「うだつが上がらない」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「うだつが上がらない」という言葉は、日常生活でも比較的耳にすることがある慣用句で、もともとは江戸時代の町屋建築に見られる「うだつ」という屋根の両端にある防火壁が語源となっています。この「うだつ」は裕福な商人が設けるものであったため、貧しい人々には「うだつ」を建てる余裕がなく、それが「出世できない」「生活の向上が見られない」といった意味につながったとされています。つまり「うだつが上がらない」とは、努力してもなかなか報われず、経済的にも地位的にも低迷したままで、成功や昇進などを手にすることができない状態を指します。
この言葉を英語に直訳するのは難しいですが、意味としては「can’t get ahead(前に進めない)」「going nowhere(どこにも行けない)」「stuck in a rut(同じところで停滞している)」といった表現が近いと言えます。また、「living hand to mouth(その日暮らし)」という言い方も、経済的に困窮している様子として使える場合があります。
たとえば、仕事を一生懸命に頑張っていても成果が出ず、何年経っても昇進できない状態を「うだつが上がらない」と表現します。また、創業して何年もたつのに赤字続きの会社や、日々の生活がギリギリのまま変わらない状況などでも使われます。非常にリアルな人生の厳しさを表す言葉であり、多くの人がどこかで共感できるニュアンスを含んでいるため、口語や文章においても使われやすい慣用句のひとつです。
「うだつが上がらない」の一般的な使い方と英語で言うと
・彼は何年も同じ職場で働いているけれど、特に昇進することもなく、いまだにうだつが上がらないまま日々を過ごしている。
(He has been working at the same job for years, but he still hasn’t been promoted and is stuck in a rut.)
・どんなに努力しても報われない日々が続き、最近では自分の人生がうだつが上がらないものに感じられてきた。
(Despite all the hard work, he feels like his life is going nowhere and can’t seem to move forward.)
・彼女はいつも夢ばかり語っているけれど、現実にはうだつが上がらない生活を送っている。
(She always talks about her dreams, but in reality, she’s just stuck and not making any progress.)
・このままではうだつが上がらない人生を歩むことになりそうだから、そろそろ環境を変える決断をしなければならないと感じている。
(I feel like my life will go nowhere if I don’t make a change soon, so I need to take action.)
・高校を卒業してから特に大きな変化もなく、うだつが上がらないまま地元でただ日々を消化しているような毎日だ。
(Since graduating high school, I’ve just been killing time in my hometown, not getting ahead in life.)
似ている表現
・ぱっとしない
・芽が出ない
・燻っている
・鳴かず飛ばず
・足踏み状態
「うだつが上がらない」のビジネスで使用する場面の例文と英語
この慣用句は、ビジネスの場面では個人や企業の業績が長期間停滞していることをやや否定的に述べる時に使われます。特に企画や営業など結果を求められる部署で、成果が思うように上がらず評価されていない人、または数年たっても業界で頭角を現さない企業などに対して使うことがあります。
・入社以来同じポジションに留まっている彼は、上司から「このままではうだつが上がらないぞ」と注意を受けた。
(His manager warned him, “You won’t get ahead if you keep staying in the same position.”)
・当社の新規事業はうだつが上がらない状態が続いており、投資判断の見直しが必要となっている。
(Our new business venture has been going nowhere, and we need to reconsider our investment decisions.)
・3年連続で赤字を計上し、うだつが上がらない経営状況が続いている。
(With three consecutive years in the red, the company’s stagnant performance shows no sign of improving.)
・彼のプレゼンは毎回無難ではあるが、どれも印象に残らず、うだつが上がらない印象を与えてしまっている。
(His presentations are consistently safe, but they leave no impression and come across as uninspired.)
・長年勤めていても昇格の見込みがなく、うだつが上がらないままモチベーションを失ってしまった社員もいる。
(Some employees have lost motivation after years of no promotion and feeling stuck in their roles.)
「うだつが上がらない」は目上の方にそのまま使ってよい?
