「猫を被る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「猫を被る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「猫を被る」とは、普段の性格や本性を隠し、おとなしそうに見せたり、無害な人物を装ったりすることを意味する慣用句です。この表現は特に、人前では大人しくしているが、実は強い意志を持っていたり、計算高かったりする人に対して使われることが多く、自己保身や印象操作の一環として行動する様子を指します。「被る(かぶる)」という言葉には、見せかける、仮面をつけるというニュアンスが込められています。つまり、本来の姿をあえて見せず、他者に対して別の印象を与えるような態度を取ることが「猫を被る」という言い回しです。

語源としては、猫のイメージが関係しています。猫は、見た目はおとなしくかわいらしい動物として知られていますが、実際は警戒心が強く、自分にとって不都合な状況にはあまり反応を示さず、計算して動く一面もあります。つまり「猫を被る」とは、そうした猫の特徴になぞらえて、人が自分の本来の性格を隠している状態をたとえているのです。

英語で言うと、「play innocent(無垢を装う)」「put on a facade(外面を作る)」「pretend to be someone else(誰かのふりをする)」が比較的近い意味になります。あるいは、「two-faced(二面性のある)」「act meek(大人しくふるまう)」なども状況に応じて適切な表現となります。ただし、英語にはぴったり同じ意味の単語があるわけではなく、文脈に応じてこれらの表現を使い分ける必要があります。

「猫を被る」の一般的な使い方と英語で言うと

  1. 彼女は初対面のときにはとても物静かで礼儀正しくて、猫を被っているのかと思ったけれど、仲良くなったらとてもおしゃべりで明るい性格だった。 She seemed so quiet and polite when we first met that I thought she was just playing innocent, but once we became close, she turned out to be quite talkative and cheerful.
  2. 入社してすぐは猫を被っていた彼が、実は会社の中でもかなりの野心家だったということに皆が気づいたのは半年後のことだった。 At first, he acted meek when he joined the company, but everyone realized he was actually very ambitious about six months later.
  3. あの先生は、普段はとても優しい口調で話すが、怒ると別人のように怖いので、猫を被っていると言われている。 That teacher usually speaks very kindly, but when she gets angry, she becomes a completely different person—people say she’s just been putting on a facade.
  4. 猫を被っていた彼女が、実は裏で人の悪口を言っていたことがわかって、みんなショックを受けていた。 Everyone was shocked to find out that the girl who had been pretending to be nice was actually talking badly about people behind their backs.
  5. 面接のときには猫を被っていたが、実際に働き始めたら態度が横柄で上司も困っていた。 He had been pretending to be humble during the interview, but once he started working, his arrogant attitude troubled his supervisor.

似ている表現

  • 仮面をかぶる
  • 裏の顔を持つ
  • 腹黒い
  • 本性を隠す
  • 表向きはいい人

「猫を被る」のビジネスで使用する場面の例文と英語

職場では、人間関係を円滑にするために一時的に自分の本心を隠すことがあります。「猫を被る」という表現は、そのような場面で使われることもありますが、慎重な使い方が求められます。特に新入社員が上司や同僚に対して、あえて控えめな態度を取る際など、戦略的な沈黙や態度として見られることがあります。

  1. 新入社員が最初の数ヶ月は猫を被っていて、その後に本来の積極的な性格を見せることは珍しくありません。 It is not uncommon for new employees to put on a facade for the first few months and then reveal their naturally proactive personality.
  2. 彼はプロジェクトが成功するまでは猫を被っていて、成功後にリーダーシップを発揮し始めた。 He acted meek until the project succeeded, and then he began to show his leadership abilities.
  3. 商談の場では、あまり自分の手の内を見せたくないので、猫を被って交渉することも必要です。 In business negotiations, it’s sometimes necessary to pretend to be reserved so as not to reveal all your cards.
  4. あの社員は普段は猫を被っているが、会議の場では非常に鋭い意見を述べてくる。 That employee usually pretends to be quiet, but he delivers very sharp insights in meetings.
  5. 初対面の取引先に対しては、猫を被るのではなく、誠実さをもって接することが求められます。 When dealing with new clients, it’s important not to pretend to be someone else, but to approach them with sincerity.

「猫を被る」は目上の方にそのまま使ってよい?

