生成AIにおけるプロンプトとは?分かりやすく!この1ページで全てを解説
生成AIに触れ始めると、必ず耳に入ってくる言葉が「プロンプト」ですよね。けれど、なんとなく「指示文のことかな」と思いながら、そのまま使っている方も多いはずです。まずは、プロンプトとは何を指し、どこまでがプロンプトなのかを、少し落ち着いて整理してみます。ここを曖昧なまま進めると、うまくいかない時に原因が分からず、やる気だけが削られてしまいます。逆に、プロンプトの正体を一度きちんと理解しておくと、その後の応用が一気に楽になります
ここでは、次の四つの小さな話題に分けて説明します。
- 生成AIとプロンプトの関係
- プロンプトが結果に与える影響
- プロンプトとただの命令文との違い
- プロンプトが注目されるようになった理由
順番に読んでいただければ、「結局プロンプトって何なのか」が自然と腑に落ちるはずです。
生成AIとプロンプトの関係を、まずは落ち着いて理解する
「生成AI」とは、文章や画像などを自分でつくり出すことができる学習済みの仕組みのことです。たとえば、文章を生成するAIなら、大量の文章を学習しており、その学習の結果として、次に来る言葉を高い精度で予測する力を持っています。
ここで登場するのが「プロンプト」です。
プロンプトとは、生成AIに対して「こういう結果を出してほしい」という意図を伝える入力文のことを指します。人間どうしで言うなら、お願いするときの文章のようなものですが、少し違う点もあります。
- どんな内容を書いてほしいか
- どんな口調や長さにしたいか
- 誰に向けた文章か
- 必ず入れてほしい条件は何か
こういった要素をまとめて、生成AIに渡す文章一式がプロンプトだと考えると分かりやすいです。
単に「文章を書いて」と一言だけ伝えるのではなく、「誰のために」「どのような形で」「どんな条件で」という情報まで含めて渡すことで、生成AIはより意図に近い結果を返しやすくなります。
つまり、生成AIとプロンプトの関係は、人間と指示書の関係に少し似ています。指示書がふわっとしていると、結果もふわっとしますし、指示書が具体的であればあるほど、期待に近い成果が出やすくなります。
生成AIを「魔法の箱」と思うとがっかりしやすいのですが、「説明すればするほど賢く動いてくれる部下」と考えると、プロンプトの扱い方が見えてきます。
プロンプトが結果に与える影響は、想像以上に大きい
プロンプトは、生成AIが出す結果の方向性をほとんど決めてしまうほど、影響力が強いものです。
同じ生成AIでも、プロンプトが変わるだけで、印象も内容もまったく違う文章や画像が出てきます。
たとえば、文章を作ってもらう場合を考えてみます。
- 「テレワークのコツを教えて」
- 「社会人三年目の事務職の人に向けて、テレワークで集中力を保つ工夫を、三つに分けて分かりやすく説明して」
どちらもテレワークに関する話ですが、後者の方が具体的な条件を多く含んでいます。
対象となる人、話題の絞り方、構成の仕方まで指定しているので、生成AIはそれを踏まえた内容を出しやすくなります。
このように、プロンプトに含まれる情報が増えるほど、生成AIの出力は絞り込まれていきます。
逆に、情報が足りないと、生成AIは「無難そうな答え」を選びがちになり、どこかよそよそしい文章が出てきます。これはAIが意地悪をしているわけではなく、「そのくらいしか読み取る手がかりがない」だけです。
また、プロンプトは、求める結果の「質」と「安定感」にも影響します。
- 質の面では、条件を明確にすると、内容の抜けやズレが減りやすくなります
- 安定感の面では、同じ仕事を何度か繰り返すときに、同じプロンプトを使えば、似た方向性の結果を得やすくなります
「このAI、当たり外れが激しいな」と感じる場合、実はプロンプトが毎回違っていたり、曖昧すぎたりすることが多いです。
生成AIそのものを疑う前に、プロンプトの書き方を見直してみると、意外とすんなり改善してしまうことも少なくないです。
プロンプトとただの命令文との違いを整理する
「プロンプトって、ただの指示文と何が違うのですか」と聞かれることもよくあります。
確かに、表面だけ見ると「お願いする文章」という点で似ていますが、プロンプトはそれより少し広い意味を持っています。
プロンプトという言葉には、次のような要素が含まれることが多いです。
- 命令
やってほしいことをはっきり書いた部分です
例として、「説明して」「要約して」「比較して」などの指示のことを指します - 条件
どういう前提で行ってほしいかを指定する部分です
例として、「新人向けに」「専門用語をかみ砕いて」「三つの見出しに分けて」といった表現が入ります - 役割
生成AIに「どんな立場になりきってほしいか」を伝える内容です
たとえば、「あなたは経験十年の営業担当者です」のように、立場や経験を設定することで、答えの雰囲気を変えられます - 出力の形
最終的な形を指定する部分です
「長文で」「表形式で」「見出しを付けて」などを含めることで、使いやすい形で出力してもらえます
ただ一言「教えて」と書くのは、命令だけを伝えている状態です。
一方で、上のような要素をまとめて一つの入力として渡すと、それは「プロンプト」と呼べるものになります。
つまり、プロンプトは単なる命令文ではなく、「やってほしいことと、その条件や前提をセットにした指示書」のような存在です。
この違いを理解しておくと、何かうまくいかなかった時に「命令が悪いのか」「条件が甘いのか」「役割の設定が弱いのか」と、原因を分けて考えやすくなります。
プロンプトが急に注目されるようになった理由を確認する
ここ数年で、急に「プロンプト」という言葉が身近になりました。
以前からAIの研究分野では似た考え方はありましたが、一般の利用者がここまで意識するようになったのには、いくつかの理由があります。
一つ目は、生成AIが一般の利用者でも触れる段階まで広がったことです。
会社の中だけでなく、個人で文章や画像を作れるようになり、「どう入力するかで結果が大きく変わる」という体験を、誰もがするようになりました。
二つ目は、生成AIの仕組みが、「入力文の読み取り」に強く依存していることです。
生成AIは、学習した大量の文章の中から、「この入力なら、次に来そうな言葉はどれか」を確率にもとづいて選びます。
つまり、入力されるプロンプトが変われば、その先に選ばれる言葉の流れも大きく変わります。
この性質のおかげで、同じAIでも、入力の工夫次第で柔らかい文章にも、硬い文章にも、客観的な説明文にも変わります。
逆に言えば、プロンプトを工夫できないと、「どこかで見たことのあるような、当たりさわりのない文章」ばかりになりやすいです。
三つ目は、仕事への活用が本格的に始まったことです。
単なるおもしろ半分の利用なら、少し答えが外れても笑って済みますが、仕事で使うとなると話は別です。
業務メールのたたき台、報告書の構成案、企画の下書き、顧客向けの説明文などに使う場合、求められる精度もそれなりに高くなります。
このとき、「いい感じに出して」と丸投げしても、生成AIはそこまで察してはくれません。