「うだつが上がらない」という表現は、ある意味で批判的な意味合いが含まれており、直接的に人の成果や地位について否定的なニュアンスを含むため、目上の方や取引先に対して使用することは控えるべきです。特にビジネスメールや会話の中で、相手の状況について触れる際にこの言葉を使用すると、「見下している」「評価していない」と受け取られる可能性があります。たとえ冗談であっても、相手の努力を軽視しているように聞こえるリスクがあるため、丁寧な関係を築きたい場合には絶対に避けるべきです。
特に以下のような場面では使わない方がよいと考えられます:
・上司の業績や評価に対してコメントする時
・取引先の事業に対する感想を述べる時
・部下であっても努力が見られる人に対して否定的に使う時
・雑談のつもりで軽く話したつもりが、相手に不快感を与える場合
・自己紹介や自社紹介の場でネガティブな印象を与えかねない言葉を使う場合
「うだつが上がらない」の失礼がない言い換え
・現在は成果が見えづらい状況が続いておりますが、着実に基礎を固めております。
・進展に少々時間を要しておりますが、前向きに取り組んでおります。
・現状維持の段階ではございますが、改善に向けて準備を進めております。
・顕著な結果はまだ表れておりませんが、着実に土台づくりを進めております。
・今後の成長に向けた準備期間と捉え、取り組みを継続しております。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・日頃よりご支援を賜り誠にありがとうございます。足元ではやや厳しい状況が続いておりますが、前向きに対応しております。
・いつも変わらぬご愛顧を賜り心より御礼申し上げます。現在の業務状況につきまして率直にご報告申し上げます。
・平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。現在は試行錯誤を重ねる日々となっております。
・いつも温かいご理解をいただき誠にありがとうございます。現状につきまして、現時点での進捗をご報告申し上げます。
・平素は格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。本日は、最近の業務状況についてお伝え申し上げたくご連絡差し上げました。
締めの挨拶
・現在はまだ道半ばではございますが、引き続き誠心誠意努めてまいりますので、何卒温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
・今後もより一層の努力を重ね、皆様のご期待にお応えできるよう努めてまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
・目に見える成果には今しばらく時間を要しますが、ご期待に応えられるよう引き続き励んでまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
・ご心配をおかけすることもあるかと存じますが、状況の改善に向けた取り組みを継続いたしますので、引き続きご理解のほどお願い申し上げます。
・日々の積み重ねが実を結ぶよう取り組んでまいりますので、今後とも末永いお付き合いを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「うだつが上がらない」という表現は、その人や組織が長らく低迷していて、努力が報われていないことを表していますが、そこにはある種の「蔑み」や「見下し」のニュアンスが含まれてしまうことがあります。そのため、発言の意図や相手の立場を十分に理解しないままこの言葉を使ってしまうと、相手に対して失礼にあたる可能性があります。
まず、社内の会話であっても上司や先輩、あるいは努力を続けている部下に対してこの言葉を使うのは控えるべきです。軽口のつもりでも、「評価されていない」「向上心が足りない」といった否定的なニュアンスに受け取られることがあります。また、営業先や取引先に対して、相手の現状に言及する際には細心の注意が必要です。親しい間柄でも、使いどころを誤ると信頼関係が崩れてしまう可能性があります。
リストで避けるべき状況:
・努力を続けている相手に結果だけを見て評価する時
・目上の方の現状を揶揄するような文脈
・自分自身の話をするつもりが、周囲を巻き込むような表現になる時
・社内会議やメールなど公式な文面
・ジョークのつもりで相手の経済状況や地位をからかうような時
細心の注意払った言い方
・現状の変化に対応しながら、より高い成果を目指して改善を続けている最中です。
・業務の進捗には時間を要しておりますが、今後に向けて前向きな取り組みを進めております。
・目に見える成果は限定的ではございますが、長期的な視点で基盤整備に努めております。
・現在は模索の段階ではありますが、組織全体で方向性の明確化に取り組んでおります。
・外部からは大きな動きが見えにくいかもしれませんが、社内での改善活動は着実に進行中でございます。
「うだつが上がらない」のまとめ・注意点
「うだつが上がらない」という慣用句は、ある意味で日本人特有の、地位や成功、成果といった社会的評価に対する感覚を反映した言葉であり、現状から抜け出せないことに対する無力感や焦りを含んでいます。もともとの建築用語である「うだつ」から発展し、今日では主に「なかなか成果が出ない」「昇進しない」「生活が向上しない」といった否定的な意味で使われています。しかし、この言葉を安易に他人に対して使うと、非常に冷たい印象や見下す印象を与える可能性があります。そのため、ビジネスや公的な場面での使用には十分な注意が必要です。
また、自分自身の現状を謙遜して語る場合でも、「うだつが上がらない」という言い回しをそのまま使うと、過度にネガティブな印象を与えることもあります。代わりに、成果がまだ見えていない段階であることを丁寧に伝えるような言い回しを用いることで、謙虚さと前向きさの両方を表現することができます。特に、相手が努力をしている姿勢を見せている場合や、関係性を大切にしたい相手に対しては、表現を選ぶことが重要です。丁寧さと思いやりを持って言葉を選ぶことが、良好な人間関係や信頼関係の構築につながるでしょう。

