SharePointのチェックアウトとは?どうすれば良い?

SharePointの「チェックアウト」とは?共同作業の安全を守る排他制御機能

SharePoint(シェアポイント)は、チームでファイルを共有し、共同で作業を進めるための強力なプラットフォームです。WordやExcelのファイルを複数人で同時に編集する「共同編集」機能は非常に便利ですが、「このファイルは絶対に他の人に上書きされたくない」「今、自分がじっくりと作業したい」という状況も発生します。

そんな時に役立つのが、SharePointの「チェックアウト」機能です。

「チェックアウト」とは何か、なぜ使うのか、そしてどのように設定・利用するのかを分かりやすく解説していきます。


SharePointの「チェックアウト」とは?

SharePointのチェックアウト機能は、特定のファイルを編集する際に、そのファイルを排他的にロックする機能です。

  • 排他制御(ロック): ファイルをチェックアウトすると、そのファイルはチェックアウトした本人だけが編集できる状態になります。他のユーザーは、そのファイルを「読み取り専用」として開くことはできますが、内容を変更して保存することはできません。
  • 目的:
    • 誤った上書きの防止: 複数人が同時にファイルを編集しようとして、意図せず他の人の変更を上書きしてしまう「競合」を防ぎます。
    • 変更内容の明確化: 自分が作業している間は、他のユーザーに未完成の変更内容が見られないようにし、自分が「チェックイン」するまで新しいバージョンが公開されないようにします。
    • 変更履歴の管理強化: チェックイン時に変更内容に関するコメントを残せるため、バージョンの履歴がより明確になります。
  • アイコン表示: チェックアウト中のファイルには、ファイル名の横に小さな赤い矢印のアイコンが表示され、一目で誰かにチェックアウトされていることが分かります。

「チェックアウト」と「共同編集」はどう使い分ける?

SharePointには「共同編集」という便利な機能もあるため、チェックアウトとどう使い分けるべきか疑問に感じるかもしれません。

共同編集(デフォルト)

複数人がリアルタイムで同時にファイルを編集し、アイデア出しや高速な資料作成を行う。

適したシーン: チームでのブレインストーミング、会議中の議事録作成、下書き段階の企画書やプレゼン資料の作成など、リアルタイム性を重視し、頻繁に共同で変更を加える場合

特徴: ロックはかからず、全員が編集可能。変更は即座に反映される。

チェックアウト

ファイルを自分専用の編集モードにし、他のユーザーからの干渉を完全に排除してじっくり作業したい場合。変更が完了するまで、他のユーザーに未完成の変更内容を見せたくない場合。

適したシーン: 最終版の契約書、重要な決算報告書、承認プロセスに入る前の機密資料など、誤った変更が許されない、またはじっくりと一人で完成度を高めたい場合

特徴: 排他ロックがかかり、チェックアウトした本人以外は編集不可。チェックインするまで変更は公開されない。

基本的には共同編集を推奨し、上記のような特別な状況でのみチェックアウトを使用するのが一般的です。

チェックアウトの「やり方」(手動操作)

ファイルを手動でチェックアウト/チェックインする手順です。

ファイルをチェックアウトする

  1. SharePointサイトのドキュメントライブラリを開く: チェックアウトしたいファイルが保存されているドキュメントライブラリにアクセスします。
  2. ファイルを選択する: チェックアウトしたいファイルの左にあるチェックボックスをクリックして選択します。
  3. 「その他」メニューをクリックする:
    • 画面上部のメニューバーに表示される「」(三点リーダー)をクリックします。
    • ドロップダウンメニューから「その他」を選択します。
  4. 「チェックアウト」を選択する:
    • 「その他」メニューの中に「チェックアウト」というオプションがあるので、これをクリックします。
  5. 完了メッセージの確認:
    • 画面右上に「1個のアイテムをチェックアウトしました」のようなメッセージが表示されます。
    • 対象のファイルのアイコンに、緑色の下向き矢印のマークが表示されていれば、チェックアウトは完了です。これで、あなただけがファイルを編集できる状態になります。

ファイルを編集する

  • チェックアウトが完了したら、通常通りファイルを開き、編集作業を行います。
  • ファイルを保存しても、その変更は他のユーザーからはまだ見えません(ドラフトとして保存されている状態)。

