「合点がいかない」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「合点がいかない」という慣用句は、日本語において非常に頻繁に使われる表現です。「合点」とは、「理解する」「納得する」といった意味を持つ言葉で、主に江戸時代の口語から発展したものとされます。そのため、「合点がいかない」とは、「どうしても納得できない」「腑に落ちない」「理解ができず釈然としない」といった感情を表すときに用いられます。日常会話からビジネスのやりとりに至るまで、幅広く使用される日本語の表現の一つです。
この慣用句は、感情や思考の面で「引っかかる部分がある」「納得がいかない」といったニュアンスを持ち、「論理的な理由が不十分であったり、説明に不整合がある場合」などにも使用されます。相手の発言や行動、または出来事自体に対して理解や納得が得られない心理状態を示すため、心情の違和感を伝える際にも重宝されます。
英語に置き換えると、「I can’t make sense of it.」「It doesn’t add up.」「Something doesn’t sit right with me.」「I can’t wrap my head around it.」などが相当します。いずれも「何かがおかしい」「理解できない」「納得できない」というニュアンスを含んでいます。状況や感情の度合いによって使い分けが可能です。
また、特にビジネスや論理的議論の場では、「This doesn’t make sense logically.」のように「論理的に納得できない」という表現が好まれることもあります。このように、「合点がいかない」は感情的・論理的な両面から「納得できないこと」を柔らかく伝える有効な言い回しといえるでしょう。
「合点がいかない」の一般的な使い方と英語で言うと
・昨日の説明では重要な部分が曖昧なままで、どうしても合点がいかないと感じてしまいました。
(It still doesn’t sit right with me because the important part of yesterday’s explanation was left vague.)
・彼の言動が一貫していないので、何を考えているのか合点がいかないまま話が終わってしまった。
(His behavior was inconsistent, so the conversation ended without me being able to make sense of what he was thinking.)
・どうしてあんな決定になったのか、合点がいかないし、周囲の意見も聞かれていないように感じる。
(I’m puzzled about how that decision was made, and it feels like others’ opinions were ignored.)
・手続きの流れが説明と異なっていて、合点がいかないことが多すぎるため、再確認が必要です。
(The process differs from the explanation, and there are too many unclear points, so a review is needed.)
・急な変更には合点がいかない部分もありましたが、説明を受けてようやく納得することができました。
(I had some doubts about the sudden change, but after hearing the explanation, I was finally able to understand.)
似ている表現
・腑に落ちない
・納得がいかない
・どうにも理解できない
・不自然に思える
・釈然としない
「合点がいかない」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場面で「合点がいかない」という言葉は、感情的なトーンを避けながらも、疑問点や懸念を表明する際に使われることがあります。特に、説明が不十分だったり、納得できない判断が下された場合など、意見や改善を求めるための前置きとして用いられます。ただし、ビジネス文書ではやや柔らかく、丁寧な形に言い換える工夫が求められます。
・先日のご説明について、一部内容に合点がいかない点があり、再度確認をお願いできればと存じます。
(Regarding your previous explanation, there are a few points that I find unclear, and I would appreciate it if we could review them.)
・プロジェクトの進行において、判断基準が不明確で、合点がいかない部分がございます。
(The criteria for decision-making in the project are unclear, which raises some concerns on my part.)
・お示しいただいた資料ですが、一部整合性に欠ける点があり、合点がいかない箇所が見受けられます。
(Regarding the materials provided, there are inconsistencies that make it difficult for me to fully understand.)
・合点がいかないまま業務を進めるのは難しいため、事前に再確認のお時間をいただけないでしょうか。
(It would be difficult to proceed with the work without a clear understanding, so may I ask for a bit of time to clarify?)
・今回の報告書の内容ですが、数字の根拠が不明瞭で合点がいかず、修正をご検討いただけますと幸いです。
(Regarding the recent report, the basis of the figures is unclear, which makes it difficult to accept. I would appreciate a review.)
「合点がいかない」は目上の方にそのまま使ってよい?
