「口を酸っぱくする」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「口を酸っぱくする」とは、同じことを何度も何度も繰り返し注意したり忠告したりすることを意味する慣用句です。相手にしっかりと伝えたい気持ちが強く、言っても言っても聞き入れてもらえないもどかしさや、根気よく言い続ける姿勢を表しています。具体的には、親が子どもに何度も注意する場面や、上司が部下に同じ指摘を繰り返す場面などで使われることが多いです。相手がなかなか改善しないことに対して、忍耐強く言い続ける様子が「口が酸っぱくなるほど言う」という強い表現で示されています。
英語では、「I keep telling you the same thing over and over again」や「I’ve told you a thousand times」などがこの意味に近い表現となります。また、「nagging(口うるさく繰り返す)」という単語や、「I’m blue in the face from telling you」といったイディオムも含意が近いです。直訳すると「言い過ぎて顔が青くなる」ほど、何度も何度も訴えているというニュアンスになります。英語と日本語では比喩表現が異なりますが、どちらも相手への思いや根気の強さ、そしてやや苛立ちも含む感情のこもった言い回しという点で共通しています。
「口を酸っぱくする」の一般的な使い方
- 子どもには毎朝時間通りに起きなさいと口を酸っぱくして言っているのに、全然改善されないので本当に困っています。
(I keep telling my child every single morning to wake up on time, but nothing ever changes, and it’s truly frustrating.) - 上司は報告書の提出期限を守るようにと口を酸っぱくして注意しているのに、毎回誰かが遅れて提出してくるので、会議がいつも予定通りに進まない。
(The boss keeps stressing the importance of submitting reports on time, but someone is always late, delaying every meeting.) - 健康のために早寝早起きをするように、母は昔から口を酸っぱくして私に言っていたが、若い頃は全く聞く耳を持たなかった。
(My mother always told me, over and over again, to go to bed and wake up early for the sake of my health, but I never listened when I was young.) - 先生が宿題を忘れないようにと毎日口を酸っぱくして話していたのに、何人かの生徒はいつも忘れてくる。
(The teacher kept reminding us not to forget our homework, repeating it every single day, but some students still keep forgetting.) - 店長が店内清掃を徹底するようにと口を酸っぱくして言い続けてきたので、最近はみんなの意識も高まってきた。
(The store manager kept saying how important it is to maintain cleanliness, repeating it so often that everyone has finally started taking it seriously.)
似ている表現
- 耳にたこができる
- 何度も繰り返す
- 口をすっぱくして注意する
- 言っても言っても聞かない
- 骨が折れるほど説明する
「口を酸っぱくする」のビジネスで使用する場面の例文と英語
職場において「口を酸っぱくする」は、同じ注意やアドバイスを繰り返す場面で使われます。例えば、報告の正確さ、納期厳守、コミュニケーションの徹底など、基本的でありながら守られにくい事項に対して根気強く言い続ける様子を示します。やや苛立ちも込めて使われることがありますが、改善を強く望む意思のあらわれでもあります。
- 新人には報告・連絡・相談の大切さを口を酸っぱくして伝えているのに、いまだに何も言わずに進めてしまうことがある。
(I keep stressing the importance of reporting, communication, and consultation to the new staff, but they still proceed without saying anything.) - 毎月の締め切りを守るように口を酸っぱくして言っているのに、どうしても提出が遅れる社員がいる。
(I’ve been reminding the staff over and over again to meet the monthly deadlines, but some still submit things late.) - 社内の情報共有の必要性を口を酸っぱくして訴えてきたが、各部署の意識に差があり、統一が難しい。
(I’ve kept repeating how crucial information sharing is, but the mindset still varies across departments, making consistency difficult.) - 顧客対応の基本姿勢について、何度も口を酸っぱくして研修で教えてきたのに、クレームが減らないのは残念だ。
(Despite the countless times we’ve covered customer service etiquette in training, it’s frustrating that complaints haven’t decreased.) - 経費申請は事前に申請が必要だと口を酸っぱくして言っているのに、後から申請してくるケースが絶えない。
(I’ve repeatedly said that expenses need to be approved beforehand, yet requests keep coming in after the fact.)
「口を酸っぱくする」は目上の方にそのまま使ってよい?
