelファイル全体を新しい内容で保存(上書きも含む)します。
- 「テーブルを PDF としてエクスポート (Excel Online (Business))」: ExcelのテーブルをPDFに変換します。
制限
- Excelの「テーブル(表)」として設定された範囲しか操作できないアクションが多いです。単なるセル範囲や結合セルへの操作は限定的です。
- Excelの「クエリ(Power Query)」の「更新」ボタンを直接押すことはできません(自動でデータを取得してExcelのテーブルに書き直す形での対応は可能です)。
- VBAマクロの実行や、複雑なグラフの操作、印刷ダイアログの操作など、ExcelアプリのUIを直接操作するような処理はできません。
- パソコンのローカルディスクに保存されたExcelファイルは直接操作できません。
2. Power Automate Desktop(デスクトップフロー)でExcelを操作する
得意なこと
- パソコンのローカルディスクやネットワークドライブにあるExcelファイルを操作する。
- ExcelアプリのUIを直接操作すること。例えば、「クエリの更新」ボタンをクリックする、マクロを実行する、特定のシートを選択する、印刷ダイアログを操作する、グラフを作成する、といった人間が行うような複雑な操作。
- Excelファイルを開く、閉じる、名前を付けて保存するといった、ファイルそのものの操作。
- VBAマクロを含むExcelファイルを操作する。
主なアクション
- 「Excelの起動」: Excelアプリを起動し、特定のファイルを開きます。
- 「Excelワークシートから読み取り」: 特定のセル範囲、またはワークシート全体を読み取ります。
- 「Excelワークシートに書き込み」: 特定のセルにデータを書き込みます。
- 「Excelワークシートをアクティブ化」: 複数のシートがある場合に、目的のシートを前面に出します。
- 「Excelマクロを実行する」: Excelファイル内に保存されているVBAマクロを実行します。
- 「Excelを閉じる」: Excelファイルを保存して閉じます。
- 「Excelワークシートから最初の空の列や行を取得」: 新しいデータを追加する最初の空のセルを特定します。
- 「キーの送信」/「UI要素をクリック」: Excelアプリの特定のボタンやメニューを操作します(例えば、Power Queryの「更新」ボタン)。
制限
- デスクトップ版のフローは、PADがインストールされたパソコンが起動し、サインインしている必要があります。
- 無償版では、自動でフローを起動させたり、他のユーザーと共有したりする機能に制限があります(有償ライセンスが必要)。
Excel操作を自動化する具体的な手順(クラウド版の例:ExcelからSharePointリストへ転記)
ここでは、SharePointに保存されたExcelファイルからデータを読み取り、それをSharePointのリストに転記するフローを例に、具体的な作成手順をステップバイステップで解説します。このフローはクラウド版のPower Automateで完結します。
事前準備:ExcelファイルとSharePointリストの作成
- 転記元のExcelファイルを作成します。SharePointサイト(例: 「共有ドキュメント」ドキュメントライブラリ)に新しいExcelファイルを作成し、ファイル名を「日次売上データ.xlsx」など、分かりやすい名前にします。Excelファイルを開き、シートの1行目に例えば「日付」「店舗名」「売上金額」といった見出しを入力し、データ範囲を「テーブル(表)」として設定します。テーブル名は「Table1」など、自動で割り当てられるか、自分で分かりやすい名前に変更しても構いません。数行のダミーデータを入力しておきます。
- 転記先のSharePointリストを作成します。同じSharePointサイトにアクセスし、「+新規」から「リスト」を選択し、「空白のリスト」を作成してください。リスト名を「売上集計リスト」など、分かりやすい名前にします。このリストに、Excelの表の見出しと同じ名前の「列」を作成します(例: 「日付」-日付と時刻、「店舗名」-一行テキスト、「売上金額」-数値)。これは、Excelのデータを正確に転記するために非常に重要です。
ステップ1:Power Automateで新しいフローを作成します。
今回は、手動でボタンを押してExcelデータを読み込み、転記するフローを例にします。決まった時間に自動実行したい場合は「スケジュール済みクラウド フロー」を選びます。
- ウェブブラウザでPower Automateのサイト(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
- 左側のメニューから「作成」をクリックします。
- 表示されるフローの種類の選択肢の中から「インスタント クラウド フロー」を選択してください。(手動でボタンを押して動かすフローです。)
