Power AutomateとTeamsで「必要なファイルを瞬時に開く」方法:自動化された情報アクセスをマスターしよう!
「Teams(チームズ)のチャットで、話している内容に合ったファイルを、Power Automate(パワー オートメイト)がサッと見つけ出して、すぐに開けるようにしてくれたら便利なのに…」「特定のフォルダーにファイルがたくさんあるんだけど、Power Automateで選んだファイルだけを、自動的に開くようにできないかな?」「Power Automateはファイルを『処理』するだけじゃなくて、『開く』こともできるの?」
こんな風に感じたことはありませんか? Power Automateは、ファイルを自動的に移動させたり、メールで送ったり、内容を読み取ったりするのに非常に便利です。しかし、「特定のファイルをユーザーが選んで開く」というような、より直感的で対話的な操作をPower Automateにさせたいと考えるのは当然のことです。Power Automate自体が、ユーザーが操作するパソコン上でファイルを開く、という動作を直接行うわけではありませんが、いくつかの方法を組み合わせることで、まるでPower Automateがあなたの代わりにファイルを選び、開いてくれるかのような、スムーズなファイルアクセス環境を構築できます。
Power AutomateとTeamsを連携させることで、あなたが望むファイルを「選択」し、それを「開く」という一連の流れを、効率的かつユーザーフレンドリーな形で実現することが可能です。
Power Automateが「ファイルを開く」ってどんなこと?その独特なアプローチ
Power Automateは、あなたのパソコンの画面上で、Word(ワード)やExcel(エクセル)などのアプリケーションを起動してファイルを「開く」という動作を直接行うツールではありません。それは、あくまでクラウド上でデータを処理したり、連携したり、あるいはファイルへの「アクセス手段」を提供したりするための自動化ツールです。
ファイルアクセスの「橋渡し」役としてのPower Automate
Power Automateがファイルに関してできることは、主に以下の二つのパターンに集約されます。
- ファイルへの「リンク」を提供する: フローが目的のファイルを特定し、そのファイルへのWebアドレス(URLリンク)を生成して、Teamsのメッセージやメールでユーザーに送ります。ユーザーはそのリンクをクリックすることで、Webブラウザ(Excel Onlineなど)でファイルを開くことができます。これが、Power Automateが「ファイルを開く」ための最も一般的なアプローチです。
- ユーザーが選んだファイルを「処理」する: ユーザーがTeamsやSharePoint(シェアポイント)の画面上で特定のファイルを選んだことをきっかけに、Power Automateのフローが起動し、その選ばれたファイルに対して何らかの処理(例: ファイル情報を取得する、別の場所にコピーする、承認フローを開始する)を実行します。この場合、ファイルを開くのはユーザー自身であり、フローはあくまでその後の処理を自動化します。
もし、ユーザーが操作するパソコンのデスクトップアプリケーションでファイルを「開く」という具体的な操作を自動化したい場合は、Power Automateの機能である「Power Automate Desktop(パワー オートメイト デスクトップ)」というツールを使うことになります。これは、また別の専門的なアプローチになります。
TeamsとPower Automateを連携させて「任意のファイルを選択し開く」主な方法
TeamsとPower Automateを連携させることで、ユーザーがファイルを「選択」し、それを「開く」という一連の流れをスムーズに実現できます。
方法1:Teamsのメッセージから「ファイルへのリンク」を提供し、ユーザーが開く
これは、Power Automateが特定の条件に基づいてファイルを特定し、そのファイルへのWebリンクをTeamsのチャネルや個人チャットに投稿することで、ユーザーがそのリンクをクリックしてファイルを開けるようにする方法です。
この方法の仕組みとメリット
- 自動でファイルを探し出す: フローが、特定の条件(例: ファイル名に「報告書」を含む、最終更新日が昨日、特定のフォルダにあるなど)に合致するファイルをSharePoint(Teamsのファイルの保存先)から自動的に探し出します。
- ファイルへの直接アクセスを提供: 見つけ出したファイルへのWebリンクを生成し、Teamsのメッセージに埋め込みます。
- スムーズなユーザー体験: ユーザーはTeamsのチャットを見ているだけで、必要なファイルへのリンクが届き、クリック一つでブラウザ上でファイルを開くことができます。
具体的なやり方(例:最新の「週次報告書」をTeamsに通知し、開けるようにする)
- Power Automateで新しいフローを作成します。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。「作成」から、自動で動かしたい「スケジュール済みクラウド フロー」(例: 毎週金曜の午後に実行)を選択します。フローに分かりやすい名前を付けます(例: 「週次報告書通知とリンク」)。
- 最新の「週次報告書」ファイルを取得します。トリガー(例: 「繰り返し」で毎週金曜に設定)の直後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルのプロパティを取得 (SharePoint)」アクションを選択してください。
- サイトのアドレス: 週次報告書が保存されているSharePointサイトのURLを選択または入力します。
- ライブラリ名: 報告書が保存されているドキュメントライブラリを選択します。
