Power Automateのフローのエクスポート方法は?

Power Automateのフローのエクスポートを徹底解説!

「Power Automate(パワー・オートメイト)で作った自動化の仕組み(フロー)を、他の人に渡したいんだけど、どうすればいいの?」「開発環境で作ったフローを、テスト環境や本番環境に移動させたいんだけど、やり方が分からないな…」

こんな風に感じたことはありませんか? Power Automateで作成したフローは、非常に大切な資産です。これを他の環境に移行したり、チームメンバーと共有したり、あるいは万が一の事態に備えてバックアップを取ったりしたいと考えるのは当然ですよね。その際に必要となるのが、「エクスポート」という機能です。

Power Automateのフローをエクスポートする方法はいくつかあり、あなたの目的に合わせて簡単に実行できます。これにより、あなたの作った自動化の仕組みを、安全に管理し、広く活用できるようになります。。


Power Automateの「フローをエクスポート」ってどんなこと?その目的

Power Automateでフローを「エクスポート」するとは、あなたがWeb上で作った自動化の仕組み(フロー)の設定や内容を、一つのファイル(通常は.zip形式)としてパソコンにダウンロードすることを指します。例えるなら、料理のレシピを、紙や電子データで書き出して他の人に渡すようなものです。

なぜフローをエクスポートするの?そのメリット

フローをエクスポートすることには、たくさんの良い点があります。

  • 別の環境へ移動させる(移行):これが最も一般的な理由です。例えば、開発中に作ったフローを、実際に運用する「本番環境」に持っていくときに使います。開発環境でテストを重ねて作ったフローを、そのまま本番環境で動かせるようにするわけです。
  • 他の人と共有する:あなたが作った便利な自動化の仕組みを、会社の他の部署の人や、プロジェクトのメンバーに渡して使ってもらいたい場合に、エクスポートしたファイルを渡すことができます。
  • バックアップを取る:万が一、フローが意図せず削除されてしまったり、大きく変更して元に戻せなくなったりした場合に備えて、エクスポートしたファイルを保管しておくことで、いつでも元の状態に戻せるようになります。
  • バージョン管理の一環として:フローを大きく変更する前に、現在の状態をファイルとしてエクスポートしておくことで、変更前のバージョンを保存しておくことができます。

エクスポートされるものとされないもの

エクスポートされるファイル(パッケージ)には、フローのトリガー、アクション、条件分岐、変数などの「設定情報」や「ロジック」がすべて含まれています。しかし、連携先のサービスへの「接続情報」(例えば、OutlookやSharePointへのサインイン情報)は含まれません。そのため、エクスポートしたファイルを別の場所(別の環境や他の人のパソコン)で使う際には、その場所で改めて接続設定を行う必要があります。


Power Automateのフローをエクスポートする主な方法

Power Automateのフローをエクスポートする方法は、大きく分けて二つあります。どちらを選ぶかは、あなたの目的や、フローの複雑さ、そして管理体制によって変わってきます。

方法1:パッケージ(.zipファイル)としてエクスポートする(最も簡単)

これは、単体のフローをエクスポートする最も簡単で一般的な方法です。フローの設定情報が全て含まれた一つの.zipファイルがダウンロードされます。

  1. エクスポートしたいフローの画面を開きます。ウェブブラウザでPower Automateのポータル(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、画面左側の「マイ フロー」をクリックしてください。エクスポートしたいフローの名前をクリックし、詳細画面を開きます。
  2. 画面上部の「エクスポート」ボタンを探してクリックします。フローの詳細画面の上部にあるメニューバーを見てください。そこに「エクスポート」というボタン(下向きの矢印アイコン)があるはずです。これをクリックします。
  3. 表示されるメニューから「パッケージ (.zip)」を選択します。「エクスポート」をクリックするといくつかの選択肢が出てきますので、そこから「パッケージ (.zip)」を選んでください。
  4. パッケージ名とインポート設定を確認します。「パッケージのエクスポート」という画面が表示されます。「名前」の欄に、エクスポートされるファイルのファイル名(例えば「〇〇フロー_v1.0」)を入力します。これは後でファイルとして保存される名前になります。「インポートの設定」という項目では、このフローをインポートする際に、新しく作成するものとしてインポートするか、既存のものを更新するかなどを設定できます。基本的には「新しいものとして作成する (推奨)」を選んでおくと、インポート先で既に同じ名前のフローがあっても、上書きせずに新しいフローとしてインポートされるため、安全です。
  5. 「エクスポート」ボタンをクリックし、ファイルをダウンロードします。必要な設定が終わったら、画面右下にある「エクスポート」ボタンをクリックしてください。自動的に、フローの情報が詰まった.zipファイルがあなたのパソコンにダウンロードされます。ダウンロードが自動で開始されない場合は、画面に表示される「ダウンロード」ボタンをクリックします。

この方法のメリット

  • 操作が非常に簡単: 数クリックでエクスポートが完了します。
  • 単体フローの共有に便利: 特定のフローだけをバックアップしたり、他の人と共有したりする際に手軽です。

この方法で知っておいてほしいこと

  • この方法でエクスポートされるのは、フロー本体の設定情報のみです。フローが使用している接続情報(アカウントの認証情報など)は含まれません。そのため、インポート先では、そのフローが使うコネクタに対して、改めて接続設定を行う必要があります
  • フローが他のPower AppsアプリやSharePointのコンテンツタイプ、環境変数といったコンポーネントと密接に連携している場合、その連携が完全に維持されないことがあります。より複雑な連携を持つフローの移行には、次に説明する「ソリューション」でのエクスポートが推奨されます。

