SharePointログインが出来ない原因は?改善方法は?
SharePointにログインできない場合、様々な原因が考えられます。オンプレミス版のSharePoint Serverと、クラウド版のSharePoint Online(Microsoft 365に含まれる)では、根本的なトラブルシューティングのアプローチが異なる場合がありますが、共通する原因も多く存在します。ここでは、考えられる原因と、それぞれの改善方法について詳しく解説していきます。
SharePointにログインできない、その原因は何?
SharePointにログインできないと、業務が滞ってしまい大変困ります。まずは、何が原因でログインができないのか、その可能性を一つずつ確認していきましょう。
最もよくある原因:IDとパスワードの間違い
ログインできないという状況で、最初に確認すべきは、入力しているユーザーIDとパスワードが正しいか、ということです。
大文字・小文字の間違い
パスワードは特に、大文字と小文字を区別します。Caps Lock(キャプスロック)キーがオンになっていないか、もう一度確認してみてください。意外と見落としがちな点です。
スペルミスや入力間違い
慌てて入力すると、スペルミスやタイプミスをすることもあります。もう一度、落ち着いて、一つずつ文字を確認しながら入力し直してみましょう。
パスワードを最近変更したか
もし最近パスワードを変更したばかりであれば、古いパスワードを入力している可能性があります。最新のパスワードで試してみてください。
複数のアカウントを使っているか
仕事用と個人用など、複数のMicrosoftアカウントを持っている場合、間違ったアカウントでログインしようとしている可能性もあります。正しいSharePointにアクセスするためのアカウントを選んでいるか確認してください。
アカウントに問題がある場合
入力している情報が正しいはずなのにログインできない場合、アカウント自体に何らかの問題が発生している可能性があります。
アカウントがロックされている
セキュリティ上の理由から、ログインの試行回数を間違えすぎると、アカウントが一時的にロックされることがあります。しばらく時間を置いてから再度試すか、管理者に解除を依頼する必要があります。
アカウントが無効になっている
従業員の異動や退職、または管理者の設定変更などにより、あなたのアカウントが無効化されている可能性も考えられます。この場合、ご自身で解決することはできませんので、必ず管理者にご連絡ください。
パスワードが期限切れになっている
会社のセキュリティポリシーによっては、定期的にパスワードの変更が求められる場合があります。パスワードの有効期限が切れていると、ログインできなくなることがあります。
多要素認証(MFA)に問題がある
多要素認証(電話、認証アプリ、SMSなど)を設定している場合、その認証プロセスがうまくいっていない可能性があります。認証コードが届かない、アプリが同期されていない、などの問題がないか確認しましょう。
インターネットやネットワークの環境問題
物理的な接続やネットワークの設定が原因で、ログインできないこともあります。
インターネット接続が不安定
そもそもインターネットに接続できていない、あるいは接続が不安定な状態では、SharePointへのアクセスはできません。Wi-Fiの接続状況や有線LANケーブルが正しく接続されているかを確認しましょう。
会社のネットワーク設定に制限がある
会社のファイアウォールやプロキシサーバーの設定により、SharePointへのアクセスが制限されている場合があります。特に在宅勤務などで普段とは異なるネットワーク環境からアクセスしている場合に起こりやすいです。
VPN接続の問題
もし会社のネットワークにVPN(仮想プライベートネットワーク)経由で接続している場合、VPN接続自体に問題がある可能性があります。VPNが正しく接続されているか、接続し直すことで改善することもあります。
SharePointサーバー側の問題(オンプレミスの場合)
ご自身の会社でSharePoint Serverを運用している場合、サーバー自体がダウンしている、またはメンテナンス中である可能性も考えられます。この場合、社内の情報システム部門に確認が必要です。
ブラウザやデバイスの問題
使用しているブラウザやデバイスの設定が、ログインを妨げているケースも少なくありません。
ブラウザのキャッシュやCookieが原因
ブラウザに蓄積されたキャッシュやCookieが破損している、または古い情報を持っているためにログインできないことがあります。これらをクリアすることで改善するケースが非常に多いです。
