バックキャスティング|ビジネスでの意味・日本語で言い回しての使い方と例文・メールでの注意点
バックキャスティングとは、未来のあるべき姿や目標をまず明確に描き、その理想の状態から現在へと逆算して必要なステップを考えていく計画手法のことです。つまり、「今の延長で未来をつくる」のではなく、「未来の理想を起点として、今なにをすべきかを決める」考え方です。
この考え方は、持続可能な開発や企業の中長期ビジョン、イノベーション戦略などにおいて非常に有効で、特に社会課題に取り組む際に多く活用されています。なぜなら、現状の延長線上にある思考(これをフォアキャスティングと言います)では、抜本的な変革や革新的なアイデアは生まれにくく、変化のスピードに対応できなくなることが多いからです。
たとえば、「2030年までにカーボンニュートラルを達成する」という未来像を掲げた場合、そこから逆算して「2025年までに再生可能エネルギー導入を何%にするか」「2028年にはサプライチェーン全体での排出量管理をどう進めるか」など、必要な行動を逆方向に組み立てていきます。現状に縛られず、理想を前提に動くことで、より大胆かつ持続的な目標が設計できるのが大きな特長です。
ビジネスの場面では、新規事業開発や経営戦略、環境戦略、組織改革など、変化が必要とされる局面で非常に役立つアプローチです。また、関係者が「なぜこの目標に向かうのか」という共通理解を持ちやすくなるため、チームの意思統一にもつながります。
未来志向をベースにしたバックキャスティングは、計画の順序を逆にするというだけでなく、従来の制限や慣習にとらわれず自由な発想を促すという点でも大変重要な考え方です。
まとめ
- バックキャスティングとは未来の理想像から現在を逆算して計画を立てる手法
- 中長期戦略やイノベーション、新規事業などに適している
- 現状に縛られず、大胆で柔軟な発想が可能になる
- 組織内の目標共有や合意形成にも効果的
- 持続可能性や社会課題へのアプローチに有効
「バックキャスティング」を英語で言うと?
「Backcasting」となります。英語でもそのまま通用する概念です。
バックキャスティングの言い換え・言い回しは?
- 未来から逆算して計画する手法
- ゴール起点の計画立案
- 目的から逆に道筋を考える考え方
- 最終目標を前提とした取り組み
- 理想の状態から逆に設計する戦略
バックキャスティングが使われる場面
- 環境問題への対応に向けた企業方針を決めるとき
- 長期経営ビジョンを策定するとき
- 新しいサービスや事業の構想を立てるとき
- チームの目標設定を共有したいとき
- 技術革新や組織改革に向けた段階計画を作るとき
バックキャスティングを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 目指すべき将来像から逆算した取り組みとして、企画を進めております。
(We are moving forward with the project based on reverse planning from our desired future state.) - 長期的な視点から、理想のゴールを先に定めた上で現段階を設計しております。
(From a long-term perspective, we have defined the ideal goal first and are designing the current stage accordingly.) - 将来的な成果に向けた全体構想をもとに、今後の進め方を検討しております。
(We are considering future steps based on a comprehensive vision for long-term outcomes.) - 終着点を先に見据えた上で、最適なアプローチを見直しております。
(We are revisiting our approach by first identifying the desired final outcome.) - 今後の目標達成を見据え、そこから逆に必要なステップを再構成しております。
(With our future goals in mind, we are reconstructing the necessary steps in reverse.)
バックキャスティング・社内メールで言い換えて使用する例文
- 今回のプロジェクトは、最終ゴールを前提に設計を行っております。
(This project has been designed based on the final goal.) - 目的達成から逆に考えて、今やるべきことを洗い出しています。
(We are identifying our current priorities by thinking backwards from the intended outcome.) - 将来的な目標から必要な工程を逆算し、各担当へ落とし込んでいます。
(We have back-calculated the required steps from our future goal and assigned them accordingly.) - ゴールベースで進捗を管理する計画手法を採用しています。
(We are using a goal-based progress management approach.) - 最後の成果を軸に、今後の進行計画を組み直しています。
(We are reorganizing the plan based on the final deliverable.)
