SharePoint|ダウンロードが遅い・読み込みが長い!改善策は?

SharePointの「ダウンロードが遅い」「読み込みが長い」を解決!イライラを解消する改善策

「SharePointからファイルをダウンロードするのに、なんでこんなに時間がかかるんだ…」「ページがなかなか開かない!これじゃ仕事が進まない…」

日々SharePointを利用していると、ファイルのダウンロード速度が極端に遅かったり、ページの読み込みがいつまでも終わらなかったりといった問題に直面することがあります。これは、業務効率を低下させるだけでなく、利用者にとって大きなストレスとなるでしょう。

SharePointのパフォーマンス問題の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。しかし、それぞれの原因を特定し、適切な対策を講じることで、これらの問題は大幅に改善されます。


 

1. ネットワーク環境の問題

SharePointがクラウドサービスであるSharePoint Online(Microsoft 365)であれ、オンプレミス版のSharePoint Serverであれ、ネットワーク環境はパフォーマンスに直結する最も重要な要素です。

 

具体的な原因

  • インターネット回線の帯域不足(SharePoint Online):
    • 会社のインターネット回線が、利用している社員数や同時に行われる通信量に対して十分な帯域(スピード)を持っていない場合、SharePoint Onlineへのアクセス速度全体が低下します。特に、大容量ファイルのダウンロードや、多数のユーザーが一斉にアクセスする時間帯に顕著になります。
    • 個人宅のWi-Fi環境が不安定だったり、古い規格のルーターを使用していたりすることも原因となります。
  • 社内ネットワークのボトルネック:
    • 社内LANケーブルの規格が古い(例:Cat5など)
    • ネットワーク機器(ハブ、スイッチ、ルーターなど)の処理能力が低い
    • Wi-Fi環境が不安定(電波干渉、アクセスポイントの数不足、距離の問題)
    • ネットワーク混雑時間帯にトラフィックが集中する といった要因により、社内ネットワーク内でデータ転送が滞り、SharePointへのアクセスが遅くなることがあります。
  • VPN接続によるオーバーヘッド:
    • 在宅勤務などでVPN(仮想プライベートネットワーク)経由でSharePointにアクセスしている場合、VPNの暗号化や経路最適化の処理が追加されるため、直接接続に比べて通信速度が低下しやすくなります。VPNサーバーの負荷が高い場合も同様です。
  • DNS解決の遅延:
    • SharePointのURLからIPアドレスを解決するDNSサーバーの応答が遅いと、ページの読み込みが始まるまでに時間がかかります。
  • プロキシサーバーやファイアウォールの設定(SharePoint Online):
    • 企業で導入しているプロキシサーバーやファイアウォールの設定が、Microsoft 365への通信を遅延させたり、一部をブロックしたりしている可能性があります。特に、SSLインスペクション(SSL通信の中身を検査する機能)が有効になっていると、パフォーマンスに影響が出やすいです。

改善策

  • インターネット回線の増強を検討する:
    • 光回線など、より高速なインターネットサービスプロバイダー(ISP)への変更や、現在の契約プランの帯域アップグレードを検討します。特にクラウドサービスを多用する企業では、適切な帯域確保が不可欠です。
  • 社内ネットワークインフラの診断と改善:
    • ネットワーク専門家による診断を行い、古いケーブルや機器の交換、Wi-Fiアクセスポイントの増設と配置最適化などを実施します。VLANの導入やトラフィックシェーピングにより、ネットワーク混雑を緩和することも有効です。
  • VPN接続の見直し:
    • 可能であれば、Split Tunneling(特定トラフィックのみVPN経由)の導入や、VPNサーバーの増強、あるいはMicrosoft 365アクセスに特化した高速接続サービス(Direct Routingなど)の検討をします。
  • DNSサーバーの最適化:
    • 高速なDNSサーバー(例えば、Google Public DNSやCloudflare DNSなど)の利用を検討したり、社内DNSサーバーのパフォーマンスを診断・改善したりします。
  • プロキシサーバー/ファイアウォール設定の最適化:
    • Microsoft 365の公式推奨URLおよびIPアドレス範囲をホワイトリストに追加し、SSLインスペクションの対象から除外することを検討します。これにより、TeamsやSharePointへの通信がスムーズになります。具体的なIPアドレス範囲はMicrosoftの公式ドキュメントで確認できます。

 