少し辛口に言うなら、「人間側がプロンプトでどれだけ考えたか」が、そのまま結果の品質に跳ね返ってきます。
そのため、プロンプトを工夫すること自体が、一つの重要なスキルとして注目されるようになりました。
ここまでの内容を、いったんまとめます
- プロンプトとは、生成AIに渡す入力文一式のこと
- 内容や口調、対象者、出力の形なども含めた「指示書」に近い存在
- プロンプトの書き方で、結果の方向性も質も安定感も大きく変わる
- 「命令文」と違い、条件や役割、出力形式まで含めることで力を発揮する
- 仕事での活用が増えたことで、プロンプトの工夫が重要なスキルになってきている
なんとなく使っていた方も、「プロンプトとは、かなり広い意味を持つものなのだな」と感じていただけたなら十分です。
良いプロンプトに共通する考え方を知っておく
前のところで「プロンプトとは結局何なのか」を全体像として整理しました。ここからは、もう一歩だけ踏み込んで「良いプロンプトにはどんな共通点があるのか」をまとめていきます。ここを押さえておくと、やみくもに試行錯誤する回数が減り、生成AIとのやり取りがかなり楽になります。
人間の側が少しだけ工夫することで、同じAIでも「使いづらい相手」から「かなり頼りになる相棒」に変わっていくので、そのための考え方をいっしょに整理してみましょう。
この見出しでは次の四つを柱にします。
- 何をしてほしいかをはっきり書く
- 相手と目的を具体的に伝える
- 条件と制約を先に並べておく
- 仕上がりの形を最初に決めておく
どれも当たり前に聞こえるかもしれませんが、実際のプロンプトでは抜けやすい部分です。順番に見ていきます。
何をしてほしいかをはっきり書く
良いプロンプトのいちばんの基本は、「生成AIに何をしてほしいか」をはっきり書くことです。言われてみれば当たり前なのですが、実際にはここがぼんやりしたまま投げてしまうことが多いです。例えば、ただ「この文章をよくして」とだけ書くと、生成AIは「何をもって良いとするのか」が分からないまま動き始めることになります。
ここで意識したいのが、お願いしたい作業を一言で言うなら何なのかを、まず自分の中で言葉にしてみることです。たとえば次のようなものがあります。
- 要約してほしい
- 言い回しをやわらかくしたい
- 書き足して内容を充実させたい
- 別の案をいくつか出してほしい
- 比べて違いを説明してほしい
この「要約」「書き足す」「比べる」のような、作業の種類を示す言葉が、プロンプトの中でとても大切になります。
生成AIは、相手の表情を読んで空気を察してくれる存在ではないので、「なんとなく察してほしい」は通じません。
ここをあいまいなままにすると、AIの側は「とりあえず無難そうな情報を並べておこう」と判断しがちで、結果として、どこか物足りない文章になってしまいます。
さらに、複数の作業を同時に詰め込み過ぎないことも重要です。
たとえば「要約して、言い回しも変えて、そのうえで新しい視点も足して」と、一度にいろいろお願いすると、生成AIはそれぞれを少しずつこなそうとして、どれも中途半端になることがあります。人間でも、あれもこれもと頼まれると困りますよね。同じように、生成AIにも「今回の中心はこれ」という軸を一本決めて伝えた方が、結果が安定します。
「何をしてほしいか」をはっきり書くというのは、専門的な言葉で言うと「タスクの明確化」と呼ばれる考え方です。タスクとは、ここでは「仕事の単位」「やることのひとまとまり」の事だと考えてください。タスクがはっきりしているほど、AIは迷わず動けます。
まずはプロンプトを書く前に、紙の片すみにでも「今回やってほしいことは何か」と一行で書き出してから、その内容をプロンプトに載せていく意識を持つと、かなり変わってきます。
相手と目的を具体的に伝える
次に大事なのが、「誰に向けて」「何のために」その文章や内容をつくるのかを、具体的に伝えることです。
生成AIは、文章の受け手を自動で推測してはくれません。こちらが何も言わなければ、「年齢も職業もばらばらな、正体不明の読者」に向けた、無難な文章を出すことになります。
ここで役に立つのが、プロンプトの中で「想定する読者」や「文章を使う場面」を一文でもいいので書き添えるやり方です。例えば次のような形です。
- 「新入社員に説明するつもりで」
- 「現場の担当者向けに、上から目線にならないように」
- 「社外の人にも渡す文章として、丁寧すぎない程度の敬語で」
- 「忙しい管理職の人が三分で読み切れる長さで」
こうした一文が入るだけで、生成AIが選ぶ言葉の方向がだいぶ変わってきます。
中学生にも読める文章と、専門職向けの資料では、当然ながら求められる言葉遣いも説明の深さも違います。
人間同士なら「この相手ならこれくらいでいいか」と自然と調整しますが、生成AIはそれを自動ではやってくれません。だからこそ、プロンプトの中で先に伝えてしまった方が早いのです。
ここで出てきた「目的」という言葉についても、少しだけ補足しておきます。目的とは、その文章や結果を「何に使うつもりなのか」という意図の部分です。
- 会議で説明するときの資料として使いたい
- 自分の理解を深めるためのメモとして使いたい
- 顧客への案内として、そのまま外に出す文章にしたい
このように、同じ話題でも目的が変われば、求められる形も変わりますよね。
プロンプトの中で「これは自分の理解のための整理」「これはそのまま社外に出す前提」といった目的を添えておくと、生成AIもそれに合わせて、くだけた言い回しを選ぶか、少し改まった表現を選ぶかを調整してくれます。
相手と目的を具体的に伝えることは、結局のところ「生成AIに現場の空気を言葉で説明してあげる」作業だと考えると分かりやすいと思います。
この一手間を惜しんでしまうと、「何となくそれっぽいけれど、現実の場面にはちょっと合わない」という結果になりやすくなりますので、意識して盛り込んでみてください。
条件と制約を先に並べておく
三つ目のポイントは、「条件」と「制約」をプロンプトの早い段階でまとめて伝えることです。
ここでいう条件とは「こういう前提でお願いします」というお願いごとで、制約とは「これはしないでほしい」「ここまでは守りたい」という決まりごとのことだと考えてください。
たとえば文章を作ってもらうときに、次のようなものがあります。
- 条件の例
- 「専門用語を使う場合は、必ず簡単な説明を添えてほしい」
- 「会社名や個人名は、実在のものを出さないようにしてほしい」
- 「敬語で書いてほしいが、あまり堅すぎないようにしてほしい」
- 制約の例
- 「箇条書きだけで終わらないようにしてほしい」
- 「差別的な表現を含まないようにしてほしい」
- 「三つの見出しの中に必ず結論を入れてほしい」
こうした条件や制約を、プロンプトの途中ではなく、できれば最初の方にまとめて書くと、生成AIが全体の方針を組み立てやすくなります。途中でぽつぽつと条件が足されていく形だと、人間でも混乱しますよね。それと同じです。
ここで少しだけ、生成AIの動き方を言葉でイメージしてみます。
生成AIは、与えられたプロンプトを読んで、「この条件なら、世の中の文章の中で、こういう書き方をする人が多そうだな」といった形で、言葉の並びを選んでいきます。