バックキャスティングを使用した本文
- 私たちは2030年の理想的な姿を起点に、そこへ向かう道筋を逆に描いて戦略を立てました。
(We developed our strategy by starting from our ideal vision for 2030 and working backwards.) - 今回の取り組みでは、まず将来像を明確にし、それを実現するための現状の課題を洗い出しています。
(This initiative began by clarifying the future vision, then identifying current issues to be addressed.) - チーム全員が同じ目標を共有し、その目標から逆に何をすべきかを話し合いました。
(The team shared a unified goal and discussed what needed to be done by working backwards from it.) - 最終的な成果から逆に組み立てる方法が、今回の計画のベースになっています。
(The plan is based on a reverse-structured approach from the final result.) - 現状の延長ではなく、理想から発想を広げることで新たな道筋が見えました。
(Instead of extending the current path, we discovered new possibilities by thinking from the ideal.)
バックキャスティングをメールで使用すると不適切な場面は?
「バックキャスティング」という言葉は、一部のビジネス領域やアカデミックな場面では広く知られていますが、すべての方にとってなじみのある言葉ではありません。特に、普段あまり計画立案や戦略策定に関わらない方に対して使用すると、理解されにくい可能性があります。
また、語感が専門的で少しかたく見えるため、初対面の相手や立場が離れている方に送ると、「難しい言葉を使ってきた」と誤解を招くこともあるかもしれません。そのため、あえてこの言葉を避けて「目標から逆に考える」「ゴールを起点に設計する」など、よりやさしく具体的な言い回しに置き換えることが相手への配慮になります。
バックキャスティング 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- 最終目標から必要な工程を逆に検討しております。
(We are reviewing the necessary steps by working backward from our final goal.) - 今回の企画は、理想の状態を最初に思い描いてから計画しています。
(This plan begins by envisioning the ideal state before creating the steps.) - 目的を明確に定めた上で、そこから現在の業務を整理しています。
(We have defined the purpose clearly and organized current tasks from that starting point.) - ゴールベースでのアプローチを取り入れております。
(We are using a goal-based approach.) - 長期的なビジョンをもとに、今なすべきことを順に検討しております。
(We are considering our current actions step by step, based on a long-term vision.)
バックキャスティング メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
長期目標を踏まえた戦略検討のお願い
いつも大変お世話になっております。
弊社では、将来的な目標を明確に定めた上で、そこから逆に現在の対応を検討する方法を取り入れております。今回のご提案も、その考え方に基づき進めておりますので、長期的な視野でご確認いただけますと幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
ゴール起点でのアプローチについて説明
いつも格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
本件では、あらかじめ目指す姿を設定し、そこから逆算して各ステップを設計する手法を採用しております。従来とは異なる進行方法となりますが、最終的な成果を見据えた柔軟な取り組みとなっておりますので、ぜひご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
最終目標をもとにしたご提案のご案内
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
このたびのご提案は、将来的にお客様にとって理想的な結果を目指す構想からスタートしております。その上で、今後必要となる各段階を逆に整理し、ご提案させていただいております。ご確認のうえ、ご不明点などございましたらお気軽にお申し付けくださいませ。
今後の進め方についての丁寧な案内
このたびはお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
弊社では、目標に到達するための具体的な道筋を明確にするべく、最初に最終目的を見据えて計画を立てております。今回の内容もそのような考え方に基づきご案内しておりますので、どうぞ安心してご検討いただければ幸いです。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
ゴールからの逆算によるスケジュール調整
お疲れさまです。
今回のプロジェクトでは、最終納品時の品質を重視し、その目標から逆に工程を整理しています。そのため、今後のスケジュールについては改めて調整が必要となります。各担当の方と日程の再確認をお願いします。
理想像を前提にした企画立案への協力依頼
いつもありがとうございます。
次期施策に関しては、まず私たちが実現したい未来像を共有し、その理想から今やるべきことを抽出していく方法を取り入れています。そのため、既存の枠にとらわれず、自由なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
バックキャスティング 相手に送る際の注意点・まとめ
バックキャスティングという言葉は、専門性の高い計画手法である一方、一般にはまだそれほど広く知られていない言葉でもあります。そのため、相手によっては「難しそう」「何のことか分からない」と感じてしまう可能性があります。
また、「カタカナ=専門的・上から目線」と受け取られてしまう恐れもあるため、特に初めてやり取りする相手や、異業種の方に使う場合には、やさしい日本語に置き換えたり、補足説明をつけたりすることが望ましいです。
言葉は伝えるための手段ですので、分かりやすく、誤解を生まない工夫が必要です。「最終目標から逆に考える」「理想から逆算する」といった具体的で自然な言い換えを意識すると、相手との信頼関係もより深まります。ビジネスにおける言葉の使い方は、そのまま相手への配慮に繋がることを忘れずにいたいものです。