古いバージョンのブラウザを使用
お使いのブラウザが古いバージョンだと、SharePointの最新の認証システムに対応できず、ログインできないことがあります。常に最新バージョンのブラウザを使用することが推奨されます。
ブラウザの拡張機能やアドオンが干渉している
インストールされているブラウザの拡張機能やアドオンが、SharePointのログイン処理に干渉している場合があります。一時的にこれらを無効にして、ログインできるか試してみましょう。
別のブラウザやデバイスで試す
現在使用しているブラウザやデバイスに問題がある可能性も考慮し、別のブラウザ(例:ChromeでだめならEdgeやFirefox)や、別のデバイス(スマートフォンや別のPC)でログインを試してみてください。
その他、特定の状況での問題
上記以外にも、特定の状況下でログイン問題が発生することがあります。
ゲストアカウントでのアクセス許可
もし、他社のSharePointサイトにゲストとして招待されていてログインできない場合、そのサイトの管理者によってアクセス許可が正しく付与されていない、または招待リンクが期限切れになっている可能性も考えられます。
SharePoint Onlineのサービス障害
非常に稀ですが、Microsoft側のサービスに一時的な障害が発生している可能性もゼロではありません。このような場合は、Microsoft 365のサービス正常性ダッシュボードなどで情報を確認できます。これは個人でどうすることもできませんが、情報として把握しておくことは重要です。
同期の問題
OneDrive for Businessなどの同期クライアントを使用している場合、同期の問題がログインに影響を与えることもあります。
SharePointにログインできない時の改善方法
ログインできない原因の可能性を特定したら、次はその原因に応じた具体的な改善方法を試していきましょう。
自分でできる基本的な確認と対処
まずは、ご自身で簡単にできる確認事項から始めます。
ユーザーIDとパスワードの再確認
これが最も基本的で、かつ最も多い原因です。
- 半角英数字で入力されているか:全角になっていないか確認。
- Caps Lockのオン/オフ:大文字・小文字が正しく入力されているか確認。
- パスワードをメモ帳などに一度入力してコピー&ペースト:目視で間違いがないか確認してから貼り付けることで、入力ミスを防ぎます。
- パスワードリセット:もしパスワードを完全に忘れてしまった場合は、ログイン画面にある「パスワードを忘れた場合」のリンクからリセットを試みるか、管理者にパスワードのリセットを依頼してください。
インターネット接続の確認
ネットワークに接続できているか、安定しているかを確認します。
- 他のウェブサイトにアクセスできるか:Googleなどの他のサイトにアクセスできるか試してみてください。
- Wi-Fiや有線LANの接続状況:ルーターやケーブルが正しく接続されているか確認し、必要であれば再起動してみましょう。
- 機内モードやVPNの設定:意図せず機内モードになっていないか、VPNが正しく接続されているか確認します。
ブラウザのキャッシュとCookieをクリアする
ブラウザの不具合は、ログイン問題の一般的な原因です。
キャッシュとCookieの削除手順:
- お使いのブラウザ(Chrome, Edge, Firefoxなど)の設定画面を開きます。
- 「プライバシーとセキュリティ」または「閲覧履歴データの消去」といった項目を探します。
- 「キャッシュされた画像とファイル」「Cookieと他のサイトデータ」のチェックボックスにチェックを入れます。
- 期間を「すべての期間」または「全期間」に設定し、クリアを実行します。
- ブラウザを一度閉じて、再度開き直してからログインを試してください。
シークレットモード/プライベートブラウズで試す:キャッシュや拡張機能の影響を受けない「シークレットモード」や「プライベートブラウズ」でログインを試してみるのも有効です。
別のブラウザやデバイスで試す
現在の環境に問題があるかを切り分けるために、異なる環境で試してみましょう。
- 別のブラウザで試行:普段Chromeを使っているならEdgeやFirefox、あるいはその逆で試してみる。
- スマートフォンやタブレットで試行:PCでログインできない場合、スマートフォンやタブレットからログインできるか確認します。これにより、PC環境固有の問題かどうかが判断できます。
ブラウザの拡張機能を一時的に無効にする