- フローに分かりやすい名前を付けます(例:「Excel売上データからSharePointリストへ転記」)。
- 「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「手動」と入力し、「フロー ボタンがクリックされたとき (V2)」を選択してください。
- 「作成」ボタンをクリックします。
ステップ2:Excelの表からデータを「読み込む」アクションを追加します。
準備したExcelファイルから、Power Automateにデータを読み込ませます。
- 「フロー ボタンがクリックされたとき (V2)」トリガーの下に「新しいステップ」をクリックします。
- 検索ボックスに「Excel Online」と入力し、「表に行を一覧表示 (Excel Online (Business))」アクションを選択してください。
- アクションの詳細を設定します。
- 場所: Excelファイルが保存されているSharePointサイトのURLを選択または入力します。
- ドキュメント ライブラリ: Excelファイルが保存されているドキュメントライブラリ(例: 「共有ドキュメント」)を選択します。
- ファイル: データ元となるExcelファイル名(例: 「日次売上データ.xlsx」)を選択します。
- テーブル: Excelファイル内で設定したテーブル名(例: 「Table1」や「売上データ」など)を選択します。
- 【応用】: フィルタークエリを使って、特定の条件に合うデータだけを読み込むことも可能です。
ステップ3:読み取った各データをSharePointリストに「転記する」ループを設定します。
「表に行を一覧表示」で読み込んだExcelの各行(各売上データ)に対して、SharePointリストに項目を作成する処理を繰り返します。
- 「表に行を一覧表示」アクションの下に「新しいステップ」をクリックします。
- 検索ボックスに「制御」と入力し、「Apply to each」(各項目に適用)アクションを選択してください。これは、「表に行を一覧表示」で取得したExcelの各行(データ)を一つずつ処理するためのループです。
- 「以前の手順から出力を選択」フィールドにカーソルを置き、動的なコンテンツから「表に行を一覧表示」アクションの「値」(読み取ったExcelの表のすべての行データ)を選択します。
- 「Apply to each」ブロックの中に「アクションの追加」をクリックします。
- 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「項目を作成します (SharePoint)」アクションを選択してください。
- サイトのアドレス: 転記先のSharePointリストがあるSharePointサイトのURLを選択または入力します。
- リスト名: 転記先のSharePointリスト名(例: 「売上集計リスト」)を選択します。
- 転記先のSharePointリストの各列に、対応するExcelの表のデータを割り当てます。
- 「日付」: 動的なコンテンツから、Excelの「表に行を一覧表示」アクションの出力から「日付」列を選択します。
- 「店舗名」: 動的なコンテンツから、Excelの「表に行を一覧表示」アクションの出力から「店舗名」列を選択します。
- 「売上金額」: 動的なコンテンツから、Excelの「表に行を一覧表示」アクションの出力から「売上金額」列を選択します。
- 【ポイント】: 動的なコンテンツの選択肢で、Excelの列名がそのまま表示されます。もしExcelの列名とSharePointの列名が完全に同じでなくても、適切な列を割り当ててください。データ型(数値、日付など)が異なる場合は、明示的に変換する式(例:
string(),int(),formatDateTime()など)を挿入することを検討してください。
ステップ4:フローを保存してテストします。
すべての設定が完了したら、フローを保存してテストしましょう。
- 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
- 「テスト」ボタンをクリックし、「手動」を選択してテストを開始します。
- テストが完了するのを待ちます。その後、SharePointに保存されている「売上集計リスト」を開き、Excelファイルのデータが正しく新しい項目として転記されているかを確認してください。
これで、Excelの表からデータを読み取り、SharePointリストに転記する基本的なフローが完成し、自動で動作するようになります。
Excel操作自動化を確実・スムーズに行うための「大切なポイント」
Power AutomateでExcel操作を自動化する機能は非常に便利ですが、そのメリットを最大限に引き出し、スムーズな運用を実現するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処する必要があります。