ですから、条件や制約が先にまとめて書かれていると、それを前提にして最後まで文章を組み立てやすくなります。
一方で、制約を厳しくし過ぎると、今度は表現の幅が狭くなり、ぎこちない文章になってしまうこともあります。
たとえば「これもだめ、あれもだめ」と禁止事項だけがずらりと並ぶと、生成AIは「安全第一」の内容しか出せなくなります。
仕事で使う以上、一定の注意はもちろん必要ですが、「守りたい線」と「多少遊びがあってもよい部分」を自分の中で分けておき、そのうえで制約を書くと、バランスが取りやすくなります。
条件と制約を意識することは、「あとから文句を言わなくて済むように、最初にルールを共有しておく」ということでもあります。
人間側があとから「そこはそうじゃない」と言いたくならないように、最初に言葉で明るく宣言しておく、という気持ちで書いてみると、ちょうど良いかもしれません。
仕上がりの形を最初に決めておく
四つ目のポイントは、「最終的にどんな形のものがほしいのか」を、プロンプトの時点で決めておくことです。
ここでいう形とは、文章の長さや構成、見出しの有無、番号付きかどうかなど、見た目や構造に関わる部分を意味します。
同じ説明でも、次のように形が違います。
- 一つながりの長い文章
- 見出しごとに分かれた段落
- 箇条書きをまじえた整理された形
- 問いと答えの形で並んだ文章
どれが正解という話ではなく、「自分がこのあとどう使うか」によって、ふさわしい形が変わります。
たとえば、そのまま社内の資料に貼り付けたいなら、見出し付きで段落がきれいに分かれていた方が便利ですよね。逆に、自分だけが読むメモなら、多少荒くても一気に長めの文章の方が読みやすいこともあります。
プロンプトの中で、次のような一文を添えておくと、生成AIはそれに合わせた形で結果を出そうとします。
- 「短めの見出しを三つ付けて、その下に説明を書く形にしてほしい」
- 「最初に結論、そのあとに理由を三つ、その次に注意点を書く順番にしてほしい」
- 「三千字程度の長めの文章として、段落を分けながら書いてほしい」
こうした指定をしておかないと、生成AIは「一般的に読みやすそう」と判断した形で出力しますが、それが自分の用途にぴったり合うとは限りません。
あとから自分で整えればよいのですが、その手間がばかにならないことも多いはずです。
また、仕上がりの形を最初に決めておくと、自分の頭の中の整理にもなります。
「見出し三つで書いてもらうなら、何と何と何を軸にしてもらうか」といったことを、プロンプトを書く段階で考えることになり、その時点で自分の理解も一段階進みます。
結果として、生成AIから出てきた文章を読んだときに、「これなら少し整えるだけで使えるな」と感じやすくなります。
形を決めるというと、少し堅苦しく聞こえるかもしれませんが、実際には「あとで自分が楽をするための前準備」と受け取っていただくと、気持ちとしても取り組みやすいと思います。
- やってほしい作業を一言で言えるようにしてから書く
- 誰に向けた、何のための内容かを具体的に伝える
- 条件と制約を、最初のうちにまとめて共有しておく
- 最終的な仕上がりの形を、あらかじめ決めておく
どれも特別な技術というより、「人に仕事を頼むときの丁寧さ」を、そのまま文章で生成AIに伝えるだけの話です。
ただ、その小さな丁寧さをサボるかどうかで、生成AIの使い心地はかなり変わります。人間側が何も考えずに丸投げしてしまうと、どうしても「いまひとつ頼りないな」と感じる結果になりやすくなります。
仕事で使いやすいプロンプトの型を身につける
ここからは、生成AIに向けてプロンプトを書く時の「型」を、仕事でそのまま使える形で整理していきます。型というのは、考えなくても最低限の形にできる、いわば土台のようなものです。毎回ゼロからひねり出そうとすると、それだけで疲れてしまいますよね。そこで、いくつか分かりやすい型を用意しておくことで、「生成AI プロンプト」の作成がぐっと楽になりますし、結果の安定感も増してきます。少し慣れてきたら自分用にアレンジもできますので、まずは基本の形から落ち着いて整理していきましょう
全体の流れを一文で決めてから細かい条件を書く
プロンプトを書く時、いきなり細かい条件を書き始めると、途中で自分でも何を書いているのか分からなくなることがあります。そこでおすすめなのが、最初に「今回のお願いを一文でまとめる」ことです。そのあとに条件を足していくと、全体の筋がぶれにくくなります。生成AIにとっても、人間にとっても、最初の一文がわかりやすいと、その後の読み取りがうんと楽になります
この一文は、できるだけ素直な日本語で書くのが良いです。例えば「生成AIのプロンプトの基本を、初めて触る社会人に分かりやすく説明してほしい」といった形です。この一文さえはっきりしていれば、そのあとに続く条件も、自然とそれに沿ったものにそろいやすくなります。逆に、この一文があいまいだと、条件をいくら並べても、どこかちぐはぐなプロンプトになりがちです
流れとしては
「全体のお願いを一文で書く」
そのあとに
「誰向けか」「どこまで深く説明してほしいか」「長さはどれくらいか」
といった情報を足していきます。順番が決まっているだけで、毎回の負担がかなり減ります。生成AIもこの流れで渡されると、「ああ、そういう話をしたいのだな」と理解しやすくなり、結果として出てくる文章も素直なものになりやすいです
役割と相手と目的をまとめて伝える型にしておく
次に大事なのが「役割」と「相手」と「目的」をひとまとめにして伝える型です。生成AIは、こちらが指定した役割になりきって文章を作ることができます。「あなたは~の立場です」と書くだけで、言葉の選び方や視点が変わります。少し手間に感じるかもしれませんが、この一行を入れるかどうかで、実務での使いやすさがだいぶ違ってきます
例えば、生成AIに向けたプロンプトを次のような流れで書きます。
まず
「あなたは社内で文書作成を手伝う事務の担当です」
と役割を書きます。
次に
「相手は生成AIのプロンプトをまだよく知らない社会人です」
と、想定する読者を書きます。
そして
「目的は、その人が自分で簡単なプロンプトを書けるようになることです」
と、最終的にどうなってほしいかを伝えます
この三つがそろうと、生成AIは「どんな立場で、誰に向けて、何を達成するために話せばよいのか」を理解しやすくなります。ここがぼんやりしていると、「なんとなく親切そうだが、実務では使いづらい説明」が出てきがちです。これはAIのせいというより、渡した材料の問題であることが多いです
慣れてきたら、この三つを一つの段落にまとめても構いません。「あなたは社内文書にくわしい事務の担当です。生成AIのプロンプトをまだうまく書けない社会人向けに、仕事で使いやすい書き方を教えてください」のような形ですね。このような型を自分の中で持っておくと、どんなテーマでも応用できますし、「どう頼めばよいか分からない」という迷いも減っていきます
条件と禁止したいことを分けて書く型にする
