Power Automateで開発できる言語は?わかりやすく説明

Power Automateで「自動化を作る」時に使う「言葉」とは?プログラミング知識がなくても大丈夫!

 

「Power Automate(パワー・オートメイト)で自動化の仕組みを作るって聞いたけど、開発できる『言語』って一体何を使うんだろう?」「プログラミングの経験がないから、難しそうな『言語』を覚えなきゃいけないのかな?それだとちょっと不安だな…」

こんな風に感じたことはありませんか? 「開発」という言葉を聞くと、Java(ジャバ)やPython(パイソン)、C#(シーシャープ)のような、専門的なプログラミング言語を思い浮かべるかもしれません。しかし、ご安心ください! Power Automateは、そうした伝統的なプログラミング言語をほとんど使わずに、誰でも自動化の仕組みを作成できるよう設計されています


 

「開発できる言語」ってどういう意味?Power Automateの特殊性

Power Automateは、「ローコード/ノーコード」と呼ばれるツールの代表格です。「ローコード」とは、コード(プログラムの命令文)をほとんど書かずに、あるいは全く書かずに、ソフトウェアやシステムを開発できることを意味します。この特性が、Power Automateで開発する「言語」の特殊性につながっています。

 

伝統的なプログラミング言語は「主役」ではない

まず大前提として、Power Automateのフロー(自動化の仕組み)の大部分は、JavaやPython、C#のような伝統的なプログラミング言語を使って書かれるわけではありません。そのため、「特定のプログラミング言語を習得しないと開発できない」という心配はほとんどいりません。

 

「設定を選ぶ」「式を書く」「流れを作る」のが開発の言葉

Power Automateにおける「開発」の言葉は、主に以下の3つの要素で構成されます。

  1. 視覚的な操作: マウスを使って画面上の部品を選んだり、配置したりする。
  2. 設定を選ぶ: ドロップダウンメニューから項目を選んだり、チェックボックスにチェックを入れたりする。
  3. 簡単な記述: 必要に応じて、特定のルールに従った短いテキスト(「式」と呼ばれるもの)を書く。

これらの組み合わせによって、フローの「ロジック」(論理的な流れ)を構築していくのが、Power Automateにおける開発の「言葉」なのです。


 

Power Automateの「主な開発言語」:視覚的な操作と簡単な「式」

Power Automateで最も頻繁に、そして中心的に使われる「言葉」は、視覚的な操作と、Excelの数式に似た「式」です。

 

1. 視覚的なフローデザイナー(最も分かりやすい言葉)

Power Automateで自動化の仕組みを作る際の主役は、「視覚的なフローデザイナー(ビジュアル・フロー・デザイナー)」です。これは、プログラミング言語の知識がなくても、直感的にフローを構築できる「言葉」です。

  • ドラッグ&ドロップでステップを配置: 画面上で、フローの各ステップ(トリガーやアクション)を、まるでブロックを積み木のように、上から下へ、あるいは横に分岐させながら配置していきます。
  • 設定画面でオプションを選択: 各ステップをクリックすると、その詳細な設定画面が表示されます。そこで、ドロップダウンメニューから選択肢を選んだり、チェックボックスにチェックを入れたり、簡単なテキストボックスに情報を入力したりします。
  • 動的なコンテンツの活用: 前のステップで取得したデータ(例: メール送信者の名前、SharePointのファイル名など)を、次のステップの入力欄に「動的なコンテンツ」として簡単に挿入できます。これは、自動的に正しい情報を引き継ぐための、非常に便利な「言葉」です。

この視覚的な操作こそが、Power Automateにおける最も基本的で、そして最も主要な「開発言語」と言えるでしょう。プログラミングの経験がない方でも、この視覚的なインターフェースを通じて、まるで絵を描くように、フローのアイデアを形にすることができます。

 

2. 式(Expression):Excelの数式に似た「小さなプログラミング言語」

フローをより柔軟に、そして複雑な条件に対応させるために使うのが、「式(エクスプレッション)」です。これは、Excelのセルに入力する数式(例: SUM(A1:A5))に非常によく似た「小さなプログラミング言語」だと考えてみてください。

  • 何に使う?
    • データの加工: 取得した文字列の一部を抜き出したり、日付の表示形式を変えたり、数値の計算をしたりします。例えば、「今日の3日後の日付」を計算したり、「メールの件名から特定のキーワードだけを抽出したり」する際に使います。
    • 条件の判定: 「もしAがBと等しいならば」といった、より複雑な条件を判定する際に使います。例えば、「ファイル名に『報告書』が含まれる」といった条件を設定できます。
    • 空の値の処理: データが空(Null)だった場合に、代わりに特定の値を表示するといった処理に使います。
  • 記述方法:アクションの設定画面で、テキストを入力する欄の横に「fx」のようなアイコンがある場合や、「動的なコンテンツ」のパネルの中に「式」タブがある場合に利用します。「concat(‘Hello, ‘, variables(‘UserName’))」のように、関数名と引数を指定して記述します。
  • 学習のポイント: 最初は少し難しく感じるかもしれませんが、よく使う関数(例: equals()contains()formatDateTime()addDays()など)をいくつか覚えるだけで、フローの表現力が格段に上がります。これは、Power Automateをより深く使いこなすための、非常に重要な「言葉」になります。

 

3. Power Automateをより深く使いこなすための「追加の言葉」

基本的な視覚的な操作や式以外にも、Power Automateの応用的な機能や、特定のシナリオで役立つ「言葉」があります。

 

