「みこしを上げる」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「みこしを上げる」という言い回しは、本来は祭りの場で神輿(みこし)を担いで持ち上げる動作から来ています。神輿は神様を乗せる神聖なものとされ、これを担いで町中を練り歩くことで、地域の繁栄や安全を祈る重要な伝統です。しかし、慣用句としての「みこしを上げる」は、物事を始めるためにまず誰かが先頭に立って行動を起こす、あるいは周囲が乗り気になるように誰かが勢いをつける、という意味合いで使われます。「誰かが旗を振る」といった意味合いに近く、集団での活動や計画のスタートを促すような場面でよく使われます。特に、皆が様子を見て動かない中で、先陣を切って進める人が必要な時に使われることが多く、「みこしを上げる」という行動は一種のリーダーシップや率先垂範の姿勢を象徴しています。
この慣用句を英語で表す場合、直訳は難しいものの、意味合いとして近い表現には “take the initiative”(率先する)や “get the ball rolling”(物事を始動させる)があります。また、状況によっては “step up to the plate”(責任を取って前に出る)という表現も適している場合があります。これらはいずれも、周囲がためらっている中で一歩前に出て、何かを始めるという意味を含んでおり、「みこしを上げる」のニュアンスに近いと言えます。
一般的な使い方と英語で言うと
- 彼が最初にみこしを上げてくれたからこそ、今回のプロジェクトが無事にスタートできたのだと思います。
(He took the initiative to get the project started, and thanks to that, we were able to begin smoothly.) - 誰も動こうとしなかったので、私がみこしを上げるしかありませんでした。
(Since no one else was willing to act, I had no choice but to get the ball rolling myself.) - この計画を進めるには、まず誰かがみこしを上げて周囲の意識を変える必要があります。
(We need someone to step up to the plate and shift the momentum to move this plan forward.) - 彼女がみこしを上げたことで、会議の雰囲気が一気に活気づきました。
(Her initiative energized the meeting and sparked active discussion.) - 上司が自らみこしを上げたことで、部下たちも自然と行動を起こし始めました。
(The supervisor took the lead, which naturally encouraged the subordinates to follow.)
似ている表現
- 先頭を切る
- 率先する
- 火ぶたを切る
- 機先を制する
- 主導権を握る
ビジネスで使う場合はどういう意味か?
ビジネスの現場では、「みこしを上げる」はプロジェクトや企画、会議、提案などにおいて、最初のアクションを取ることを意味します。誰も動かない状況下でリーダーシップを発揮する、もしくは停滞していた状況を打開する突破口として使用される言葉です。特に新しい取り組みを始める際、あるいはアイディアが浮かんでいるが行動に移されていない状況で、「まず誰かがみこしを上げる」ことが求められます。
- 今回の新規事業では、まず営業部がみこしを上げるべきだと考えています。
(I believe the sales department should take the initiative in this new business venture.) - 誰も会議で話し始めなかったので、自分がみこしを上げて話題を切り出しました。
(Since no one started talking in the meeting, I decided to get the ball rolling.) - 経営陣がみこしを上げたことで、社員たちにも積極的な動きが出てきました。
(The executives took the lead, and the employees began to take more proactive steps.) - 社内改革を実行するには、まず現場の管理職がみこしを上げなければなりません。
(For internal reforms to happen, frontline managers need to take the first step.) - プロジェクトを進めるうえで、誰がみこしを上げるのかを明確にする必要があります。
(We need to clarify who will take the initiative to move the project forward.)
目上の方や取引先にそのまま使用して良い?
