Power Automate「メール送信のV2とV3」って何が違うの?最新機能でメール送信を最適化!
「Power Automate(パワー・オートメイト)でメールを送るアクションを選んだら、『メールを送信する (V2)』と『メールを送信する (V3)』って出てきたんだけど、これって何が違うんだろう?」「新しいバージョンの方が良いのかな?使って大丈夫かな?」
こんな風に感じたことはありませんか? Power Automateは、日々進化しており、コネクタのアクションにも新しいバージョンが追加されることがあります。「V2」や「V3」といったバージョン番号は、そのアクションが提供する機能や内部の仕組みが更新されたことを示しています。メール送信は非常に頻繁に使われるアクションなので、この違いを理解することは、フローの信頼性や機能性を高める上で非常に大切です。
Power AutomateのOutlookコネクタにおける「メールを送信する (V2)」と「メールを送信する (V3)」の違いは、その進化の過程で追加された機能や改善点によるものです。一般的に、新しいバージョンであるV3の方が、より多くの機能や改善が加えられています。
Power Automateの「コネクタのバージョン」ってどういう意味?
Power Automateは、OutlookやSharePoint(シェアポイント)といった様々なサービスと連携するために「コネクタ」というものを使います。このコネクタが提供する具体的な操作(例えば「メールを送信する」)を「アクション」と呼びます。時々、このアクション名の後ろに「(V2)」や「(V3)」といったバージョン番号が付いていることがあります。
なぜバージョンが上がるのか?その理由
コネクタのアクションにバージョン番号が付くのは、マイクロソフトがそのアクションを改善したり、新しい機能を追加したり、あるいは古い技術から新しい技術へ切り替えたりするためです。
- 機能の追加: 新しいバージョン(例: V3)では、V2にはなかった新しい設定項目やオプションが追加されることがあります。例えば、メールの重要度を設定できるようになる、より詳細なHTML本文の制御が可能になる、といった具合です。
- パフォーマンスの改善: 内部的なコードの最適化により、アクションの実行速度が向上したり、より安定して動作するようになったりすることがあります。
- 不具合の修正: 以前のバージョンで見つかった不具合やバグが修正され、より信頼性の高いアクションになります。
- 基盤技術の変更: 裏側で呼び出すAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)のバージョンが上がったり、新しいAPIに切り替わったりすることがあります。これにより、より最新の技術やセキュリティ基準に対応できるようになります。
- 古いバージョンの「非推奨化」: 新しいバージョンが提供されると、古いバージョンは「非推奨」となることがあります。非推奨になったアクションは、新しいフローを作成する際には表示されなくなりますが、既存のフローでは引き続き動作することが多いです。しかし、将来的に完全に利用できなくなる可能性もあるため、新しいバージョンへの移行が推奨されます。
「メールを送信する (V2)」アクションの特徴とできること
「メールを送信する (V2)」は、Power Automateでメールを送信するための基本的な機能を提供してきたアクションです。多くのフローで現在も利用されています。
基本的なメール送信機能を提供
V2アクションは、メールを送信する上で必要な基本的な機能を網羅しています。
- 宛先(To): メールの送信先を設定できます。
- CC(Cc)とBCC(Bcc): 必要に応じてカーボンコピーやブラインドカーボンコピーの宛先も設定できます。
- 件名(Subject): メールの件名を設定できます。
- 本文(Body): メールの本文を設定できます。HTML形式で記述することも可能で、文字の装飾やリンクの埋め込みなどができます。
- 添付ファイル(Attachments): ファイルをメールに添付して送信できます。
差出人がフローの実行者になることが多い
V2アクションは、フローを実行したユーザー(フローを作成・所有しているアカウント、またはフローが共有され実行されたユーザー)のOutlookメールアドレスを差出人としてメールを送信することが一般的です。つまり、フローから送られたメールの差出人は、実際にそのフローを動かした個人の名前やメールアドレスになります。
今も多くの既存フローで利用中
V2アクションは、今でも多くの既存のPower Automateフローで利用されており、機能的な問題がなければそのまま動作し続けます。マイクロソフトは、新しいフローを作成する際にはV3への移行を促していますが、既存のV2アクションがすぐに使えなくなるわけではありません。
「メールを送信する (V3)」アクションの特徴と強化された機能
「メールを送信する (V3)」は、V2の後継として登場した、より新しいメール送信アクションです。V2の基本的な機能に加え、いくつかの重要な改善や機能強化が加えられています。
1. 差出人の設定に関する柔軟性の向上
V3アクションにおける最も大きな変更点の一つは、メールの「差出人」に関する挙動の改善です。
- より汎用的な差出人: V3アクションは、V2のようにフローの実行者のメールアドレスが直接差出人となるのではなく、多くの場合、「
