Power Automateの実行履歴を削除するには?完全に削除できる?

Power Automateの「実行履歴」を削除する方法:管理とプライバシーを保つために!

 

「Power Automate(パワー・オートメイト)のフローが動いた記録(実行履歴)がたくさん溜まってきたんだけど、これを削除する方法はあるのかな?」「機密情報を含むフローの実行履歴だから、完全に消せるのか知りたいな…」

こんな風に感じたことはありませんか? Power Automateのフローが実行されるたびに、「実行履歴」という形でその記録が残ります。この実行履歴は、フローがちゃんと動いたか、どこでエラーが起きたかなどを確認する上でとても大切です。しかし、不要な履歴が増えてきたり、特に機密性の高い情報を扱ったフローの履歴なので、一定期間が過ぎたら消したいと考えることもありますよね。

Power Automateの実行履歴は、削除する方法がいくつか用意されています。ただし、その「完全に削除できるか」という点については、いくつか知っておいてほしい注意点があります。

Power Automateの「実行履歴」ってどんなもの?

Power Automateの「実行履歴」とは、あなたが作成したフローが、いつ、どのようなきっかけで動き出し、どのステップが成功し、どこで失敗したか、といった一連の動作の記録です。

フローの「活動記録」としての役割

この実行履歴は、フローが期待通りに動いているかを確認したり、もしエラーが発生した場合に、どこで、どんなエラーが起きたのかを特定したりするために非常に役立ちます。まるで、フローというデジタルな作業員が行った仕事の「日報」や「活動記録」のようなものです。

既定では28日間保存される

クラウドフローの実行履歴は、既定では過去28日分が自動的に保存されます。この28日間を過ぎると、自動的に古い履歴から消えていきますので、特別な操作をしなくても、ある程度の期間が過ぎれば自動的に整理されます。

実行履歴に含まれる情報

実行履歴には、以下のような情報が含まれています。

  • フローが開始された日時と終了した日時
  • フローの実行ID(個々の実行を識別する番号)
  • フローのステータス(成功、失敗、キャンセルなど)
  • 各ステップの実行結果(成功、失敗、スキップ)
  • 各ステップに渡された「入力」データと、そのステップから出力された「出力」データ
  • エラーが発生した場合のエラーメッセージと詳細

Power Automateの「実行履歴」を削除する方法

Power Automateの実行履歴を削除する方法はいくつかあります。あなたの目的や、削除したい履歴の量に応じて使い分けが可能です。

方法1:手動で個別の実行履歴を削除する(一つずつ消す場合)

Power Automateのポータル画面から、不要な実行履歴を一つずつ削除する方法です。

  1. Power Automateポータルにサインインします。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
  2. 左側のメニューから「マイ フロー」を選びます。画面の左側にあるナビゲーションメニューから「マイ フロー」をクリックしてください。
  3. 実行履歴を削除したいフローを選びます。あなたが作成したフローの一覧が表示されますので、その中から実行履歴を削除したいフローの名前をクリックします。
  4. 「28日間の実行履歴」を確認します。フローの詳細画面が開くと、下の方に「28日間の実行履歴」というセクションがあります。ここに、過去の実行記録が一覧で表示されます。
  5. 削除したい実行履歴を選択し、「キャンセル」または「削除」を探します。削除したい個々の実行記録(通常はステータスが「失敗」や「キャンセル済み」のものが多いでしょう)の右側に「…」(三点リーダー)があるはずです。これをクリックすると、メニューが表示されることがあります。しかし、この画面から直接「削除」というオプションは提供されていない場合が多いです。過去の実行履歴は、基本的にはキャンセル済みや失敗済みのものも含め、手動で一つずつ「削除」する機能はWeb画面上では提供されていません。

    【補足】: Web画面上で実行履歴を個別に操作できるのは、「再送信」(同じフローをもう一度実行する)や「キャンセル」(実行中のフローを止める)に限られるのが一般的です。

方法2:Power Platform管理センターから「一括削除」を行う(管理者向け・デスクトップフローの実行履歴)

クラウドフロー(Power Automateポータルで作るフロー)の実行履歴を管理センターで一括削除する直接的な機能は提供されていませんが、デスクトップフロー(Power Automate Desktopで作るRPAフロー)の実行履歴は、Power Platform管理センターから一括削除できます。これは会社のMicrosoft 365管理者など、特定の権限を持つユーザーが行う操作です。

