Power Automate × Teamsで「チャットから直接タスク登録」を実現する方法:会話をそのままアクションに!
「Teams(チームズ)でチャットしている時に、『これ、後で誰かがやらなきゃいけないタスクだよね』って話になった時、その会話をそのままタスクとして登録できたら便利なのに…」「会議中にTeamsで決まったことを、わざわざ別のタスク管理ツールに手動で入力するのが面倒だな…」「チャットで依頼された内容を、うっかりタスクとして登録し忘れてしまうことがあるから、もっと簡単にできないかな?」
こんな風に感じたことはありませんか? 日々の業務では、Teamsでの会話の中から、たくさんの「やること」(タスク)が生まれます。しかし、その場でタスク管理ツールに切り替えて入力したり、後でまとめて入力しようとして忘れてしまったりすることがよくありますよね。これは、情報共有とタスク管理の間に「壁」があるために起こる課題です。
Microsoft Power Automate(パワー オートメイト)とTeamsを組み合わせることで、プログラミングの知識がなくても、Teamsのチャットメッセージを「右クリック」するだけで、そのメッセージの内容をMicrosoft Planner(プランナー)などのタスク管理ツールに自動でタスクとして登録する仕組みを簡単に構築できます。これにより、会話の流れを止めずに、必要なタスクを瞬時に記録し、チーム全体の生産性を飛躍的に向上させることができます。
Teamsチャットから直接タスク登録するってどんなこと?その大きなメリット
Power AutomateとTeamsでチャットから直接タスク登録するとは、Teamsの特定のチャットメッセージを選択し、そのメッセージをきっかけとしてPower Automateのフローを起動させ、メッセージの内容(発言者、内容、リンクなど)をタスク管理ツール(例えばMicrosoft Planner)に自動的に新しいタスクとして作成することです。
なぜチャットから直接タスク登録したいのか?その具体的なメリット
このシステムを構築することには、たくさんの良い点があります。
- タスク登録の劇的な効率化チャットツールとタスク管理ツールを別々に開いて、内容をコピー&ペーストする手間がなくなります。Teamsの画面から離れることなく、数クリックでタスク登録が完了します。
- タスクの抜け漏れ防止会話の中で生まれた「やること」を、その場で即座にタスクとして記録できるため、「後でやろうと思って忘れてしまった」というヒューマンエラーを根本から防ぐことができます。
- 情報の一元化とトレーサビリティタスクの発生源であるTeamsの会話と、実際に管理されるタスクが紐づくため、タスクの背景や詳細を後から確認しやすくなります。タスク管理ツールからTeamsの元のメッセージにすぐにアクセスできるリンクを含めることも可能です。
- チーム内の連携強化チームメンバー全員が同じ方法でタスクを登録できるようになるため、タスク管理のプロセスが標準化されます。誰がどのタスクをいつ依頼したのかが明確になり、チーム全体の透明性が向上します。
- コミュニケーションの活性化「これはタスクにしよう!」という意識がチーム内で高まり、会話がより具体的なアクションに繋がりやすくなります。
チャットから直接タスク登録するための主要な部品と役割
チャットから直接タスク登録するシステムをPower AutomateとTeamsで構築するために、主に以下のツールを組み合わせて使用します。それぞれのツールが異なる役割を担い、連携することでシステム全体が機能します。
1. Teams(タスク登録を「指示する窓口」)
- 役割: ユーザーがタスクとして登録したいチャットメッセージを選択し、Power Automateのフローを起動するためのインターフェース(窓口)となります。
- 主な機能: Teamsのメッセージアクション(メッセージの「…」メニューからフローを起動)。
2. Power Automate(タスク作成を「自動化する司令塔」)
- 役割: Teamsからのタスク登録の指示を受け取り、メッセージの内容を処理し、タスク管理ツールに新しいタスクを作成する「自動化の司令塔」です。
- 主な機能: フローのトリガー(Teamsのメッセージ選択)、メッセージ内容の取得、タスク作成アクション。
3. Microsoft Planner(タスクを「記録・管理する場所」)
- 役割: Teamsのチャットメッセージから作成されたタスクを、プロジェクトやチームごとに管理するためのツールです。期日、担当者、進捗状況などを視覚的に管理できます。
- 主な機能: タスクの作成、ボード表示、担当者割り当て、期日設定。
4. Microsoft To Do(個人タスクを「記録・管理する場所」、オプション)
