SharePoint Online アイテム保持ポリシーからサイトを除外または削除するを分かりやすく説明

SharePoint Onlineの「古い情報削除ルール」からサイトを外す方法:「アイテム保持ポリシー」の適用解除を徹底解説!

 

「SharePoint Online(シェアポイント・オンライン)で、もう使わないプロジェクトのサイトがあるんだけど、これに設定されている『古い情報削除ルール(アイテム保持ポリシー)』から、このサイトを外したいな…」「会社の決まりで、SharePointのファイルは自動で消えたり、ずっと残ったりするようになっているけど、特定のサイトだけはそのルールから除外したいんだ…どうすればいいの?」

こんな風に感じたことはありませんか? SharePoint Onlineの「アイテム保持ポリシー」は、会社の大切な情報を、自動的に「いつまで残すか(保持期間)」や「いつ削除するか」といったルールを適用するための、非常に重要な機能です。これは、情報が古くなってディスク容量を圧迫したり、逆に法律で定められた期間、情報を残し続けたりするために使われます。しかし、プロジェクトの完了や、データの移行など、特定のサイトだけをそのポリシーから外したい、と考えることがありますよね。

SharePoint Onlineのアイテム保持ポリシーから特定のサイトを「除外」したり、ポリシーの適用を「削除」したりする方法は、明確に用意されています。これにより、会社のルールを守りつつ、柔軟な情報管理を実現できます。


 

SharePoint Onlineの「アイテム保持ポリシー」ってどんなもの?なぜサイトを外したいの?

まず、「アイテム保持ポリシー」が何であり、なぜ特定のサイトをそのポリシーから外したいのかを理解しておきましょう。

 

「アイテム保持ポリシー」は情報の「自動保管・自動削除ルール」

SharePoint Onlineの「アイテム保持ポリシー(アイテム・ホジ・ポリシー)」とは、Microsoft Purview(マイクロソフト・パービュー)という情報保護のサービスの一部として提供される、会社全体の情報管理ルールです。これは、特定の場所(SharePointサイト、OneDrive、Exchangeメールなど)にあるコンテンツ(ファイルやメール、メッセージなど)に対して、自動的に情報を保持する期間を設定したり、その期間が過ぎたら自動的に削除したりするための仕組みです。

  • 情報の保管義務の遵守: 法律や業界の規制で、特定の情報を〇年間保管しなければならない、と定められている場合に、このポリシーを使って自動的に情報を保持します。
  • 情報の定期的な整理: 不要になった古い情報が自動的に削除されるようにすることで、ストレージ容量を節約し、情報過多を防ぎます。
  • コンプライアンス(法令遵守)の強化: 情報管理のプロセスを自動化・標準化することで、会社全体での情報ガバナンス(情報管理のルール作り)とコンプライアンスを強化します。

 

なぜポリシーからサイトを「除外」または「削除」したいのか?

特定のSharePointサイトをアイテム保持ポリシーの適用対象から外したいと考える背景には、いくつかの目的があります。

  • プロジェクトの完了や閉鎖:もう使わなくなったプロジェクトサイトのファイルを、保持ポリシーで自動削除されるように設定していたが、実はそのサイトのデータは、後で参照するために「永久保存」したい、という場合。または、そのサイトのデータだけを手動で削除したい、といった場合。
  • データの移行やアーカイブ:サイトのデータは別のシステムに移行済みであるため、保持ポリシーの対象から外して、手動で削除したい。
  • ポリシーの変更:サイトが作られた当初は特定の保持ポリシーの対象だったが、後でそのサイトの目的や情報が変わったため、別のポリシーを適用したい、あるいは保持ポリシーを適用しない状態にしたい。
  • テストサイトのクリーンアップ:開発やテストのために作った一時的なSharePointサイトが、会社全体の保持ポリシーの対象になっているため、簡単に削除できない状況を解消したい。

 

「除外」と「削除」の違い:ポリシーの適用をやめる二つのアプローチ

アイテム保持ポリシーからサイトを外すには、「除外」と「削除」という二つの方法があります。これらは、結果としてポリシーの適用がやむ点は共通ですが、そのニュアンスと操作が少し異なります。

 

1. ポリシーからサイトを「除外」する(Exclude)

これは、「この保持ポリシーは、基本的に会社のすべてのSharePointサイトに適用するけれど、この特定のサイトだけは対象外にしてください」という設定を指します。ポリシー自体は広範囲に適用され続けますが、指定したサイトだけが例外として扱われます。

特徴

  • ポリシーが「すべてのSharePointサイト」や「特定の種類のサイト」など、広範囲に適用されている場合に使う方法です。
  • ポリシー自体を削除するわけではないため、他のサイトへの適用は継続されます。
  • サイトはポリシーの対象から外れますが、ポリシー自体は存在し続けます。

 

2. ポリシーの「適用を削除」する(Remove Policy Application)

