Power Automateで簡単にファイル共有を分かりやすく!基礎知識・やり方

Power Automateでファイル共有を自動化!基礎知識から具体的なやり方まで分かりやすく解説

日々の業務で「新しいファイルができたら、関係者に手動で共有している」「送られてきた添付ファイルを、いちいち指定の場所に保存している」といった手間を感じていませんか? Power Automateを使えば、このような定型的なファイル共有のプロセスを簡単に自動化できます。

Power Automateはプログラミングの知識がなくても、直感的な操作で様々なサービスと連携し、自動でファイル共有を行ってくれる便利なツールです。今回は、その基本的な仕組みから、具体的なフローの作り方までを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

これで、手動でのファイル共有から解放され、もっと重要な業務に集中できる時間が増えるはずです。


Power Automateでファイル共有を自動化する「基礎知識」

Power Automateでファイル共有のフローを作る前に、いくつか知っておくと役立つ基本的な概念があります。

 「トリガー」「アクション」「コネクタ」って何?

Power Automateのフローは、この3つの要素で構成されます。ファイル共有の自動化も例外ではありません。

トリガー(Trigger): フローが自動で動き出す「きっかけ」です。

例: 「OneDriveに新しいファイルがアップロードされたとき」「特定のメールにファイルが添付されて届いたとき」

アクション(Action): トリガーが起動した後にフローが「実行すること」です。

例: 「ファイルをSharePointにコピーする」「Teamsのチャネルにメッセージを投稿する(ファイルリンク付き)」

コネクタ(Connector): Power Automateと、あなたが使っているファイルサービス(OneDrive, SharePointなど)や共有先のサービス(Teams, Outlookなど)を「つなぐ」役割です。

例: 「OneDriveコネクタ」「SharePointコネクタ」「Microsoft Teamsコネクタ」「Outlookコネクタ」

どのストレージサービスと連携できるの?

 

Power Automateは、主に以下のMicrosoft 365のストレージサービスと強力に連携できます。

  • OneDrive for Business: あなた個人のクラウドストレージです。個人が作成したファイルを共有する起点としてよく使われます。
  • SharePoint: チームや組織で共有するファイルや情報を管理するプラットフォームです。ファイルを保存したり、共有先としたりする際によく使われます。
  • Microsoft Teams: Teamsのチャネルで共有されるファイルは、裏側でSharePointに保存されます。Teamsのチャネルを共有先としてメッセージを投稿し、その中にファイルのリンクを含めることも頻繁に行われます。
  • Outlook: メールに添付されたファイルをトリガーにしたり、ファイルを添付してメールを送信したりできます。

これら以外にも、Dropbox、Google Drive、Boxといった他のクラウドストレージサービスともコネクタを通じて連携が可能です。

「ファイルのコピー」と「ファイルの移動」の違い

ファイル共有のフローでは、ファイルを「コピー」するか「移動」するかの選択が重要です。

  • ファイルのコピー: 元の場所のファイルはそのまま残し、指定した共有先に同じファイルを複製します。
  • ファイルの移動: 元の場所のファイルは削除され、指定した共有先にファイルが移されます。

どちらを選ぶかは、あなたの業務プロセスによって判断しましょう。例えば、元のファイルを残しておきたい場合は「コピー」、一時的な作業フォルダから共有フォルダに最終ファイルを移したい場合は「移動」を選びます。


Power Automateで簡単にファイル共有!具体的なやり方

それでは、Power Automートを使ってファイル共有を自動化する具体的なフローの作り方を、2つの代表的なシナリオで見ていきましょう。


シナリオ1:OneDriveにファイルがアップロードされたら、SharePointに自動でコピーする

このフローは、個人で作成したファイルをOneDriveに保存するだけで、自動的にチームのSharePoint共有フォルダにもコピーされるようにしたい場合に便利です。