「猫を被る」という言い回しは、ややカジュアルで、少し皮肉を含む印象を与えることもあります。そのため、目上の方や取引先に対して直接的にこの表現を使うことはあまり適切とは言えません。特に相手の性格や態度に対してこの言葉を使うと、相手を不快にさせる可能性があるため注意が必要です。表面的には穏やかでも、実際には違う一面を持っているというニュアンスが、相手に対する疑念や批判のように捉えられることがあるためです。ビジネスの場では、できる限り相手を尊重し、言葉選びには細心の注意を払うべきです。

  • 相手の内面に触れるような表現は避ける
  • 本音と建前を指摘するような内容は婉曲的に伝える
  • 感情的な評価ではなく、事実に基づいた内容にする
  • 冗談のように使うと誤解を生む可能性がある
  • 面談や評価の場では慎重に言葉を選ぶ

「猫を被る」の失礼がない言い換え

  1. ご本人の意図を深く理解できていなかったようで、初対面では非常に控えめな印象を受けましたが、その後の活躍に感銘を受けました。
  2. 初期段階では非常におとなしいご様子でしたが、時間とともに多くのご意見をいただけるようになり、大変助かっております。
  3. 初めは言葉数が少なく控えめな印象でしたが、徐々に的確なご指摘をいただけるようになり、心強く感じております。
  4. 当初は控えめな印象でしたが、その後の行動力と発信力に驚かされました。今後のご活躍を一層期待しております。
  5. 最初は大変落ち着いたご様子で、ご発言も慎重でしたが、今では多角的な視点からのご提案をいただける貴重な存在です。

適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?

書き出し

  1. 初対面の印象とその後のご活躍に大きな違いがあり、驚きをもって拝見しております。
  2. ご本人の控えめな姿勢の奥にある、確かな実力と行動力に深く感銘を受けております。
  3. 最初のご様子からは想像もつかないようなご活躍を拝見し、心より尊敬申し上げます。
  4. 初めは大変物静かな印象を受けましたが、今では頼もしいお力添えをいただき、感謝申し上げます。
  5. ご入社当初の落ち着いた雰囲気から一転し、現在では非常に頼れる存在となられていることに、改めて敬意を表します。

締めの挨拶

  1. 今後もその内に秘めたる実力を存分に発揮いただき、さらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
  2. ご自身の魅力がますます発揮されることを期待しつつ、引き続きよろしくお願い申し上げます。
  3. ご本来の実力がさらに表に出ることで、組織全体がより活性化することを心より願っております。
  4. 今後とも多くの場面でその実力と信頼を発揮されることを願っております。
  5. 今後のさらなるご飛躍と、末永いお付き合いをお願い申し上げつつ、ここにご挨拶とさせていただきます。

注意する状況・場面は?

「猫を被る」という表現は、本人が意図して行動している場合だけでなく、周囲から誤解されている場合にも使われることがあります。そのため、軽い気持ちで使用すると、相手に対して「あなたは本当は違う人だ」と言っているように聞こえ、非常に失礼になってしまう可能性があります。特に目上の人、初対面の相手、またはビジネスの重要な局面では、この言葉は慎重に使う必要があります。

  • 相手の性格に対して評価的な意味合いになる
  • 本心を隠しているという印象を与えて不快に思われる
  • 誠実でない印象を植え付ける可能性がある
  • 誤解を生むことで関係が悪化する危険がある
  • 社内外の評価にも影響を及ぼす可能性がある

細心の注意払った言い方

  1. 初対面では非常に控えめに見受けられましたが、日を追うごとにその行動力と提案力の高さを実感しております。
  2. 最初は静かなご様子からは想像できないほど、的確な分析と実行力を兼ね備えていらっしゃると感じております。
  3. ご発言が控えめでいらっしゃった分、その後の貢献度の高さが一層際立って感じられました。
  4. 穏やかに見える中にも強い意志と信念をお持ちであることが、業務を通じて明らかになり、大変心強く思っております。
  5. 表面的な印象以上に、本質的な強さと柔軟な発想をお持ちで、今後のご活躍がますます楽しみでございます。

「猫を被る」のまとめ・注意点

「猫を被る」という慣用句は、一見すると穏やかで無害に見せかけて、本来の自分を隠している状態をたとえる言葉です。良くも悪くも使える便利な言葉ですが、使い方を間違えると、相手に対して批判的な印象を与えてしまう危険があります。特にビジネスや礼儀を重んじる場面では、相手の人格や態度を評価するような内容になるため、非常に繊細な言葉選びが必要です。また、近しい関係性の中で冗談めかして使ったとしても、タイミングや文脈を誤ると相手を傷つける可能性もあります。そのため、安易に使うのではなく、相手との信頼関係や話の流れを十分に考慮することが求められます。「猫を被る」という言葉の裏には、相手が自分をどう見せたいのか、自分がどう受け止められているのかという、繊細な人間関係のバランスがあるのです。適切な言い換えや、丁寧な説明を添えて使うことで、誤解を避けながら言葉に深みを持たせることができるでしょう。