三つ目の型は、「やってほしい条件」と「やってほしくないこと」を分けて書く形です。どちらもプロンプトの中で大切ですが、まぜて書いてしまうと、自分でも読み返しづらくなります。生成AIも、どこまでが条件でどこからが禁止かを読み取るのに余計な負担がかかります
例えば、生成AIに「生成AI プロンプト」についての説明文を書いてもらうときには、次のように二つに分けると分かりやすくなります。
まず条件として
「難しい言葉には、かならず簡単な説明を添えてほしい」
「社会人向けだが、中学生でも読めるくらいの言葉を中心にしてほしい」
「ていねいな敬語だが、かたすぎない話し方にしてほしい」
など、前向きなお願いを書きます
そのあとで、禁止したいことをまとめます。
「人を見下すような言い方は使わないでほしい」
「必要以上に専門用語をならべないでほしい」
「短い一言だけで終わらせないでほしい」
といった形です
こうして二つに分けておくだけでも、読み返したときに確認しやすくなります。さらに、禁止したいことを書き過ぎていないかも見直しやすくなります。あまりに禁止だらけにすると、生成AIは「安全そうな表現だけを選ぶ」方向に寄りすぎてしまい、結果が味気なく感じることも増えてきます
条件と禁止を分ける型は、他の仕事にも応用しやすい考え方です。生成AIのプロンプトを作るときにこの癖がついていると、取引先への依頼文や、社内への依頼メールを書くときにも、自然と分かりやすい文章になっていくはずです
出力の形を先に指定するひとまとまりの型を覚える
最後の型は、「出力の形をまとめて先に指定する」書き方です。生成AIに文章を書いてもらう時、多くの人が「内容」にばかり目が行きがちですが、「どんな形で出してもらうか」も同じくらい重要です。ここを怠ると、せっかく中身が良くても、自分で整え直す手間が増えてしまいます
仕事で使いやすいのは、次のような流れで出力の形を指定する型です。
「見出しの数」
「一つの見出しの下にどれくらい書くか」
「全体のおおよその長さ」
この三つを一段落で伝えると、かなり思い通りに近づきます。例えば
「全体を七つの大きな見出しに分けてください。それぞれの見出しの下に、小さな見出しを四つ置いて、その下に説明を書いてほしいです。一つの見出しごとに、社会人が読み応えを感じるくらいの長さにしてほしいです」
といった形ですね。このように、出力の形を一まとまりで伝えることで、生成AIは最初から全体の構成を意識して文章を組み立てます。結果として、「途中で急に話が切れる」「最後だけ妙に短い」といった違和感が減っていきます
また、出力の形を前もって決めておくと、自分があとから読み返すときの見通しも良くなります。どこに何が書いてあるかを探しやすくなり、「ここだけ修正したい」と思ったときにも、該当する部分をすぐ見つけられます。こうした小さな快適さが積み重なると、生成AIを日常的に使ってもあまり疲れなくなっていきます
「仕事でそのまま使えるプロンプトの型」を四つ紹介しました。
一文で全体のお願いを書く
役割と相手と目的をそろえて伝える
条件と禁止を分けて書く
出力の形をひとまとまりで指定する
どれも特別な知識がなくても使えるものですし、生成AIとのやり取りだけでなく、ふだんの文章にも生かしやすい考え方です。まずは一つでも試しに使ってみて、「この型は自分に合うな」と思えるものから手になじませていくのがよいでしょう
場面ごとのプロンプト例をまとめて知っておく
ここまでで考え方や型はかなり整理できてきましたが、実際のところ「どんな場面でどう書けばよいのか」が見えてこないと、仕事の中では使いづらいと感じる方もいると思います。そこでここでは、社会人の方が日常の仕事でよく直面する場面をいくつか取り上げて、具体的なプロンプト例をまとめてみます。業務メール、会議資料、学びの整理、お客さま向けの案内など、どれも現場でそのまま使いやすい場面ばかりです。自分の仕事に近いものから一つずつ試していくと、「生成AIにこう頼めばいいのか」という感覚がじわじわとつかめてきます
業務メールを整えるときのプロンプト例を知っておく
仕事でまず使いやすいのが、業務メールの文面を整える場面です。文章そのものは自分で書いたとしても、「言い回しがきつくないか」「少し長すぎないか」といった不安は出てきますよね。そういうときに生成AIに見てもらうと、時間をかけずに整った形に近づけられます
この場面では、次のような流れでプロンプトを書くと扱いやすくなります。
まず、やってほしい作業をはっきりさせます。
たとえば「社外向けの業務メールの文面を、ていねいでやわらかい表現に整えてほしい」と書きます
次に、相手と目的を書き添えます。
「相手は取引先の担当者で、こちらの依頼を断られたあとに、今後も良い関係を続けたいという気持ちを伝えたい」といった形です
そして、条件と制約をまとめます。
「敬語は使うが、かたくなりすぎないようにしてほしい」
「責任を相手に押しつけるような言い方は避けてほしい」
「長くなりすぎないように、全体を六百字程度にしてほしい」
最後に、自分が書いた元のメール文をそのまま貼り付けて、「次の文章を、その条件に合わせて書き直してほしい」とお願いすると、かなり現実的な文面になります
実際の例をそのまま書くと、次のようなプロンプトになります。
「あなたは社内の文書作成に慣れている事務の担当です。
これから、取引先に送る業務メールの下書きを渡します。
相手は長く付き合いのある会社の担当者で、当社の提案を一度断られたあとです。
目的は、今回の件は受け入れつつ、今後も良い関係を続けたいという気持ちを伝えることです。
敬語は使ってください。ただ、あまりかたくなりすぎないようにしてほしいです。
責任を相手に押しつけるような言い方は避けてください。
全体は六百字くらいでまとめてください。
このあとに下書きを貼りますので、この条件に合うように書き直してください。」
このように、状況と目的を言葉にして渡すだけで、生成AIは「どのあたりをやわらげるべきか」をかなりうまく判断してくれます。メールそのものを丸投げするのではなく、自分で大筋を書いたうえで仕上げを任せると、現場の事情も保ちながら、負担をかなり減らせます
会議資料や説明文を作るときのプロンプト例を押さえる
次によく出てくる場面が、会議用の資料や説明文を作る仕事です。内容は自分の頭の中にあっても、「伝わる順番になっていない」「言葉が整理されていない」という悩みは少なくないはずです。生成AIは、この「順番」と「言葉の整理」を支える役目として使うと、かなり相性が良いです
この場面のプロンプトでは、まず「どんな会議で使うのか」をしっかり書いておきます。
「月例の部内会議で使う報告資料です」
「相手は同じ部門のメンバーで、業務の流れはある程度知っている人たちです」
「目的は、新しく始めた取り組みの進み具合を共有し、問題点を整理することです」
というように、会議の場をそのまま文章で伝えます。そのうえで、生成AIには、構成と説明文のたたき台づくりをお願いすると扱いやすくなります
たとえば、プロンプト全体は次のような形です。
「あなたは社内で会議資料の作成を手伝う事務の担当です。
これから、私が箇条書きで書いたメモを渡します。
このメモにもとづいて、部内会議で使える説明文と、資料の見出し案を作ってください。