  1. Power Automateにアクセスする:
    • Webブラウザで Power Automateのサイト https://make.powerautomate.com/ にアクセスし、Microsoft 365アカウントでサインインします。
  2. 新しいフローを作成する:
    • 左側のメニューから「作成」をクリックします。
    • 自動化したクラウドフロー」を選択します。
    • 「フロー名」に「OneDrive→SharePointファイルコピー」など、分かりやすい名前を入力します。
    • 「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「OneDrive」と入力し、「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ) (OneDrive for Business)」を選択します。
    • 作成」ボタンをクリックします。
  3. OneDriveトリガーを設定する:
    • 「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)」のアクションボックスが表示されます。
    • 「フォルダー」: 監視したいOneDrive内のフォルダーを選択します。例えば、「共有用」という名前のフォルダを指定すると、そのフォルダにファイルが置かれたときにフローが起動します。
  4. 新しいアクション「ファイルをコピー」を追加する:
    • OneDriveトリガーの下にある「新しいステップ」をクリックします。
    • 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルをコピーします (SharePoint)」アクションを選択します。
  5. SharePointアクションを設定する:
    • 「ファイルをコピーします」のアクションボックスが表示されます。
    • 「現在のサイトのアドレス」: コピー元のOneDriveからファイルを取得するための、現在のSharePointサイト(通常、OneDrive for Businessはあなたの個人用SharePointサイトに紐付いています)を選択します。ここは通常、自動で候補が表示されます。
    • 「コピー元ファイル」: コピーしたいOneDriveのファイルです。入力フィールドをクリックし、「動的なコンテンツ」から「ファイル識別子」を選択します。これは、トリガーで検知したファイルの一意のIDです。
    • 「移動先サイトのアドレス」: ファイルをコピーしたいSharePointのチームサイトのアドレス(URL)を選択します。
    • 「移動先フォルダー」: チームサイト内のコピーしたいドキュメントライブラリとフォルダーを選択します。例えば、「共有ドキュメント/プロジェクトA」といった具体的なパスを指定します。
    • 「同じ名前のファイルがある場合」: 同じ名前のファイルが既に移動先にある場合の処理を選択します。「エラー」「置き換え」「別の名前でコピー」のいずれかを選びます。通常は「別の名前でコピー」を選ぶと安全です。
  6. フローを保存してテストする:
    • 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
    • テスト」ボタンをクリックし、「手動」を選択してテストを開始します。
    • ステップ3で指定したOneDriveのフォルダーにファイルをアップロードしてみます。
    • Power Automateのフローが起動し、SharePointの指定したフォルダーにファイルがコピーされているか確認します。

 