- フォルダー: 必要であれば、報告書が保存されている特定のフォルダーを指定します。
- フィルタークエリ(高度な設定): 最新の報告書を特定するため、例えばファイル名が「
週次報告書」で始まり、かつ「最終更新日」が今日か昨日である、といった条件を設定します。または、「並べ替え順」で「最終更新日」を降順に設定し、「上位の数」を「1」に設定することで、最も新しい報告書を1つだけ取得できます。
- Teamsにメッセージを投稿するアクションを追加します。「ファイルのプロパティを取得」アクションの後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャネルにメッセージを投稿する」アクションを選択してください。
- Teamsメッセージでファイルへのリンクを提供します。アクションの設定を行います。
- 「投稿者」: 「Flow bot」を選択します。
- 「投稿先」: 「チャネル」を選択し、報告書を通知したいチームとチャネルを選びます。
- 「メッセージ」: 投稿するメッセージの内容を入力します。ここで、ファイルへのリンクを動的なコンテンツとして挿入します。
【週次報告書が更新されました】 最新の週次報告書が利用可能です。 ファイル名: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['FileLeafRef']} 更新者: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['Editor']?['DisplayName']} 最終更新日時: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['Modified']} こちらから開いてご確認ください: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['{Link}']}/_layouts/15/WopiFrame.aspx?sourcedoc=@{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['{Identifier}']}outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['FileLeafRef']はファイル名。outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/value'][0]?['{Link}']はファイルへのWebリンク。- 後ろの
/_layouts/15/WopiFrame.aspx?sourcedoc=...の部分は、Microsoft Officeファイルのリンクを直接Webブラウザ版のOfficeアプリで開くための共通の形式です。これにより、ユーザーはTeamsのメッセージから直接Webブラウザで報告書を開いて内容を確認できます。
- フローを保存し、テストします。フローを保存し、テスト実行してみてください。Teamsの指定チャネルにメッセージが投稿され、そのリンクから報告書が開けることを確認します。
Power Automateで「ユーザーが選択したファイル」を「開く」ための仕組み
Power Automate自体は、ユーザーがパソコンでファイルを「開く」という動作を直接行いません。しかし、ユーザーがTeamsやSharePointの画面上でファイルを選んだことをきっかけに、そのファイルへのリンクを提供したり、関連処理を自動化したりすることは可能です。
方法2:Teamsの「選択したファイル」をトリガーに、ファイルリンクをチャットで提供する
これは、ユーザーがTeamsチャネルの特定のファイルを選び、そのファイルに対して「こんな処理をしたい」とフローに指示を出すことで、フローがそのファイルへのリンクをユーザーに返す、という方法です。
この方法の仕組みとメリット
- ユーザー主導の選択: ユーザーがTeams上で直接ファイルを選ぶことでフローが起動します。
- ファイルへの直接リンクを提供: 選ばれたファイルのリンクをユーザーに返信することで、すぐにファイルを開けるようになります。
- 手軽な情報共有: 複雑な操作なしに、ユーザーが欲しいファイルのリンクを素早く共有できます。
具体的なやり方(例:Teamsで選んだファイルへのリンクを個人チャットに送信)
- Power Automateで新しいフローを作成します。Power Automateポータルにサインインします。「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
フローに分かりやすい名前を付けます(例: 「選択ファイルリンク送信」)。
- トリガーを「選択したファイル」に設定します。トリガーの検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「選択したファイルの場合 (SharePoint)」を選択してください。
- サイトのアドレス: Teamsチャネルのファイルが保存されているSharePointサイトのURLを選択または入力します。
- ライブラリ名: Teamsのファイルが保存されているドキュメントライブラリ(通常「ドキュメント」など)を選択します。
- ファイルの詳細情報を取得します。「選択したファイルの場合」トリガーの直後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルのプロパティを取得 (SharePoint)」アクションを選択します。
- サイトのアドレス: 先ほどと同じSharePointサイトのURLを選択します。
- ライブラリ名: 先ほどと同じドキュメントライブラリ名を選択します。
