Power Automate|ファイル追加で承認ワークフローを開始する方法は?手順は?

Power Automateで「ファイル追加で承認ワークフロー」を自動化!もう手動承認で待たせない!

「SharePoint(シェアポイント)のフォルダに新しいファイルがアップロードされたら、自動的に上司に承認を求めるメールを送りたいんだけど、どうすればいいの?」「OneDrive(ワンドライブ)に作成されたドキュメントを、関係者に確認してもらってから公開したいんだけど、毎回手動で連絡するのが面倒だな…」

こんな風に感じたことはありませんか? チームで共有しているファイルやドキュメントには、最終公開前に上司や関係者の承認が必要なものがたくさんありますよね。しかし、ファイルが追加されるたびに手動で連絡を取り、承認を依頼するのは、手間がかかる上に、見落としや承認プロセスの遅延につながる可能性があります。そんな時、Power Automate(パワー・オートメイト)という自動化ツールを使えば、ファイルが追加されたことを検知して、自動的に承認ワークフローを開始する仕組みを簡単に作ることができます。これにより、承認プロセスを効率化し、あなたの業務を劇的にスムーズにすることが可能です。

Power Automateは、SharePointやOneDriveと強力に連携し、ファイル追加をトリガー(自動化のきっかけ)として、様々な承認プロセスを自動で開始するフローを構築できます。これは、あなたの業務をよりスマートに、そして見落としなく進めるための強力な味方となるでしょう。


「ファイル追加で承認ワークフロー」ってどんなこと?その大きなメリット

Power Automateで「ファイル追加で承認ワークフロー」を開始するとは、SharePointのドキュメントライブラリやOneDriveの特定のフォルダーに新しいファイルがアップロードされたり、既存のファイルが更新されたりしたことをPower Automateが自動的に検知し、そのファイルを承認してもらうためのプロセス(承認依頼メールの送信、承認状況の追跡など)を自動的に開始する仕組みのことです。

 

なぜ「自動承認ワークフロー」が必要なのか?そのメリット

  • 承認プロセスの高速化: ファイルが追加された瞬間に承認プロセスが開始されるため、手動での連絡待ち時間がなくなり、承認までの時間が大幅に短縮されます。
  • 見落としの防止: 承認依頼が自動的に送信されるため、担当者が依頼を見落とすリスクがなくなります。
  • 承認状況の可視化: Power Automateの承認機能を使うことで、誰が承認済みで、誰がまだ保留中なのか、現在の承認状況を簡単に確認できます。
  • 手間の削減と効率化: 毎回手動で承認依頼のメールを作成したり、承認状況を確認したりする手間がなくなります。
  • 証跡の確保: 承認の記録がPower Automateの実行履歴に残るため、後から「いつ、誰が、何を承認したか」を簡単に確認できます。
  • 一貫したプロセス: 承認プロセスが自動化されることで、常に同じ手順で承認が行われるようになり、業務の一貫性が保たれます。

 

この自動化の仕組み:Power Automateが「監視役」と「調整役」になる

この自動化は、Power AutomateがSharePointやOneDriveを「監視」し、特定のイベント(ファイルの追加や変更)が発生した瞬間に「反応」して、あらかじめ設定しておいた「承認依頼の送信」というアクションを自動的に実行する、という仕組みで成り立っています。承認者は、OutlookのメールやTeamsのチャットから簡単に承認・却下を行うことができます。


 

ファイル追加で承認ワークフローを開始するフローの「全体像」と「必要なもの」

この自動化を実現するために、Power Automateで「クラウドフロー」というものを作成します。

 

フローの全体像

  1. トリガー(きっかけ): SharePointまたはOneDriveの特定の場所に新しいファイルが追加される、または既存のファイルが変更される。
  2. アクション1(承認の開始): 承認者に対して、ファイルの承認を求める依頼を送信する。
  3. アクション2(承認結果の処理): 承認者が「承認」または「却下」の判断を下した後、その結果に応じて次の処理を行う(例: 承認されたらファイルを移動する、却下されたら通知する)。

 

必要なもの

  • Microsoft 365アカウント: SharePoint/OneDriveとPower Automateを利用するためのアカウントです。
  • Power Automateのライセンス: 通常のMicrosoft 365のE3/E5などのライセンスに含まれていますが、高度な機能を使う場合は追加ライセンスが必要になることもあります。
  • 承認者: 承認を依頼したい相手(上司、関係者など)のメールアドレス。

 

ファイル追加で承認ワークフローを開始する「具体的な手順」

ここでは、SharePointの特定のドキュメントライブラリにファイルが追加されたら、自動的に承認ワークフローを開始し、承認結果に応じてファイルを移動するフローを例に、具体的な作成手順をステップバイステップで解説します。OneDriveの場合も、トリガーの部分を読み替えることで応用できます。

 