インストールしている拡張機能が干渉している可能性があります。
- 拡張機能の管理画面へ:ブラウザの設定から、拡張機能の管理画面を開きます。
- 一つずつ無効化して試す:すべての拡張機能を一度無効にし、ログインできるか確認します。もしログインできたら、一つずつ有効に戻して、どの拡張機能が原因かを特定します。
管理者に連絡すべきケース
上記の方法を試しても解決しない場合や、以下のような状況では、ご自身では解決できない問題である可能性が高く、SharePointの管理者(通常は社内の情報システム部門やIT担当者)に連絡する必要があります。
アカウントがロックまたは無効化されている場合
これらは管理者権限でのみ解除・有効化が可能です。
具体的な状況を伝える:「〇〇回ログインに失敗してロックされたようです」「突然ログインできなくなった」など、状況を詳しく伝えましょう。
パスワードリセットが必要な場合(自己リセットできない場合)
多要素認証の未設定や、システム上の理由で自己リセットができない場合は管理者が必要です。
本人確認に備える:管理者はセキュリティのため本人確認を行う場合があります。社員番号や部署名など、すぐに答えられるように準備しておきましょう。
多要素認証(MFA)に問題がある場合
MFAの設定リセットや確認は管理者でしかできません。
具体的なエラーメッセージ:MFAのどの段階でエラーが出るのか、具体的なメッセージを伝えるとスムーズです。
「アクセスが拒否されました」というエラーが表示される場合
これは、アクセス権限がないことを意味します。
アクセスしたいサイトやドキュメントのURL:どのSharePointサイトやドキュメントにアクセスしようとしていて、拒否されたのかを具体的に伝えます。
会社のネットワーク環境に問題があると思われる場合
ファイアウォールやプロキシの設定変更は管理者のみ可能です。
他の同僚もログインできないか:もし他の同僚も同じ問題に直面しているなら、ネットワーク全体の問題の可能性が高く、その情報も管理者に伝えると良いでしょう。
SharePoint Server(オンプレミス)にログインできない場合
サーバー自体の問題であれば管理者による対応が必要です。
サーバーの稼働状況:サーバーが稼働しているか、メンテナンス中ではないかなどを確認してもらいます。
Microsoft 365のサービス障害が疑われる場合
個人で解決できる問題ではないため、管理者に状況を確認してもらいましょう。
「Service Health Dashboard」の確認:管理者はMicrosoft 365管理センターの「サービス正常性ダッシュボード」で、Microsoft側のサービス障害情報を確認できます。
管理者向け:SharePointログイン問題のトラブルシューティング
SharePointの管理者は、ユーザーからのログインに関する問い合わせを受けた際、以下の点を中心にトラブルシューティングを進めることができます。
ユーザーアカウントの状態確認
ユーザーアカウントが正常に機能しているかを確認することが最初のステップです。
Microsoft 365管理センターでの確認(SharePoint Online)
- ユーザーの状態:「ユーザー」→「アクティブなユーザー」で、対象ユーザーのアカウントが「有効」になっているか、ロックされていないかを確認します。
- パスワードの有効期限:パスワードの有効期限が切れていないか、またパスワードポリシーに準拠しているかを確認します。必要であればパスワードのリセットを行います。
- 多要素認証(MFA)の状態:MFAが有効になっている場合、ユーザーが認証情報を正しく登録しているか、または一時的なMFAのバイパスが必要かを確認します。
Active Directoryでの確認(オンプレミスSharePoint Server)
- アカウントの有効化/無効化:Active Directoryユーザーとコンピューターで、ユーザーアカウントが無効化されていないか確認します。
- アカウントのロックアウト:ログイン失敗回数によりアカウントがロックアウトされていないか確認し、必要であればロックを解除します。
- パスワードの有効期限:Active Directoryのパスワードポリシーに基づき、ユーザーのパスワードが期限切れになっていないか確認します。
アクセス許可の確認
ユーザーがアクセスしようとしているSharePointサイトやコンテンツへの権限が適切に付与されているかを確認します。
SharePointサイトのアクセス許可