SharePointサイトやコンテンツの設計・構成の問題

SharePointサイトそのものの設計方法や、コンテンツの管理方法がパフォーマンスに大きく影響することがあります。

原因

  • 大量のアイテムやファイルを含むドキュメントライブラリ/リスト:
    • 一つのドキュメントライブラリやリストに、数万件、数十万件といった非常に多くのアイテム(ファイルやリスト項目)が保存されている場合、読み込みや検索のパフォーマンスが著しく低下します。特に、ビューで表示する項目が多い場合や、複雑なフィルター、並び替えが適用されている場合に顕著です。
  • 複雑な権限設定や過度な「固有のアクセス許可」:
    • サイト全体ではなく、個々のフォルダーやファイルに細かく異なるアクセス権限(固有のアクセス許可)が設定されている場合、システムがアクセス可否を判断する際にオーバーヘッドが発生し、ページの読み込みやファイルアクセスが遅くなります。特に、継承を中止したアイテムが多数存在するサイトでこの問題が顕著です。
  • Webパーツの多用や未最適化なカスタマイズ:
    • 一つのページに多数のWebパーツ(特に、外部サービスからの情報を取得するWebパーツや、複雑なJavaScriptを含むカスタムWebパーツ)を配置しすぎると、ページのレンダリングに時間がかかります。
    • サポートされていない古いJavaScriptやCSSによるカスタマイズが、モダンSharePointのパフォーマンスを阻害することがあります。
  • 大きな画像や動画ファイルの直接埋め込み:
    • SharePointのページ(ニュースやWiki)に、圧縮されていない高解像度の画像や、直接動画ファイルを埋め込むと、ページの読み込み時間が大幅に長くなります。
  • サイトコレクション/サイトの肥大化:
    • 長期間運用しているサイトコレクションやサイトが、不要なデータや古いバージョン情報で肥大化している場合、全体的なパフォーマンスに影響が出ることがあります。

改善策

  • ドキュメントライブラリ/リストの最適化:
    • フォルダー構造の最適化: 大量のファイルを一つのライブラリに置かず、目的別に複数のドキュメントライブラリに分割したり、適切なフォルダー構造を設計したりします。
    • ビューの最適化: 1つのビューに表示するアイテム数を制限(例:5000アイテム制限)し、フィルターや並び替えを効率的に利用します。インデックス列を作成することで、大量のリストやライブラリでの表示パフォーマンスを向上させられます。
    • メタデータの活用: フォルダー構造に過度に依存せず、メタデータ(コンテンツタイプや列)を積極的に活用することで、検索や絞り込みを高速化し、管理しやすい状態を保てます。
  • アクセス権限管理の簡素化:
    • 「最小権限の原則」の徹底: 必要最小限の権限のみを付与し、不必要なアクセス権限を排除します。
    • グループの活用: 個々のユーザーに直接権限を付与するのではなく、Microsoft 365グループ、セキュリティグループ、SharePointグループを活用し、グループ単位で権限を管理します。これにより、権限管理の複雑さを軽減し、オーバーヘッドを減らせます。
    • 「固有のアクセス許可」の抑制: 可能な限りサイトやドキュメントライブラリ単位での権限継承を維持し、個別のフォルダーやファイルでの「権限の継承を中止」は最後の手段とします。もし固有のアクセス許可が多い場合は、別のサイトコレクションへの移動や、専用のサイトを設けることを検討します。
  • Webパーツとカスタマイズの精査:
    • Webパーツの見直し: ページに配置しているWebパーツの数を減らしたり、パフォーマンスに影響を与えているWebパーツを特定し、代替案を検討したりします。
    • モダンUIへの移行とSPFxの活用: 古いバージョンのSharePointや、JavaScript注入などのレガシーなカスタマイズがパフォーマンス問題を引き起こしている場合、モダンUIへの移行を推進し、SharePoint Framework (SPFx) を利用したモダンでパフォーマンスに配慮したカスタマイズに切り替えることを検討します。
  • 画像や動画の最適化:
    • Webページに埋め込む画像は、適切なサイズにリサイズし、WebPやJPEG2000などのWeb向けに最適化された形式で保存・圧縮します。
    • 動画ファイルはSharePointに直接埋め込まず、Microsoft Streamなどのストリーミングサービスにアップロードし、そのリンクをSharePointページに埋め込むことで、ページの読み込み速度を向上させます。
  • サイトの棚卸しとクリーンアップ:
    • 使われていないサイトコレクションやサイト、古いドキュメントライブラリ、不要なファイルなどを定期的に棚卸しし、アーカイブまたは削除します。これにより、SharePoint全体の負荷を軽減できます。