ステップ1:Power Automateにアクセスし、新しいフローを作成します。

  1. ウェブブラウザを開き、Power Automateのウェブサイト(make.powerautomate.com)にアクセスします。
  2. あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
  3. 左側のナビゲーションメニューで「作成」をクリックします。
  4. 自動化したクラウド フロー」を選択します。(これは、特定のイベントが発生したときに自動的に実行されるフローです。)
  5. フローに分かりやすい名前を付けます。例えば、「SharePointファイル承認ワークフロー」など。
  6. フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」というトリガーを選択します。
    • 【ヒント】: ファイルの更新もトリガーにしたい場合は、「ファイルが作成または変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」を選択します。
  7. 作成」ボタンをクリックします。

 

ステップ2:トリガーを設定します。(SharePointの場合)

「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)」トリガーの設定画面が開きます。

  1. サイトのアドレス: 監視したいSharePointサイトのURLを選択または入力します。
  2. ライブラリ名: ファイルが追加されるドキュメントライブラリを選択します。
    • 【ヒント】: 特定のフォルダー内のファイルだけを対象にしたい場合は、ライブラリ名を選択した後、「フォルダー」の項目で特定のフォルダーを選択します。

 

ステップ3:承認アクションを追加します。

トリガーの下に「新しいステップ」をクリックします。

  1. 検索ボックスに「承認」と入力し、「承認を開始して待機する」アクションを選択します。これは、承認プロセスを開始し、承認者が応答するまでフローを一時停止させるアクションです。
  2. 「承認を開始して待機する」アクションの設定を行います。
    • 承認の種類:
      • 全員が承認」: 指定したすべての承認者が承認しないと、フローは先に進みません。
      • 最初の応答者が承認」: 指定した承認者のうち、誰か一人でも承認すれば、フローは先に進みます。
      • 今回は「最初の応答者が承認」を選択してみましょう。
    • タイトル: 承認依頼の件名を設定します。ファイル名や作成者を含めると分かりやすくなります。
      • 例: [承認依頼] 新規ファイルがアップロードされました: @{トリガーで取得した「ファイル名」}
    • 割り当て先: 承認を依頼したい人のメールアドレスを入力します。複数人設定する場合はセミコロンで区切ります。
      • 例: your.manager@yourcompany.com
      • 【ヒント】: 承認者を固定せず、SharePointの列に「承認者」というユーザー列を作成し、その列の値を変数として使うこともできます。
    • 詳細: 承認依頼の本文を設定します。ファイルへのリンクや、承認が必要な理由などを詳しく記載しましょう。
      • 例: 以下のファイルがSharePointにアップロードされました。内容をご確認の上、承認をお願いいたします。
      • ファイル名: @{トリガーで取得した「ファイル名」}
      • 作成者: @{トリガーで取得した「作成者 (表示名)」}
      • ファイルへのリンク: @{トリガーで取得した「アイテムへのリンク」}
    • アイテムへのリンク: 動的なコンテンツから「アイテムへのリンク」を選択します。(承認者がクリックしてファイルを確認できるように)
    • アイテムのリンクの説明: ファイルを開く などと入力します。

 

ステップ4:承認結果に応じて処理を分岐させます。

「承認を開始して待機する」アクションの後に「新しいステップ」をクリックします。

  1. 検索ボックスに「条件」と入力し、「条件」アクションを選択します。これは、承認の結果(承認されたか、却下されたか)によって次の処理を分岐させるために使います。
  2. 「条件」アクションの設定を行います。
    • 最初のオペランド: 動的なコンテンツから「承認を開始して待機する」アクションの出力にある「結果」を選択します。
    • 演算子: 「次と等しい」を選択します。
    • 2番目のオペランド: Approve と入力します。(「承認」された場合)

 

ステップ5:承認された場合の処理を設定します。(「はい」のパス)

「条件」アクションの「はい」(承認された場合)のパスにアクションを追加します。

  1. 「はい」のパスの下にある「アクションの追加」をクリックします。
  2. 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの移動 (SharePoint)」アクションを選択します。
    • 【ヒント】: ファイルを移動する代わりに、SharePointの特定の列(例: 「承認ステータス」)を「承認済み」に更新するアクションを追加することもできます。
  3. 「ファイルの移動」アクションの設定を行います。
    • 現在のサイトのアドレス: 元のSharePointサイトのURLを選択します。
    • ファイル識別子: 動的なコンテンツからトリガーで取得した「ファイル識別子」を選択します。
    • 移動先のサイトのアドレス: 承認済みファイルを移動したいSharePointサイトのURLを選択します。
    • 移動先のフォルダー: 承認済みファイルを移動したいドキュメントライブラリ内のフォルダーを選択します。(例: /Shared Documents/承認済みファイル
    • 同じ名前のファイルが存在する場合: 「置き換える」または「エラー」を選択します。通常は「置き換える」で問題ありません。
  4. さらに「はい」のパスに「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Microsoft Teams)」アクションを追加し、承認されたことを通知するメッセージを設定します。
    • 投稿者: 「フローボット」を選択
    • 投稿先: 「チャネル」または「チャット」(承認者に直接通知する場合)
    • メッセージ: ファイル「@{トリガーで取得した「ファイル名」}」が承認されました。承認者: @{「承認を開始して待機する」アクションの「応答者名」}。承認済みフォルダに移動しました。

 

ステップ6:却下された場合の処理を設定します。(「いいえ」のパス)

