「耳に挟む」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「耳に挟む」という慣用句は、日常的によく使われる表現の一つです。この言い回しの一般的な意味は、「自分が直接関係していない話や情報を、ふとした拍子に聞いて知ること」です。つまり、自分が当事者ではなく、偶然に、あるいは誰かの話の一部からその情報を得ることを指します。「聞き耳を立てた」わけではないけれど、自然と情報が耳に入ってきたというニュアンスがあります。日常生活でもビジネスの場でも使われることが多く、特に話題になっていることや、他人の秘密、うわさ話などに関する情報が対象となる場合が多いです。
英語でこれを表現する際は、「hear something through the grapevine」や「overhear」などの言い回しが最も近い意味になります。「through the grapevine」は噂を通じて聞いたという意味で、意図的に情報を取りに行ったのではなく、どこからともなく入ってきた情報を指します。一方「overhear」は「偶然聞こえてきた」という意味合いが強く、ややスパイ的なニュアンスも含まれます。
例えば、「昨日、山田部長が異動になるって耳に挟んだよ」と言った場合、自分はその話の中心人物ではないけれど、どこからかその情報が入ってきた、ということになります。このように、「耳に挟む」は「正式な情報源から得たわけではないが、何となく聞いた話」という意味でよく使われます。また、あくまで聞いた話であることから、情報の信頼性が確かでないことを含意する場合もあります。伝え方や使う場面には注意が必要です。噂話や裏話を話題にする時に便利な言い回しですが、誤解を生まないよう丁寧に使うべきです。
「耳に挟む」の一般的な使い方と英語で言うと
・先日、同僚が上司に叱られていたという話を耳に挟んだのですが、詳細はよくわかりませんでした。
(I happened to overhear that a colleague was scolded by our boss the other day, but I don’t know the details.)
・来月から部署が再編されるらしいと耳に挟んだが、正式な発表はまだないようだ。
(I heard through the grapevine that our department will be reorganized starting next month, but no official announcement has been made.)
・彼が結婚するらしいと耳に挟んだけれど、本人の口からはまだ何も聞いていない。
(I happened to hear that he’s getting married, but I haven’t heard it directly from him.)
・新しいプロジェクトが始まるって話を耳に挟んだので、少し期待しています。
(I caught wind of a new project starting soon, so I’m kind of looking forward to it.)
・彼女が転職を考えているって耳に挟んだんだけど、あまり人には話さないほうがよさそうだよ。
(I overheard that she’s thinking of changing jobs, but it’s probably best not to mention it to others.)
似ている言い回し
・小耳にはさむ
・耳に入る
・風のうわさで聞く
・どこかで聞いた気がする
・人づてに聞く
「耳に挟む」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの現場でも、「耳に挟む」は時折使われます。ただし、口語的な要素があるため、使用には少し注意が必要です。会議前の雑談や、同僚間の非公式な会話、あるいは信頼関係がある取引先との場面で軽く言及する程度が一般的です。相手を不快にさせないよう、情報源が不確かであることを前提に伝える表現として使います。
・御社が新製品の開発を進めていると耳に挟んだのですが、もし差し支えなければ詳しく伺えますか。
(I happened to hear that your company is working on a new product. If it’s not confidential, could you tell me more?)
・業界内で貴社の新しい取り組みについて耳に挟んだのですが、大変興味深いと感じました。
(I heard through the grapevine about your company’s new initiative in the industry. It sounded very interesting.)
・今後の人事異動について耳に挟んだ話があり、今後の業務調整を考えております。
(I overheard something about upcoming personnel changes, and I’m considering how to adjust our tasks accordingly.)
・一部で予算削減の話を耳に挟んだため、今後の提案内容を見直しております。
(I happened to hear about some budget cuts, so I’m revising our proposal accordingly.)
・御社が来年度に向けて体制強化を予定していると耳に挟み、当方としても準備を進めております。
(I caught wind that your company is planning a restructuring for the next fiscal year, so we’re preparing on our end as well.)
「耳に挟む」は目上の方にそのまま使ってよい?
