Power Automateでファイルを「自動的に保存する」方法:メール添付ファイルやダウンロード資料を効率よく管理しよう!
「Power Automate(パワー・オートメイト)を使って、特定のメールに添付されたファイルを自動的に保存したいんだけど、どうすればいいの?」「ウェブサイトからダウンロードしたファイルを、いつも決まったフォルダに自動で整理してくれたら便利なのに…」「Power Automateで作成したレポートPDFを、自動でSharePoint(シェアポイント)に保存したいんだけど、設定方法が分からない…」
こんな風に感じたことはありませんか? 日々の業務では、メールの添付ファイルをダウンロードしたり、ウェブサイトから資料をダウンロードしたり、あるいはシステムが生成したファイルを特定の場所に保存したりと、様々な「ファイル保存」の作業が発生します。これらの手作業は、一つ一つは小さな作業かもしれませんが、積み重なるとかなりの時間と手間がかかり、保存忘れや保存場所の間違いといった人為的なミスも起こりがちです。
Microsoft Power Automateを使えば、このような「ファイル保存」の作業を自動化し、あなたの時間と労力を大幅に節約することができます。Power Automateは、特定のイベント(例: メール受信)をトリガーにして、ファイルを自動的に取得し、指定した場所に保存する仕組みを簡単に構築できます。
Power Automateで「ファイルを自動保存する」ってどんなこと?その大きなメリット
Power Automateで「ファイルを自動保存する」とは、あなたが設定した条件やタイミングに基づいて、特定のファイル(例: メール添付ファイル、ウェブからダウンロードされるファイル、フロー内で生成されるファイルなど)を、指定したクラウドストレージ(SharePoint、OneDriveなど)やローカルPCのフォルダに、自動的に保存する一連の操作を指します。
なぜファイルを自動保存したいのか?その主なメリット
ファイルをPower Automateで自動保存することには、たくさんの良い点があります。
- 手作業の削減とヒューマンエラー防止手動でファイルをダウンロードしたり、コピー&ペーストしたりする手間がなくなります。これにより、保存忘れや保存場所の間違い、ファイル名ミスといった人為的なエラーを根本から防ぐことができます。
- 業務プロセスの効率化例えば、顧客からの注文書PDFがメールで届いたら自動で保存し、その後の処理(例: Excelへのデータ転記、承認フローの開始)に繋げるといった、一連の業務プロセスを効率化できます。
- 情報の一元管理と整理バラバラに届くファイルを自動的に決まったフォルダに保存することで、情報が整理され、必要なファイルを素早く見つけられるようになります。これにより、ドキュメント管理の検索性やアクセス性が向上します。
- リアルタイムな情報共有新しいファイルが保存されたら、自動的にTeams(チームズ)に通知したり、関係者にメールで知らせたりする仕組みと組み合わせることで、常に最新の情報を共有できます。
- 時間の節約毎日、毎週、あるいは不定期に発生するファイル保存作業から解放されることで、あなたはより重要な業務に集中できるようになります。
Power Automateでファイルを自動保存する主な方法と設定
Power Automateでファイルを自動保存する方法は、「どこからファイルを取得するか」と「どこにファイルを保存するか」によって、使うアクションが異なります。ここでは、代表的なシナリオごとに具体的な設定方法を解説します。
シナリオ1:メールの添付ファイルを自動保存する(最も一般的)
受信したメールに添付されているファイルを、自動的にSharePointやOneDriveに保存するフローです。営業担当者からの日報や、システムからの自動通知メールに添付されたレポートなどを自動で収集するのに役立ちます。
設定手順(例:Outlookの特定のメールの添付ファイルをSharePointに保存)
- Power Automateで新しいフローを作成します。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
左側のメニューから「作成」をクリックし、「自動化したクラウド フロー」を選択してください。
フローに分かりやすい名前を付けます(例: 「メール添付ファイル自動保存」)。
- トリガーを設定します(「新しいメールが届いたとき」)。検索ボックスに「Outlook」と入力し、「新しいメールが届いたとき (V3) (Office 365 Outlook)」アクションを選択してください。
- フォルダー: 添付ファイルを保存したいメールが届くOutlookのフォルダーを選択します(例: 「受信トレイ」)。