シナリオ2:特定のメールに添付されたファイルをSharePointに自動保存し、Teamsに通知する

このフローは、取引先からの請求書や報告書など、メールに添付されて届く重要なファイルを自動で保存し、チームに共有したい場合に役立ちます。

  1. Power Automateにアクセスする:
    • Webブラウザで Power Automateのサイト https://make.powerautomate.com/ にアクセスし、Microsoft 365アカウントでサインインします。
  2. 新しいフローを作成する:
    • 左側のメニューから「作成」をクリックします。
    • 自動化したクラウドフロー」を選択します。
    • 「フロー名」に「メール添付ファイル自動保存&Teams通知」など、分かりやすい名前を入力します。
    • 「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「Outlook」と入力し、「新しいメールが届いたとき (V2)」を選択します。
    • 作成」ボタンをクリックします。
  3. Outlookトリガーを設定する:
    • 「新しいメールが届いたとき (V2)」のアクションボックスが表示されます。
    • 「フォルダー」: 監視したいメールボックスのフォルダーを選択します(例: 「受信トレイ」)。
    • 「添付ファイルあり」: 「はい」を選択します。これにより、添付ファイルがあるメールのみを対象とします。
    • 「件名フィルター」や「差出人」: 必要であれば、「件名に『請求書』を含む」や「特定の差出人から」といった条件を追加し、対象のメールを絞り込みます。
  4. 新しいアクション「添付ファイルを取得」を追加する:
    • メールには複数の添付ファイルがある可能性があるため、各添付ファイルに対して処理を行う必要があります。
    • Outlookトリガーの下にある「新しいステップ」をクリックします。
    • 検索ボックスに「Outlook」と入力し、「添付ファイルを取得します (V2)」アクションを選択します。
    • 「メッセージ ID」: 動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」の「メッセージ ID」を選択します。
  5. 新しいアクション「各添付ファイルに対して処理」を追加する:
    • 「添付ファイルを取得します (V2)」アクションの下にある「新しいステップ」をクリックします。
    • 検索ボックスに「制御」と入力し、「Apply to each」(各項目に適用)アクションを選択します。
    • 「以前の手順から出力を選択」フィールドをクリックし、動的なコンテンツから「添付ファイルを取得します (V2)」の「Attachments」(添付ファイルの配列)を選択します。
    • これにより、この後のアクションが、メールに添付されているファイル一つ一つに対して実行されるようになります。
  6. 新しいアクション「SharePointにファイル作成」を追加する(Apply to eachの中):
    • 「Apply to each」ブロックの中にある「アクションの追加」をクリックします。
    • 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルを作成します (SharePoint)」アクションを選択します。
    • 「サイトのアドレス」: ファイルを保存したいSharePointのチームサイトのアドレスを選択します。
    • 「フォルダーパス」: チームサイト内の保存したいドキュメントライブラリとフォルダーを選択します。
    • 「ファイル名」: ファイルの名前です。動的なコンテンツから「現在の項目」の「Name」(添付ファイルの名前)を選択します。
    • 「ファイル コンテンツ」: ファイルの内容です。動的なコンテンツから「現在の項目」の「ContentBytes」(添付ファイルのバイナリデータ)を選択します。
  7. 新しいアクション「Teamsにメッセージを投稿」を追加する(Apply to eachの中):
    • 「ファイルを作成します」アクションの下(「Apply to each」ブロックの中)にある「アクションの追加」をクリックします。
    • 検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションを選択します。
    • 「投稿者」: 「Flow Bot」を選択します。
    • 「投稿先」: 「チャネル」を選択します。
    • 「チーム」: メッセージを投稿したいTeamsのチームを選択します。
    • 「チャネル」: 対象チャネルを選択します。
    • 「メッセージ」: 投稿するメッセージの内容を入力します。
      • 例:
        【新しいファイルが共有されました】
        件名: [動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」の「件名」を選択]
        送信元: [動的なコンテンツから「新しいメールが届いたとき」の「差出人」を選択]
        ファイル名: [動的なコンテンツから「ファイルを作成します」の「Name」を選択]
        SharePointでファイルを確認: [動的なコンテンツから「ファイルを作成します」の「アイテムへのリンク」を選択]
        
  8. フローを保存してテストする:
    • 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
    • テスト」ボタンをクリックし、「手動」を選択してテストを開始します。
    • ステップ3で指定した条件に合うメール(例: 件名に「請求書」を含む添付ファイル付きメール)を、フローを設定したメールアドレス宛に送信してみます。
    • Power Automateのフローが起動し、SharePointの指定したフォルダーに添付ファイルが保存され、Teamsのチャネルに通知が投稿されるか確認します。

 

Power Automateでファイル共有をさらに便利にするヒント

  • 条件分岐(If/Else)の活用: 「特定のファイル名が含まれていたら別のフォルダに保存する」「ファイルサイズが大きかったら警告を出す」など、条件によって処理を変えることができます。
  • 承認フローとの連携: 「共有する前に上司の承認を得る」といった承認プロセスを組み込むことで、より厳格なファイル共有を実現できます。
  • メタデータの自動付与: SharePointにファイルを保存する際、作成者や日付だけでなく、メールの件名や送信者名などを自動的にメタデータとして付与することで、後からの検索性を高めることができます。
  • 通知のカスタマイズ: Teamsへの通知だけでなく、Outlookで完了メールを送ったり、Power Appsでカスタム通知を表示させたりするなど、様々な通知方法を組み合わせることができます。
  • エラーハンドリング: フローが失敗した場合に備えて、「失敗したら担当者にメールで通知する」「数回再試行する」といったエラー処理を設定しておくことで、運用がより安定します。

 

ファイル共有の「手間」をPower Automateで解消!

 

Power Automateを使えば、これまで手作業で行っていたファイル共有の多くの手間を、驚くほど簡単に自動化できます。これにより、ファイルの保存漏れや共有忘れを防ぎ、関係者への情報伝達を迅速化し、結果としてチーム全体の生産性向上に大きく貢献するでしょう。

今回ご紹介した基本的なフローの作り方を参考に、ぜひあなたの日常業務におけるファイル共有の「面倒な作業」を見つけて、Power Automateで自動化に挑戦してみてください。その一歩が、よりスマートで効率的な働き方への大きな転換点となるはずです。