  1. Power Platform管理センターにサインインします。ウェブブラウザでPower Platform管理センター(https://www.google.com/search?q=admin.powerplatform.microsoft.com)にアクセスし、管理者アカウントでサインインします。
  2. 「環境」を選び、「設定」に進みます。左側のナビゲーションメニューから「環境」を選択し、実行履歴を削除したい環境を選んで、上部のメニューバーにある「設定」をクリックします。
  3. 「データ管理」から「一括削除」を選びます。設定画面で「データ管理」を展開し、「一括削除」を選択します。
  4. 新しい一括削除ジョブを作成します。「一括レコード削除」の画面で、「新規」ボタンをクリックして、削除するレコードの条件を定義します。
  5. 「フローセッションテーブル」を選択し、条件を設定します。「検索」の項目で「フローセッションテーブル」を選択します。これはデスクトップフローの実行履歴を管理するテーブルです。削除したい実行履歴の条件(例: 「完了日」が「Xヶ月以上前」など)を設定します。
  6. ジョブを作成し、実行を監視します。設定が終わったら、ジョブを作成して実行します。これにより、条件に合致するデスクトップフローの実行履歴が一括で削除されます。

方法3:PowerShellスクリプトを使う(高度な方法・管理者向け)

Power Automateのクラウドフローの実行履歴を個別に、または特定の条件で削除する直接的なPowerShellコマンドレットは、標準では提供されていません。しかし、Dataverse(データの保存基盤)に実行履歴が保存されている環境であれば、DataverseのAPIやSDK、またはPowerShellを通じてDataverseのレコードを操作する形で、高度な削除を行う可能性はあります。これは非常に専門的な知識が必要なため、一般的なユーザー向けではありません。


「完全に削除できる?」という質問への答えと、知っておいてほしいこと

Power Automateの実行履歴を削除する、という操作の「完全性」については、いくつかの側面を理解しておく必要があります。

フローの実行履歴からは「消える」

上記の方法(主にPower Platform管理センターからのデスクトップフローの一括削除)で実行履歴を削除した場合、Power Automateポータルの「実行履歴」画面からは、その記録が消えます。ユーザーがフローの詳細を確認したり、トラブルシューティングを行ったりする際には、その履歴はもう参照できなくなります。

監査ログには記録が残る可能性がある

しかし、Microsoft 365全体の「監査ログ」には、フローの実行に関する情報が残る可能性があります。監査ログは、企業の情報セキュリティやコンプライアンス(法令遵守)のために、組織内のあらゆる活動を記録するものです。例えば、「Power Automateフローの実行」というイベントや、「Dataverseのレコードが作成された」といった情報が記録されることがあります。

  • この監査ログは、SharePointを含むMicrosoft 365管理者がMicrosoft Purview コンプライアンス ポータル(https://www.google.com/search?q=compliance.microsoft.com)から検索できます。
  • 監査ログに記録されるのは、フローの実行そのものの情報であり、フローの中で処理された具体的なデータの内容(例えば、メールの本文やSharePointリストの個々のアイテムの詳細)が監査ログに直接保存されるわけではありません。しかし、「誰が、いつ、どのフローを実行し、その結果どうなったか」という記録は残ることがあります。

フローが処理した「データ」は別途管理が必要

実行履歴を削除しても、そのフローが実行された結果として作成・変更・保存されたデータ(例: SharePointのファイル、Excelのデータ、Teamsに投稿されたメッセージなど)は、削除されません。これらのデータは、それぞれのサービスで別途管理されており、削除したい場合は、それぞれのサービス上で削除操作を行う必要があります。

既定の保存期間(28日間)を過ぎれば自動的に削除される

多くのクラウドフローの実行履歴は、特別な操作をしなくても、既定で28日間が経過すれば自動的に削除されます。そのため、手動での削除が必要なのは、主に「28日間より早く消したい場合」や、「デスクトップフローの実行履歴を管理したい場合」、または「非常に機密性の高い情報を含むため、より厳密に管理したい場合」に限られます。

実行履歴の保存期間を変更する(管理者向け)

Power Platform管理者は、Dataverseに保存されるクラウドフローの実行履歴の保持期間を、既定の28日間から14日間、7日間、または無効に短縮することができます。これにより、実行履歴が自動で削除されるまでの期間を短くし、ストレージの消費を抑えることができます。

設定場所: Power Platform管理センター → 環境 → 目的の環境を選択 → 「設定」→「製品」→「機能」→「Dataverseのクラウドフロー実行履歴」


 

実行履歴の削除は「どこまで」を求めるかで方法が変わる

Power Automateの実行履歴を削除する方法は存在しますが、「完全に削除できるか」という点では、その定義によって異なります。

  • フローの実行履歴画面から消す: 特定の権限があれば可能です(デスクトップフローは一括削除可)。
  • 監査ログから記録を消す: これは非常に困難、または事実上不可能です。監査ログは企業の重要な活動記録であり、通常は削除されません。
  • フローが処理したデータを消す: 実行履歴を消してもデータは消えません。データはそれぞれのサービスで別途削除が必要です。

これらの点を理解した上で、あなたの目的と会社のセキュリティ・コンプライアンス要件に合わせた方法を選択してください。