「みこしを上げる」という言い回しは、日常会話では柔らかく親しみやすい印象を与える一方で、目上の方や取引先に対して使用する際には注意が必要です。この言葉は元来くだけた印象があるため、丁寧な場面ではややカジュアルに聞こえてしまう可能性があります。特に、ビジネスの書き言葉や正式な場では、少し改まった言い換えを用いた方が安心です。相手によっては、俗語的な響きを気にする方もいらっしゃるため、誤解や失礼と受け取られないよう、配慮ある言い回しに変換するのが望ましいです。
- 社内での話し合いには適している
- 社内メンバーとの雑談レベルで使いやすい
- 上司に対しては注意して使うべき
- 取引先には言い換え表現を使ったほうが無難
- 会議資料や提案書では避けるのが賢明
失礼がない言い回し・他の言い方
- 今回の件につきましては、私どもが最初に動くことで進行を促してまいります。
- 初動を担わせていただき、皆様のご協力を仰ぐ所存でございます。
- まずは我々が先陣を切り、全体の流れを作ってまいりたいと存じます。
- 本件、弊社よりまずご提案をさせていただき、検討のきっかけとなればと考えております。
- 初手として弊社が具体的な動きを示し、他部署のご理解を得てまいります。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- いつも格別のご支援を賜り、誠にありがとうございます。今回はご相談したい件があり、ご連絡を差し上げました。
- 平素よりひとかたならぬご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。このたびは新しい動きを検討しており、そのご説明をいたしたく存じます。
- 日頃よりお世話になっております。さて、今回弊社にて先行して対応すべき事項がございますため、ご一報差し上げました。
- ご多忙のところ恐れ入りますが、本日は弊社より率先して進める件についてご報告申し上げます。
- いつも大変お世話になっております。現在、社内にて準備を進めております件について、弊社より先に進行のご案内をいたしたく存じます。
締めの挨拶
- 今後とも一層のご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 何かご不明点などございましたら、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。引き続きよろしくお願い申し上げます。
- 弊社としても責任を持って進めてまいりますので、ご支援のほど何卒よろしくお願いいたします。
- 本件につきましては、弊社が率先して動いてまいりますので、引き続きご確認のほどお願い申し上げます。
- 末筆ながら、皆様のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
※次の見出しから継続して回答します。
注意する状況・場面は?
「みこしを上げる」という言い方は、日常的には前向きな行動や率先した動きを表す便利な言い回しですが、使用する場面や相手を誤ると誤解を招く恐れがあります。まず第一に、あまりにもくだけた印象を持たれることがあり、特に文書でのやり取りや、改まった場では注意が必要です。上司や取引先など、敬意を求められる関係性の中でこの言葉を不用意に使うと、「軽率」「押しつけがましい」といった受け取り方をされかねません。また、実際には主導権を握っていない状況で自らが「みこしを上げた」と表現すると、責任の所在を誤解されることもあるため、事実との整合性も重要です。
以下のような状況では特に注意が求められます。
- 社外文書やプレゼン資料など、文章における正式なやり取り
- 上位役職者や取引先に対して発言する場面
- 自分がリーダーでないのに、自分が主導しているかのように誤認させる言い方
- 相手に対し「あなたがみこしを上げてください」と促すような発言(命令的に聞こえる)
- 一部の人だけが動いている状況で「全体のスタートを切った」ような表現を用いる場合
細心の注意払った言い方
- 今回の取り組みにつきましては、まず弊社よりご案内をさせていただき、皆様のご判断を仰ぐ準備を進めております。
- 初期段階の動きを弊社が担わせていただくことで、全体の進行が円滑になるよう調整を進めております。
- 貴社のお手を煩わせる前に、弊社の側から先行して必要な検討材料をご提示させていただきます。
- 先方のご判断を仰ぐ前に、弊社にて下地を整えることが適切と考え、初動を担わせていただいております。
- 現段階においては、弊社がまず率先して対応を開始し、全体の方向性をより明確に示す準備をしております。
「みこしを上げる」のまとめ・注意点
「みこしを上げる」は、本来祭りの場に由来する日本の伝統的な行動を指す語であり、現代では人々が行動を起こす際の合図や最初の一歩としての意味合いを持ちます。慣用句として用いられる場合、物事のスタートを切る際に「誰かがまず始めること」を象徴する言葉であり、リーダーシップを表すポジティブな意味を含みます。しかしその一方で、言葉の響きがややくだけているため、改まった場では慎重な使用が求められます。
特に、目上の方や取引先との関係では、無意識に使うと相手に不快感や軽んじた印象を与える可能性があるため、言い換えを工夫したり、より丁寧で的確な言い回しに変換することが求められます。また、「みこしを上げる」ことが目的ではなく、あくまで全体を動かすための起点に過ぎないという認識も大切です。誰かがみこしを上げた後、どのように周囲を巻き込み、目的を達成していくのかという流れを見据えた言葉の使い方が、円滑な人間関係やビジネスの信頼構築に繋がるのです。
この言葉を使う際には、「自分が率先する」「初動を担う」「先に対応する」など、目的に応じた表現への置き換えが望ましいです。特に文章での使用や、相手の立場を意識すべき場面では、言葉の背景や影響力を十分に理解した上で使うことが大切です。誤用による摩擦を避け、意図した意味がしっかりと伝わるよう注意を払いましょう。

