Power Appsで入力・取得したデータをExcelに書き出す方法:業務レポート作成やデータ分析を自動化しよう!
「Power Apps(パワー・アップス)で作ったアプリに入力したデータを、Excel(エクセル)形式でまとめてダウンロードしたいんだけど、どうすればいいの?」「アプリから取得したデータをExcelで分析したいから、簡単に書き出せる方法はないかな?」
こんな風に感じたことはありませんか? Power Appsは、業務に必要な情報を手軽に入力・管理できる便利なアプリを作成できますが、そのデータをExcel形式で書き出して、さらに詳細な分析を行ったり、他のシステムと連携したりしたいと考えることはよくありますよね。Power Apps自体には、「Excelに書き出す」という直接的なボタンが用意されているわけではありません。Power Appsで取得・入力したデータをExcelに書き出す方法はいくつかあり、あなたの目的に合わせて効率よく実現することができます。
Power AppsからExcelへデータを書き出す「目的」と基本的な考え方
Power Appsでデータを入力したり、取得したりした後、それをExcelに書き出したいと考える背景には、様々な目的があります。
なぜPower AppsのデータをExcelにしたいのか?その主な目的
- 詳細な分析やレポート作成: Excelは、複雑な計算式を組んだり、グラフを作成したり、ピボットテーブルでデータを多角的に分析したりする機能に優れています。Power Appsで集めたデータをExcelに取り込むことで、これらの高度な機能を使って詳細なレポートを作成したり、データ分析を行ったりできます。例えば、日報アプリで入力されたデータを月ごとに集計し、グラフで可視化するような場合です。
- 他のシステムとの連携: Power Appsから直接連携できない他のシステム(例えば、古い会計システムや、特定のSaaSサービスなど)にデータを取り込む必要がある場合、一度Excel形式で書き出すことで、その後のデータ連携をスムーズにできます。Excelファイルを介してデータをインポートするシステムは多く存在します。
- オフラインでの利用や印刷: Excelファイルとして書き出せば、インターネット接続がない環境でもデータを参照したり、簡単な編集を行ったりできます。また、Excelは印刷のレイアウトを細かく調整できるため、紙媒体での情報共有や保管にも適しています。
- データの一括確認や共有: アプリの画面では見にくい大量のデータを一覧で確認したい場合や、Power Appsアプリを利用していないメンバーにデータを共有したい場合に、Excel形式は非常に便利です。
Power Appsはデータの「入り口」と「表示」役
Power Appsは、ユーザーがデータを入力したり、既存のデータを表示したりするための「インターフェース」(入り口や画面)としての役割が主役です。データそのものはPower Appsアプリの中ではなく、別の場所(データソース)に保存されています。そのため、Power AppsからデータをExcelに書き出すということは、実質的にPower Appsが使っている「データソース」からExcelにデータを取り出す、ということになります。
データの「元」(データソース)からExcelに書き出す方法(最も確実で推奨)
Power Appsでデータを入出力する際に使われる「データソース」から直接Excelに書き出す方法が、最も確実で一般的、そして簡単なやり方です。Power Appsがどのようなデータソースを使っているかを確認しましょう。
1. SharePoint(シェアポイント)リストを使っている場合
Power AppsのデータソースとしてSharePointリストを使っている場合、SharePointリストのWeb画面から直接Excelにデータを書き出すことができます。
- SharePointリストから直接「Excelにエクスポート」する:これが、SharePointリストのデータをExcelに変換する最も簡単で一般的な方法です。まず、Power Appsが使っているSharePointサイトにアクセスし、該当のリストの画面を開いてください。例えば、備品管理アプリで使っている「備品台帳リスト」などです。リストの画面上部にあるメニューバーに「エクスポート」というボタンがあるはずです。これをクリックし、「Excelにエクスポート」を選んでください。
この操作によって、「query.iqy」という名前のファイルがあなたのパソコンにダウンロードされます。これは、ExcelがSharePointのリストに接続するための特別な情報が書かれたファイルです。ダウンロードが完了したら、この「query.iqy」ファイルをダブルクリックして開きます。Excelが起動し、セキュリティの確認が出たら許可すると、SharePointリストのデータがExcelの新しいシートに自動的に取り込まれて表示されます。