1. Excelファイルの「テーブル(表)」設定は必須!
Power Automateのクラウド版でExcelのデータを読み書きする場合、Excelシートのデータ範囲が「テーブル(表)」として設定されていることが必須です。単なるセル範囲や結合セルでは動作しません。
- 確認と設定: Excelファイルを開き、データを読み込みたい範囲がテーブルとして設定されているか確認してください。設定されていない場合は、範囲を選択し、Excelの「挿入」タブから「テーブル」をクリックして設定できます。
2. Excelファイルの「保存場所」と「ファイル名」を明確にする
クラウド版Power AutomateでExcelを操作する場合、Excelファイルは必ずSharePointやOneDriveなどのクラウドストレージに保存されている必要があります。また、操作したいExcelファイルやシート、テーブルの名前を正確に指定することが重要です。
- 対策: ファイル名やシート名に誤字脱字がないか、確認してください。ファイル名が頻繁に変わる場合は、ファイル名を変数として渡したり、特定のアクションでファイル名を検索したりする動的なロジックを検討する必要があるでしょう。
3. 「クラウド版」と「デスクトップ版」の使い分けを理解する
- クラウド版(Excel Online (Business) コネクタ):
- SharePointやOneDrive上のExcelファイルを、テーブル単位で読み書きしたり、特定のセルを操作したり、PDFに変換したりするのに適しています。
- Excelアプリの「クエリ(Power Query)」の「更新」ボタンを直接押すような操作はできません。
- デスクトップ版(Power Automate Desktop):
- パソコンのローカルディスクにあるExcelファイルを操作したり、ExcelアプリのUI(ユーザーインターフェース)を直接操作したりするのに適しています。例えば、「クエリの更新」ボタンをクリックする、VBAマクロを実行する、複雑なグラフを操作するといった自動化にはデスクトップ版が必要です。
- 対策: もしあなたが自動化したいExcel操作が「ボタンのクリック」や「VBAマクロの実行」など、Excelアプリの画面を直接操作するものであれば、Power Automate Desktopを使う方法を検討してください。
4. データ型の整合性を確認する
Excelから読み取ったデータの型(テキスト、数値、日付など)が、転記先のシステム(SharePointリストの列など)で期待されるデータ型と一致しているかを確認することが重要です。
- 対策: データ型が異なる場合、Power Automateの「式(Expression)」や「作成」(Compose)アクションを使って、明示的にデータ型を変換する処理(例:
int(),string(),formatDateTime()など)を挟むことを検討してください。
5. Excelファイルが「開かれている」状態に注意する
Excelファイルが他のユーザーによってExcelアプリ(特にデスクトップ版Excel)で開かれている場合、ファイルがロックされてしまい、Power Automateからの読み書き操作が失敗することがあります。
対策
- フローの実行時間を、そのファイルが使われていない時間帯(例えば深夜や早朝など)に設定することを検討してください。
- エラーハンドリングを設定し、ファイルがロックされていた場合に、エラー通知を送ったり、数分待ってから再試行したりするロジックを組み込むことも有効です。
6. 権限が適切であることを確認する
フローがExcelファイルにアクセスし、読み書きするためには、フローが使用するアカウントが、そのExcelファイルが保存されているSharePointやOneDriveの場所に対して、「編集」権限(または「共同作成者」以上)を持っている必要があります。権限が不足していると、操作が拒否されてエラーになります。
7. エラー通知と監視を設定する
Excel操作を含むフローは、データに直接影響を与える重要な操作です。予期せぬ問題(例: Excelファイルが見つからない、テーブル名が違う、ネットワークエラーなど)でフローが失敗した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定し、Power Automateのフローがエラーになったことを、自動でメールやTeams(チームズ)に通知する仕組みを構築しておきましょう。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。
8. テスト環境での十分な検証
本番環境で実際にExcel操作を自動化するフローを稼働させる前に、必ずテスト環境でフローを十分にテストしてください。様々なシナリオ(例: Excelのデータが空の場合、テーブル名が異なる場合、データソースが一時的に利用できない場合など)を想定してテストを行うことで、本番稼働後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用を保証できます。
Power AutomateでExcel操作を自動化し、データ処理の課題を解決しよう!
Power AutomateでExcel操作を自動化することは、日々のデータ処理を効率化し、正確性を向上させるための強力なツールです。
- Excel Online (Business) コネクタは、SharePoint/OneDrive上のExcelファイル内のテーブルや特定のセルのデータを読み書きするのに最適です。
- Power Automate Desktopは、パソコンにインストールされたExcelアプリを直接操作し、ExcelのUI(ユーザーインターフェース)を自動化する必要がある場合に活用します。
- Excelファイルを「テーブル」として設定すること、データ型の整合性を保つこと、エラーハンドリングと十分なテストが、成功への鍵となります。
これらの知識と手順を上手に活用して、あなたのExcelファイルに関するデータ処理を自動化し、日々の業務をよりスムーズで効率的なものに変えてくださいね。