会議は月に一度の部内会議です。
相手は同じ部門のメンバーで、日々の業務内容はだいたい共有できています。
目的は、新しく始めた取り組みの進み具合を共有し、問題点を整理することです。
全体を三つの大きな見出しに分けてください。
一つ目は取り組みの概要、二つ目は進み具合、三つ目は課題と今後の方針です。
それぞれの見出しの下に、五百字前後の説明文を書いてください。
むずかしい言い回しは避けて、忙しい人が読んでもすぐ理解できる文章にしてください。
このあとにメモを書きますので、それをもとに資料案を作ってください。」
このように頼むと、「どの順番で話すのがよいか」「どこまで説明するべきか」といった悩みをかなり肩代わりしてくれます。あとから自分の言葉に少し直す前提で使うと、作業の始めるまでの重さがかなり軽くなるはずです
学びや調査の内容を整理するときのプロンプト例を持っておく
仕事をしていると、新しい制度や技術、社内のしくみなど、調べて理解しないといけないことが次々現れます。調べた内容をそのまま頭の中に積み上げていくだけでは、あとで思い出すのが大変になってしまいます。そんなときに生成AIを「整理の相手」として使うと、自分一人で考えるよりも早くすっきりさせやすくなります
この場面では、まず自分なりに調べて分かったことを、雑でもよいので並べて書き、それを生成AIに整理してもらう形が扱いやすいです。プロンプトでは、次のような点を伝えます。
「これから、新しい制度について自分で調べた内容を、順番を気にせず書きます」
「内容には、うろ覚えの部分やあいまいな部分も含まれています」
「目的は、自分の理解を整えるために、要点を整理したいということです」
そのうえで、生成AIには次のような役目をお願いすると良いです。
「調べた内容から、要点を三つから五つ程度にまとめてほしい」
「その要点ごとに、自分の理解に足りない部分を指摘してほしい」
「必要であれば、追加で調べると良い切り口を教えてほしい」
例としては、次のようなプロンプトになります。
「あなたは学びの整理を手伝う講師の立場です。
これから、私が新しい制度について調べて分かったことを、思いつくままに書きます。
文章のまとまりや順番はそろっていません。
目的は、自分の理解を整えることです。
社内で簡単に説明できるくらいの理解を目指しています。
お願いしたいことは三つです。
一つ目は、私が書いた内容から、要点を三つから五つに整理すること。
二つ目は、その要点ごとに、理解が足りていない部分があれば指摘すること。
三つ目は、さらに深く知るために調べるとよさそうな切り口を教えることです。
むずかしい言葉を使うときは、かならず簡単な説明をそえてください。
それでは、このあとに調べた内容を書きますので、整理と指摘をお願いします。」
こうした形で使うと、生成AIは一方的に教える役ではなく、「自分の学びを支える相手」になります。調べて分かったつもりになっている部分もあぶり出されるので、おおげさな勉強法を試すよりも、実務に近い形で理解を深めていきやすくなります
お客さま対応や案内文で使うプロンプト例を押さえておく
最後に、社外のお客さま向けの案内や、問い合わせへの返信での使い方です。ここは仕事の印象にも直結する部分なので、生成AIを使う際も、丸投げではなく慎重に扱う必要があります。ただし、きちんと条件を伝えれば、「表現をととのえる相手」としてかなり心強い味方になってくれます
この場面では、まず「必ず自分で最終確認をする」という前提をプロンプトに書いておくのがおすすめです。そのうえで、次のような内容を順に伝えます。
「お客さまからの問い合わせ内容」
「こちらの会社としての考え方や方針」
「今回の返信で、何を伝えたいか」
そして、生成AIには、次のような役割をお願いする形にします。
「お客さまの気持ちを軽んじない表現になるよう整えること」
「必要な情報が抜けていないかを確認すること」
「きつい印象になりかねない言い回しがあれば、やわらかく言い換えること」
プロンプトの例としては、次のような形です。
「あなたは、お客さま対応が得意な事務の担当です。
これから、お客さまから届いた問い合わせ内容と、それに対して私が考えた返信案を書きます。
目的は、お客さまの気持ちを守りながら、こちらの考えをきちんと伝えることです。
私は最終的な文面は自分で確認してから送りますので、その前の整理を手伝ってください。
お願いしたいことは次の三つです。
一つ目は、返信案を読みやすい文章に整えること。
二つ目は、お客さまの気持ちを軽く扱っているように見える表現があれば、指摘して言い換えること。
三つ目は、必要な情報や説明が抜けている部分があれば、教えてもらうことです。
敬語は保ちつつ、あまり堅苦しくなりすぎないようにしてください。
お客さまを責める印象になる言い方は避けてください。
それでは、このあとに問い合わせ内容と返信案を書きますので、条件に合わせて整えてください。」
こうした形なら、生成AIはあくまで下書きや確認の役割にとどまり、最終的な判断は人間側が行うことになります。仕事としての責任の線を守りながら、文章づくりの負担だけを軽くできるので、現場でも取り入れやすい使い方と言えます
実際の場面を想像しやすいように、四つの場面でのプロンプト例を整理しました。
業務メールを整えるとき
会議資料や説明文を作るとき
学びや調査の内容を整理するとき
お客さま対応や案内文を書くとき
どれも、完全に任せきりにするのではなく、「自分で考えたものを支えてもらう」という立場で生成AIを使うと、無理なく業務に組み込みやすくなります。最初から完ぺきなプロンプトを目指す必要はなく、ここで紹介した形を少しずつ自分の仕事向けに書き換えていけば、自然と「言い回し」や「条件の伝え方」も洗練されていきます
やり取りを重ねてプロンプトを育てる考え方
ここからは、生成AIに一回だけ命令して終わりにするのではなく、会話を続けながら少しずつプロンプトを育てていく考え方をまとめます。実際の仕事では、一発で理想どおりの文章が出てくることの方が少ないはずです。そこで、最初は大まかな指示を出し、返ってきた結果を見ながら条件を足したり言い直したりして、だんだん自分の望む形に近づけていく流れを身につけておくと、精神的にもかなり楽になります。ここでは「何度かやり取りする前提」での考え方を、ゆっくり整理していきます
一回で正解を出そうとしない考え方に切り替える
生成AIと付き合う時に、いちばん心が軽くなるのは「一回のプロンプトで完ぺきを目指さない」と決めてしまうことかもしれません。どうしても「最初の一回で理想の文章を出したい」と思ってしまいますが、それを前提にすると、プロンプトの時点で身動きが取れなくなっていきます。条件を書き足しすぎて、自分でも読み切れない長さになり、結果として何を頼みたかったのか分からなくなりがちです
むしろ、最初は「六割くらい伝わればよい」と割り切って、ざっくりとしたプロンプトで一度試してみる方が、全体としては早く落ち着くことが多いです。出てきた結果を見れば、「あ、ここはしっかり条件を入れておいた方がよかったな」という気づきも生まれますし、その気づきを次の指示に反映できます。これは、いわば「確認しながら進む」やり方です