1. JSON (JavaScript Object Notation):データのやり取りの標準形式

 

JSON(ジェイソン)」は、インターネット上でデータをやり取りするための、非常に一般的な形式です。Web API(Webサービス同士が情報をやり取りする窓口)と連携する際や、複雑なデータをフロー内で扱う際に、このJSON形式のデータを「読み込んだり」「生成したり」「解析したり」することがあります。

  • 何に使う?
    • 「HTTP要求を送信します」アクションを使ってWeb APIからデータを受け取る際、そのデータはJSON形式で返されることが多いです。
    • 受け取ったJSONデータの中から必要な情報を取り出すために、「JSONの解析(Parse JSON)」アクションを使います。この際、データの構造を定義する「スキーマ」というものを設定します。
  • 学習のポイント: JSONの基本的な構造({}でオブジェクト、[]で配列、"キー": "値"の組み合わせ)を理解しておくと、Webサービスとの連携が非常にスムーズになります。これは、Power Automateの連携能力を最大限に引き出すための重要な「言葉」になります。

 

2. Markdown:リッチなテキスト表現

Markdown(マークダウン)」は、簡単な記号を使って、テキストに太字や斜体、見出し、箇条書き、リンクなどの装飾を加えるためのシンプルな記述形式です。

  • 何に使う?
    • Teams(チームズ)にメッセージを投稿するアクションの本文や、メールの本文で、文字を装飾して見やすくしたい場合に使います。例えば、「これは太字です」と書くと太字で表示されます。
  • 学習のポイント: よく使うMarkdownの記号(**で太字、##で見出し、-で箇条書きなど)を覚えるだけで、通知やメッセージの視認性を高め、受け取る側にとってより分かりやすい情報を提供できるようになります。

 

3. HTML / CSS(限定的):Webページでの表現

HTML(エイチティーエムエル)」はWebページの構造を作るための言葉で、「CSS(シーエスエス)」は見た目を装飾するための言葉です。Power Automateで直接HTMLやCSSを「開発」することは通常ありませんが、特定の場面で利用されます。

  • 何に使う?
    • 「アダプティブカード」をTeamsに投稿する際に、そのカードのレイアウトや表示形式をJSONで定義しますが、そのJSONの内部でHTML/CSSのような概念が使われています。
    • メールを送信する際に、HTML形式のメールを作成したい場合に、本文をHTMLタグで記述することが可能です。
  • 学習のポイント: 複雑なHTML/CSSの知識は不要ですが、Webページに情報を表示する際の基本的な構造を理解しておくと、より表現豊かな通知やコンテンツを作成する際に役立ちます。

 

4. PowerShell / C# / Pythonなどの「伝統的なプログラミング言語」(特定の連携時)

Power Automate自体はノーコード/ローコードですが、特定の高度なシナリオでは、これらの伝統的なプログラミング言語と「連携」する形で利用されることがあります。これは、Power Automateの「主役」としてこれらの言語を使うわけではありません。

  • 何に使う?
    • Power Automate Desktop(RPA): パソコンの画面操作を自動化するデスクトップフローでは、Windowsのシステムコマンドを直接実行したり、一部の複雑な処理でPowerShell(パワーシェル)やPython(パイソン)のスクリプトを呼び出したりすることが可能です。
    • カスタムコネクタ: 既存の標準コネクタでは対応できない、自社システム独自のAPIや特殊なWebサービスと連携したい場合、そのAPIを呼び出すための「カスタムコネクタ」を自分で作成することがあります。このカスタムコネクタの作成には、APIの知識や、場合によってはC#(シーシャープ)などのプログラミング言語の知識が必要となることがあります。
    • Azure Functionsなどクラウドサービスとの連携: Power Automateのフローから、より複雑な計算処理や大規模なデータ処理を専門とするAzure Functions(アジュール・ファンクションズ)などのクラウドサービスを呼び出すことがあります。これらのクラウドサービスは、C#やPython、JavaScriptなどでプログラムが書かれています。
  • 学習のポイント: これらはPower Automateを「超える」機能が必要な場合に登場するものであり、Power Automate開発の入門段階で必須となる知識ではありません。

 

Power Automateの「言葉」を理解して、自動化を加速しよう!

Power Automateで「自動化を作る」際に使う「言葉」は、伝統的なプログラミング言語だけではありません。むしろ、視覚的な操作と簡単な「式」が中心となります。

  • 主役は「視覚的なフローデザイナー」: マウス操作でブロックを配置し、設定を選ぶだけでフローのほとんどが作れます。
  • 表現力を高める「式」: Excelの数式に似た「式」を使って、データの加工や条件設定を細かく制御できます。
  • データの受け渡しには「JSON」: Webサービスとの連携には、JSON形式のデータが使われることを理解しておくと便利です。
  • その他、MarkdownやHTML: メッセージの見た目を整えるのに役立ちます。
  • 特別なシナリオでは「伝統的な言語」とも連携: Power Automate Desktopやカスタムコネクタ、Azureサービスと連携する際に、限定的にプログラミング言語が登場することもありますが、これはあくまで応用編です。

これらの「言葉」を理解し、適切に使いこなすことで、あなたはプログラミングの経験がなくても、Power Automateで多岐にわたる業務を自動化し、あなたの働き方を劇的に変革できるようになるでしょう。