- サイトコレクションのアクセス許可:ユーザーが対象のサイトコレクションにアクセスするための適切な権限(例:閲覧者、メンバー、所有者)を持っているか確認します。
- 個別アクセス許可とグループ:ユーザーが直接、または所属するセキュリティグループを通じて、アクセスしたいリスト、ライブラリ、またはアイテムに対して必要なアクセス許可を持っているか確認します。
- 「アクセス許可の確認」機能:SharePointサイトの設定内にある「アクセス許可の確認」機能(Permissions Checker)を利用すると、特定のユーザーがそのサイトでどのようなアクセス許可を持っているかを詳細に確認できます。
継承とユニークパーミッション
- アクセス許可の継承:上位サイトからのアクセス許可の継承が中断されていないか、あるいは意図しないユニークパーミッションが設定されていないか確認します。
- 重複した権限設定:複数のグループに所属している場合など、重複した権限設定が予期せぬアクセス拒否を引き起こす場合もあります。
ネットワークと認証インフラストラクチャの確認
組織のネットワークや認証システムに問題がないかを確認します。
認証プロバイダーの状態
- フェデレーションサービス(AD FSなど):シングルサインオン(SSO)環境を利用している場合、AD FSなどのフェデレーションサービスが正常に稼働しているか確認します。証明書の期限切れやサービス停止が原因でログインできなくなることがあります。
- Azure AD Connectの同期状態:オンプレミスADとAzure ADを同期している場合、Azure AD Connectが正常に同期を実行しているか確認します。同期エラーがアカウント情報に影響を与えることがあります。
ファイアウォールとプロキシの設定
アクセス制限
会社のファイアウォールやプロキシサーバーが、SharePoint Online(またはオンプレミスSharePoint Server)への通信をブロックしていないか確認します。Microsoft 365のURLやIPアドレスレンジがホワイトリストに追加されているかを確認しましょう。
DNS解決の問題
DNS設定
ユーザーのPCやネットワークのDNS設定が、SharePointサイトのURLを正しく解決できているか確認します。特に、新しいSharePointサイトへのアクセス時に問題が発生することがあります。
サービス正常性とログの確認
システム全体の状況や詳細なエラー情報を確認します。
Microsoft 365 サービス正常性ダッシュボード(SharePoint Online)
サービス障害の有無
Microsoft 365管理センターに管理者アカウントでログインし、「サービス正常性」ダッシュボードを確認します。SharePoint Onlineに大規模な障害が発生していないか確認できます。
SharePoint Serverログ(オンプレミス)
- 統合ログサービス(ULSログ):SharePoint ServerのULSログは、詳細なエラー情報を含んでいます。ログイン試行時のエラーメッセージやイベントIDを基に、原因を特定できます。
- Windowsイベントログ:サーバーのイベントログ(セキュリティログ、システムログ、アプリケーションログなど)も、認証に関するエラー情報を提供することがあります。
ブラウザやクライアント側のトラブルシューティング(管理者支援)
ユーザーが自分で解決できない場合の、管理者からのアドバイスや支援も重要です。
ブラウザのキャッシュクリアとCookieの削除指示
ユーザーに具体的に手順を指示し、試してもらいましょう。
別のブラウザやPCでの試行を促す
ユーザーの環境固有の問題かを切り分けるために有効な手段です。
Officeアプリのサインイン状態確認
Officeアプリケーション(Word, Excelなど)もMicrosoftアカウントでサインインしているか確認し、一度サインアウト・サインインし直すよう指示します。これにより、認証トークンが更新される場合があります。
冷静な対応と適切な情報共有
SharePointにログインできないという状況は、利用者にとっては非常に焦りを生むものです。しかし、冷静に状況を分析し、適切な手順でトラブルシューティングを行うことが解決への近道です。
もし、ご自身で原因が特定できない場合や、解決できない問題に直面した場合は、躊躇なく社内のIT管理者や、システムを管理しているベンダーに連絡してください。その際、「いつから」「どのようなエラーメッセージが表示されるか」「何を試したか」など、具体的な情報を提供することで、より迅速な解決に繋がります。

