Power AutomateでTeamsの全メンバーに「メンション」する方法:緊急連絡や重要通知を見逃さない!
「Teams(チームズ)のチャネルで、新しいお知らせが出た時に、全員にメンション(@を使って名前を呼び出すこと)して、確実に気づかせたいんだけど、どうすればいいの?」「特定のグループチャットで、メンバー全員に一斉に連絡を届けたいんだけど、一人ずつメンションするのは大変だし、Power Automate(パワー・オートメイト)で自動化できないかな?」
こんな風に感じたことはありませんか? Teamsはチーム内のコミュニケーションの中心ですが、チャットの流れが速かったり、メッセージ量が多かったりすると、重要な情報でも見落とされがちです。そんな時、「メンション」機能は、特定の個人やグループに直接通知を送る強力な方法です。Power Automateを使えば、このメンション機能を活用して、Teamsのチャネルやグループチャットの全メンバーに、自動で通知を届ける仕組みを構築できます。
Power AutomateとTeamsを組み合わせることで、あなたが望む形で全メンバーにメンションを送り、情報共有の確実性を高めることが可能です。ただし、チャネルとグループチャットでは、メンションの仕組みが少し異なりますので、それぞれの方法を理解することが大切です。
Teamsの「メンション」機能ってどんなもの?なぜ全メンバーに送りたいの?
Teamsにおける「メンション」機能とは、@マークの後ろにユーザーの名前やグループ名を入力することで、その人やグループに直接通知を送り、メッセージの内容に気づかせやすくする機能です。メンションされた人は、アクティビティフィードに通知が表示され、メッセージがハイライト表示されるため、重要な情報を見落としにくくなります。
なぜ全メンバーにメンションしたいのか?その主なメリット
- 重要情報の確実な伝達:緊急のお知らせ、全社的な決定事項、重要な締め切りなど、チームやグループのメンバー全員に確実に目を通してほしい情報がある場合に、見落としを防ぎます。
- 初動の迅速化:何か問題が発生した際や、すぐに全員の確認が必要な場合に、自動で全メンバーにメンションを飛ばすことで、情報共有の初動を早め、対応を迅速化できます。
- 手作業の削減:人数が多いグループやチームで、一人ずつ手動でメンションする手間をなくし、時間を節約します。
- コミュニケーションの活性化:特定のテーマについて、全員に意見を求めたい場合や、全員で意識を共有したい場合に、自動でメンションを飛ばすことで、議論のきっかけを作ることができます。
Teamsの「チャネル」で全メンバーにメンションする方法(最も簡単)
Teamsの「チャネル」では、Power Automateを使って全メンバーにメンションを送るための、非常に簡単で便利な方法が用意されています。これは、チャネル全体、またはチーム全体に通知を送るための特別なメンション機能です。
1. 「@チャネル」または「@チーム」を使う
Teamsのチャネルでは、「@チャネル名」または「@チーム名」という特別なメンション機能があります。これらをメッセージに含めることで、そのチャネルに参加している全員、またはチームに参加している全員に通知を送ることができます。
@チャネル名: そのチャネルに参加しているすべてのメンバーに通知を送ります。@チーム名: そのチームに参加しているすべてのメンバーに通知を送ります。チームの所有者が、@チーム名のメンションを許可している必要があります。
Power AutomateでTeamsのメッセージを投稿する際に、これらのメンションをメッセージ本文に含めるだけで、簡単に全メンバーに通知を送ることができます。
Teamsチャネルで全メンバーにメンションを送る具体的な手順
ここでは、Power Automateを使って、Teamsのチャネルに「@チャネル名」を含んだメッセージを自動投稿するフローを例に、具体的な作成手順をステップバイステップで解説します。
事前準備:メッセージを投稿したいTeamsのチャネルを確認
メッセージを投稿したいTeamsの「チーム」と「チャネル」(例: チーム名「全社連絡」、チャネル名「お知らせ」)があることを確認しておきましょう。
ステップ1:Power Automateで新しいフローを作成します。
これは、あなたが設定したスケジュールに基づいて自動で動かすフローでも、手動で動かすフローでも構いません。
- ウェブブラウザを開き、Power Automate(
make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。 - 左側のナビゲーションメニューで「作成」をクリックします。
- 例えば「スケジュール済みクラウド フロー」を選択し、フローに分かりやすい名前を付けます(例:「毎週月曜_全社お知らせ」)。
- メッセージを投稿したいスケジュールを設定します(例: 毎週月曜日、午前9時に実行)。
- 「作成」ボタンをクリックします。
ステップ2:Teamsにメッセージを投稿するアクションを追加します。
スケジュールされたタイミングで、Teamsに自動メッセージを投稿します。
- 「繰り返し」トリガー(またはあなたが選んだトリガー)の下に「新しいステップ」をクリックします。
- 検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する (Teams)」アクションを選択してください。
- アクションの詳細を設定します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します。これにより、Power Automateのアイコンでメッセージが投稿されます。
- 投稿先: 「チャネル」を選択します。
- チーム: メッセージを投稿したいTeamsの「チーム」を選択します(例: 「全社連絡」)。
- チャネル: メッセージを投稿したいチーム内の「チャネル」を選択します(例: 「お知らせ」)。
