トライバルとは?ビジネスでの意味・日本語での言い換え・言い回しての使い方と注意点
ビジネスの場面において「トライバル」とは、単に民族的・文化的な装飾やデザインを指すのではなく、組織や企業内における“部族的な集団”や“価値観・行動様式を共有する小規模なグループ”を意味します。英語の “tribal” が語源となっており、本来は部族や民族的共同体を指しますが、ビジネスの場では、強いつながりや共通の目的意識を持つメンバーによる結束の強いグループを指す言葉として用いられます。
例えば、社内で同じ部署やプロジェクトチームに所属しているメンバーが独自の価値観やルール、行動様式を持ち、他部署とは異なる意思決定やコミュニケーションスタイルをとるようになると、「トライバル化している」と言われます。このトライバル化は一概に悪いものとは限らず、チームの団結力やスピード感を高めることに貢献する場合もあります。しかし一方で、部門間の連携が取りにくくなったり、組織全体の一体感を損なう原因にもなり得ます。
マーケティング分野では、「トライバルマーケティング」という言葉も使われます。これは、消費者を属性やデモグラフィックだけでなく、共通の関心や価値観をもとに形成される“部族(トライブ)”として捉え、彼らに響くメッセージを届けていく手法です。SNSが普及する現代においては、このようなトライバルな集団の影響力が非常に大きく、商品のヒットやブランド価値の向上に大きな役割を果たしています。
つまり、トライバルという言葉は、単なる集団やグループという枠を超え、「強い共通性と内部結束を持った人の集まり」としての意味を持ち、組織運営やマーケティング、チームビルディングなど、あらゆるビジネスの場面で注目される概念となっています。
まとめ
- トライバルは「共通の価値観・行動様式を持つ強く結びついた集団」
- 社内ではチームの団結力としてプラスに働くこともある
- 反面、排他的になりやすく、連携の阻害になることも
- マーケティングでは「価値観でつながる顧客グループ」として活用
- 現代のSNS時代において非常に影響力のある概念
「トライバル」を英語で言うと? Tribal(トライバル)
言い換え・言い回しは?
- 部門主義的な考え
- 結束の強い小集団
- 同じ価値観を持つグループ
- 内部での強い仲間意識
- 排他的な組織内集団
トライバルが使われる場面
- 部署ごとに独自ルールがあり、連携が取りにくいとき
- 同じ価値観のメンバーで結束しているプロジェクトチーム
- 製品のターゲット層を価値観でグループ分けするとき
- SNS上でブランドを支える強いファンコミュニティ
- 新入社員が特定の先輩グループにしか相談しない状況
言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 弊社内でも特定の考えに基づいたグループの動きが見られました
(We observed some movements within our team based on shared values.) - 各部署で異なる判断軸が存在することが課題となっております
(It has become a challenge that each department seems to follow different decision standards.) - 組織内での価値観の多様性が強く表れております
(The diversity of values within the organization has become increasingly apparent.) - 特定グループ間での結束が非常に強い状況です
(There is a very strong sense of unity among certain internal groups.) - グループ間の連携にもう少し配慮が必要だと感じております
(We feel that more consideration is needed in fostering inter-group collaboration.)
社内メールで言い換えて使用する例文
- 部署ごとの進め方に違いがあり、少し調整が必要かと思います
(There seems to be some differences in how each department is proceeding, and some adjustment might be needed.) - 特定チーム内での判断が優先されているようです
(It appears that the decisions within a specific team are being prioritized.) - 現在、一部グループ内で非常に強い共通認識が形成されています
(At present, there is a very strong shared understanding within a certain group.) - プロジェクトチーム内で独自の進行ルールが確立されつつあります
(Unique operational rules are being established within the project team.) - 他部署との情報共有が不足している点を見直したいと思います
(We would like to review the lack of information sharing with other departments.)
トライバルを使用した本文
- 現在、部署ごとに異なる行動基準や判断軸が見受けられ、全体としての意思疎通にややズレが生じている印象です。今後はそれぞれの考え方を尊重しながらも、全社的な目標に向けて歩調を揃えていけるよう調整してまいります。
(Currently, there appear to be different standards and approaches across departments, which has led to some misalignment in overall communication. Moving forward, we will adjust our efforts to respect individual perspectives while aligning with the company-wide goals.) - チームごとの結束が強まること自体は良いことですが、時として他部門とのやりとりが少なくなることがございます。この点について、円滑な連携の仕組みを検討してまいります。
(While stronger unity within teams is a positive sign, it can sometimes lead to reduced interaction with other departments. We will consider ways to ensure smoother collaboration going forward.) - 各グループの独自性が高まる中で、プロジェクト全体の整合性を保つには、定期的な情報交換の機会を増やすことが有効だと考えております。
(As each group becomes more distinct, maintaining the overall coherence of the project will benefit from more frequent opportunities for information exchange.) - 特定の価値観に基づいた判断が優先される傾向が見られますが、社内全体の視点からのバランスも重要であると認識しております。
(We have noticed that decisions are often based on specific value systems, but we recognize the importance of maintaining a balance from an organization-wide perspective.) - 強い仲間意識が育まれていることは素晴らしいことですが、それが他との壁とならないよう配慮をしていきたいと考えております。
(It is wonderful to see strong camaraderie developing, but we want to ensure that it does not become a barrier to communication with others.)
