Power Automate不具合をリアルタイムで確認・把握する方法:これでトラブルを見逃さない!
Power Automateで業務プロセスを自動化していると、フローの実行中に予期せぬエラーや失敗が発生することは避けられません。しかし、問題が発生したことをすぐに知ることができれば、原因の特定と解決までの時間を大幅に短縮し、業務への影響を最小限に抑えることができます。
Power Automateには、フローの不具合をリアルタイムで確認・把握するための様々な機能が用意されています。これらの機能を活用することで、あなたはフローの健全性を常に監視し、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を構築できます。
Power Automate ポータルでの確認(基本)
最も基本的な確認方法ですが、リアルタイム性という点では他の方法と組み合わせるのが一般的です。
実行履歴の確認
Power Automateポータル(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にサインインし、左メニューから「マイ フロー」を選択します。
監視したいフローをクリックし、詳細画面の「28 日間の実行履歴」セクションを確認します。
「失敗」と表示されている実行があれば、それをクリックして、どのステップで、どのようなエラーが発生したかを確認できます。
「失敗したフロー」ビュー
「マイ フロー」画面で、上部のフィルターを「失敗したフロー」に切り替えることで、失敗したフローだけを一覧で確認できます。
リアルタイム性: フローの実行が完了してからポータルに反映されるため、厳密なリアルタイム性には欠けます。しかし、問題発生時の詳細な原因特定には不可欠です。
メール通知を設定する(最も手軽なリアルタイム通知)
フローが失敗した際に、指定したメールアドレスに自動で通知を送る最も手軽な方法です。
設定方法
- フローを編集モードで開く:
- Power Automateポータルで、通知を設定したいフローを編集モードで開きます。
- 「失敗時」に実行されるアクションを追加:
- フローの最終ステップ(またはエラーを捕捉したいスコープの直後)に「新しいステップ」を追加します。
- 検索ボックスに「Outlook」と入力し、「メールを送信する (V2)」アクションを選択します。
- この「メールを送信する (V2)」アクションの「構成:実行条件」を変更します。
- アクションの右上にある「…」(その他のコマンド)をクリックし、「構成:実行条件」を選択します。
- デフォルトの「前のステップが成功した場合」のチェックを外し、「前のステップが失敗した場合」にチェックを入れます。
- 「完了」をクリックします。
- メールの内容を設定する:
- 「宛先」: 通知を受け取りたいメールアドレス(自分、チームの共有メールボックスなど)を入力します。
- 「件名」:
【緊急】Power Automateフロー失敗通知: [フロー名]のように、件名にフロー名を含めると分かりやすいです。フロー名は動的なコンテンツのworkflow()['tags']['flowDisplayName']で取得できます。 - 「本文」:
- エラーが発生したことを伝えるメッセージを記述します。
- エラーの詳細情報を取得するための式を含めます。
- フロー実行URL:
@{workflow()['run']['webUrl']}を本文に含めることで、クリック一つで失敗した実行履歴に直接飛べます。 - エラーメッセージ: 前のステップでエラーを捕捉する「スコープ」と「作成」(Compose)アクションを組み合わせることで、エラーメッセージ本文を取得できます。
- 例:
@{outputs('エラーメッセージを抽出するComposeアクション名')?['body']}
- 例:
- フロー実行URL:
メリット
- 設定が非常に簡単。
- メールクライアントがあればどこでも確認できる。
デメリット
- メールボックスが通知で溢れる可能性がある。
- 見落としやすい場合がある。
Teams通知を設定する(視覚的で連携しやすいリアルタイム通知)
多くの組織で利用されているTeamsに通知を送ることで、チームメンバーがリアルタイムでエラーを共有し、連携して対処できます。
メリット
- チームメンバーへの共有が容易。
- Teamsの通知機能により、リアルタイムで気づきやすい。
- チャネル内で会話ができ、問題解決の連携がスムーズ。
デメリット
- Teamsを利用していない場合は使えない。
- チャネルが通知で溢れる可能性がある。
モバイルアプリ通知(外出先でのリアルタイム確認)
Power Automateのモバイルアプリをインストールしていれば、フローの失敗をプッシュ通知で受け取ることができます。
設定方法
- Power Automateモバイルアプリをインストール:
- iOSまたはAndroidデバイスにPower Automateアプリをインストールし、Power Automateで使用しているアカウントでサインインします。
- 通知設定を有効にする:
- アプリ内で、通知を受け取りたいフローを選択します。
- フローの詳細画面で、通知設定が有効になっていることを確認します。
- デバイス自体の設定で、Power Automateアプリからの通知が許可されていることを確認します。
- フローに「モバイル通知を送信する」アクションを追加:
- メールやTeams通知と同様に、フローの「失敗時」に実行されるように「モバイル通知を送信する」アクションを追加します。
- 通知メッセージに、フロー名や実行URLなどの詳細を含めます。
メリット
- PCを開いていなくても、スマートフォンでリアルタイムに通知を受け取れる。
- 緊急性の高いエラーに素早く気づける。
デメリット
- 個人のデバイスに通知が届くため、チームでの共有には向かない。
- 通知が多すぎると煩わしく感じる場合がある。
カスタムログの記録と監視(より高度なリアルタイム監視と分析)
エラーの詳細情報をSharePointリスト、Azure Log Analytics、Dataverseなどに記録し、それらをPower BIなどで可視化することで、より高度なリアルタイム監視と傾向分析が可能になります。
設定方法
- ログ記録用のデータソースを準備:
- 例: SharePointリストに「フロー名」「実行ID」「エラーメッセージ」「発生日時」「ステータス」などの列を持つリストを作成します。
- フローにログ記録アクションを追加:
- フローの「失敗時」に実行されるように、「SharePointのアイテムを作成する」などのアクションを追加します。
- 各列に、フローの動的なコンテンツや式で取得したエラー情報をマッピングします。
workflow()['run']['id']で実行ID、utcNow()で現在日時などが取得できます。
- Power BIでダッシュボードを作成(オプション):
- ログを記録しているデータソース(SharePointリストなど)をデータソースとしてPower BIレポートを作成します。
- レポートをPower BIサービスに発行し、定期的に更新されるように設定します。
- Power BIの「アラート」機能を使って、特定の条件(例: 1時間以内に失敗したフローが5件以上)を満たした場合にメール通知を送るように設定することも可能です。
メリット
- エラー履歴を長期的に保存・管理できる。
- Power BIで可視化することで、エラーの傾向や頻度を分析できる。
- 特定の条件でアラートを設定できるため、より柔軟なリアルタイム監視が可能。
デメリット
- 初期設定に手間がかかる。
- Power BIの知識が必要になる場合がある。
Power Automate Analytics(管理センターからの監視)
Power Platform管理センターには、Power Automateの利用状況やパフォーマンスを分析するための「Power Automate Analytics」機能があります。
確認方法
- Power Platform 管理センターにアクセス:
- Power Platform 管理センター(https://www.google.com/search?q=admin.powerplatform.microsoft.com)にアクセスします(管理者権限が必要です)。
- 「分析」→「Power Automate」へ移動:
- 左側のナビゲーションメニューから「分析」を展開し、「Power Automate」を選択します。
- レポートを確認:
- 「実行」タブなどで、環境内のフローの成功/失敗率、エラーの種類などの傾向を確認できます。
メリット
- 環境全体のフローの健全性を俯瞰できる。
- 過去の傾向やパフォーマンスを分析できる。
デメリット
- リアルタイム性には欠ける(データは定期的に更新される)。
- 個々のフローの具体的なエラーメッセージまでは確認できない。
複数の方法を組み合わせて「リアルタイム監視」を強化する
Power Automateの不具合をリアルタイムで確認・把握するためには、一つの方法に頼るのではなく、複数の方法を組み合わせて利用することが最も効果的です。
緊急性の高い通知
Teams通知やモバイルアプリ通知を設定し、問題発生時に即座に担当者にプッシュ通知が届くようにします。
詳細な情報と記録
メール通知やカスタムログ記録を設定し、エラーの詳細情報(どのステップで、どんなエラーメッセージが出たか、実行URLなど)を記録し、後で分析できるようにします。
全体像の把握
定期的にPower Automateポータルの実行履歴やPower Automate Analyticsを確認し、フロー全体の健全性を把握します。
これらの方法を適切に組み合わせることで、Power Automateのフローをより堅牢に運用し、ビジネスプロセスの自動化を安定して維持できるようになるでしょう。