- ExcelからSharePointリストに「データ接続」して取り込む:これは、ExcelとSharePointリストの間に「データ接続」を確立する方法です。まず、SharePointのリストのURL(ウェブブラウザのアドレスバーに表示されているアドレス)をすべてコピーしておきます。次に、Excelを起動し、メニューバーの「データ」タブをクリックします。その中にある「データの取得」を選び、「その他のデータソースから」のサブメニューから「SharePointリストから」を選択してください。コピーしたURLを入力し、指示に従ってサインインすると、SharePointリストのデータがExcelの新しいシートに取り込まれます。この方法の最大のメリットは、Excelの「データ」タブにある「すべて更新」ボタンをクリックするだけで、SharePointリストの最新のデータにExcelのデータを更新できることです。これにより、常に最新の情報を参照したレポートや分析を進められます。
2. Dataverse(データバース)を使っている場合
Power AppsのデータソースとしてDataverseを使っている場合、Dataverseのテーブルから直接Excelにデータを書き出すことができます。Dataverseは、Power AppsやPower Automateのデータを保存するための、より高度なデータベースサービスです。
- Power AppsポータルまたはPower Platform管理センターからエクスポートする:まず、ウェブブラウザでPower Appsポータル(make.powerapps.com)またはPower Platform管理センター(https://www.google.com/search?q=admin.powerplatform.microsoft.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
左側のメニューから「データ」を展開し、「テーブル」を選択します。Excelに書き出したいデータが含まれるテーブル(例:「顧客情報」テーブル)を選びます。画面上部に表示される「データのエクスポート」ボタン、または「Excel にエクスポート」ボタンをクリックしてください。これにより、DataverseのデータがExcelファイル(通常は.xlsx形式)としてパソコンにダウンロードされます。
- Excelの「Power Query」機能を使ってDataverseに接続する:Excelの「データ」タブにある「データの取得」から「Power Platform」を選び、「Dataverse」を選択します。ここで、Dataverseの環境URL(Power Appsポータルで確認できます)を入力し、サインインすると、テーブルの一覧が表示されます。書き出したいテーブルを選んで読み込むことで、DataverseのデータをExcelに直接取り込むことができます。この方法も「すべて更新」で最新のデータに更新可能です。
3. Excel Online(クラウド版Excel)を使っている場合
Power Appsのデータソースとして、SharePointやOneDriveに保存されたExcel Onlineファイルを使っている場合、そのExcelファイルを直接開いて操作します。
- Excel Onlineファイル自体をダウンロードする:Power Appsのデータソースとして使っているExcelファイルが保存されているSharePointまたはOneDriveの場所をウェブブラウザで開きます。Excelファイルの左にあるチェックボックスをクリックして選択し、画面上部の「ダウンロード」ボタンをクリックしてください。これにより、Excelファイルがあなたのパソコンに保存されます。あとは、通常のExcelファイルとして開いて分析や編集を行うことができます。
Power Automateと連携して「自動でExcelに書き出す」方法(最も柔軟で自動化に特化)
Power Appsのボタンを押すだけで自動的にExcelファイルを作成・更新し、特定の場所に保存したり、メールで送信したりしたい場合は、Power Automate(パワー・オートメイト)と連携するのが最も強力で柔軟な方法です。プログラミングの知識は不要で、簡単な設定で自動化の仕組み(フロー)を作れます。
Power Automateと連携する基本的な流れ
- Power AppsのボタンでPower Automateフローを呼び出す:Power Appsのアプリ内に、Excel書き出しを実行するための「ボタン」を配置します。このボタンをクリックすると、Power Automateのフローが起動するように設定します。
- Power Automateがデータソースからデータを取得する:起動されたPower Automateのフローが、Power Appsが使っているデータソース(SharePointリスト、Dataverseなど)に直接アクセスし、必要なデータをすべて取得します。必要に応じて、Power Appsから特定の条件(例:日付範囲)をフローに渡すことも可能です。
- 取得したデータで新しいExcelファイルを作成・更新する:取得したデータを基に、Power Automateが新しいExcelファイルを作成したり、既存のExcelファイルの特定のシートにデータを書き込んだりする処理を実行します。
- 作成したExcelファイルを保存・共有する:Excelファイルが作成されたら、それをSharePointの特定のドキュメントライブラリや、OneDriveのフォルダーに保存します。さらに、そのファイルを自動で関係者にメールで送信したり、Teams(チームズ)のチャネルに通知したりするアクションを追加することもできます。