編集が終わったら「チェックイン」する

編集作業が完了し、他のユーザーにも変更内容を公開したい場合は、必ずチェックインを行います。

  1. SharePointサイトのドキュメントライブラリを開く:
  2. チェックアウトしたファイルを選択する:
  3. 「その他」メニューをクリックする: 「…」→「その他」を選択します。
  4. 「チェックイン」を選択する:
    • メニューの中から「チェックイン」を選択します。
  5. バージョンコメントを入力する(重要):
    • 「チェックイン」ダイアログが表示されます。ここで、今回の変更内容に関するコメント(例: 「売上目標を修正」「新機能の概要を追加」など)を入力します。このコメントは、バージョン履歴に記録され、後から変更内容を追跡する際に非常に役立ちます。
    • 必要に応じて、「チェックイン後にチェックアウトを保持しますか?」のチェックボックスで、チェックイン後も引き続き編集を続けたいかを選択できます。
  6. 「チェックイン」をクリックして完了:
    • コメントを入力したら「チェックイン」をクリックします。
    • ファイルのアイコンから赤い矢印マークが消え、他のユーザーもファイルを編集できるようになります。また、変更内容も最新バージョンとして公開されます。

 

チェックアウトを「破棄」する(変更内容を元に戻す)

ファイルをチェックアウトしたが、結局変更が不要になった、または誤ってチェックアウトしてしまった、という場合は「チェックアウトの破棄」を行います。これにより、行った変更は保存されず、ファイルはチェックアウト前の状態に戻ります。

  1. SharePointサイトのドキュメントライブラリを開く:
  2. チェックアウトしたファイルを選択する:
  3. 「その他」メニューをクリックする: 「…」→「その他」を選択します。
  4. 「チェックアウトの破棄」を選択する:
    • メニューの中から「チェックアウトの破棄」を選択します。
  5. 確認メッセージに「はい」:
    • 変更内容が失われる旨の確認メッセージが表示されるので、「はい」をクリックします。
    • ファイルのアイコンから赤い矢印マークが消え、変更はなかったことになり、ファイルはチェックアウト前の状態に戻ります。

チェックアウトが必要な状況を確認する

ファイルを開こうとしたら「〇〇さんが編集目的でチェックアウトしています」というメッセージが出て編集できない場合があります。

赤い矢印アイコンを確認する:

ドキュメントライブラリで、ファイル名の横に赤い矢印アイコンが表示されていれば、そのファイルは誰かにチェックアウトされています。

詳細情報を確認する:

チェックアウトされているファイルにカーソルを合わせるか、ファイルを選択して「情報」パネル(右側の詳細ペイン)を開きます。

ここに、「チェックアウト者」として誰がファイルをチェックアウトしているか、そしていつチェックアウトされたかの情報が表示されます。

チェックアウト者に連絡する:

チェックアウトしているユーザーが誰か分かったら、その人に連絡を取り、作業が終わっているか、チェックインしてもらえるかを確認しましょう。

ドキュメントライブラリの「チェックアウト必須」設定

ドキュメントライブラリによっては、ファイルの編集を始める前に必ずチェックアウトを行うように「必須」設定にすることができます

設定方法(管理者または「デザイン」以上の権限が必要):

ドキュメントライブラリを開く: チェックアウトを必須にしたいドキュメントライブラリにアクセスします。

「ライブラリの設定」を開く:

画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックし、「ライブラリの設定」を選択します。

クラシック表示の場合は、「ライブラリ」タブの「ライブラリの設定」をクリックします。

「バージョン設定」をクリックする:

設定画面の「全般設定」の中にある「バージョン設定」をクリックします。

「ドキュメントを編集する前に必ずチェックアウトをする」を「はい」にする:

「チェックアウトが必要」セクションまでスクロールし、「ドキュメントを編集する前に必ずチェックアウトをする」という項目で「はい」を選択します。

「OK」をクリックして設定を保存します。

注意点

  • この設定を「はい」にすると、ユーザーはファイルを編集する際に、必ず明示的にチェックアウトを行うか、ファイルを開いた際に自動チェックアウトされるようになります。チェックインしない限り、他のユーザーには変更内容が公開されません。
  • この設定は、共同編集の利便性を低下させる可能性があるため、本当に排他制御が必要なドキュメントライブラリにのみ適用すべきです。
  • チェックアウトしたままチェックインを忘れると、他のユーザーが永遠にそのファイルを編集できなくなる、という問題が発生しやすくなります。チェックイン忘れ対策のルールや啓蒙が重要です。
  • Power Automateとの連携: Power Automateでこの設定が有効なSharePointファイルを操作する場合、フロー内で「ファイルをチェックアウトする」アクションと「ファイルをチェックインする」アクションを適切に挟む必要があります。これを怠ると、フローがファイルにアクセスできずエラーになることがあります。

 

まとめ

SharePointの「チェックアウト」機能は、共同編集が当たり前になった現代において、情報の整合性とセキュリティを確保するための重要なツールです。特に、以下のような場合にその真価を発揮します。

  • 独占的に作業したい場合
  • 未完成の変更を他の人に見られたくない場合
  • 重要な変更履歴をコメント付きで明確に残したい場合

「チェックアウト必須」の設定は便利である反面、使いすぎると共同作業の妨げになる可能性もありますので、ドキュメントライブラリの性質やチームの作業スタイルに合わせて適切に活用することが重要です。