Power Automate |Excelファイルを転記した後にPDFに変換する方法

Power AutomateでExcelファイルを自動でPDFに変換する方法:転記後の書類作成をスムーズに!

 

「Excel(エクセル)で作成した請求書をSharePoint(シェアポイント)に転記した後、自動的にそのExcelファイルをPDF(ピーディーエフ)にも変換して、別のフォルダーに保管したいんだけど、どうすればいいの?」「毎月手作業でやっているこのPDF変換作業を、Power Automate(パワー・オートメイト)で自動化できないかな?」

こんな風に感じたことはありませんか? Excelで作成したデータを処理し、その後そのExcelファイルをPDF形式に変換するという作業は、多くのビジネスシーンで頻繁に行われます。例えば、請求書、報告書、提案書、見積書など、最終的に「閲覧専用」や「印刷用」の形式としてPDFが必要になる場面は多岐にわたります。この一連の作業を手動で行うのは、時間も手間もかかり、ミスも発生しがちですよね。

Power Automateを使えば、Excelファイルを転記したり、SharePointやOneDrive(ワンドライブ)に保存したりした後に、そのファイルを自動的にPDFに変換する仕組みを簡単に作成できます。これにより、手作業でのPDF変換作業から解放され、業務の効率を大きく向上させることができます。


 

Excelファイルを転記した後にPDFに変換するってどんなこと?そのメリット

Power AutomateでExcelファイルを転記した後にPDFに変換するというのは、特定のExcelファイル(または、データが転記されて新しく作成されたExcelファイル)を、自動的にPDF形式に変換し、必要な場所に保存することです。

 

なぜExcelをPDFに変換したいのか?

ExcelとPDFは、それぞれ異なる強みを持つファイル形式です。

  • Excel: データ入力、計算、分析、グラフ作成など、データの操作や分析に優れています。
  • PDF: レイアウトやフォント、画像などがどんな環境でも崩れずに表示されるため、閲覧、印刷、配布、長期保存に適しています。内容の改ざんが難しいというセキュリティ上のメリットもあります。

このため、Excelでデータを作成・管理し、最終的なアウトプットとしてPDFを必要とする場面が多々あります。

 

自動変換のメリット

  • 手作業の削減と効率化: 毎日のように行うPDF変換作業を手動で行う必要がなくなります。これにより、作業時間と手間が大幅に削減され、担当者はより価値の高い業務に集中できるようになります。
  • ヒューマンエラーの削減: 手動での変換や保存の際に発生しがちな、ファイルの取り違え、誤ったフォルダーへの保存、ファイル名の間違いといったミスを防ぐことができます。
  • 一貫性の確保: 常に同じルール(例:すべての請求書はPDF化される)に基づいてPDFが生成されるため、アウトプットの品質と形式の一貫性が保たれます。
  • リアルタイムな連携: Excelファイルが作成または更新された直後にPDFが生成されるため、常に最新のPDFが利用可能になります。
  • 情報配布の自動化: PDFに変換後、自動で関係者にメールで送信したり、Teams(チームズ)のチャネルに共有したりするなど、情報配布プロセス全体を自動化できます。

 

Power AutomateでExcelファイルをPDFに変換する主な方法

Power AutomateでExcelファイルをPDFに変換する方法は、主に二つのアプローチがあります。どちらを選ぶかは、あなたのExcelファイルがどこにあるか(クラウド上か、パソコン上か)によって変わってきます。

 

方法1:クラウドベースの「ファイルの変換」アクションを使う(最もおすすめ)

これが、ExcelファイルをPDFに変換する最も簡単で、一般的な方法です。SharePointやOneDriveなどのクラウドストレージに保存されているExcelファイルを、Power Automateの「ファイルの変換」アクションを使ってPDFに変換します。このアクションは、Excel Online (Business) コネクタの一部として提供されています。

この方法の仕組みとメリット

  • クラウドで完結: ファイルのダウンロードや、パソコンにExcelアプリがインストールされている必要がありません。すべてクラウド上で変換処理が行われます。
  • Officeファイルに特化: Word、Excel、PowerPointといったOfficeファイルをPDFに変換するのに適しています。
  • 設定がシンプル: アクションの設定項目が非常に分かりやすく、簡単に変換が可能です。

「ファイルの変換」アクションを使うやり方(例:SharePointにExcelが作成されたらPDFに変換)