この時大事なのは、「最初のプロンプトは、方向を決めるためのたたき台」というくらいの気持ちで書くことです。細かい語尾や、表現の好みはあとからいくらでも調整できます。最初の段階では
どの話題を中心にするか
どのくらいの長さにするか
誰に向けて書く前提か
といった、大きめの条件だけしっかり入れておけば十分です。そう考えると、プロンプトに対する心理的なハードルも少し下がるはずです
途中で目的を言い直して方向を合わせる
一度生成してもらった結果を読んでみると、「悪くはないけれど、求めている方向とは少しずれている」ということがよくあります。このとき、「このAIは分かってくれない」と決めつけてしまうと、そこでやり取りが止まってしまいます。大事なのは、結果を見てから「目的そのものを言い直す」ことです
たとえば、「生成AI プロンプトの説明をして」と頼んだ結果が、仕組みの話ばかりだったとします。自分としては、むしろ仕事での使い方を知りたかった、という場合には、次のように言い直します
「ありがとうございます。仕組みの説明も役に立ちますが、私が知りたいのは、仕事の中でどう使うかの方でした。業務での活用例に重点を置いて、書き直してもらえますか」
このように、「どこが良くて、どこが物足りないのか」を言葉にして返すことで、生成AIも方向を修正しやすくなります。人間に依頼するときと同じで、「ここは助かった」「ここは違う方向だった」という情報があればあるほど、次の提案の質は上がっていきます
ここで意識しておきたいのは、細かい表現よりも、まず「目的」の調整を優先することです。表現の好みは最後にまとめて直した方が、全体の手間は少なくなります。目的がずれたまま細部だけ整えても、どうしても「きれいだけれど使いづらい文章」になりがちなので、途中の段階で「何のための文章なのか」を言い直しておくことが、遠回りのようでいて近道になります
出てきた文章を使って追加の条件を伝える
やり取りを重ねるときに有効なのが、「出てきた文章そのものを例にして、追加の条件を伝える」方法です。抽象的に「もっとやわらかく」と言うよりも、「この文の言い方は好きだが、この部分は少しきつく感じる」と具体的に指さした方が、生成AIにも伝わりやすくなります
例えば、生成AIが出してきた文章の中で
「この部分の言い方は、そのまま残してほしい」
「ここからここまでの調子を全体に広げてほしい」
「この文は意味は良いが、ことばが少しかたすぎるので言い換えてほしい」
といった、自分の評価を一緒に返していきます
実際のやり方としては、生成AIの回答の一部を引用して、次のように伝えます。
「三つ目の段落の前半は、とても読みやすいと感じました。この段落の調子を全体に広げる形で、もう一度全体を書き直してもらえますか。反対に、四つ目の段落後半の『適切に運用されていないと大きな問題が生じる可能性があります』という一文は、少し不安をあおる表現に感じました。意味は残しつつ、やわらかい言い回しに変えてほしいです」
このような伝え方は、生成AIにとっての「具体的な手がかり」になります。こちらの好みや感覚は、最初から完全には伝わりませんが、こうして少しずつ共有していくことで、「自分にとって心地よい文章」に近づいていきます。これは一種の共同作業とも言えるので、最初から完ぺきを求めるよりも、やり取りを楽しむくらいの感覚で続ける方が、結果として実務でもうまくかみ合いやすくなります
プロンプトと結果をメモして次に生かす
やり取りを重ねていると、「あのときのプロンプトはうまくいったのに、どんな書き方だったか思い出せない」ということが必ず出てきます。そこでおすすめしたいのが、「うまくいったプロンプトと、そのときの結果」を簡単にメモしておく習慣です。手帳でも、社内の共有メモでも、自分が管理しやすい場所ならどこでも構いません
記録するときは、きれいに整理しようと気負わなくても大丈夫です。次の三つだけ押さえておけば、あとから見返すときにも役立ちます。
まず、どんな場面で使ったかを一行で書きます
「取引先に提案を断られた後の、お礼と今後の関係を伝えるメール」
「新しい制度を部内に説明するときの資料案」
といった程度で十分です
次に、実際に使ったプロンプトを、そのまま貼りつけます。
最後に、「良かった点」と「次にまねしたい点」を一行ずつ書いておきます
「相手と目的を書き分けたら、文章の方向が安定した」
「出力の形を先にまとめて指定したら、あとからの修正が楽だった」
この程度のメモでも、数がたまってくると、自分専用の小さな「プロンプト集」になっていきます。本や記事に載っている例も参考になりますが、自分の仕事や文体に合うものは、自分で試した中から見つかることが多いです。
こうしてためたプロンプトは、次に同じような場面が来たときに、そのまま少し書き換えて使えます。毎回ゼロから考えるよりも、負担が大きく減りますし、「前回より少しだけ良くする」という楽しさも出てきます。生成AIを長く使うつもりであれば、この「自分用の種をためておく」感覚を早めに持っておくと、後々かなり助かるはずです
生成AIとのやり取りを一回きりで終わらせず、会話を重ねながらプロンプトを育てていく考え方を整理しました。
一回で正解を狙い過ぎない
途中で目的を言い直して方向を合わせる
出てきた文章を例にして追加の条件を伝える
うまくいったプロンプトを記録して次に生かす
という流れを意識すると、生成AIとの付き合い方がだいぶ穏やかなものになります。
生成AIに任せすぎないための考え方をやさしく整理する
生成AIとプロンプトに慣れてくると、「ほとんど全部まかせてしまいたい」という気持ちも出てきやすいと思います。たしかに、多くの文章や案を素早く出してくれるので、とても心強い存在です。ただ、仕事として安心して使うには、「どこまで任せてよくて、どこからは自分で考えるか」という線をゆるやかに決めておくことが大切になります。ここでは、生成AIと少し距離を取りつつ、うまく頼るための考え方を、プロンプトの視点から整理していきます
生成AIに全部まかせると起きやすいことを知っておく
まず意識しておきたいのは、「生成AIに完全に任せる」と、気付かないうちにいくつかの困りごとが積み上がりやすいという点です。これは生成AIが劣っているという話ではなく、仕組みの性質によるものです
生成AIは、世の中にたくさんある文章や情報の「それらしさ」を学んでいます。そのため、「一般的にはこう言うことが多いだろう」という方向に、どうしても寄りやすくなります。プロンプトで細かく条件を伝えないと
自分の職場の事情とは少しずれた表現
会社としては避けたい言い回し
過去の情報にもとづいた説明
などが、もっともらしい形で混ざることがあります。ぱっと見は自然なので、そのまま信じてしまいそうになるのがやっかいなところです
さらに、生成AIは「責任」という感覚を持ちません。出てきた文章をどう使うか、誰が受け取るかまでは考えません。そこを人間が受け持つ前提で使わないと、「読みやすいが、職場の方針とは合っていない文章」が、そのまま出ていってしまうおそれがあります
