「借りてきた猫」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「借りてきた猫」という慣用句は、普段は活発だったり、おしゃべりだったりする人が、急におとなしくなったり、緊張して静かになった様子を表すときに使われる表現です。まるで、自分の家ではないところで借りられてきた猫が、見知らぬ環境に戸惑い、おとなしくしているようなイメージから来ています。つまり、その人が本来の自分を出せず、借り物のように静まり返っている状況を指します。
この表現は特に、普段は元気で明るい人が、初対面の人の前や、厳格な雰囲気の場所などで、極端に控えめになるような場面で使われることが多いです。例えば、いつも明るくてにぎやかな同僚が、役員会議などに出席すると、まるで別人のように静かになる場合などです。子どもが親の友人の前で急におとなしくなってしまう時にも使われることがあります。
英語で似た意味を持つ表現には、“as quiet as a mouse(ネズミのように静か)”や、“like a fish out of water(場違いで落ち着かない)”などが挙げられます。特に“as quiet as a mouse”は、「借りてきた猫」と非常に近いニュアンスを持ち、英語でもよく使われる比喩です。また、“out of one’s element(自分の居場所でない、場に馴染んでいない)”といった表現も、「借りてきた猫」と近い状況を描写する際に使われます。
「借りてきた猫」の一般的な使い方と英語で言うと
- 普段はうるさいほどしゃべる友人が、上司の前では借りてきた猫のように静かで、まるで別人のように感じました。
(He usually talks non-stop, but in front of the boss, he was as quiet as a mouse—it was like seeing a different person.) - 子どもたちは家では元気いっぱいですが、知らない人の家では借りてきた猫のようにおとなしくなってしまいます。
(At home they’re full of energy, but in a stranger’s house, they become as quiet as borrowed cats.) - 新入社員は会議中、借りてきた猫のようにおとなしく、ほとんど発言がありませんでした。
(The new hire remained as quiet as a mouse during the meeting, barely saying a word.) - 彼女はいつもは強気な態度なのに、彼の前では借りてきた猫のようで、そのギャップに驚きました。
(She’s usually assertive, but around him, she acts like a fish out of water—it’s shocking how subdued she becomes.) - 転校初日、彼は借りてきた猫のように机に座り、周りの様子ばかりうかがっていました。
(On his first day at the new school, he sat like a borrowed cat, quietly watching everyone else.)
似ている表現
- 大人しい
- 静かすぎる
- 萎縮している
- 気後れしている
- 居心地が悪そう
「借りてきた猫」のビジネスで使用する場面の例文と英語
「借りてきた猫」という表現は、ビジネスの現場でも使われることがあります。ただし、あくまで比喩的な使い方なので、ややカジュアルな表現であり、社内での会話や内輪のやりとりに限るべきです。新人社員や部下が、緊張した場で本来の力を出し切れていないときなどに使われます。また、自己紹介の場やクライアント先訪問などで、雰囲気に飲まれて静かになってしまった場合などに見られます。
- 会議では、普段よく話す後輩が借りてきた猫のように静かで、少し心配になりました。
(During the meeting, the junior colleague who usually talks a lot was as quiet as a mouse—it made me a bit concerned.) - 取引先の前で、彼は借りてきた猫のように口を開かず、場に溶け込めていませんでした。
(In front of the client, he didn’t say a word and looked like a fish out of water.) - 入社式では、あの元気な彼女も借りてきた猫のようになっていました。
(During the induction ceremony, even that energetic girl looked like a borrowed cat.) - プレゼンの場で、緊張のあまり借りてきた猫状態になってしまい、話したいことが言えませんでした。
(I was so nervous during the presentation that I froze and became like a borrowed cat.) - 彼は普段明るく話すのに、部長と対面した瞬間、借りてきた猫のようになりました。
(He’s usually talkative, but as soon as he faced the director, he turned as quiet as a mouse.)
「借りてきた猫」は目上の方にそのまま使ってよい?