- 役割: チーム全体のタスクではなく、個人的な「やること」としてタスクを登録したい場合に利用します。
- 主な機能: 個人タスクの作成、リスト管理。
Teamsチャットから直接タスク登録する具体的な手順(Planner連携)
ここでは、Teamsのチャットメッセージを右クリックし、「その他のアクション」からフローを起動することで、Microsoft Plannerに新しいタスクが自動で作成される、というフローの作成手順をステップバイステップで解説します。
事前準備:Microsoft Plannerのプランを作成
まず、タスクを登録したいMicrosoft Plannerの「プラン」(プロジェクトやチームのタスクボード)を作成しておきます。
- ウェブブラウザでMicrosoft Planner(tasks.office.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
- タスクを登録したいチームやプロジェクトの「新しいプラン」を作成するか、既存のプランを使用します。プラン名(例: 「チームタスク管理」)と、そのプランが紐づくMicrosoft 365グループ(例: チームのチャネルがあるグループ)を確認しておきましょう。
- Plannerのボード内で、タスクを分類するための「バケット」(例: 「未着手」「進行中」「完了」など)が作成されていることを確認します。
ステップ1:Power Automateで新しいフローを作成する
Teamsのメッセージ選択をきっかけにフローを動かすため、「自動化したクラウドフロー」を作成します。
- ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
- 左側のメニューから「作成」をクリックします。
- 表示されるフローの種類の選択肢の中から「インスタント クラウド フロー」を選択してください。
- フローに分かりやすい名前を付けます(例:「TeamsメッセージからPlannerタスク作成」)。
- 「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「Teams」と入力し、「選択したメッセージの場合 (Teams)」を選択してください。これにより、Teamsのメッセージの「…」メニューからこのフローを呼び出せるようになります。
- 「作成」ボタンをクリックします。
ステップ2:タスク登録に必要な情報をユーザーから入力してもらう(オプション)
タスクを作成する際に、期日や担当者など、メッセージ本文だけでは分からない情報をユーザーに入力してもらうことができます。
- 「選択したメッセージの場合 (Teams)」トリガーのアクションボックスに、「+ 入力を追加」というボタンがあります。これをクリックします。
- テキスト入力: 「テキスト」を選択し、「入力」フィールドに「タスクのタイトル(任意)」と入力します。これは、メッセージ本文をそのままタスク名にするのではなく、ユーザーが任意のタスク名を指定できるようにするためです。
- 日付入力: 「日付」を選択し、「入力」フィールドに「期日(任意)」と入力します。
- メールアドレス入力: 「メール」を選択し、「入力」フィールドに「担当者(任意)」と入力します。これにより、タスクの担当者を指定できます。
- 【補足】: これらの入力項目は任意です。もし、常にメッセージ本文をタスク名にし、期日や担当者を指定しない場合は、このステップはスキップしても構いません。
ステップ3:Microsoft Plannerにタスクを作成する
Teamsのメッセージから取得した情報と、ユーザーが入力した情報を使って、Plannerに新しいタスクを作成します。
- 「選択したメッセージの場合 (Teams)」トリガーの下に「新しいステップ」をクリックします。
- 検索ボックスに「Planner」と入力し、「タスクを作成します (Planner)」アクションを選択してください。
- アクションの詳細を設定します。
- グループ ID: タスクを作成したいPlannerプランが属するMicrosoft 365グループを選択します(例: 「全体連絡」チームのグループ)。
- プラン ID: タスクを作成したいPlannerの「プラン」を選択します(例: 「チームタスク管理」)。
- タイトル: ここがタスクの「名前」になります。
- もしユーザーに「タスクのタイトル(任意)」を入力させた場合は、動的なコンテンツからその入力値を選択します。
- もしユーザー入力がない場合は、動的なコンテンツから「選択したメッセージの場合 (Teams)」トリガーの「メッセージの本文」(または「メッセージの件名」)を選択します。