- メッセージ: ここに、Teamsに投稿したいメッセージの内容を入力します。メッセージ本文に「@チャネル名」または「@チーム名」を含めることで、全メンバーへのメンションを実現します。メッセージの入力例:
@お知らせ または @全社連絡チーム 【重要なお知らせです】 今週の全社ミーティングは、日時が変更になりました。 変更後の日時:@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy年MM月dd日')} 午前10時 場所:オンライン(Teams会議リンクは別途通知します) ご確認のほどよろしくお願いいたします。式の解説:
@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy年MM月dd日')}は、フローが実行された現在の日付をメッセージに自動挿入する式です。
ステップ3:フローを保存して有効化します。
すべての設定が完了したら、フローを保存し、自動で動作するように有効化します。
- 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
- フローが保存されると、そのスケジュール設定に基づいて自動的に動作を開始します。
- フローが「オン」になっていることを確認してください。もし「オフ」になっている場合は、フローの詳細画面で「オンにする」ボタンをクリックして有効化します。
これで、指定したスケジュールになると、Power Automateが自動的にTeamsの指定チャネルに「@チャネル名」を含んだメッセージを投稿し、チャネルの全メンバーに通知が送られるようになります。
Teamsの「グループチャット」で全メンバーにメンションする方法(より複雑)
Teamsの「グループチャット」(通常の個人チャットの複数人版)には、残念ながらチャネルの「@チャネル名」や「@チーム名」のような、一斉に全メンバーに通知を送る直接的なメンション機能は用意されていません。これは、グループチャットがより個人的なコミュニケーションを想定しているためです。
しかし、Power Automateの工夫によって、これに近い通知を全メンバーに送る方法がいくつかあります。
1. 各メンバーに個別のチャットメッセージを送る(最も確実)
これは、グループチャットのメンバー一人ひとりに対して、Power Automateが個別のチャットメッセージを送信する方法です。
- 仕組み: グループチャットのメンバーを一人ずつ取得し、そのメンバー全員に対してPower Automateが「新しいチャットを開始」アクションを使ってメッセージを送ります。
- メリット:
- 確実に各メンバーの個人チャットに通知が届きます。
- メッセージの内容を個別にカスタマイズすることも可能です。
- グループチャットの会話の流れを邪魔しません。
- デメリット:
- メンバーの数が多いと、個別にメッセージが飛ぶため、受信者が「なぜ個人的に?」と感じる可能性があります。
- フローの実行回数(APIリクエスト)が増える可能性があります。
各メンバーに個別のチャットメッセージを送る具体的な手順
ここでは、特定のグループチャットのメンバー全員に、個別のチャットメッセージを送るフローの概要を説明します。
- Power Automateで新しいフローを作成します。手動で起動する「インスタント クラウド フロー」を例にします。
- グループチャットのメンバー情報を取得します。
- まず、メッセージを送りたいグループチャットの「ID」を取得します。これは、Teamsのグループチャットを開き、そのURLの一部から特定できます。
- 「Microsoft Teams」コネクタの「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションを追加し、取得したグループチャットIDを指定します。
- 取得した各メンバーに対してメッセージを送るループを設定します。「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションの下に「Apply to each」(各項目に適用)アクションを追加し、その入力として「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションの「値」を選択します。
- ループの中で各メンバーにメッセージを送るアクションを追加します。「Apply to each」ブロックの中に「アクションの追加」をクリックし、「Teams」コネクタの「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションを選択してください。
- 投稿先: 「Chat with Flow bot」(フローボットとの個人チャット)を選択します。
- 受信者: 動的なコンテンツから「Apply to each」のループで処理中のメンバーの「ユーザー プリンシパル名 (UPN)」(メンバーのメールアドレス)を選択します。
- メッセージ: 送りたい内容を入力します。
2. グループチャット内で「@ユーザー名」を複数メンションする
これは、グループチャットのメッセージ本文に、メンバー全員の@ユーザー名をまとめて含めて投稿する方法です。ただし、メッセージが長くなる、誰をメンションしたか分かりにくくなる、という欠点があります。
- 仕組み: グループチャットのメンバー全員を一人ずつ取得し、それぞれのユーザーの「メンショントークン」を取得します。そのメンショントークンを全て結合し、一つのTeamsメッセージの本文に含めて投稿します。
- メリット: 全員のメンションが「一つのメッセージ」に含まれます。
- デメリット:
- メンションする人数が多いと、メッセージの文字数制限に引っかかる可能性があります。
- メンショントークンを正しく取得・結合するロジックが複雑になります。
- メッセージが非常に長くなり、読みにくくなる可能性があります。
各メンバーをグループチャット内で複数メンションする具体的な手順(高度)