- 差出人: 特定の差出人からのメールに限定したい場合は、そのメールアドレスを入力します。
- 件名フィルター: 特定のキーワードが件名に含まれるメールに限定したい場合は、そのキーワードを入力します(例: 「日報」)。
- 添付ファイルのみ: 「はい」を選択します。これにより、添付ファイルがあるメールのみがトリガーされます。
- 添付ファイルを含める: 「はい」を選択します。これにより、添付ファイルの内容がフローで利用可能になります。
- 添付ファイルを保存するアクションを追加します(「ファイルの作成」)。「新しいメールが届いたとき」トリガーの下に「新しいステップ」をクリックします。
メールに複数の添付ファイルがある可能性があるため、通常は「Apply to each」(各項目に適用)アクションを追加し、その中にファイルの保存アクションを入れます。
- 「Apply to each」の「以前の手順から出力を選択」フィールドに、動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」トリガーの「添付ファイル」を選択します。
- 「Apply to each」ブロックの中に「アクションの追加」をクリックします。
- 保存先がSharePointの場合: 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの作成 (SharePoint)」アクションを選択してください。
- サイトのアドレス: 添付ファイルを保存したいSharePointサイトのURLを選択または入力します。
- フォルダーパス: 添付ファイルを保存したいドキュメントライブラリとフォルダー(例: 「共有ドキュメント/添付ファイル」)を選択します。
- ファイル名: 動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」トリガーの「添付ファイル名」を選択します。必要であれば、ファイル名の前に日付などを追加してユニークな名前にすることもできます(例:
formatDateTime(utcNow(), 'yyyyMMdd')+_+ 「添付ファイル名」)。 - ファイル コンテンツ: 動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」トリガーの「添付ファイルコンテンツ」を選択します。
- 保存先がOneDriveの場合: 検索ボックスに「OneDrive for Business」と入力し、「ファイルの作成 (OneDrive for Business)」アクションを選択してください。
- フォルダー: 添付ファイルを保存したいOneDriveのフォルダーを選択します。
- ファイル名: 動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」トリガーの「添付ファイル名」を選択します。
- ファイル コンテンツ: 動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」トリガーの「添付ファイルコンテンツ」を選択します。
- フローを保存し、テストします。フローに名前を付けて保存します。そして、設定した条件に合うメールを自分自身に送信してみて、自動的に添付ファイルがSharePointまたはOneDriveの指定フォルダーに保存されるかを確認します。
シナリオ2:ウェブサイトからダウンロードしたファイルを自動保存する(Power Automate Desktop連携)
ウェブサイトからファイルをダウンロードする操作は、Power Automate Desktop(PAD)の得意分野です。PADでダウンロード操作を自動化し、ダウンロードしたファイルをクラウドストレージにアップロードする流れを構築します。
設定手順(概要:Power Automate Desktopでダウンロードし、クラウドにアップロード)
- Power Automate Desktopでデスクトップフローを作成します。あなたのパソコンにPower Automate Desktopをインストールし、サインインしておきます。
新しいデスクトップフローを作成し、以下のPC操作を記録または手動でアクションを追加します。
- 「新しいEdgeを起動する」などのブラウザ起動アクションで、ダウンロードしたいウェブサイトを開きます。
- 「Webページ内のリンクをクリックする」や「Webページ内のUI要素をクリックする」アクションで、ダウンロードボタンをクリックする操作を記録します。
- ダウンロードが開始されると、通常は「ダウンロード」フォルダなどにファイルが保存されます。