- バケット ID: タスクをどのバケット(例: 「未着手」)に登録するかを選択します。
- 期日: ユーザーに「期日(任意)」を入力させた場合は、動的なコンテンツからその入力値を選択します。入力がない場合は空欄のままで構いません。
- 担当ユーザー ID: ユーザーに「担当者(任意)」を入力させた場合は、動的なコンテンツからその入力値を選択します。入力がない場合は空欄のままで構いません。
- 説明: タスクの詳細情報として、元のTeamsメッセージの情報を追加します。
元のTeamsメッセージ: 送信者: @{triggerOutputs()?['body/from/user/displayName']} 日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/createdDateTime'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')} メッセージ内容: @{triggerOutputs()?['body/plainTextBody']} 元のメッセージへのリンク: @{triggerOutputs()?['body/webUrl']}式の解説:
@{triggerOutputs()?['body/from/user/displayName']}: メッセージを投稿したユーザーの名前を取得します。@{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/createdDateTime'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')}: メッセージが投稿された日時を整形して取得します。@{triggerOutputs()?['body/plainTextBody']}: メッセージの本文をプレーンテキスト形式で取得します。@{triggerOutputs()?['body/webUrl']}: 元のTeamsメッセージへの直接リンクを取得します。これにより、Plannerのタスクからすぐに会話のコンテキストを確認できます。
ステップ4:タスク作成完了の確認メッセージをTeamsに送る
タスクが正しくPlannerに記録されたことを、フローを起動したユーザーに通知します。
- 「タスクを作成します (Planner)」アクションの下に「新しいステップ」をクリックします。
- 検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する (Teams)」アクションを選択してください。
- アクションの詳細を設定します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します。
- 投稿先: 「Chat with Flow bot」(フローボットとの個人チャット)を選択します。
- 受信者: 動的なコンテンツから「選択したメッセージの場合 (Teams)」トリガーの「ユーザープリンシパル名 (UPN)」(フローを起動したユーザーのメールアドレス)を選択します。
- メッセージ: タスクが作成されたことを通知し、Plannerのタスクへのリンクを含めます。
Plannerにタスクを登録しました! タスク名: @{outputs('タスクを作成します')?['body/title']} 期日: @{outputs('タスクを作成します')?['body/dueDateTime']} 担当者: @{outputs('タスクを作成します')?['body/assignedToUserIds']} Plannerで確認: @{outputs('タスクを作成します')?['body/webUrl']}式の解説:
outputs('タスクを作成します')?['body/title']のように、前のステップ(タスクを作成します)で作成されたタスクの情報を動的なコンテンツとして取得しています。
ステップ5:フローを保存してTeamsで試す
すべての設定が完了したら、フローを保存し、Teamsで使えるようにします。
- 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
- Power Automateポータルで、作成したフローの詳細画面を開きます。
- 「実行のみのユーザー」というセクションで、Plannerへの接続が「実行ユーザーによって提供」となっていることを確認します。もし「固定された接続」になっている場合は、フローを実行するユーザーが自身の認証情報でPlannerに接続できるよう設定を変更します。
- Teamsでフローを試す:
- Teamsアプリを開き、任意のチャネルや個人チャットでメッセージを投稿します。
- 投稿したメッセージにマウスオーバーし、「…その他のアクション」をクリックします。
- メニューの中から「その他のアクション」を選択すると、作成したフローの名前(例: 「TeamsメッセージからPlannerタスク作成」)が表示されるはずです。
- フロー名をクリックすると、ステップ2で設定した入力フォームが表示されます。必要事項を入力し、「フローを実行」ボタンをクリックします。
- Plannerを開き、指定したプランに新しいタスクが作成されていること、そしてタスクの詳細に元のTeamsメッセージの情報が記載されていることを確認します。
- TeamsのFlow botから、タスク作成完了の通知が届くことも確認します。
4. チャットから直接タスク登録システムをさらに便利にする応用的な工夫
上記は基本的なタスク登録システムですが、さらにいくつかの工夫を加えることで、システムはより使いやすく、より本格的な業務プロセスに対応できるようになります。
1. Microsoft To Doへの登録(個人タスク向け)
チームのPlannerではなく、個人の「やることリスト」であるMicrosoft To Doにタスクを登録したい場合は、「タスクを作成します (Planner)」アクションの代わりに、「タスクを作成します (To Do)」アクションを使用します。
- To Doアクションの設定:
- タスクリスト ID: タスクを登録したいTo Doのリストを選択します(例: 「タスク」)。
- 件名: タスクのタイトルを設定します。
- 本文: メッセージの本文やリンクを説明として追加します。
2. 登録時の入力項目を増やす・カスタマイズする
ステップ2で設定した入力項目をさらに増やしたり、種類を変えたりすることで、より詳細な情報をタスクに含めることができます。
- 選択肢の追加:「入力」の種類で「ドロップダウン」を選択し、タスクの種類(例: 「緊急」「通常」「検討」)などをユーザーに選択させることができます。
- 数値入力:「入力」の種類で「数値」を選択し、タスクにかかる想定時間などを入力させることができます。
- 必須入力の設定:入力項目の横にある歯車アイコンをクリックし、「必須」にチェックを入れることで、ユーザーに必ず入力させるようにできます。
3. タスク作成後の追加アクション
タスクが作成された後に、さらに別の自動化を連携させることができます。
- Teamsチャネルへの通知:タスクが作成されたことを、Plannerのプランが属するTeamsチャネルにも通知することで、チームメンバー全員が新しいタスクの発生を認識できます。
- タスク作成者へのリマインダー:タスクが登録されたことを、Plannerで確認するようにリマインダーを送信できます。
- Outlookタスクとの連携:Plannerに登録されたタスクを、Outlookのタスクリストにも自動で同期させることも可能です。
4. エラーハンドリングと通知の設定
タスク登録は重要な操作であるため、万が一フローが失敗した場合の対応を設定しておきましょう。
- 失敗時の通知:「タスクを作成します (Planner)」アクションが失敗した場合に、自動でフローを起動したユーザーや管理者にエラー通知(Teamsまたはメール)を送信するよう設定します。
- ロギング:タスク作成の成功・失敗を、SharePointリストやExcelファイルに記録するロギング機能を組み込むことで、後から履歴を確認できます。
Power Automate × Teamsで「会話からアクションへ」の壁をなくそう!
Power AutomateとTeamsを組み合わせることで、プログラミングの知識がなくても、Teamsのチャットメッセージから直接タスクを登録できる、非常に効率的で抜け漏れのないシステムを構築できます。これにより、会話の中で生まれた「やること」が、瞬時に具体的な「タスク」へと変わり、チームの生産性を飛躍的に向上させることができます。
- 「選択したメッセージの場合 (Teams)」トリガーが、チャットからのタスク登録の入り口となります。
- Microsoft Planner(チームタスク向け)またはMicrosoft To Do(個人タスク向け)にタスクを作成します。
- メッセージの内容やリンクをタスクの詳細に含めることで、後からタスクの背景を確認しやすくします。
- ユーザーからの入力を組み込むことで、期日や担当者など、より詳細な情報をタスクに含めることができます。
これらのツールを上手に活用して、あなたのチームのコミュニケーションとタスク管理をシームレスに連携させ、日々の業務をよりスムーズで効率的なものに変えてくださいね。