Power Automateで「自動でExcelに書き出す」フローを作る具体的なやり方
ここでは、SharePointリストのデータをExcelファイルに出力するフローの概要を説明します。
- Power Automateで新しい「インスタント クラウド フロー」を作成します。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。「作成」から「インスタント クラウド フロー」(手動でボタンを押して動かすフロー)を選択します。トリガーは「Power Apps (V2)」を選び、フローに分かりやすい名前(例: 「PowerAppsデータExcel出力」)を付けます。
- SharePointリストからデータを取得するアクションを追加します。「新しいステップ」を追加し、検索ボックスに「SharePoint」と入力します。「アイテムを取得します (SharePoint)」アクションを選択してください。
- サイトのアドレス: データを取り込みたいSharePointリストがあるサイトのURLを選択または入力します。
- リスト名: どのリストからデータを取り込みたいかを選択します。
- フィルタークエリ: もし特定の条件に合うデータだけをExcelに出したい場合は、ODataフィルタークエリで条件を指定します。
- Excelファイルを作成・更新するアクションを追加します。「アイテムを取得します」アクションの後に「新しいステップ」を追加し、検索ボックスに「Excel」と入力します。「表に行を追加します (Excel Online (Business))」または「CSV テーブルを作成する (データ操作)」などのアクションを選択します。
- 「表に行を追加します」の場合:
- 事前にExcelファイル(テンプレート)と、その中にテーブルを作成し、SharePointやOneDriveに保存しておく必要があります。
- 場所/ドキュメントライブラリ/ファイル/テーブル: データを追加したいExcelファイルの場所とテーブルを指定します。
- 行: 「Apply to each」アクションを使って、取得したSharePointリストの各アイテムをExcelの各行として追加するように設定します。
- 「CSV テーブルを作成する」の場合:
- 取得したSharePointリストのアイテムを「CSVテーブルを作成する」アクションの入力として与えます。これにより、Excelで開けるCSV形式のデータが生成されます。
- 「表に行を追加します」の場合:
- 作成したExcelファイルを保存するアクションを追加します。Excelファイルが作成されたら、それをSharePointやOneDriveなどのクラウドストレージに「ファイルの作成 (SharePoint)」や「ファイルの作成 (OneDrive for Business)」アクションなどで保存します。
- ファイル名には、現在の日付などを組み合わせてユニークな名前を付けると良いでしょう。
- (オプション)メールで送信またはTeamsに通知するアクションを追加します。作成・保存したExcelファイルへのリンクを、Outlookの「メールを送信する (V2)」やTeamsの「チャネルにメッセージを投稿する」アクションで、関係者に自動で送信したり通知したりできます。
- フローを保存し、Power Appsから呼び出します。フローを保存したら、Power Appsアプリのボタン(または適切なコントロール)のOnSelectプロパティに、そのフローを呼び出すための式(例: Flow名.Run())を記述します。
この方法のメリット
- 完全に自動化: ボタン一つでExcelファイルの作成・更新・保存・共有までが自動で行われます。
- 柔軟性: データを取得する条件、Excelのレイアウト、保存先、共有方法などを自由にカスタマイズできます。
- 最新データの出力: 実行するたびに最新のデータが出力されます。
この方法で知っておいてほしいこと
- Excel Online (Business) コネクタの一部アクションや、Dataverseへのアクセスには、Power Automateの有償ライセンスが必要となる場合があります。
- 大量のデータを処理する場合、フローの実行時間やAPIリクエストの制限に注意が必要です。
- Excelテンプレートを使用する場合、Excelファイルのレイアウトやテーブル構造を事前にしっかり設計しておくことが重要です。
Power AppsのデータをExcelで最大限に活用しよう!
Power Appsで入力・取得したデータをExcelに書き出す方法は、あなたの目的とデータの量に応じて様々な選択肢があります。
- 最も簡単で確実なのは、Power Appsが使っている「データソース」から直接Excelに書き出す方法です。 これは、SharePointリストやDataverseの画面から、あるいはExcelの「データ」タブから接続して行うのが一般的です。
- アプリ内からボタン一つで自動的にExcelファイルを作成・保存・共有したい場合は、Power Automateと連携する方法が最も強力で柔軟性があります。
これらの方法を上手に使いこなすことで、Power Appsで集めたあなたの会社の貴重なデータを、Excelの分析能力と組み合わせて最大限に活用し、業務効率をさらに向上させることができるでしょう。