トライバルをメールで使用すると不適切な場面は?
「トライバル」という言葉は、本来の意味が文化的・民族的な「部族」を連想させるため、読み手によっては誤解を生む可能性があります。特に、ビジネスの場で「トライバル化している」などの表現を使うと、「排他的」「閉鎖的」といったマイナスのイメージを持たれやすく、誤解や不信感を生む恐れがあります。
さらに、社外の取引先や目上の方に対して使う場合、意味を正しく理解してもらえなかったり、攻撃的に聞こえてしまう可能性もあります。そのため、丁寧に状況を説明した上で、具体的な内容に言い換えるほうが安全です。ビジネス文書やメールでは、曖昧な言葉や受け取り方によって印象が左右される表現は避けたほうがよいでしょう。
細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- チームごとに強い連帯感が生まれていることは大変良い傾向であり、今後の活動においてもその団結力が成果につながるよう支援いたします
(It is a very positive sign that each team is developing strong unity, and we will support their efforts to ensure that this solidarity leads to meaningful outcomes.) - 組織全体としての一体感を大切にしながら、それぞれの考え方や進め方も尊重するバランスを目指しております
(We aim to maintain a sense of unity across the organization while also respecting individual perspectives and ways of working.) - 特定のチームで高まっている共通意識を全体の中でも活かせるよう、共有の機会を増やしていきたいと考えております
(We hope to leverage the strong shared mindset emerging in specific teams by increasing opportunities for sharing across the organization.) - 仲間意識が強いことは大切ですが、それが他のグループとの間に壁を作らないように努めていきたいと思います
(A strong sense of camaraderie is important, but we want to make sure it does not create barriers with other groups.) - 組織内の多様性を尊重しながらも、共通の目標に向かって連携できる環境づくりを進めてまいります
(We will continue working to create an environment that respects internal diversity while enabling collaboration toward shared goals.)
メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
異なる判断基準への対応を丁寧に伝える
お世話になっております。今期のプロジェクトに関して、社内の複数部門でやや異なる進行判断がなされており、ご報告や連携においてご不便をおかけしている点がございました。各部門の考え方や進行状況を整理し、早急に情報を一本化した上で、今後のご対応について丁寧に共有させていただきます。ご理解いただけますよう何卒よろしくお願いいたします。
グループ内の結束を配慮して報告する
いつも大変お世話になっております。社内にて、あるプロジェクトチームにおいて非常に強い結束が見られ、その中で特定の判断が優先される傾向がございます。全体の整合性を保ちつつ、貴社とのやり取りにも支障のないよう、改めて社内調整を進めております。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
社内連携の不足を配慮して伝える
いつもご利用いただきありがとうございます。弊社内で担当部門ごとの進行状況に差異が生じており、お問い合わせへの対応が分かれた形となってしまいました。お手数をおかけし誠に申し訳ございません。全体としての進行を再確認し、一貫したご案内ができるよう改善に努めてまいります。今後とも変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。
内部の価値観共有に基づく対応を丁寧に説明
このたびはお問い合わせいただきありがとうございます。現在、社内では各グループごとに担当分野への理解が深まっている一方で、ご案内方法にばらつきが出ていることが判明いたしました。より正確な情報をもとにお客様にご対応できるよう、全社的な情報共有を徹底いたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
判断基準の違いをやわらかく共有する
お疲れさまです。今回の案件に関して、各チームで進め方の基準がやや異なっているように感じました。認識のすり合わせの場を設け、共通の方針で動けるようにしたいと思います。調整にご協力をお願いいたします。
チーム間の協力を促す内容にする
お世話になっております。現在、特定チームでの進行が優先されている状況がありますが、全体の整合性も大切にしたいと考えております。他チームとの連携について、少し確認と調整をお願いできれば幸いです。
相手に送る際の注意点・まとめ
「トライバル」という言葉は、便利なようでいて非常にデリケートです。聞き慣れていない相手に使えば誤解を招き、強い結びつきを表したつもりでも「排他的」「閉鎖的」と受け取られてしまうことがあります。特に、ビジネスのやりとりでは相手の感じ方を最優先に考えることが大切です。
代わりに「価値観を共有するチーム」や「連携が強いグループ」など、わかりやすく、かつ相手に不快感を与えないような言葉に置き換えるよう意識することが、円滑な関係づくりの基本です。気づかぬうちに相手の不信感を高めてしまわないように、言葉の選び方には常に注意を払いましょう。

