相殺(そうさい)とは?ビジネスでの意味・言い換え・言い回しての使い方と注意点
相殺とは、ビジネスの現場で使われる言葉のひとつで、金銭や債権・債務、損益などを差し引いて打ち消す、または帳消しにするという意味を持ちます。会計や取引の場面では特によく使われる言葉で、ある金額を別の金額で差し引いて調整するという作業を指します。
たとえば、ある企業が取引先に対して100万円の売掛金(受け取るべきお金)を持っていたとします。一方で、その取引先に対して同じく50万円の買掛金(支払うべきお金)がある場合、この二つを単純にやり取りせず、「相殺する」という方法をとれば、実際のやり取りは差額の50万円のみとなります。これによって、資金の移動を最小限に抑えることができ、手続きの簡素化にもつながります。
また、相殺には「利益と損失の相殺」という使い方もあります。ある業務で利益が出たが、別の業務で損失が出ていた場合、それぞれを差し引いてトータルでの結果を見ようという考え方です。これは会計上の処理にも大きく関わってくる概念で、会社の財務状況を正しく把握するために重要なプロセスとなります。
さらに、相殺は税務上でも重要な意味を持ちます。たとえば法人税の計算において、前年度の赤字を繰り越して、今年度の黒字と相殺する「欠損金の繰越控除」という制度があります。こうした制度を適切に活用することで、企業の税負担を軽減することが可能です。
しかし、相殺は一方的にできるわけではありません。相手の合意が必要なケースも多く、特に契約書や取引条件に「相殺禁止」などの記載がある場合は注意が必要です。また、取引相手との信頼関係があってこそ成り立つ行為ですので、丁寧に確認をとることが基本となります。
まとめ:
- 金額や債権・債務、損益を差し引いて調整する行為
- 会計や税務、取引など広く使われる実務的な概念
- 手続きの簡素化や資金効率の向上につながる
- 合意や契約内容の確認が必要な場面もある
- 信頼関係に基づいて慎重に扱うことが求められる
相殺を英語で言うと?
「Offset」または「Set-off」と表現されます。
例:「The balance was offset against the outstanding payment.」
相殺の言い換え・言い回しは?
- 差し引きする
- 調整する
- 帳消しにする
- 精算する
- 清算として扱う
相殺が使われる場面
- 取引先との売掛金と買掛金の調整をする場合
- 経費と収益のバランスを見て損益を計算するとき
- 税金の過払い分と今期の納税額を調整する際
- 社内での精算処理時に立替分との差額を処理するとき
- 契約解除時に双方の負担額を差し引いて調整する場面
相殺を言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 双方のお取引金額を確認のうえ、差額にてご精算をお願いできればと存じます。
(After reviewing both transaction amounts, we kindly request settlement based on the difference.) - 今回のご請求分につきましては、前回のご入金分とあわせて調整させていただければと考えております。
(We would like to adjust this invoice based on your previous payment.) - ご請求金額と当方で立替えております費用を確認し、差額にてご案内いたします。
(We will inform you of the difference after confirming both the billed amount and the expenses we advanced.) - 両社の取引状況を照らし合わせ、合算後の金額にてご対応させていただきます。
(We will handle the matter based on the net amount after reviewing our mutual transactions.) - 今回の精算については、過去のやり取りを踏まえた形で差額のみでの対応を検討しております。
(Regarding this settlement, we are considering handling it by reflecting the balance of previous dealings.)
相殺・社内メールで言い換えて使用する例文
- 前回の支払分を考慮して、今回の請求額は差額のみとなります。
(Taking into account the previous payment, the current invoice reflects only the remaining amount.) - 経費精算につきましては、立替分を差し引いた金額で申請してください。
(Please submit the expense claim with the amount adjusted for the advance payment.) - 相互の精算内容を確認し、調整後の金額で処理します。
(We will review both settlements and proceed with the adjusted amount.) - 今回の支払いは、返金分と相殺のうえ手続きいたします。
(The payment will be processed after offsetting the refundable amount.) - 支払予定額は、先月の過剰支払分を控除した結果となっております。
(The scheduled payment reflects the deduction of the overpayment from last month.)
相殺を使用した本文
過去の支払分を考慮した清算
先月お支払いいただいた金額の一部が今回のご請求分と重複しているため、差額にて改めてご案内いたします。
(As part of your previous payment overlaps with this invoice, we will notify you of the net balance.)