- 「ファイルの移動」アクションや「ファイルのコピー」アクションを使って、ダウンロードされたファイルを一時的に任意のローカルフォルダに移動またはコピーします。この際、ダウンロードされたファイル名を特定するために「フォルダー内のファイルを取得」アクションなどを利用すると良いでしょう。
- クラウドフローからデスクトップフローを呼び出し、ファイルをクラウドにアップロードします。
- Power Automateのウェブポータルでクラウドフローを作成します(例: スケジュール実行や手動実行トリガー)。
- 「デスクトップ用フローを実行します」アクションを追加し、先ほど作成したデスクトップフローを呼び出します。
- デスクトップフローが実行され、ファイルがローカルにダウンロードされた後、クラウドフローに戻ってそのファイルをクラウドストレージにアップロードします。
- ファイルのアップロード:
- デスクトップフローの最後に、ダウンロードしたファイルのローカルパスをクラウドフローに返す「デスクトップ用フローの出力」アクションを設定します。
- クラウドフローで、その出力されたローカルパスを受け取ります。
- 「ファイルのコンテンツを取得 (OneDrive for Business)」アクション(またはSharePoint)を使って、ローカルPCからそのファイルのコンテンツを読み込みます。
- 「ファイルの作成 (SharePoint)」アクション(またはOneDrive for Business)を使って、読み込んだファイルコンテンツをクラウドストレージにアップロードします。
この方法の知っておいてほしいこと
- Power Automate Desktopのインストール: ローカルPCでの操作のため、PADのインストールと設定が必要です。
- パソコンの起動が必要: デスクトップフローを実行するには、PADがインストールされたパソコンが起動している必要があります。自動実行(無人実行)を行うには、追加のライセンスや特別な設定が必要です。
- 環境の変化に弱い: ウェブサイトのレイアウト変更やダウンロード方法の変更などがあると、デスクトップフローの修正が必要になる場合があります。
シナリオ3:フロー内で生成したファイルを自動保存する(例: ExcelデータからPDFを作成し保存)
Power Automateのフロー内で、ExcelデータからPDFを作成したり、特定のレポートを生成したりした場合、その生成されたファイルを自動的にSharePointやOneDriveに保存することができます。
設定手順(例:Excel OnlineでPDFを作成しSharePointに保存)
- Power Automateで新しいフローを作成します。ウェブブラウザでPower Automateにアクセスし、新しいクラウドフローを作成します(例: スケジュール実行や手動実行トリガー)。
- PDFを生成するアクションを追加します。例えば、ExcelファイルからPDFを生成する場合、以下のアクションを使います。
- 検索ボックスに「Excel Online」と入力し、「テーブルをPDFとしてエクスポート (Excel Online (Business))」アクションを選択してください。
- 場所、ドキュメント ライブラリ、ファイル: PDFにしたいExcelファイルが保存されている場所を指定します。
- テーブル: PDFにしたいExcelファイル内のテーブル名を選択します。
- PDFファイル名: 生成されるPDFのファイル名を指定します(例: 「
月次レポート_@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyyMMdd')}.pdf」)。
- 検索ボックスに「Excel Online」と入力し、「テーブルをPDFとしてエクスポート (Excel Online (Business))」アクションを選択してください。
- 生成されたPDFファイルを保存するアクションを追加します(「ファイルの作成」)。「テーブルをPDFとしてエクスポート」アクションの下に「新しいステップ」をクリックします。
- 保存先がSharePointの場合: 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの作成 (SharePoint)」アクションを選択してください。
- サイトのアドレス、フォルダーパス: PDFファイルを保存したいSharePointサイトとフォルダーを選択します。
- ファイル名: 動的なコンテンツから「テーブルをPDFとしてエクスポート」アクションの「PDFファイル名」を選択します。
- ファイル コンテンツ: 動的なコンテンツから「テーブルをPDFとしてエクスポート」アクションの「PDFファイルコンテンツ」を選択します。