こうした事情があるので、プロンプトを書くときから「最終判断は自分が行う」「生成AIは下書きや整理を助ける相手」という前提にしておくと、任せすぎになりにくくなります。この意識を少し持つだけでも、読み直しの目つきが自然と変わってきます
プロンプトが長すぎるときに起きる困りごとを意識する
良いプロンプトを目指していると、いつの間にか条件だらけになり、たいへん長くなってしまうことがあります。一見ていねいで良さそうですが、実はここにも落とし穴があります
条件が増えすぎると、生成AIはすべてを同じ重さで守ろうとして、どこかちぐはぐな文章になりやすくなります。たとえば
やわらかく
ていねいに
簡潔に
情報量は多く
専門的だが分かりやすく
といったお願いを一度に並べると、人間でも困ってしまいますよね。生成AIも同じで、「あちらを立てればこちらが立たない」という状態のなかで、なんとか折り合いをつけようとします。その結果、「どの条件も中途半端に満たしているが、どれも決め手に欠ける」という文章になりがちです
また、プロンプトが長くなりすぎると、自分自身が何を頼んだのか分からなくなることもあります。後から読み返したときに、「この条件、本当に必要だったかな」と思い返すこともあるはずです
そこでおすすめなのは、「今回の中心になる条件」と「おまけの条件」を分けて考えることです。中心の条件は三つ程度までに絞り、それ以外は一度外して試してみるくらいの気持ちで構いません。もし足りなければ、あとから「やはりここも大事でした」と追加すればよいだけです
プロンプトの長さそのものが悪いわけではありませんが、「長くしないと不安」という気持ちだけで条件を足していくと、かえって伝わりづらくなります。生成AIに頼む前に、一度深呼吸して「本当に譲れない条件はどれか」を自分に問いかけてみると、ずいぶん変わってきます
あいまいな指示が生むずれと、やさしい修正の仕方
逆に、プロンプトが短すぎてあいまいな場合も、別の意味で困りごとが出てきます。「おまかせします」という雰囲気の頼み方は、人間どうしなら相手の顔や状況から察してもらえることもありますが、生成AIには通じません
たとえば
分かりやすくして
やわらかく書いて
もっとていねいに
といった表現は、いずれも感覚にもとづいたお願いです。人によって受け取り方が違いますし、生成AIにとっても、その感覚の幅を正確にとらえるのはむずかしい部分です
とはいえ、すべてを数字や条件で固める必要もありません。少し工夫するだけで、あいまいさを減らすことができます。たとえば
「中学生でも読めるくらいの言葉にしてほしい」
「初めてこの話題を聞く人を想定してほしい」
「三分で読み終えられる長さにしてほしい」
という形で、「分かりやすく」や「ていねい」を、もう一歩だけ具体的な言い方に変えてみます。これだけでも、生成AIが選ぶ言葉や構成はかなり変わります
もし一度出てきた結果がしっくりこない場合には、「ここが少しあいまいでしたね」と、やわらかく原因を言葉にして、次の指示に変えていくとよいです。「もっとちゃんと理解して」といった言い方ではなく、「私のお願いの仕方が大まかだったので、もう少し条件を足します」という姿勢で伝えると、自分の気持ちも楽になりますし、やり取りも前向きな雰囲気を保ちやすくなります
人の目で必ず確認したい部分を決めておく
生成AIとプロンプトを仕事で使うときに、いちど自分の中で決めておきたいのが「ここは必ず人の目で確認する」という部分です。これは、文章の種類や職場の方針によって変わりますが、たとえば次のような部分は、人が見た方が安心です
相手の名前や会社名、日付、金額などの事実
約束や契約に関わる表現
相手の気持ちに影響しやすい言い回し
これらは、ほんの少しの違いで意味合いが変わることがあります。生成AIは滑らかな文章をつくるのは得意ですが、「この一文を読んだ相手がどう感じるか」を、実際の人間の感覚とまったく同じようにはとらえられません
そこで、プロンプトの段階で「最終確認は自分が行う」「事実や数字は必ず自分で見直す」と宣言しておくと、心の中での線引きがはっきりします。生成AIにも
「人名や金額などの事実は、仮のものとして出してください。実際の内容は、私があとから直します」
と伝えておくと、受け取り側も「ここは自分で詰める部分なのだな」と構えやすくなります
また、文章の中で「ここはとくに気をつけたい」という部分を、自分なりに印を付けてから読み返すのも有効です。たとえば
冒頭のあいさつ
相手へのお願いの言い回し
最後のしめくくりの一文
などを意識して見直すだけでも、全体の印象が整いやすくなります。生成AIにまかせる部分と、自分の目で見る部分の役割を分けることで、「全部を疑って読まないといけない」という疲れを減らしつつ、必要な慎重さも保つことができます
ここまでで、「生成AIに任せすぎないための考え方」を、プロンプトの観点から整理しました。
生成AIにすべてをゆだねたときに起きやすいことを知る
条件を盛り込み過ぎないように意識する
あいまいな指示を少しだけ具体的な言葉に変える
人が必ず確認する部分をあらかじめ決めておく
といった考え方を持っておくと、安心感を保ちながら生成AIを活用しやすくなります。
これから生成AIのプロンプトとどう付き合うかを静かにまとめる
ここまで読んでこられたなら、「生成AI プロンプト」という言葉に対するもやもやは、かなり小さくなってきているはずです。とはいえ、明日から突然すべてをうまく使いこなせるかと言われると、さすがにそれは気が重いですよね。そこで最後に、「これから先、生成AIとプロンプトとどう付き合うか」を、少しだけ長い目でまとめておきます。肩に力を入れて気合いを入れるというより、毎日の仕事の中に少しずつなじませていく、そんなイメージに近い話になります
この見出しでは
- まずは小さく試して慣れていく考え方
- 仕事の中で少しずつ使う場面を増やすやり方
- 組織の中でプロンプトを共有していく工夫
- 生成AIとうまく距離を取りながら続ける心構え
という四つの流れで、「これから」の話を整理していきます。読みながら、自分の仕事の場面を思い浮かべていただければ十分です
まずは小さな作業から試してみるところから始める
生成AIとプロンプトに慣れるいちばん現実的な方法は、「最初から大事な仕事で使わない」ことかもしれません。いきなりお客さま向けの案内や、上司への報告書で試そうとすると、緊張も高くなりますし、少しの違和感も気になってしまいます。そうなると、「やっぱり自分で書いた方が早い」という結論に飛びつきやすくなります
そうならないために、まずは次のような、仕事の周りにある小さな作業から試してみるのがおすすめです
- 自分だけが読むメモの整理
- 会議で話す内容の箇条書きを、少し整った文章にしてもらう
- 一日の終わりに、その日の出来事を簡単にまとめる
- 読んだ資料の内容を、自分用に言い直してもらう
これらは、多少言い回しが気に入らなくても、誰かに迷惑がかかるわけではありません。ここで「生成AI プロンプト」を何度か試し、うまくいったときの形や、自分なりの言い方をつかんでいくと、その経験があとで生きてきます
この段階で意識したいのは、「完ぺきな文章を作ってもらう」ことではなく、「自分の考えを少し進めてもらう」ことです。たとえば