これは、「以前、この保持ポリシーを、この特定のサイトに(またはこのサイトを含む特定のグループに)適用したけれど、もうその適用をやめたい」という設定を指します。ポリシーが元々、特定のサイトや特定のグループに「直接」適用されていた場合に、その適用関係を解消します。

  • ポリシーが特定のサイトやグループに対して「直接」適用されていた場合に使う方法です。
  • ポリシー自体を削除するわけではないため、ポリシーは存在し続けますが、そのサイトには適用されなくなります。

 

3. ポリシー自体を「削除」する(Delete Policy)

これは、「この保持ポリシー自体がもう必要なくなったので、会社全体から完全に消したい」という設定を指します。ポリシー自体を削除すると、そのポリシーが適用されていたすべての場所から、保持ルールがなくなります。

  • ポリシー自体が時代遅れになったり、別の新しいポリシーに置き換えられたりする場合に選択します。
  • ポリシーが削除されると、そのポリシーによって保持されていた、または自動削除されていたすべてのコンテンツに対するルールがなくなります。

 

アイテム保持ポリシーからサイトを外す主な原因

「古い情報削除ルールから特定のサイトを外したい」と考える具体的な理由が、このエラーの背景に存在します。

 

1. サイトの目的が変更された、または役割が終わった

  • 以前は短期的なプロジェクトサイトだったため、数年で自動削除される保持ポリシーが適用されていたが、そのサイトが部署の正式な共有サイトになったため、削除されては困るようになった。
  • プロジェクトが完了し、そのサイトのデータはすべてアーカイブ済みであるため、現在の保持ポリシーから外してサイト自体を削除したい。

 

2. ポリシーが意図せず適用されてしまった

  • 会社全体に適用される広範囲な保持ポリシーが存在するため、新しく作成したサイトが意図せずそのポリシーの対象になってしまった。
  • テスト目的で一時的に作成したサイトが、保持ポリシーのせいで削除できず、リソースを消費し続けている。

 

3. データ移行や整理の準備

  • SharePointサイトのデータを別のストレージ(例: Azure Blob Storage)に移行する予定があるため、移行作業中に保持ポリシーが邪魔をしないように、一時的に適用を停止したい。
  • 大量の不要なファイルを削除したいが、保持ポリシーがあるため手動で削除できない。

 

アイテム保持ポリシーからサイトを外す具体的な対処法

アイテム保持ポリシーからサイトを外す操作は、Microsoft Purview(マイクロソフト・パービュー)という、会社のコンプライアンスや情報保護を管理するポータルで行います。この操作は、Microsoft 365の管理者(グローバル管理者やコンプライアンス管理者など)のみが行うことができます。

 

対策1:既存の保持ポリシーから特定のサイトを「除外」する(広範囲適用ポリシーの場合)

これは、ポリシーが「すべてのSharePointサイト」や「特定の種類のサイト」など、広範囲に適用されている場合に、その中から特定のサイトだけを例外として外す方法です。

  1. Microsoft Purview コンプライアンス ポータルにアクセスします。ウェブブラウザでMicrosoft Purview コンプライアンス ポータルにアクセスし、管理者アカウントでサインインします。
  2. 「情報ガバナンス」→「保持ポリシー」へ移動します。左側のナビゲーションメニューで「情報ガバナンス」を展開し、「保持ポリシー」を選択します。
  3. 編集したい保持ポリシーを選択します。一覧の中から、サイトを除外したい広範囲に適用されている保持ポリシー(例: 「全社SharePoint5年保持」)をクリックし、「ポリシーの編集」を選択します。
  4. 「場所」の設定を変更します。ポリシーの編集ウィザードを進み、「場所」(適用先)の設定画面に移動します。
    • SharePoint サイト」のトグルが「オン」になっていることを確認します。
    • 除外する場所を選択」というオプション(または同様のリンク)をクリックします。
  5. 除外したいSharePointサイトを指定します。表示される画面で、検索ボックスを使ってポリシーから除外したいSharePointサイトの名前やURLを検索し、選択します。
  6. 設定を保存し、ポリシーを更新します。変更を保存し、ポリシーの編集ウィザードを完了させます。ポリシーが更新されると、そのサイトは保持ポリシーの適用対象から外れます。この変更が実際にシステム全体に反映されるまでには、最大で24時間程度かかる場合があります。

 

対策2:特定の保持ポリシーの「適用を削除」する(直接適用ポリシーの場合)