「条件」アクションの「いいえ」(却下された場合)のパスにアクションを追加します。

  1. 「いいえ」のパスの下にある「アクションの追加」をクリックします。
  2. チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Microsoft Teams)」アクションを追加し、却下されたことを通知するメッセージを設定します。
    • 投稿者: 「フローボット」を選択
    • 投稿先: 「チャネル」または「チャット」(ファイル作成者や承認者に直接通知する場合)
    • メッセージ: ファイル「@{トリガーで取得した「ファイル名」}」が却下されました。却下者: @{「承認を開始して待機する」アクションの「応答者名」}。理由: @{「承認を開始して待機する」アクションの「応答コメント」}
    • 【ヒント】: 却下されたファイルを別の「却下済み」フォルダーに移動したり、ファイル作成者にメールで詳細な理由を通知したりするアクションを追加することもできます。

 

ステップ7:フローを保存し、テストします。

  1. 画面右上の「保存」ボタンをクリックして、フローを保存します。
  2. フローが正しく動作するかテストします。
    • 設定したSharePointのドキュメントライブラリに新しいファイルをアップロードします。
    • 数秒後、承認者として設定した人のOutlookに承認依頼のメールが届くか、Teamsに承認カードが表示されるかを確認します。
    • 承認者が「承認」または「却下」をクリックし、コメントを入力して送信します。
    • フローが完了し、ファイルが移動されたり、Teamsに通知が届いたりするかを確認します。
    • もしフローが期待通りに動作しない場合は、Power Automateのフローの「実行履歴」を確認し、エラーが発生していないか、どのステップで問題が起きたかを確認してください。

自動承認ワークフローを「よりスマートに」するための応用と大切なポイント

この基本的なフローに加えて、さらに便利にするための応用や、運用上の大切なポイントがあります。

 

1. 承認者を動的に設定する

承認者を固定するのではなく、SharePointリストの特定の列(例: 「承認者」というユーザー列)に設定されたユーザーに承認を依頼する、といった動的な設定が可能です。これにより、フローを再編集することなく、承認者を変更できます。

 

2. 複数の承認ステップを設定する

例えば、「部門長承認」→「役員承認」のように、複数の承認ステップが必要な場合は、「承認を開始して待機する」アクションを複数回繰り返すことで、多段階承認フローを構築できます。各承認ステップの後に「条件」アクションを挟み、前の承認が完了した場合に次の承認ステップに進むように設定します。

 

3. 承認期限を設定する

承認依頼に期限を設定し、期限内に承認されない場合にリマインダーを送信したり、自動的に却下したりするロジックを追加できます。

  • 「承認を開始して待機する」アクションの「タイムアウト」設定を利用します。
  • タイムアウト後に「条件」アクションで「結果」が「タイムアウト」であるかをチェックし、その後の処理を定義します。

 

4. ファイルの種類や特定の条件で承認を分岐する

すべてのファイルではなく、特定の種類のファイル(例: .docxファイルのみ)や、ファイル名に特定のキーワードが含まれる場合のみ承認を開始する、といった条件を設定できます。

トリガーの直後に「条件」アクションを追加し、「ファイル名」や「ファイル拡張子」をチェックする条件を設定します。

 

5. 承認結果をSharePointの列に書き込む

承認結果(承認済み、却下済み、承認者、承認日時など)を、SharePointのドキュメントライブラリに新しく作成した列(例: 「承認ステータス」「最終承認者」)に書き込むことで、ファイルの一覧画面で承認状況を簡単に確認できるようになります。

「条件」アクションの「はい」と「いいえ」のパスに、「項目の更新 (SharePoint)」アクションを追加し、承認結果を該当する列に書き込みます。

 

6. エラーハンドリングと通知を設定する

フローが予期せず失敗した場合に備えて、エラー通知の仕組みを組み込むことは非常に重要です。

フローの各ステップの右上の「…」をクリックし、「実行後の構成」から「失敗時に実行」を設定し、エラー発生時に自分に通知メールを送るなどのアクションを追加できます。

 

7. テスト環境での十分な検証を行う

本番環境で実際に承認ワークフローを稼働させる前に、必ずテスト環境でフローを十分にテストしてください。様々なシナリオ(承認、却下、タイムアウト、複数承認者など)を想定してテストを行い、期待通りに動作するかを確認することが不可欠です。


 

Power Automateで承認プロセスを自動化し、業務をスムーズに!

SharePointまたはOneDriveにファイルが追加された際に、Power Automateで承認ワークフローを自動的に開始するフローは、あなたの業務効率を大きく向上させる強力なツールです。

  • トリガー: 「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」または「ファイルが作成または変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」
  • アクション: 「承認を開始して待機する」と「条件」アクションを組み合わせて、承認プロセスと結果に応じた処理を設定します。

これらの基本的なステップを理解し、必要に応じて承認者の動的な設定、複数ステップの承認、条件分岐、承認結果の書き込みなどを追加することで、あなたのファイル管理と承認プロセスが、よりスムーズで、より見落としのない、効率的なものへと進化するでしょう。ぜひこの自動化を試して、日々の業務をスマートに、そしてストレスなく進めてくださいね。