microsoft@powerapps.com」のような汎用的なメールアドレス、または「Microsoft Power Automate」といったサービス名が差出人として表示される傾向があります。これにより、自動送信メールが特定の個人から送られたように見えず、よりシステムからの通知らしい印象を与えることができます。これは、自動化されたメールが、個人のメールボックスに紐づかないようにしたい場合に非常に便利です。 - 共有メールボックスからの送信の強化: 共有メールボックスからメールを送信する際の安定性や機能が向上しています。これにより、特定の部門(例: 経理部、人事部)の代表メールアドレスから自動メールを送信するシナリオがよりスムーズに実現できます。
2. アクションカード(アダプティブカード)の送信対応
V3アクションは、Outlookのメールで「アクションカード」(アダプティブカード)を送信する機能をサポートしています。
- アダプティブカードとは: これは、メール本文の中にボタンや入力欄、特定のレイアウトを持ったリッチなカード形式のメッセージを埋め込むことができる機能です。例えば、承認依頼のメールに「承認」と「却下」のボタンを直接表示させ、受信者がメールの中でボタンをクリックするだけで応答できるようにします。
- よりインタラクティブなメール: これにより、通常のHTMLメールよりも、受信者にとってより分かりやすく、直感的に操作できるメールを送信することが可能になります。承認フローなどで、ユーザーの応答を効率的に収集する際に非常に有効です。
3. HTMLコンテンツの処理の安定性向上
HTML形式のメール本文を扱う際の安定性やレンダリングの精度が向上しています。複雑なHTMLコードを含むメールを送信する場合でも、V3アクションの方がレイアウト崩れなどの問題が発生しにくくなっています。
4. その他細かな改善と基盤技術の更新
V3は、内部的なAPI呼び出しの最適化や、基盤技術の更新が行われているため、V2よりも安定性やパフォーマンスが向上している場合があります。また、セキュリティ関連の改善も含まれることがあります。
4. 「メールを送信する」アクションを選ぶ際の判断基準と移行
現在、新しくフローを作成する際には、基本的にV3アクションが推奨されています。
新規フローでどちらを選ぶか?
- 基本はV3アクションを選択する:新しくフローを作成する場合は、原則として「メールを送信する (V3)」アクションを選択することを推奨します。V3の方が新しい機能が利用でき、将来的なサポートも期待できるためです。通常、Power Automateで「メールを送信する」と検索すると、V3アクションが優先的に表示されるはずです。
- V2アクションが非推奨になっている場合:マイクロソフトは、一部のV2アクションをフロー作成時のメニューから非表示にしています。これは、V3への移行を促すためです。もしV2アクションを探しても見つからない場合は、V3を使うべきです。
既存のV2アクションをV3に移行すべきか?
既存のフローで「メールを送信する (V2)」アクションを使用している場合、すぐにV3へ移行しなければならないという緊急性はありません。V2アクションは非推奨になっても、多くの場合、引き続き動作し続けます。
ただし、以下のような場合は、V3への移行を検討することをお勧めします。
- 新しい機能を使いたい場合: V3で提供されるアクションカードの送信や、より柔軟な差出人の制御が必要な場合。
- 動作が不安定な場合: 既存のV2アクションを使用しているフローで、メール送信に関する不具合や不安定な挙動が見られる場合。V3にすることで問題が解決する可能性があります。
- 長期的な運用を考える場合: 将来的にV2アクションが完全に廃止される可能性もゼロではないため、長期的な視点で見ればV3への移行は推奨されます。
V2からV3への移行方法
既存のフローのV2アクションをV3に置き換えるには、以下の手順を行います。
- フローを編集モードで開きます。
- V2アクション(例: 「メールを送信する (V2)」)のすぐ下に「新しいステップ」を追加します。
- 検索ボックスに「メールを送信する」と入力し、「メールを送信する (V3)」アクションを選択します。
- V2アクションで設定していた宛先、件名、本文、添付ファイルなどの設定を、V3アクションにコピー&ペーストで移行します。この際、動的なコンテンツも適切に再選択してください。
- V2アクションを無効にするか、または削除することで、V3アクションに切り替えます。
- フローを保存し、テストを実行して、メールが正しく送信されるか確認します。
「メール送信のV2とV3」は機能と安定性の進化の証
Power AutomateのOutlookコネクタにおける「メールを送信する (V2)」と「メールを送信する (V3)」の違いは、機能の追加、安定性の向上、そして基盤技術の更新によるものです。V3アクションは、より柔軟な差出人設定や、アダプティブカードの送信といった新しい機能を提供し、メール送信の自動化をさらに強力にしています。
新しいフローを作成する際にはV3アクションを選ぶのが基本ですが、既存のV2アクションが動作している場合は、必要に応じてV3への移行を検討しましょう。これにより、Power Automateのメール送信機能を最大限に活用し、業務の効率化をさらに進めることができるはずです。