  1. Power Automateで新しいフローを作成します。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。

    「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。

    フローに分かりやすい名前を付けます(例: 「SharePointExceltoPDF変換」)。

  2. トリガーを設定します。フローが動き出すきっかけ(トリガー)として、SharePointに新しいExcelファイルが作成されることを検知する「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」を選んでください。
    • サイトのアドレス: Excelファイルが作成されるSharePointサイトのURLを選択または入力します。
    • ライブラリ名: 監視したいドキュメントライブラリを選択します。
    • フォルダー: (オプション)特定のフォルダー内のExcelファイルを対象としたい場合に指定します。
    • 【ヒント】: 特定の種類のファイルだけを対象にしたい場合は、トリガーの後に「条件」アクションを追加し、「ファイル名」が「.xlsx」で終わるかどうかをチェックする設定を追加すると良いでしょう。
  3. 「ファイルのコンテンツを取得」アクションを追加します。トリガーの直後に「新しいステップ」を追加し、検索ボックスに「SharePoint」と入力します。アクションの中から「ファイルのコンテンツを取得」を選択してください。
    • サイトのアドレス: Excelファイルが作成されたSharePointサイトのURLを再度選択または入力します。
    • ファイル識別子: 「動的なコンテンツ」から、トリガーで取得した「ID」(ファイルの一意の識別子)を選択します。これにより、フローが検知した特定のExcelファイルのコンテンツを取得できます。
  4. 「ファイルの変換」アクションを追加します。「ファイルのコンテンツを取得」アクションの後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「ファイルの変換」と入力し、「ファイルの変換」(Excel Online (Business) コネクタ)を選択してください。
    • ファイル: 「動的なコンテンツ」から、直前の「ファイルのコンテンツを取得」アクションの「ファイルコンテンツ」を選択します。
    • ターゲットの種類: 「PDF」を選択します。
    • ファイル名: 「動的なコンテンツ」から、トリガーで取得した「ファイル名」を選択します。これにより、元のExcelファイル名がPDFのファイル名として引き継がれます。
  5. 変換されたPDFファイルを保存するアクションを追加します。「ファイルの変換」アクションの後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの作成」アクションを選択してください。
    • サイトのアドレス: PDFファイルを保存したいSharePointサイトのURLを選択または入力します。
    • フォルダーパス: PDFファイルを保存したいドキュメントライブラリとフォルダー(例: 「変換済みPDF」といった専用フォルダー)を選択します。
    • ファイル名: 「動的なコンテンツ」から、直前の「ファイルの変換」アクションの「ファイル名」を選択します。この時、元のExcelの拡張子(.xlsx)が自動的に.pdfに変わってくれます。
    • ファイル コンテンツ: 「動的なコンテンツ」から、直前の「ファイルの変換」アクションの「ファイル コンテンツ」(変換されたPDFのデータ)を選択します。
  6. フローを保存し、テストします。フローに名前を付けて保存します。そして、設定したSharePointフォルダーにExcelファイルをアップロードしてみて、自動的にPDFが生成され、指定のフォルダーに保存されるかを確認します。

この方法の便利な点

  • 非常に簡単: いくつかのアクションを設定するだけで、複雑なプログラミングは不要です。
  • クラウドで完結: パソコンにExcelがインストールされている必要がなく、どこからでも自動化が実行されます。
  • Officeファイルに最適: WordやPowerPointのファイルも、同様の「ファイルの変換」アクションでPDFに変換できます。

知っておいてほしいこと

  • Excelファイルに複雑なマクロ(VBA)が含まれている場合や、非常に特殊なグラフ、埋め込みオブジェクトなどがある場合、PDFへの変換がうまくいかない、またはレイアウトが崩れる可能性があります。
  • PDFへの変換時にハイパーリンクが機能しなくなるという問題が一部で報告されています。
  • このコネクタは、Excel Online (Business) コネクタの一部であり、特定のライセンスプラン(Microsoft 365 Business Standard以上やPower Automateの有償ライセンス)が必要となる場合がありますが、多くのMicrosoft 365環境で標準で利用可能です。

 

Power Automate Desktop(RPA)を使ってExcelファイルをPDFに変換する方法(パソコン操作)