- ID: 動的なコンテンツから「選択したファイルの場合」トリガーの「ID」を選択します。これにより、ユーザーが選んだファイルの情報を取得できます。
- Teamsの個人チャットにファイルリンクを送信するアクションを追加します。「ファイルのプロパティを取得」アクションの後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションを選択してください。
- 「投稿者」: 「Flow bot」を選択します。
- 「投稿先」: 「Chat with Flow bot」(フローボットとの個人チャット)を選択します。これにより、フローを実行したユーザー自身にメッセージが届きます。
- 「受信者」: 動的なコンテンツから「選択したファイルの場合」トリガーの「ユーザープリンシパル名」(フローを実行したユーザーのメールアドレス)を選択します。
- 「メッセージ」: 投稿するメッセージの内容を入力します。ファイルへのリンクを動的なコンテンツとして挿入します。
あなたが選択したファイルへのリンクです: ファイル名: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/FileLeafRef']} 開く: @{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/{Link}']}/_layouts/15/WopiFrame.aspx?sourcedoc=@{outputs('ファイルのプロパティを取得')?['body/{Identifier}']}
- フローを保存します。フローに名前を付けて保存します。
Teamsでの利用方法
- Microsoft Teamsアプリを開き、ファイルが保存されているチャネルに入ります。
- ファイルタブから、リンクを送信したいファイルを選択します。
- 画面上部の「…」(三点リーダー)をクリックし、「その他のアクション」→「[あなたのフロー名]」を選択します。
- Power Automateが起動し、指定したチャットにファイルへのリンクが送信されます。ユーザーはそのリンクをクリックしてファイルを開くことができます。
パソコンのアプリケーションでファイルを「開く」ための方法(Power Automate Desktop連携)
もしユーザーが「ファイルエクスプローラーからファイルを選ぶような動作をして、それをWordやExcelのデスクトップアプリケーションで開きたい」という、より直接的なパソコン操作の自動化を望む場合、Power Automate Desktop(PAD)との連携が必要になります。
この方法の仕組みとメリット
- パソコン上のアプリを直接操作: PADは、パソコンにインストールされているWord、Excelなどのアプリケーションを起動し、指定したファイルを開くという、実際の操作を自動化できます。
- 複雑なデスクトップ作業も自動化: ファイルを開くだけでなく、開いた後のデータ入力や抽出といった一連のデスクトップ作業も自動化できます。
具体的なやり方(概要、高度な方法)
- Power Automate Desktopでデスクトップフローを作成します。PADアプリを起動し、新しいデスクトップフローを作成します。このフローの中で、「Excelの起動」「Wordドキュメントの起動」などのアクションを追加し、開きたいファイルのパスを指定します。ファイルのパスは、クラウドフローから呼び出される際に引数として渡すことができます。
- クラウドフローからデスクトップフローを呼び出します。上記の方法1や方法2でファイルへのリンクを取得するクラウドフローの後続ステップとして、「デスクトップ用フローを実行します」アクションを追加します。このアクションの引数として、開きたいファイルのSharePoint/OneDriveのWeb URLや、同期されているローカルパスを渡します。
- デスクトップフローでファイルを開く操作を実行します。デスクトップフローが起動したら、受け取ったファイルパスを使って、ローカルのOfficeアプリケーションでファイルを開くアクションを実行します。
この方法で知っておいてほしいこと
- パソコンの起動が必要: デスクトップフローを実行するには、PADがインストールされたパソコンが起動している必要があります。
- 複雑な設定: クラウドフローとデスクトップフローの連携、ファイルのローカルパスへの変換(OneDrive同期など)など、設定が複雑になります。
- ライセンス: デスクトップフローの自動実行(非アテンド型)には、追加のライセンスが必要となる場合があります。
ニーズに合わせて「ファイルアクセス」の自動化を選ぼう!
Power AutomateとTeamsを連携させて「任意のファイルを選択し開く」というニーズには、いくつかの異なるアプローチがあります。
- Power Automateがファイルを特定し、ユーザーにリンクを提供する:
- 自動でファイルを見つけてTeamsにリンクを通知し、ユーザーがクリックしてWebブラウザで開く(方法1)。
- ユーザーがTeamsでファイルを選び、Power Automateがそのリンクを返す:
- ユーザーが手動でファイルを選択した後に、Power Automateがそのファイルのリンクをチャットで送信し、ユーザーがクリックしてWebブラウザで開く(方法2)。
- パソコンのアプリケーションで直接ファイルを開く:
- Power Automate Desktop(PAD)と連携し、パソコン上でWordやExcelアプリを起動してファイルを開く(方法3)。これはより高度な自動化です。
あなたの自動化したいシナリオや、ユーザーがどのような形でファイルにアクセスしたいのかというニーズに合わせて、最適な方法を選択してください。

