「夢のまた夢」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「夢のまた夢」とは、元々は実現不可能なことや、まるで幻のような儚さを持つ願いや希望を表す慣用句です。現実味がまったくなく、どれだけ努力しても届かない、あるいは叶ったように見えても一瞬で消えてしまうような出来事に対して使われます。主に悲しみや失望を含んだ文脈で用いられることが多く、「あれは夢だったのか、それとも夢の中で見た夢だったのか」というような、極めて非現実的で曖昧な状態を表現する際に使用されます。
この慣用句は、特に詩的な響きがあり、日常会話というよりは文章表現や文学的な文章で好まれます。例えば、成功を夢見たが全てが無に帰してしまったとき、努力が報われず終わってしまったとき、「夢のまた夢だった」と自嘲を込めて呟くことがあります。また、恋愛や人生の選択、目指した理想像など、個人の感情に強く結びつく出来事にも多く使われます。
英語では、”a dream within a dream” や “an unattainable dream”、”a pipe dream” が近い意味合いとして使われます。特に “a dream within a dream” は直訳であり、エドガー・アラン・ポーの詩の一節にも登場することから、文学的・詩的な響きを持つ表現として知られています。”A pipe dream” はより日常的な言い回しで、現実的に考えると到底叶いそうにない空想や期待に対して使われます。
「夢のまた夢」の一般的な使い方と英語で言うと
- 長年追いかけてきたプロジェクトが途中で打ち切られ、これまでの努力がすべて無に帰してしまったとき、心からこう感じた。「ああ、自分の理想は夢のまた夢に終わってしまったのだ」と。
(During the termination of the long-chased project, all efforts seemed wasted. I truly felt, “My ideals have turned into a dream within a dream.”) - 若い頃に描いていた世界一周旅行の夢。いざ社会に出てみると現実は厳しく、結局その夢は夢のまた夢として胸の奥にしまい込んだ。
(The dream of traveling around the world I had in my youth got buried in the harshness of adult life and remained only a dream within a dream.) - 彼女との未来を本気で思い描いていたけれど、突然の別れによってその全てが夢のまた夢のように消えてしまった。
(I had truly envisioned a future with her, but after the sudden breakup, everything disappeared like a dream within a dream.) - 小説家になるという志を持ち続けていたが、仕事に追われる日々の中で、いつしかその夢は夢のまた夢と化していた。
(I had always wanted to become a novelist, but as I got buried in daily work, that dream faded into a dream within a dream.) - 子どもの頃の「宇宙飛行士になる」という夢は、今思えば本当に夢のまた夢だったのだなあと、懐かしくも切なく感じた。
(The childhood dream of becoming an astronaut now feels like nothing more than a dream within a dream, evoking nostalgia and a hint of sadness.)
似ている表現
- 捕らぬ狸の皮算用
- 絵に描いた餅
- 蜃気楼のような
- 雲を掴むような話
- 空想に過ぎない
「夢のまた夢」のビジネスで使用する場面の例文と英語
「夢のまた夢」はビジネスの場では慎重に使う必要があります。主に、極端に難しい目標や非現実的な期待に対して、現実を踏まえて冷静に伝えたいときや、反省を込めて使われることが多いです。たとえば、無理な納期設定や過剰な売上目標に対し、控えめながらも率直な意見を述べたい場合に使います。
- この予算でこのクオリティを求めるのは、正直申し上げて夢のまた夢と言わざるを得ません。
(To be honest, expecting this level of quality within this budget is nothing but a dream within a dream.) - 海外展開をこの短期間で成功させるというのは、現実的には夢のまた夢です。段階的な戦略が必要です。
(Launching internationally in such a short time frame is, realistically speaking, a dream within a dream. A phased strategy is necessary.) - 年内に黒字化を図るというのは理想ですが、現状を鑑みると夢のまた夢という印象が否めません。
(Aiming for profitability within the year is ideal, but given the current situation, it feels like a dream within a dream.) - すべての業務を完全に自動化することは、現段階では夢のまた夢であり、現実的な代替策を模索すべきです。
(Full automation of all operations is currently a dream within a dream, and we should seek practical alternatives.) - この価格帯でこの性能を実現するのは夢のまた夢に近く、品質を維持するにはコスト調整が不可欠です。
(Achieving this level of performance at this price point is nearly a dream within a dream, and cost adjustments are essential to maintain quality.)
「夢のまた夢」は目上の方にそのまま使ってよい?