この方法は、Power Automate Desktop(パワー・オートメイト・デスクトップ)という、あなたのパソコン上の操作を自動化するツールを使います。パソコンにExcelがインストールされており、そのExcelアプリを操作してPDFに変換する形になります。

この方法の仕組みとメリット

  • パソコンでExcelを直接操作: Excelアプリがインストールされているパソコン上で、Excelを開き、「印刷」機能を使ってPDFとして保存する操作を自動化します。
  • レイアウトの再現性が高い: Excelアプリの印刷機能を使うため、複雑なレイアウトのExcelファイルでも、PDFでの再現性が非常に高いです。
  • 細かな印刷設定も可能: 用紙サイズ、印刷範囲、ページ設定など、Excelの印刷ダイアログで設定できる細かなオプションも自動化できる可能性があります。

Power Automate Desktopを使うやり方(概要)

  1. Power Automate Desktopをインストールします。あなたのパソコンにPower Automate Desktopをインストールし、サインインしておきます。
  2. クラウドフローとデスクトップフローを連携させます。
    • まず、クラウドフローでExcelファイルがSharePointに転記されたことをトリガーにします(例: SharePointの「ファイルが作成または変更されたとき」)。
    • 次に、クラウドフローからPower Automate Desktopのデスクトップフローを呼び出すアクション(「デスクトップ用フローを実行します」)を追加します。このアクションは、Power Automate Desktopがインストールされたパソコンで実行されます。
  3. デスクトップフローでExcelのPDF変換操作を記録・作成します。Power Automate Desktopを開き、新しいフローを作成します。ここで、以下のExcel操作を記録または手動でアクションを追加します。
    • Excelの起動」: PDFに変換したいExcelファイルを開きます。
    • ワークシートの数を取得」: 全てのシートをPDFにしたい場合、シートの数を取得します。
    • ループ処理: 取得したシートの数だけ処理を繰り返す「ループ」を設定します。
    • キーの送信」: Excelの「ファイル」メニューから「印刷」を選ぶ操作を、ショートカットキー(例: Alt + F + P)やUIオートメーション(画面上の要素をクリックする操作)で自動化します。
    • ドキュメントの印刷」: プリンターとして「Microsoft Print to PDF」を選択し、PDFとして出力する操作を自動化します。
    • ファイルの保存: 出力されたPDFファイルの保存先とファイル名を指定します。
    • Excelを閉じる」: 処理が終わったらExcelを閉じます。
  4. 変換されたPDFファイルをクラウドに保存します。デスクトップフローでPDFが生成された後、そのPDFファイルをSharePointやOneDriveなどのクラウドストレージに「ファイルをアップロード」アクションなどで保存し直します。

この方法の知っておいてほしいこと

  • パソコンの起動が必要: デスクトップフローを実行するには、Power Automate Desktopがインストールされたパソコンが起動している必要があります。自動実行(無人実行)を行うには、追加のライセンスや特別な設定が必要です。
  • 環境の変化に弱い: パソコンの画面解像度やExcelのバージョン、Officeの更新などによって、UI(ユーザーインターフェース)の操作手順が変わると、フローが動作しなくなる可能性があります。
  • エラーハンドリングが重要: 印刷ダイアログの予期せぬポップアップなどでフローが停止しないよう、詳細なエラーハンドリング(例: ポップアップが表示されたら閉じる)を設定することが重要です。

 

あなたの状況に合わせて最適なPDF変換方法を選ぼう!

Power AutomateでExcelファイルを転記した後にPDFに変換する方法は、あなたのExcelファイルの保存場所や、会社のライセンス状況、求める自動化レベルによって最適なものが異なります。

  • SharePointやOneDriveにExcelファイルがある場合、最も簡単で確実なのは、クラウドベースの「ファイルの変換」アクションを使う方法です。 これは、Excel Online (Business) コネクタの一部として提供されています。
  • パソコンでExcelアプリを直接操作してPDF化したい場合や、複雑なレイアウトの再現性が求められる場合は、Power Automate Desktopを使う方法も有効です。

どちらの方法を選ぶ場合でも、変換後のPDFファイルをどこに保存するか、そして変換がうまくいかなかった場合の通知設定(エラーハンドリング)をフローに追加することを忘れないでください。これらの方法を上手に活用して、あなたの業務におけるPDF変換作業を効率化し、よりスムーズな書類作成プロセスを実現してくださいね。