「借りてきた猫」という表現は、比喩的で親しみやすい言い回しですが、ややカジュアルでくだけた印象を持たれる可能性があります。そのため、目上の方や取引先に直接使うことは避けた方が無難です。特に、相手の態度を指して「借りてきた猫のようでした」と言ってしまうと、相手を揶揄しているように聞こえてしまい、失礼にあたる恐れがあります。
例えば、上司が会議中に静かだったとして、「今日は借りてきた猫みたいでしたね」と言ってしまうと、謙遜していた態度を茶化すように受け取られかねません。本人が自覚的に控えめにしていた場合などには、敬意を欠いた印象を与えてしまうため、注意が必要です。
そのような場面では、より丁寧な表現に置き換えたり、状況を配慮したうえで間接的に言葉を選ぶことが重要です。
- 親しすぎる表現と受け取られる可能性がある
- 相手の緊張や控えめな態度を笑うように聞こえてしまう
- 言葉の選び方によっては、評価や指摘と誤解される
- 本人の事情や背景を考慮せずに発言するとトラブルになりかねない
- 丁寧語でも意味がそのままだと、印象が悪くなる場合がある
「借りてきた猫」の失礼がない言い換え
- 会議では少し緊張されているご様子で、お話しされる機会が少なかったようにお見受けしました。
- 初対面ということもあり、控えめにされていたのではないかと拝察いたしました。
- 少し様子をうかがわれているご様子でしたので、無理なくお過ごしいただけていたか心配しております。
- いつもと異なる雰囲気の中で、お気を遣われていたように感じました。
- 慎重にご判断されているご様子で、ご発言を控えていらっしゃったように感じました。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 昨日は会議にご参加いただき、誠にありがとうございました。緊張感のある場での真摯なご対応に、感謝申し上げます。
- 本日は突然のご連絡となり恐縮ではございますが、先日のご様子について一言申し上げたく筆を取らせていただきました。
- 先日はお忙しい中、お時間を頂戴し誠にありがとうございました。会議中のご様子を拝見し、改めてご配慮に感謝申し上げます。
- このたびは貴重なお時間を共有させていただき、心より御礼申し上げます。皆様の真摯な姿勢に感銘を受けました。
- 昨日はご同席いただき誠にありがとうございました。お話を伺い、大変勉強になりましたこと御礼申し上げます。
締めの挨拶
- 今後とも何卒よろしくお願い申し上げますとともに、次回もより一層有意義な時間をご一緒できることを楽しみにしております。
- どうかご無理をなさらず、またお気軽にお話しいただける機会をいただけましたら幸いでございます。
- 引き続きご負担のない範囲でご協力いただけましたら、私どもとしても心より感謝申し上げます。
- 何かご不明な点やご不安なことがございましたら、いつでもご遠慮なくご相談いただければと存じます。
- 今回の場が少しでもお役に立てたのであれば幸いに存じます。今後とも末永くよろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「借りてきた猫」という言い方は、場の雰囲気を和らげる効果もある一方で、誤って使ってしまうと相手に不快な印象を与えることがあります。特に注意が必要なのは、相手の態度や感情に関して自分の主観で決めつけるような言い回しをしてしまう時です。本人にとっては、あえて控えめにしている、あるいは話すことを遠慮している場合があるからです。そのような意図を無視して「まるで借りてきた猫ですね」と言ってしまうと、場違いな発言になる恐れがあります。
また、初対面の相手や、上下関係のある場面、会議などの正式な集まりで使うことは避けた方が賢明です。ユーモアとして使ったつもりでも、受け手によっては侮辱的に受け取られることもありえます。
- 相手の控えめな態度を茶化しているように聞こえる
- 緊張している人に対して無神経な印象を与える
- 本人の意図や感情を軽視していると思われる
- 社交の場で空気を読まない発言と見なされる可能性がある
- 公の場やビジネス文書では使わない方が望ましい
細心の注意払った言い方
- 昨日は終始、静かなご様子でしたので、ご意見を伺えなかったことが心残りでございました。もしお気づきの点がございましたら、ぜひお知らせいただけますと幸いです。
- ご出席いただいた会議では、慎重なご姿勢を拝見し、改めて誠実なお人柄に感銘を受けました。ご発言の機会については、今後こちらからも積極的にお声がけさせていただきます。
- 少々緊張されていたご様子でしたが、それだけ真摯に受け止めてくださっていたものと拝察いたしました。今後は、よりリラックスしてお話しいただける場づくりに努めてまいります。
- 初対面ということもあり、ご遠慮されていた部分があったかと存じます。どうぞお気兼ねなく、今後ともお力添えいただけましたら幸いです。
- ご意見を遠慮されていたのではと感じました。今後は率直なお声を伺えますよう、私どもとしても工夫してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
「借りてきた猫」のまとめ・注意点
「借りてきた猫」という言葉は、普段とは異なる振る舞いをする人の様子を表すために便利な言い方です。しかし、使い方には細心の注意が必要です。この表現は、面白さや親しみやすさを持ちつつも、使う場面や相手を選ばないと、侮辱的な意味合いになってしまう恐れがあります。特に、目上の人や取引先、あるいは緊張して控えめになっている人に対しては、十分に配慮した言い換えを選ぶことが重要です。
一方で、社内の雑談や気心の知れた相手との会話では、場を和ませる表現として使われることもあります。文脈をよく読み、相手の感情や状況に寄り添った上で使用することが大切です。
- 使う相手によって印象が大きく変わる
- 主観的な表現になりやすく、誤解を招く可能性がある
- 丁寧な言い換えを用いることで配慮の姿勢を示せる
- 社内や親しい間柄での会話では比較的使いやすい
- 文章では特に慎重に表現を選ぶ必要がある