クライアント側の環境問題

ユーザーがSharePointにアクセスしているPCやブラウザの環境も、パフォーマンスに影響を与えることがあります。

具体的な原因

  • ブラウザのキャッシュやCookieの問題:
    • ブラウザに蓄積されたキャッシュやCookieが破損している、または古すぎる情報を持っているために、ページの読み込みや表示に問題が発生することがあります。
  • 古いバージョンのブラウザを使用:
    • お使いのWebブラウザが古いバージョンだと、SharePointの最新のレンダリング技術や通信プロトコルに対応できず、パフォーマンスが低下することがあります。
  • ブラウザの拡張機能やアドオンの干渉:
    • インストールされているブラウザの拡張機能やアドオンが、SharePointのページの読み込みやスクリプトの実行に干渉し、速度低下を引き起こすことがあります。
  • PCの性能不足やリソース不足:
    • 使用しているPCのメモリが少ない、CPUの処理能力が低い、または同時に多くのアプリケーションが起動していてリソースを消費している場合、ブラウザの動作が重くなり、SharePointの読み込みも遅く感じられます。
  • OneDrive同期クライアントの問題:
    • OneDrive同期クライアントが大量のファイルを同期中であったり、同期エラーを頻繁に起こしていたりすると、PCのリソースを消費し、SharePointへのアクセス速度に影響を与えることがあります。

改善策

  • ブラウザのキャッシュとCookieをクリアする:
    • これが最も一般的で効果的な解決策の一つです。ブラウザの設定から、閲覧履歴データ(キャッシュされた画像とファイル、Cookieと他のサイトデータ)を「すべての期間」でクリアします。その後、ブラウザを再起動して試してみてください。
  • ブラウザを最新バージョンに更新する:
    • 常にGoogle Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefoxなどの主要なブラウザを最新の状態に保ちましょう。ブラウザは自動的に更新されることが多いですが、手動で確認することも可能です。
  • ブラウザの拡張機能/アドオンを一時的に無効にする:
    • すべての拡張機能を一時的に無効にして、SharePointのパフォーマンスが改善するか確認します。もし改善が見られたら、一つずつ有効に戻して、どの拡張機能が原因かを特定します。原因の拡張機能は、削除するか、代替ツールを探します。
  • PCのリソースを確認・改善する:
    • タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(Mac)で、CPUやメモリの使用状況を確認します。もしリソースが逼迫している場合は、不要なアプリケーションを閉じる、あるいはPCのメモリ増設やストレージのSSD化などを検討します。
  • OneDrive同期クライアントの確認:
    • OneDriveの同期状況を確認し、同期エラーがないか、大量の同期キューがないかを確認します。必要に応じて、同期を一時停止したり、問題のある同期フォルダーを特定して解決したりします。

Microsoft 365サービス側の問題(SharePoint Online)

稀ではありますが、Microsoftのデータセンター側で一時的な障害やメンテナンスが発生しているために、パフォーマンスが低下することもあります

具体的な原因

  • Microsoft 365のサービス障害:
    • Microsoft 365全体、またはSharePoint Onlineサービスに、一時的なシステム障害やメンテナンス作業が発生している場合、広範囲でパフォーマンスの問題が発生します。
  • データセンター間の通信遅延:
    • ユーザーの地理的な位置と、アクセスしているSharePointのデータセンターの物理的距離が遠い場合、通信の遅延が発生しやすくなります。

改善策

  • Microsoft 365 サービス正常性ダッシュボードの確認:
    • 会社のMicrosoft 365管理者は、Microsoft 365管理センターにログインし、「サービス正常性」ダッシュボードで、現在発生しているサービス障害やメンテナンス情報を確認できます。もしここにSharePoint Onlineに関する情報があれば、それはMicrosoft側の問題であり、回復を待つしかありません。
  • Microsoftの推奨事項に従う:
    • Microsoftは、SharePoint Onlineのパフォーマンスを最大限に引き出すための推奨事項(ネットワーク構成、クライアント設定など)を公開しています。これらに従うことで、データセンターとの通信効率を改善できる可能性があります。

原因特定と継続的な改善が鍵

SharePointのダウンロードが遅い、読み込みが長いという問題は、利用者にとっては大きなストレスであり、業務効率に直接影響します。これらの問題は、単一の原因でなく、ネットワーク、サイト設計、クライアント環境、そして稀にサービス側の問題が複合的に絡み合って発生することがほとんどです。

今回ご紹介した様々な原因と改善策を一つずつ確認し、自社の環境に合った対策を講じることが重要です。特に、社内ネットワーク環境の最適化、SharePointサイトの適切な設計とコンテンツ管理、そしてユーザーへの定期的なブラウザキャッシュクリアの推奨は、多くのケースで効果を発揮するでしょう。

継続的な監視と改善を心がけることで、快適で生産性の高いSharePoint環境を維持し、あなたの業務をさらにスムーズに進めていきましょう。