これは、ポリシーが元々特定のサイトやグループに「直接」適用されていた場合に、その適用関係を解消する方法です。

  1. Microsoft Purview コンプライアンス ポータルにアクセスします。ウェブブラウザでMicrosoft Purview コンプライアンス ポータルにアクセスし、管理者アカウントでサインインします。
  2. 「情報ガバナンス」→「保持ポリシー」へ移動します。左側のナビゲーションメニューで「情報ガバナンス」を展開し、「保持ポリシー」を選択します。
  3. 編集したい保持ポリシーを選択します。一覧の中から、適用を削除したい保持ポリシー(例: 「プロジェクトXの機密情報ポリシー」)をクリックし、「ポリシーの編集」を選択します。
  4. 「場所」の設定を変更し、サイトの選択を解除します。ポリシーの編集ウィザードを進み、「場所」(適用先)の設定画面に移動します。
    • SharePoint サイト」のトグルが「オン」になっていることを確認します。
    • 特定の場所を選択」というオプションで、ポリシーが適用されているサイトが一覧表示されます。その中から、適用を削除したいSharePointサイトのチェックマークを外すか、「削除」(×)アイコンをクリックしてリストから削除します。
  5. 設定を保存し、ポリシーを更新します。変更を保存し、ポリシーの編集ウィザードを完了させます。この変更が反映されるまでには、最大で24時間程度かかる場合があります。

 

対策3:不要な「保持ポリシー」自体を「削除」する(ポリシーがもう不要な場合)

これは、特定のサイトから外すだけでなく、その保持ポリシー自体が会社全体で不要になった場合に、ポリシーそのものを削除する方法です。

  1. Microsoft Purview コンプライアンス ポータルにアクセスします。ウェブブラウザでMicrosoft Purview コンプライアンス ポータル(にアクセスし、管理者アカウントでサインインします。
  2. 「情報ガバナンス」→「保持ポリシー」へ移動します。左側のナビゲーションメニューで「情報ガバナンス」を展開し、「保持ポリシー」を選択します。
  3. 削除したい保持ポリシーを選択し、「ポリシーの削除」をクリックします。一覧の中から、削除したい保持ポリシーを選択し、画面上部にある「ポリシーの削除」ボタンをクリックします。
  4. 確認メッセージを読み、削除を実行します。ポリシーの削除に関する確認メッセージが表示されます。削除すると、そのポリシーが適用されていたすべての場所から保持ルールがなくなりますので、内容をよく確認し、同意の上で削除を実行します。

 

アイテム保持ポリシーの適用解除に関する「大切なポイント」

アイテム保持ポリシーからサイトを外す操作は、会社の情報ガバナンスに直結するため、慎重に行う必要があります。

 

1. ポリシー変更の「影響」を十分に理解する

  • 削除リスク:ポリシーから除外されたり、適用が削除されたりしたサイトのコンテンツは、もし他の保持ポリシーが適用されない場合、SharePointの既定のストレージ設定に基づいて削除されてしまう可能性があります。例えば、ユーザーが手動で削除したファイルが、ごみ箱に93日残った後、永久削除されるといった通常のライフサイクルに戻ります。意図せず情報が失われないよう、必ずバックアップや別の保持方法を検討してください。
  • コンプライアンス違反のリスク:法律や規制で定められた保持期間がある情報を、保持ポリシーから外してしまった場合、コンプライアンス違反のリスクが生じます。ポリシーを解除する前に、そのサイトのコンテンツがどのような情報であり、どのような保持要件があるかを必ず確認してください。

 

2. ポリシー変更の「反映時間」を考慮する

保持ポリシーの変更は、Microsoft 365のシステム全体に伝播するまでに時間がかかります。通常は最大で24時間、場合によってはそれ以上かかることもあります。変更後すぐに効果が現れない場合でも、慌てずにしばらく待ってみてください。

 

3. 「訴訟ホールド」や「eDiscovery」が優先される

もしSharePointサイトのコンテンツが「訴訟ホールド」(法的調査のために情報を保持する設定)や「eDiscovery(イーディスカバリー)」(電子情報開示のための保持)の対象になっている場合、アイテム保持ポリシーの設定にかかわらず、これらのホールドが常に優先されます。ホールドが解除されない限り、コンテンツは削除できません。この確認も管理者が行えます。

 

4. ユーザーへの「コミュニケーション」を計画する

ポリシーの適用が解除されることで、ユーザーがコンテンツを削除できるようになるなど、これまでの動作と異なる点が生じる可能性があります。ユーザーが混乱しないよう、必要であれば事前に変更内容を周知し、新しい管理方法を伝えるようにしましょう。

 

5. 「監査ログ」で変更履歴を追跡する

保持ポリシーの変更は、すべてMicrosoft Purview コンプライアンス ポータルの「監査ログ」に記録されます。誰が、いつ、どのようなポリシーを変更したか、という履歴は、後から確認することができます。


SharePoint Onlineのアイテム保持ポリシーからサイトを除外または削除する操作は、会社の情報ガバナンスに関わる重要な作業です。上記で解説した原因と対処法を理解し、特にポリシー変更の影響を十分に考慮すること適切な管理者権限で行うこと、そしてデータの安全確保を最優先にするというベストプラクティスを実践することで、あなたはこれらの問題を解決し、SharePointのストレージを効率的に管理し、スムーズな運用を維持できるようになるでしょう。