- 自分で書いた三行のメモを、もう少し読みやすくしてもらう
- 頭の中でぐるぐるしている考えを、一度文章にして整理してもらう
といった、半歩だけ手伝ってもらう使い方ですね。これなら、うまくいかなかったとしても、自分の作業が完全に止まってしまうことはありませんし、「この方向は合う」「これは合わない」という感覚も少しずつたまっていきます
最初から「仕事の中心で使えるようにしなければ」と気負うと、どうしても構えてしまいます。まずは自分の机の上で、お試し用として「生成AI プロンプト」を使ってみるところからゆっくり始めるくらいが、ちょうど良い距離感と言えるかもしれません
仕事の中で「任せてもよい部分」を少しずつ広げていく
小さな場面での練習が少し進んできたら、次は仕事の中で「ここなら生成AIに任せてもよさそうだ」と思える部分を、少しずつ広げていく段階に入っていきます。いきなり重要度の高い文章をまるごと任せるのではなく、「文章づくりの一部分」を手伝ってもらうような使い方を意識すると、安心して試しやすくなります
たとえば、次のような分け方があります
- 自分で構成を決めて、各部分の中身だけを生成AIに書いてもらう
- 自分で文章を書いたうえで、言い回しの調整だけをお願いする
- いくつか案を作ってもらい、その中から使える表現だけを拾う
- 長めの文章を作ってもらい、そこから必要な部分だけを抜き出す
このように、「どの部分を任せて、どこからは自分でやるか」を先に決めておくと、プロンプトも書きやすくなります。たとえば
「全体の流れは自分で決めます。あなたは各見出しごとの説明文だけを書いてください」
「この文章の中身は問題ないので、言い回しだけていねいに整えてください」
といった形で、生成AIの役目をはっきりさせておきます。これは、相手に仕事をお願いするときの分担の話とほとんど同じです
こうした使い方を続けていると、「ここまでは任せても大丈夫そうだな」「ここから先は自分の言葉でないとしっくりこないな」という線が、自分の中で少しずつ見えてきます。この線は人によって違うので、正解を探すというより、自分の感覚に合う位置を少しずつ見つけていくイメージに近いです
「生成AI プロンプト」を考えるときも、この線を意識しておくと、自然と「任せたい部分」に集中した指示が書けるようになっていきます。結果として、生成AIも迷いにくくなり、出てくる文章の質も安定してきます
組織でプロンプトを共有して「一人で悩まない」ようにする
ある程度慣れてくると、「自分なりのうまくいくプロンプト」が少しずつたまってきます。ここで一歩進めて、それを自分の中だけにしまっておかず、組織の中で共有していくと、周りの人にとっても助けになりますし、自分自身の学びも深まりやすくなります
とはいえ、立派な資料を作る必要まではありません。最初はごく簡単な形で大丈夫です
- 部署の共有メモに、「うまくいったプロンプト例」として貼る
- 会議のついでに、「最近こういう頼み方をしたら楽だった」と一言紹介する
- 自分の作った文章と、使ったプロンプトを一緒に保管しておき、聞かれたときに見せられるようにする
これだけでも、「生成AI プロンプト」に関する話題が、少しずつ職場の中で普通のものになっていきます。「何となく一人でこっそり使うもの」から、「工夫を持ち寄る対象」に変わっていくと、使い方も自然と洗練されていきます
共有するときに意識しておきたいのは、「正解を教える」のではなく、「自分はこうしてみたら楽だった」という体験を持ち寄る感覚です。人によって仕事も文章の好みも違いますから、誰かのやり方がそのまま全員にぴったり合うとは限りません。それでも、例がいくつか並べば、「自分はこの形が合いそうだな」と感じるものがきっと出てきます
また、組織として「生成AIをどこまで使うか」「どんな場面では控えるか」といった方針を話し合うときにも、「実際にこういうプロンプトで使っている」という具体例があると、机上の議論になりにくくなります。現場での感覚を反映しやすくなり、必要以上に恐れたり、逆に楽観しすぎたりせずに済みます
「プロンプトを共有するなんて、少し恥ずかしい」と感じるかもしれませんが、完ぺきな例を出す必要はありません。むしろ、試行錯誤の跡が残っている例の方が、見た人の安心につながることが多いです
長く付き合う前提で、力を抜きながら続ける
最後に、「生成AI プロンプト」との付き合いを長く続けていくうえでの、少しゆるめの心構えをまとめておきます。
まず、生成AIはこれからも少しずつ変わっていくものだ、という前提を持っておくと気が楽です。仕組みが整えば、できることも増えますし、答えの出し方も変わります。そのたびに世の中では「これからはこう使うべきだ」といった声が出てくると思いますが、すべてを追いかけようとすると、それだけで疲れてしまいます
そこで、「自分の仕事が少し楽になる範囲で」「自分が安心して使える範囲で」という二つの線を、静かに持っておくとよいです。周りがどれだけ盛り上がっていても、あくまで自分の仕事と気持ちに合うペースで広げていく、という姿勢ですね
プロンプトについても、同じことが言えます。流行の言い回しや、とても細かい指示の書き方を全部覚えなくても、「何を頼みたいのか」「誰に向けた内容か」「どんな形で出してほしいか」という三つさえ押さえておけば、実務で困る場面はそう多くありません。それ以外の細かな工夫は、必要になったときに少しずつ足していけば十分です
また、「今日はうまく生成AIと話せなかったな」と感じる日も、きっと出てきます。そんな日は、あまり根をつめずに、「自分のプロンプトの書き方に余裕がなかったかも」と軽く振り返る程度にして、深く落ち込まない方が長続きします。人間どうしの会話でも、うまく伝わらない日はありますから、相手がAIでもそれは同じだと受け取ってしまった方が、心にはやさしいかもしれません
そして何より、「生成AI プロンプト」は、使えば使うほど、自分の文章の癖や考え方の癖を映してくれる存在でもあります。どんな条件を大事にするのか、どこで行き詰まりやすいのかが、少しずつ見えてきます。これは、単に便利な道具というより、「自分の考え方を映す鏡」に近い面もあります
ここまでの記事全体で
- 生成AIにおけるプロンプトとは何か
- 良いプロンプトに共通する考え方
- 仕事で使いやすいプロンプトの型
- 場面ごとの具体的な例
- やり取りを通じてプロンプトを育てる方法
- 任せすぎないための距離の取り方
- これからの付き合い方と心構え
を、一つの流れとして整理してきました
すべてを一度に使いこなす必要はありません。どこか一か所でも、「ここは明日からやってみよう」と思える部分があれば、それだけで十分です。生成AIとプロンプトは、覚悟を決めて取り組む相手というより、日々の仕事の中で少しずつ役割を増やしていける相手です
どうか、完ぺきを目指して肩に力を入れすぎず、「自分の仕事が少し楽になるなら、その分だけ一緒に働いてもらおう」くらいの気持ちで付き合ってみてください。そのときにこそ、「生成AI プロンプト」という言葉が、ただの流行語ではなく、自分の仕事を支える実感のある道具になっていくはずです