- 保存先がOneDriveの場合: シナリオ1と同様に「ファイルの作成 (OneDrive for Business)」アクションを使います。
- 保存先がSharePointの場合: 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの作成 (SharePoint)」アクションを選択してください。
ファイル自動保存を確実・スムーズに実現するための「大切なポイント」
Power Automateでファイルを自動保存する機能は非常に便利ですが、そのメリットを最大限に引き出し、スムーズな運用を実現するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処する必要があります。
1. 保存先の「パス」と「ファイル名」を正確に指定する
Power Automateがファイルを正しく保存するためには、「どこに保存するか(フォルダーパス)」と「どのようなファイル名で保存するか」を正確に指定する必要があります。
- フォルダーパス: 保存先のSharePointドキュメントライブラリ、OneDriveフォルダー、またはローカルPCのフォルダーパスに誤字脱字がないか確認してください。
- ファイル名:
- ユニークなファイル名: 同じファイル名が存在すると上書きされてしまう可能性があります。ファイル名に日付や時刻(例:
formatDateTime(utcNow(), 'yyyyMMddHHmmss'))を含めることで、常にユニークなファイル名にし、上書きを防ぐことを強く推奨します。 - 動的なファイル名: 元のファイル名に日付などを付加したり、特定の情報(例: 顧客名、レポートの種類)をファイル名に含めたりすると、後からの検索や整理がしやすくなります。
- ユニークなファイル名: 同じファイル名が存在すると上書きされてしまう可能性があります。ファイル名に日付や時刻(例:
2. 権限が適切であることを確認する
ファイルを保存する場所(SharePoint、OneDrive、またはローカルPC)に対して、フローが使用するアカウントが「書き込み」権限(または「共同作成者」以上の権限)を持っている必要があります。権限が不足していると、保存操作が拒否されてエラー(401や403エラーなど)になります。
3. エラー通知と監視を設定する
ファイル保存は、データに直接影響を与える重要な操作です。予期せぬ問題(ファイルが見つからない、保存先の容量不足、ネットワークエラーなど)でフローが失敗した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定してください。
設定方法
ファイル保存アクションやその前後のアクションを「スコープ」で囲み、もしスコープ内で失敗したら、自動で管理者へ通知メールを送ったり、エラーログを記録したりするアクションを追加します。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。
4. ファイルサイズの制限を考慮する
非常に大きなファイルを保存する場合、Power AutomateのコネクタやSharePoint/OneDriveの制限に引っかかる可能性があります。
対策:
大容量ファイルを扱う場合は、各コネクタのドキュメントでファイルサイズの制限を確認してください。
5. テスト環境での十分な検証
本番環境で実際にファイル自動保存フローを稼働させる前に、必ずテスト環境でフローを十分にテストしてください。様々なシナリオ(例: 添付ファイルがないメール、ファイル名が長い場合、ネットワークエラーをシミュレートするなど)を想定してテストを行うことで、本番稼働後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズなファイル保存を保証できます。
Power Automateでファイル保存を自動化し、日々の業務を効率化しよう!
Power Automateでファイルを自動保存する方法は、あなたの目的や、どこからファイルを取得し、どこに保存したいかによって、最適なアプローチが異なります。
- メール添付ファイルの保存は「新しいメールが届いたとき」トリガーと「ファイルの作成」アクションが基本です。
- ウェブからのダウンロードファイルはPower Automate Desktopとの連携が強力です。
- フロー内で生成したファイルは、生成アクションの後に「ファイルの作成」アクションで保存します。
どのシナリオを選ぶ場合でも、保存先の「パス」と「ファイル名」を正確に指定し、適切な「権限」があるかを確認すること、そして「エラーハンドリング」と十分な「テスト」が成功の鍵となります。これらの方法を上手に活用して、あなたのファイル管理をよりスムーズで効率的なものに変えてくださいね。