「耳に挟む」は、ややくだけた口調の印象があるため、目上の方や取引先に対しては直接的に使うのは控えた方が無難です。特に、相手の信頼性や公的な情報であるかが不確かな話題を持ち出す際に、「耳に挟んだ」と言うと、失礼にあたる場合もあります。情報の出所が曖昧であるという印象を与えることや、噂話を広めるように受け取られてしまう可能性があるためです。
目上の方とのやりとりでは、言葉選びに特に注意を払い、相手に敬意を示すことが求められます。あえて「耳に挟んだ」と言わずに、「そのようなお話を伺いました」「その件につきましては、少し情報が入っております」などと表現を工夫することで、角が立たず丁寧な印象を与えることができます。
・「耳に挟んだ」という表現は、やや軽く聞こえるため避ける
・代わりに「お伺いした限りでは」などの丁寧な言い回しを用いる
・情報の真偽が不確かな場合は慎重な伝え方に留める
・目上の方には「確認されていない情報ですが」などの断りを添える
・メールや会話では、婉曲的で控えめな表現を意識する
「耳に挟む」の失礼がない言い換え
・お話を伺った限りでは、そのようなご計画があると拝察いたしました
・あるお立場の方より、御社の動向についてお伺いする機会がございました
・非公式ながら、その件についての情報が届いております
・ある筋から、そのようなお話を小耳にはさみましたが、詳細については確認中でございます
・その件について、一部関係者よりご教示いただいた内容がございます
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・以前より注目しておりました案件につきまして、最近少しばかり情報が耳に入ってまいりましたので、ご連絡差し上げた次第です
・貴社の活動に深い関心を寄せております中、思いがけず情報を知る機会がございましたため、ぜひお話を伺えればと存じます
・御社に関する興味深い動向について、ある方からお話を伺う機会があり、非常に関心を抱いております
・最近、業界関係者より貴社の新たな取組について耳にすることがありましたので、詳細を伺いたくご連絡いたしました
・日頃より御社の動向に注目しておりましたが、先日ある方から気になる話題をお聞きしましたのでご連絡いたします
締めの挨拶
・以上、簡単ではございますが、非公式な情報であることを前提に、失礼のないよう慎重にご連絡させていただきました
・本件につきましては、あくまで伝聞による情報としてご理解いただきたく、失礼のないよう誠意を持ってお伝えいたしました
・何分、確かな情報とは言い難いため、ご判断の参考程度にお目通しいただけますと幸いでございます
・不確かな内容でご連絡することとなり大変恐縮ですが、今後のご参考となればと思い筆を取らせていただきました
・本件に関しまして、さらに詳しい情報が確認でき次第、改めて正式にご報告申し上げます
注意する状況・場面は?
「耳に挟む」という言い回しは便利ですが、使い方を誤ると相手に不快感を与えてしまう可能性があります。特に注意が必要なのは、相手がその話の当事者である場合、または情報が未確認もしくは機密性を含んでいる場合です。「耳に挟んだ」と安易に言ってしまうと、「どこでそんなことを聞いたのか」と不信感を持たれたり、「信ぴょう性の低い話をしている」と思われかねません。
また、職場内の噂話やプライベートな話題に関してこの言い方を使うと、「無責任に他人の話をしている」ととられるリスクもあります。情報が事実かどうか定かでない場合には、相手の反応をよく見ながら話すよう心がけることが重要です。
・社内の人事異動や退職など、センシティブな話題に使うと誤解を招く
・機密性のある業務情報を「耳に挟んだ」と言うと、責任の所在が問われる
・相手の立場や心情を無視した形になると、無神経な印象を与える
・情報源が不明瞭な場合は「誤報」の可能性があるため慎重に
・第三者の話をする際には、特に「誰から聞いたか」を伏せた形で注意深く話す
細心の注意払った言い方
・先日、ある方よりお話を伺う機会がございましたが、詳細は確認中でございますため、差し支えない範囲でお伺いできればと存じます
・貴社に関する取り組みについて、一部の情報をお聞きする場面がございましたが、正式なご説明を頂けるとありがたく存じます
・そのようなご計画を耳にいたしましたが、私どもとしてはあくまで確認前の段階であるため、内容の真偽について慎重に取り扱っております
・一部の関係者より非公式な情報をお伺いしましたが、正確な内容につきましては改めて貴社よりご確認させていただければと考えております
・御社に関する今後の動向について、若干情報が入ってきておりますが、誤解を避けるためにも、正式な形で伺えると幸いです
「耳に挟む」のまとめ・注意点
「耳に挟む」という慣用句は、聞き耳を立てていたわけではなく、自然とどこかから情報が入ってきたという状況を軽やかに表現できる便利な言葉です。しかし、その反面、情報の出どころが曖昧であるため、使い方を間違えると失礼になったり、誤解を招く恐れがあります。特にビジネスや目上の方との会話では、相手に不快な印象を与えないよう丁寧な言い回しに置き換えることが重要です。事実かどうか分からない情報を不用意に伝えてしまうと、信頼関係に傷がつく可能性もあります。使用する場面を見極め、伝え方に慎重さを持つことが求められます。話し手自身がその情報をどのように得たのか、どこまで信頼できるのかを意識しながら、話の内容に応じて丁寧に伝える心構えが必要です。上手に使えば、会話に柔らかさや自然さを加えることができる一方、使い方を誤れば思わぬトラブルの火種にもなりかねません。