「合点がいかない」という言葉自体には、必ずしも強い否定的な意味が含まれるわけではありませんが、目上の方や取引先に対してそのまま用いるのは注意が必要です。なぜなら、「合点がいかない」は話し言葉に近く、やや感情的・率直な響きを持つため、丁寧さや柔らかさに欠ける印象を与えるおそれがあります。特に、相手の説明や判断に対して直接的に「納得できない」と伝える形になると、無礼や否定的な印象を与えるリスクがあるのです。
そのため、ビジネスメールや打ち合わせなどの場では、「合点がいかない」という表現を避け、より丁寧で柔らかい言い回しに変換することが求められます。たとえば、「疑問に感じております」「確認させていただきたい点がございます」など、相手の立場を尊重しながら自分の疑問を伝える表現を選ぶことが重要です。
・「納得しかねる点がございます」
・「一部、理解が及ばない箇所がございます」
・「確認が必要だと感じております」
・「明確ではない点についてお尋ねしたく存じます」
・「ご説明の補足をいただけますと幸いです」
「合点がいかない」の失礼がない言い換え
・ご説明いただいた内容につきまして、一部確認させていただきたい点がございます。何卒ご教示いただけますと幸いです。
・ご共有いただいた資料におきまして、解釈に迷う箇所がありましたので、お手数をおかけしますがご説明いただけますでしょうか。
・一部内容に関して理解が追いつかず、補足をお願いできればと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
・内容を再度確認させていただきたい点がございます。お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。
・いただいた情報について、追加のご説明をお願いできればと存じます。不明点がいくつかございましたので、よろしくお願いいたします。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・先日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。その際のお話に関連して、改めて確認したい点がございます。
・いつもご指導いただきありがとうございます。大変恐縮ですが、先日の件につきまして少し気になる点があり、ご連絡差し上げました。
・日頃より大変お世話になっております。先日頂戴したご説明につきまして、再度検討させていただく中で、確認したい点が生じました。
・ご対応を賜り、心より感謝申し上げます。恐縮ではございますが、一部情報について補足いただけますと幸いです。
・いつもご丁寧なご対応をありがとうございます。ご説明いただいた件について、再度お伺いしたくご連絡差し上げました。
締めの挨拶
・お忙しい中、大変恐れ入りますが、何卒ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。引き続きご指導を賜れますようお願い申し上げます。
・ご多用のところ誠に恐縮ですが、どうぞよろしくご対応いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
・誠にお手数をおかけいたしますが、引き続きのご対応をお願い申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
・ご確認いただき、誠にありがとうございました。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
・最後までご対応いただき、重ねて感謝申し上げます。何卒引き続きよろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「合点がいかない」という言葉は、感情的なニュアンスや否定的な印象を含むため、相手に不快感を与えるおそれがある場面では避けるべきです。特に、目上の方や取引先など、立場に差がある関係性においては、発言の受け取られ方に配慮が必要です。「合点がいかない」とは、「納得できない」というストレートな表現であるため、対立を招く場合もあります。
感情的になっているときや、相手の意図がまだ把握できていない状況で使うと、「自分の理解不足」を棚に上げて「相手のせい」にしているようにも受け取られる可能性があります。また、会議中や資料へのフィードバック時に、あまりにも率直に使うと、他の参加者に不快感や誤解を与えるおそれもあります。
・上司や役員に対してそのまま伝えると、批判的と受け取られる
・初めてやり取りする取引先に対して使うと、距離感を無視した印象になる
・怒りを含んだ口調で使うと、感情的な反発に聞こえる
・場の空気を悪くするリスクがある打ち合わせなどでの使用
・誤解を含んだ状態で伝えると「自分が理解していない」と思われる
細心の注意払った言い方
・先ほどの件について一部理解が及ばず、念のためご確認させていただければと存じます。お忙しいところ恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。
・ご提示いただいた内容につきまして、確認の上でもう一度補足をいただきたくご連絡させていただきました。何卒よろしくお願い申し上げます。
・ご説明を拝見し、非常に参考になりました。一部内容に関しまして更なる理解を深めたく、改めてご質問差し上げます。
・お忙しいところ大変恐縮ですが、先の資料に関しまして不明点がございますため、再度ご確認いただけますと大変助かります。
・丁寧なご対応、誠にありがとうございます。つきましては、補足としてさらに詳しいお話をお伺いできればと存じます。何卒よろしくお願いいたします。
「合点がいかない」のまとめ・注意点
「合点がいかない」は、日本語において「納得がいかない」「理解できない」といった気持ちを伝えるための便利な言葉です。しかし、その便利さゆえに、使う相手や場面を誤ると、相手に対して失礼になったり、不快感を与えてしまったりする可能性もあります。特にビジネスのやりとりや、上下関係のある相手との会話では、「合点がいかない」をそのまま使うのではなく、柔らかく、丁寧に気持ちを伝える言葉に言い換えることが必要です。
日常会話では比較的ラフに使える言葉である一方、文書や会議の中では冷静で論理的に表現する必要があるため、感情的にならず、自分の理解の範囲を明確にしながら「再確認」や「ご教示」を求める形に言い換えると円滑なコミュニケーションに繋がります。
本来、「合点がいかない」は疑問や違和感を正直に表す素直な日本語ですが、社会人としての配慮や敬意を込めて使うかどうかを判断する力もまた、円滑な人間関係には不可欠です。言葉は常に相手の心に触れるものです。丁寧で思いやりのある言い方に変換する力を大切にしましょう。