ソリューションとしてエクスポートする(より高度な管理と移行に)

Power Automateフローが、Power Appsアプリ、Dataverseのテーブル、接続参照、環境変数など、他のPower Platformコンポーネントと連携している場合や、開発・テスト・本番といった複数の環境間で体系的にフローを管理・移行したい場合は、「ソリューション」としてエクスポートする方法が最も推奨されます。ソリューションは、関連するすべてのコンポーネントを一つのパッケージとして管理できる機能です。

ソリューションの基本的な流れ

  1. 新しいソリューションを作成し、フローを追加します。Power Automateポータルの左側メニューから「ソリューション」をクリックします。「新しいソリューション」を作成し、ソリューション名(例: 「経費精算システムソリューション」)や公開元を設定します。作成したソリューションを開き、「既存の追加」ボタン(または「新規」ボタン)から、エクスポートしたいフローを選んでソリューションに追加します。もしフローが他のPower AppsアプリやDataverseのテーブルを参照している場合、それらも同じソリューションに追加しておきましょう。
  2. ソリューションをエクスポートします。ソリューションの画面で、エクスポートしたいソリューションを選び、上部のメニューにある「ソリューションをエクスポート」ボタンをクリックします。
  3. エクスポートの種類とバージョンを設定します。エクスポートする前に、ソリューションのバージョン(例: 1.0.0.0)を設定し、エクスポートの種類を選びます。
    • マネージド(Managed): ソリューションをインポートした環境では、一部の変更が制限されます。主に顧客への納品や本番環境へのデプロイに使用され、変更履歴が管理されます。
    • アンマネージド(Unmanaged): ソリューションをインポートした環境でも、自由にコンポーネントを編集できます。主に開発環境間での移行や、バックアップ、開発中の共有に使用されます。通常、開発環境からテスト環境への移行には「アンマネージド」を、テスト環境から本番環境への移行には「マネージド」を選ぶことが多いです。
  4. 「エクスポート」ボタンをクリックし、ファイルをダウンロードします。設定が終わったら「エクスポート」ボタンをクリックし、ソリューションの.zipファイルがダウンロードされるのを待ちます。

この方法のメリット

  • 依存関係をまとめて管理: フローだけでなく、Power Appsアプリ、Dataverseテーブル、接続参照、環境変数など、関連するすべてのコンポーネントを一つのパッケージとしてエクスポートできます。これにより、移行先で「依存関係が足りない」といったエラーが起きにくくなります。
  • 体系的な管理: 複数の環境間でのデプロイや、アプリケーションのライフサイクル管理(ALM)に適しています。
  • 接続参照の利用: ソリューション内で「接続参照」という機能を利用することで、フロー内の接続を個別に修正する手間を減らせます。インポート時に、その環境で有効な接続に紐づけることができます。

 

この方法で知っておいてほしいこと

  • ソリューションの概念や、マネージド/アンマネージドソリューションの違いを理解する必要があります。
  • 最初は、単体フローのエクスポートよりも少し手間がかかるように感じるかもしれません。

Power Automateのフローをエクスポートする際の「大切なポイント」

エクスポート作業をスムーズに行い、後で問題が起きないようにするために、いくつかの重要なポイントがあります。

1. 接続情報は含まれないため、インポート先で再設定が必要

これは、パッケージ(.zip)でもソリューションでも共通する最も重要な点です。エクスポートされるファイルには、OutlookやSharePointへのサインイン情報のような実際の認証情報やパスワードは含まれません。セキュリティ上の理由からです。そのため、エクスポートしたフローを別の場所で利用する際には、その場所で改めてフローが使用するコネクタ(接続)の設定を行い、サインインし直す必要があります

2. 環境固有の設定は「環境変数」で管理する

SharePointサイトのURL、特定のリスト名、メールアドレスなど、環境(開発、テスト、本番)ごとに値が変わる可能性のある設定は、フローの中に直接書き込むのではなく、「環境変数」として管理することを強く推奨します。ソリューションでフローをエクスポートする場合、環境変数も一緒にエクスポートされます。インポートする際に、その環境に合わせた環境変数の値を設定できるため、フローのコード自体を変更する手間が省けます。

3. バージョン情報を記録する

フローをエクスポートする際に、そのバージョン(例: V1.0, V1.1など)や変更内容を記録しておきましょう。特にソリューションとしてエクスポートする場合、バージョン番号を管理できます。これにより、後からどのバージョンのフローをデプロイしたのか、何が変わったのかを追跡しやすくなります。

4. テスト環境での十分な検証

開発環境で作成したフローを、いきなり本番環境にエクスポートしてデプロイするのは危険です。必ず、本番環境に近い構成の「テスト環境」に一度デプロイし、そこで十分にテストと検証を行って、問題がないことを確認してから本番環境への移行を進めましょう。

5. エクスポートファイルの管理

エクスポートされた.zipファイルは、フローの全ての設定情報を含んでいます。機密情報(例えば、APIキーが埋め込まれているカスタムコネクタの情報など)が含まれる可能性があるため、安全な場所に保管し、適切なアクセス管理を行うべきです。


Power Automateのフローをエクスポートすることは、単なるファイルのダウンロードではありません。それは、あなたが作った自動化の仕組みを、安全に管理し、組織内で広く活用するための大切なステップです。目的や状況に合わせて最適なエクスポート方法を選び、これらのポイントを意識することで、あなたの自動化の仕組みはより堅牢で、より多くの場所で役立つようになるでしょう。

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