経費と立替金の調整
出張経費の精算につきましては、事前に立て替えた分を差し引いて処理を進めております。
(Regarding the travel expense settlement, we are processing it after deducting the advanced amount.)
両社の取引の整理
双方の売掛・買掛金を照らし合わせた結果、差額分を本日中にお振込み予定です。
(After reconciling the accounts payable and receivable, we will remit the balance today.)
契約解除に伴う清算
契約終了に伴い、未払い分と過払い分を精査し、相殺のうえ金額確定させていただきます。
(Upon contract termination, we will finalize the amount after reviewing and offsetting any outstanding and excess payments.)
納税調整としての適用
昨年度の税額控除を反映し、本年度の納税額と相殺処理を実施いたしました。
(We have applied last year’s tax credit and processed the offset against this year’s tax liability.)
相殺をメールで使用すると不適切な場面は?
相殺という言葉は非常に便利ではありますが、使い方を誤ると、相手に一方的な印象や、丁寧さに欠ける印象を与えることがあります。特に、取引先とのやりとりの中で「今回は相殺します」などと断定的に伝えてしまうと、「勝手に判断された」と受け取られかねません。
また、相殺は相手方の合意が必要となるケースが多く、契約上で禁止されている場合もあります。そのため、確認や相談なしに相殺という言葉を使うと、ビジネスマナーに欠ける対応だと思われてしまうこともあります。相手の立場や契約内容を十分に確認したうえで、丁寧に言い換えた表現を用い、同意を得る姿勢が大切です。
相殺 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- 双方の金額を確認のうえ、差額のみでのご案内とさせていただきます。
(After reviewing both amounts, we will proceed based on the remaining balance.) - ご入金内容を踏まえ、今回のご請求額については調整をさせていただきました。
(Considering your previous payment, we have made an adjustment to the current invoice.) - 精算の際に、過去のやり取りを考慮して金額を再計算しております。
(We have recalculated the amount after taking past transactions into account.) - ご負担にならないよう、金額を再整理させていただいております。
(We are rearranging the payment amount to ensure clarity and ease.) - お手数ですが、調整後の金額にてご確認いただけますと幸いです。
(Kindly review the adjusted amount at your convenience.)
相殺 メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
契約解消に伴う費用整理のお願い
いつも大変お世話になっております。このたびの契約終了に際し、これまでのご請求内容およびご入金状況を確認させていただきました。その結果、一部重複していた費用がございましたため、精査のうえで差額のみのご請求とさせていただければと存じます。何かご不明な点がございましたら、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませ。今後とも変わらぬお付き合いを賜れますと幸いです。
双方の請求調整についてのご相談
平素より格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。現在、弊社と貴社の間で発生しているお取引のうち、一部費用が交差している部分がございました。つきましては、双方の金額を確認のうえ、調整させていただければと考えております。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
ご請求金額に関するご案内
このたびは当社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。ご利用料金のご請求にあたり、前回分の一部ご入金と重複している箇所がございましたため、差額のみのご案内とさせていただいております。お手数をおかけいたしますが、改めてご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
ご返金と請求額調整のお知らせ
いつもご利用いただき、心より感謝申し上げます。今回のご請求につきましては、前回の過剰ご入金を確認いたしましたため、その分を差し引いた金額にてご案内させていただいております。何かお気づきの点などございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
請求金額調整についての社内連絡
お疲れ様です。○○様への今回の請求について、前回の支払状況を確認したところ一部重複がありましたので、差額のみの請求といたしました。念のため明細を添付しておりますので、ご確認お願いいたします。
経費精算に関する注意喚起
各位、お疲れ様です。経費精算の際は、立替金との重複を防ぐため、必ず差し引き後の金額を申請してください。処理の効率化にもつながりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
相殺 相手に送る際の注意点・まとめ
相殺という言葉は便利で実務的ですが、そのまま伝えると、冷たく事務的に響いてしまうことがあります。特に相手が金額の調整について敏感である場合、誤解を招く恐れがあります。また、契約書の内容によっては、相手の了承がなければ相殺が認められないこともあるため、細心の注意が必要です。
相手との信頼関係を保ちながら丁寧に説明を行い、「調整」や「差額にてご案内」など、やわらかい言い方を心がけましょう。どんなに正しい処理でも、伝え方ひとつで印象が大きく変わるからです。誠意ある言葉で相手の理解を得ながら進めることが、円滑なビジネスの鍵となります。

