「まうづ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「まうづ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

  • to visit with deference(敬意をもって訪れる)
  • to pay a respectful visit(丁重に伺う)
  • to appear in attendance(控えてまかり出る)

古典と近世以降での「まうづ」の意味の違い

古典における「まうづ」は、主に神仏への参詣や、目上の人に謹んでお目にかかるという意味で使われていました。この動詞は「参上する」「参詣する」「参内する」などの謙譲語的な意味を持ち、平安時代以降の宮廷文化の中で特に多く見られました。「まゐる(参る)」の連用形「まゐ」+動詞「いづ(出づ)」が語源とされ、「敬って出向く」という丁寧で控えめな姿勢を表しています。成立は平安中期と考えられ、日記や随筆などでしばしば使われました。

それに対し、江戸時代以降、口語の「まうづ」は、時代劇や歌舞伎などにおいて武士や町人が目上の者に対して丁重な物言いとして使用するようになります。たとえば「今から殿のもとへまうづる所存」といったように、あえて雅な語を残しつつも、現代の感覚で言うとやや大仰で演劇的な響きが加わります。現代ではこの語はほぼ死語となっており、特に「参上する」「伺う」などの意味合いに限って伝わっていますが、若干の誤解を生みやすく、古典と混同されがちです。

古典での文例

古典文学の中では、「まうで来(こ)」という形で使われ、「高貴な方のもとへ出向く」「寺社仏閣へ参詣する」などの意味で幅広く用いられています。なお、本項では引用を避けるため直接の古典文章は掲載しません。

一般的な使い方と英語で言うと

  • 明日の早朝には、社長のもとへ直接ご挨拶にまうづる予定でございます。
    (I plan to pay my respects directly to the company president early tomorrow morning.)
  • 大変恐縮ながら、私が自らそちらへまうづりまして、詳しくご説明申し上げます。
    (If you don’t mind, I will visit you in person and explain the matter in detail.)
  • 先方のご都合が整いましたら、すぐにでもまうづる覚悟にございます。
    (Once the other party is available, I am ready to go there immediately.)
  • このたびの件、お詫びを申し上げたく、まうづらせていただきたく存じます。
    (I would like to visit and offer my sincere apologies for this matter.)
  • ご面倒をおかけいたしますが、後ほど私がまうづりますので何卒よろしくお願い申し上げます。
    (Sorry for the trouble, but I will come by shortly, so I humbly ask for your understanding.)

似ている表現と失礼がない言い回し

  • 伺う(より一般的で現代的な敬語)
  • 参上する(格式は高いがやや古風)
  • 参ります(やや控えめで謙譲)
  • 訪問いたします(丁寧でビジネス向け)
  • お邪魔いたします(やや日常的)

性格や人格として言われた場合は?

「まうづ」という語が性格や人格に使われることは本来ありませんが、比喩的に使われる場合には「いつでも腰を低くして出向くような謙虚な人」「自分から丁寧に出向いて関係を築く誠実な人」といった意味合いを持つことがあります。直接的な人格描写ではなく、動作や姿勢を通して、その人の礼儀正しさや慎み深さを表現するものとして読み取られます。

まうづをビジネスで使用する場面の例文と英語

説明として、「まうづ」は現代では一般的なビジネスメールや会話の中で使われることはほとんどありませんが、あえて格式や丁寧さを際立たせたいとき、特に伝統産業や格式ある業界などでは用いられることがあります。

  • このたびの面談につきまして、私自らまうづり、ご説明申し上げたく存じます。
    (Regarding the upcoming meeting, I would like to attend in person and provide an explanation.)
  • 恐縮ながら、御社にまうづりましてご相談の機会をいただけますと幸いです。
    (If possible, I would appreciate the opportunity to visit your office for a consultation.)
  • 弊社代表の代理として、明朝まうづることとなりました。何卒よろしくお願いいたします。
    (I have been assigned to attend tomorrow morning on behalf of our president. Thank you for your consideration.)
  • 突然のご連絡失礼いたしますが、明日お時間をいただければ、こちらからまうづります。
    (I apologize for the sudden notice, but if you are available tomorrow, I will visit you then.)
  • ご案内いただいた件につき、後日まうづりまして正式なご返答を差し上げたく存じます。
    (Regarding the matter you informed us of, I would like to visit later and respond officially.)

まうづは目上の方にそのまま使ってよい?

「まうづ」という語は、本来非常に丁寧な動詞ですが、現代においてはあまりにも古風で、かえって相手によっては不自然に響く可能性もあります。とくにビジネス文書や取引先とのやりとりでは、「伝統を尊ぶ業界」や「格式ある場面」以外では避けた方が無難とされています。相手に伝わりにくかったり、芝居がかった印象を与えかねません。そのため、現代の言葉に言い換えたうえで、控えめで柔らかい語調を選ぶ方が相手にとっても分かりやすく、丁寧な印象を与えることができます。

  • 現代では「伺う」「参上する」などに言い換える方が自然
  • 古風すぎて相手に意図が伝わらない恐れがある
  • 伝統産業や芸能分野を除けば使用は限定的
  • 社外向けには避けた方が無難な言い方
  • 演出意図がある場面では効果的だが、日常では不適切

まうづの失礼がない言い換え

  • 本日午後、お時間を頂戴できましたら、私が直接伺わせていただきたく存じます。
  • 明朝、弊社よりご説明に参上いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
  • ご都合に合わせて、こちらからご訪問させていただければと存じます。
  • 後ほど、正式なお話をさせていただくため、改めてご挨拶に伺います。
  • ご多忙のところ恐縮ですが、私が直接お邪魔いたしまして詳細をご説明させていただきます。

まうづを使用する際に注意する状況・場面は?

「まうづ」は本来、非常に丁寧で敬意をこめた言い回しですが、現代の通常業務の中で使用すると、意味が伝わりにくかったり、過剰に格式ばった印象を与えてしまうことがあります。そのため、相手の年齢や業種、職位、またその場の雰囲気を見極めて使用する必要があります。たとえば、伝統工芸、宗教関係、文化財関連などでは適切でも、一般企業間の会話や若年層の取引相手に対して使うと、やや違和感を覚えさせる恐れがあります。また、メールや電話など文章表現の場では特に慎重を要します。古風な言い回しは、丁寧であると同時に、理解されないというリスクも伴うからです。

  • 一般的な企業間のメールでは避ける方が無難
  • 年下や若年層の相手には適さない
  • 文語表現としても現代のスタンダードではない
  • 誤解される可能性を考慮して、補足的説明が必要な場合もある
  • 文化的な背景や業界特性によっては使用が適している

「まうづ」のまとめ・注意点

「まうづ」という語は、元々は古典において非常に丁寧な態度で目上の人や神仏を訪ねることを意味し、平安時代の上流文化を反映した語です。語源的には「参る」+「出づ」に由来し、「敬意を持って出向く」という意味合いを明確に持っています。江戸時代以降も一部では生き残り、時代劇や儀礼的な会話に見られるようになりますが、現代の日常的なビジネスや対人関係においてはその使用には十分な配慮が求められます。特に、丁寧に見えても意味が伝わらなければ逆効果となることもあり、場合によっては失礼と取られかねないため、現代的な言い換えを選ぶことが望ましいです。敬語として正確ではあるものの、過剰な格式や不自然な語調を避けたいときは「伺う」「参上する」「訪問する」などの柔らかく伝わる語を使うのが適切です。したがって、この語は「使うこと自体」よりも、「使う相手と場面」に注意を払いながら、あえて選ぶ言葉として丁寧に扱うことが最も重要です。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。