「口を酸っぱくする」という言い回しは、くだけた雰囲気を持っており、感情がこもっている分、砕けすぎた印象を与える可能性があります。そのため、目上の方や取引先には直接的にこの言葉を使うのは避けたほうが無難です。特に、相手に非があるように聞こえてしまうと、失礼に受け取られかねません。目上の方には、同じ意味を丁寧な表現に置き換えることが望ましいです。「繰り返しお願いしております」「重ねてご案内しております」といった柔らかい言い回しが適しています。
・率直すぎる言い方で相手に不快感を与える
・感情的に聞こえることで印象が悪くなる
・相手を責めるニュアンスに受け取られる
・敬意が足りないと感じさせてしまう
・ビジネス文書としてふさわしくない印象を与える
「口を酸っぱくする」の失礼がない言い換え
- 以前より繰り返しご案内させていただいておりますが、引き続きご確認いただけますと幸いです。
- 何度かご説明させていただいております件につきまして、再度ご注意いただければと存じます。
- すでにご周知の内容かと存じますが、改めてご確認のほどお願い申し上げます。
- ご多忙のところ恐縮ではございますが、過去にもご案内しております通り、ご対応いただけますようお願い申し上げます。
- 重ねてのご連絡となり恐縮ではございますが、引き続きご協力のほどお願い申し上げます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 日頃よりご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。以前よりご案内申し上げております件につきまして、改めてご連絡差し上げます。
- 平素より大変お世話になっております。以前にもご確認をお願いしておりました件について、念のため再度ご連絡申し上げます。
- いつも迅速なご対応をいただき、誠にありがとうございます。本日は重ねてのお願いとなり恐縮ですが、再度ご確認をお願い申し上げます。
- 日頃より格別のご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。本件につきましては、以前にもお伝えしておりますが、改めてご案内申し上げます。
- いつも大変お世話になっております。さて、度重なるお願いとなり恐縮ではございますが、本日は再度のご連絡をさせていただきました。
締めの挨拶
- 引き続きご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
- ご不明な点がございましたらご遠慮なくお申し付けくださいませ。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 本件につきましてご確認の上、対応のほどよろしくお願い申し上げます。引き続き何卒よろしくお願いいたします。
- 恐れ入りますが、何卒ご理解とご配慮を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
- ご多忙の中恐縮ではございますが、引き続き円滑な業務遂行のため、何卒ご確認をお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「口を酸っぱくする」は、ある程度親しい間柄や、部下や後輩に対してなら問題なく使える言い方です。しかし、立場が上の人や社外の方とのやり取りでは、非常に慎重に使わなければなりません。この言い方には、少し苛立ちや強い感情が含まれているため、相手に対して厳しい印象を与える可能性があります。特に、伝える内容が繊細であったり、相手が自覚していないミスを指摘するような場面では、不快に思われたり、関係が悪化するリスクもあります。
・取引先や顧客とのやり取りでは使用を避ける
・立場が上の方に対しては不適切に感じられることがある
・相手の自尊心を傷つける表現になる可能性がある
・責任を一方的に押しつけているような印象を与える
・丁寧な伝え方を心がけるべき状況では避ける
細心の注意払った言い方
- 以前にもご案内させていただいております件につきまして、念のため再度ご確認いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
- 大変恐れ入りますが、先般ご説明させていただきました内容を改めてご案内申し上げますので、ご一読いただけますと幸いです。
- すでにご存知かと存じますが、重要な点でございますので、改めて確認の機会を設けさせていただければと存じます。
- ご多忙の折恐縮ではございますが、過去にお伝えしております事項につきまして再確認のお願いを差し上げたく、ご連絡申し上げました。
- 誠に恐縮ではございますが、重ねてのお願いとなりますことをご容赦いただきつつ、ご協力を賜れますようお願い申し上げます。
「口を酸っぱくする」のまとめ・注意点
「口を酸っぱくする」という言い方は、同じことを繰り返して何度も注意したりお願いしたりするという、強い気持ちがこもった慣用句です。日常会話では身近で効果的な言い回しですが、使う相手や場面を誤ると、感情的で押し付けがましい印象を与えてしまう恐れがあります。特にビジネスの文脈では、目上の方や取引先に対してそのまま使用するのは避けるべきです。代わりに、繰り返しのお願いや確認を丁寧に伝える表現に置き換えることで、相手への配慮を示しつつ、こちらの意図もきちんと伝えることができます。伝える内容が正しくても、伝え方ひとつで関係が悪くなることもあるため、表現には常に細心の注意を払う必要があります。「何度も伝えているのに伝わらない」という焦りや苛立ちをそのまま言葉に出すのではなく、敬意を忘れず、相手の立場にも配慮した言い方を心がけることで、円滑なやり取りを続けることができるでしょう。