- Power Automateで新しいフローを作成します。手動で起動する「インスタント クラウド フロー」を例にします。
- グループチャットのメンバー情報を取得します。上記「各メンバーに個別のチャットメッセージを送る」方法と同様に、「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションでメンバー情報を取得します。
- 各メンバーのメンショントークンを取得し、一つの変数に結合するループを設定します。
- 「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションの下に「Apply to each」を追加し、各メンバーの処理を行います。
- ループの中に「メンショントークンを取得」(Teamsコネクタ)アクションを追加し、各メンバーのメンショントークンを取得します。
- 「変数を追加」(変数コネクタ)アクションを使って、取得した各メンショントークンを「文字列」型の変数(例:
varAllMentions)に結合していきます。この際、メンションとメンションの間にスペースや改行を入れると良いでしょう。
- グループチャットにメッセージを投稿するアクションを追加します。「Apply to each」ループの後に、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションを追加します。
- 投稿先: 「グループチャット」を選択し、対象のグループチャットIDを指定します。
- メッセージ: メッセージ本文の冒頭に、結合した変数「
varAllMentions」を挿入し、その後ろに本文を続けます。
Teamsでのメンションをスムーズに運用するための「大切なポイント」
Power AutomateでTeamsの全メンバーにメンションを送る機能は非常に強力ですが、そのメリットを最大限に引き出し、スムーズな運用を実現するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処する必要があります。
1. 「メンション」は本当に必要か?乱用は避ける
メンションは、相手に直接通知が届くため、非常に強力です。しかし、不必要に頻繁なメンションは、チームメンバーに「通知疲れ」を引き起こし、本当に重要なメンションを見落とされる原因になります。本当に全員に知らせるべき「重要事項」や「緊急連絡」に限定して使用することを強く推奨します。
2. 「@チャネル名」と「@チーム名」の違いを理解する
@チャネル名: そのチャネルの「投稿」タブにメッセージを投稿した場合、チャネル内の全メンバーに通知が飛びます。@チーム名: そのチーム内の全てのチャネルで通知が有効になっている場合、チームの全メンバーに通知が飛びます。これは、より広範囲な通知になります。
これらの使い分けを理解し、最も適切な範囲に通知を送るようにしましょう。
3. 実行される「権限」を確認する
Power AutomateフローがTeamsでメッセージを投稿したり、メンバー情報を取得したりするには、フローが使用するアカウントが、Teams内で適切な権限を持っている必要があります。もしエラーが発生する場合は、フローの接続が有効か、そしてそのアカウントに適切な権限(例: チームのメンバー、またはチームの所有者)があるかを確認してください。
4. 大規模グループへのメンション時の「API制限」と「遅延」
グループチャットでメンバーを一人ずつ取得し、個別にチャットを送る場合、メンバーの数が多いと、Power AutomateのAPIリクエスト制限(スロットリング)に引っかかる可能性があります。
対策
- 「グループチャットのメンバーを一覧表示」アクションの後に「Apply to each」ループの「並列処理の最大限度」を低めに設定(例: 1〜5)します。
- ループ内のメッセージ送信アクションの後に、数秒の「遅延」アクションを挿入し、要求の速度を落とします。
5. エラー通知と監視を設定する
メッセージの送信が予期せず失敗した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定し、Power Automateのフローがエラーになったことを、自動であなた自身や管理者に通知する仕組みを構築しておきましょう。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。
6. テスト環境での十分な検証を行う
本番環境で実際に全メンバーへのメンションを送信する前に、必ずテスト環境(テスト用のチームやチャネル、テスト用のユーザーアカウント)でフローを十分にテストしてください。
- メッセージ内容の確認: 送信されるメッセージの見た目や内容に誤字脱字がないか、メンションが正しく機能するかなどを確認します。
- 通知の確認: 実際に通知が届くか、通知音が鳴るかなどを確認します。
Power AutomateでTeamsの全メンバーに「確実に情報を届ける」!
Power AutomateとTeamsを組み合わせて、グループチャットやチャネルの全メンバーにメンションを送ることは、情報共有の確実性を高め、チーム内の連携を強化するための非常に強力な自動化です。
- チャネルの場合:
@チャネル名または@チーム名をメッセージ本文に含めるのが最も簡単で推奨される方法です。 - グループチャットの場合: 直接的な「@全員」機能がないため、メンバーを一覧表示し、それぞれに個別のチャットメッセージを送るのが最も確実な代替手段です。
- メンションは強力な機能であるため、乱用せず、本当に重要な情報伝達に限定して使用することを心がけましょう。
- API制限への対策やエラーハンドリング、そして徹底したテストを行うことが、安定運用への鍵となります。
これらの知識と手順を上手に活用して、あなたのチームのコミュニケーションプロセスを自動化し、日々の業務をよりスムーズで効率的なものに変えてくださいね。