「夢のまた夢」は詩的でやや婉曲な表現であるため、使い方によっては目上の方に対しても失礼にはなりませんが、注意が必要です。直接的に否定するニュアンスが含まれているため、慎重な言い回しや補足がないと、相手の提案や意見を否定しているように受け取られてしまう恐れがあります。特に、相手の計画や発言に対して「夢のまた夢ですね」と言ってしまうと、無礼な印象を与えかねません。
そのため、使用する場合は、自身の意見や状況を補足しながら丁寧に伝えることが求められます。間接的に「実現には時間がかかる」や「現状では難しい」といった内容を添えることで、相手に対して敬意を持ちつつ真意を伝えることが可能になります。また、メールや文書で使用する際は、「夢のまた夢」の直後に理由や事情を加えて補完することが重要です。
- 相手の提案をそのまま否定するような場面では使わない
- 曖昧な表現として伝わりやすいので補足をつける
- 比喩的な使い方であることを明示する
- 口語ではなく文章の中で丁寧に使用する
- 話し手自身の願望や過去の経験を語るときに用いる
「夢のまた夢」の失礼がない言い換え
- ご提案の内容につきましては、大変理想的ではございますが、現状を考慮いたしますと達成にはお時間を要するかと存じます。
- 現在の体制におきましては、ご希望の条件をすぐに実現するのは難しいかもしれませんが、段階的な実施は可能かと考えております。
- 大変素晴らしいご意見でございますが、今の時点では少々難易度が高く、慎重に進める必要があるかと存じます。
- 仰るとおり魅力的な方向性ではございますが、実現にはさらなる準備と調整が必要と考えております。
- ご期待に沿えるよう努力いたしますが、現在のリソースでは即時の対応が難しく、優先順位をつけての検討が必要となります。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- いつも大変お世話になっております。先日お話しいただきました件につきまして、私なりの見解をまとめさせていただきました。
- 日頃より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。下記にて、現在の状況に関するご報告を申し上げます。
- 平素は格別のご支援を賜り、心より御礼申し上げます。ご相談いただいた件につきまして、慎重に検討いたしました。
- 毎々格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。さて、先日ご提示いただきましたご提案につきまして、ご回答申し上げます。
- ご多用の折、恐れ入ります。先般のご依頼につきまして、以下のとおり現在の見通しをご共有申し上げます。
締めの挨拶
- ご多忙中のところ恐縮ではございますが、ご一読いただけましたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 以上、簡単ではございますが、取り急ぎご報告申し上げます。今後とも何卒変わらぬご指導のほどお願い申し上げます。
- 内容につきましてご不明点等ございましたら、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。引き続きよろしくお願い申し上げます。
- ご提案に関しては真摯に受け止めておりますので、引き続き前向きに検討させていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
- 本件につきましては、今後の対応方針に影響する重要な内容と認識しております。引き続きご助力のほどお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「夢のまた夢」という言い回しは、詩的で感傷的な響きを持つ一方で、現実味が乏しく、相手の真剣な希望や期待に対して否定的な印象を与えてしまう恐れもあります。特に、目上の方や取引先など、信頼関係を損なってはならない相手に対して不用意に使ってしまうと、誤解を招く可能性があります。また、真面目な会議や提案の場で軽々しく使ってしまうと、皮肉や揶揄と受け取られる危険性もあります。
このため、「夢のまた夢」を使う際には、自分自身の過去の思いや気持ちを語る場合に限り、慎重に取り入れるのが望ましいです。相手の発言や提案に対して直接使用するのではなく、自分の経験として語ることで、過度な否定の印象を避けることができます。
- 相手の提案や希望を直接否定する場合
- 目上の方や初対面の相手へのメール
- 提案書やプレゼンテーションの正式な文書
- 社内会議での結論に対するコメント
- 顧客からの要望に対する返信メール
細心の注意払った言い方
- ご提案につきましては、非常に前向きな内容と受け止めております。ただし、現在の体制では実現にはやや時間を要するかもしれません。
- ご要望いただいた件について、誠に申し訳ございませんが、当面の間は実現が難しく、慎重に再検討の余地があるかと存じます。
- ご期待に添えるよう努力しておりますが、現状のリソースでは即時の実現は難しく、段階的な対応をご理解いただけますと幸いです。
- ご指摘の点は非常に重要であり、今後の目標として前向きに捉えております。ただ、現時点では慎重に進めてまいります。
- ご構想のスケールには大変感銘を受けましたが、具体的な実現には相応の時間と準備が必要と考えております。
「夢のまた夢」のまとめ・注意点
「夢のまた夢」という慣用句は、非常に詩的かつ感傷的な意味を持ち、夢や希望が叶うことなく終わってしまった時や、初めから現実味が薄く到底実現できない願いに対して使われる表現です。英語では “a dream within a dream” などが類似の意味を持ち、主に文学的な場面で用いられます。
しかしながら、この言葉にはどこか諦めや皮肉、冷ややかさも含まれているため、ビジネスの現場では注意が必要です。特に、目上の方や取引先に対して直接「夢のまた夢」という言葉を使ってしまうと、否定的で非建設的な印象を与えるリスクがあります。代わりに、「段階的な対応が必要」「実現には時間を要する」など、丁寧で配慮ある表現を選ぶことが大切です。
また、自分自身の気持ちや過去を語る際には、この言葉は有効に使える場面も多く、読み手の共感や理解を得やすくなります。要するに、「夢のまた夢」は相手の状況や関係性を十分に考慮した上で、慎重に使うべき繊細な言い回しだと言えるでしょう。

