Power AutomateでExcelの特定のセルにデータを転記したい・手順をわかりやすく説明

Power AutomateでExcelの「特定のセル」にデータを自動転記する方法:レポート更新やダッシュボード作成を効率化!

 

Excel(エクセル)の特定のセルにデータを自動的に書き込みたいと感じたことはありませんか? 例えば、「今日の売上合計をExcelのA1セルに自動で入れたい」「最新の在庫数をB5セルに自動で更新したい」といった場合です。手作業でExcelファイルを開き、毎回同じセルに数字をコピー&ペーストするのは、時間も手間もかかり、転記ミスも発生しがちですよね。

Microsoft Power Automate(パワー オートメイト)を使えば、Excelファイル内の特定のセルに、あなたが指定したデータを自動的に書き込む仕組みを簡単に作成できます。これにより、あなたのExcelレポートやダッシュボードが常に最新の状態に保たれ、手動での更新作業から解放され、業務の効率が大きく向上します。


Excelの「特定のセルにデータを転記」ってどんなこと?

Power AutomateでExcelの「特定のセルにデータを転記する」とは、Excelファイル内の決まった場所(例えば「A1セル」や「B10セル」など、列と行で指定できる特定のマス目)に、あなたが指定した文字列や数値などの情報を自動的に書き込む操作を指します。

 

なぜ特定のセルにデータを転記したいのか?そのメリット

Excelの特定のセルにデータを自動転記することには、たくさんの良い点があります。

  • 自動レポート更新: 毎日、毎週更新されるレポートの要約部分や、グラフの元となる特定の数字を自動で更新できます。これにより、常に最新のレポートが準備された状態を維持できます。
  • ダッシュボードの自動化: Excelで作成されたダッシュボードのキーとなる数値を自動で更新することで、常にリアルタイムに近い情報が反映されたダッシュボードとして機能させることができます。
  • データの集約と表示: 複数のシステムから取得した異なる種類のデータを、一つのExcelファイルの特定の場所に集約して表示したい場合に便利です。
  • 手作業の削減とヒューマンエラー防止: 手動でExcelファイルを開き、目的のセルを探してデータをコピー&ペーストする手間がなくなります。これにより、転記忘れや入力ミスといった人為的なエラーを根本から防ぐことができます。
  • 業務プロセスの効率化: データ収集からExcelへの反映、そしてその後の共有までの一連の業務プロセスを自動化の対象とすることができます。

 

Power AutomateでExcelの「特定のセル」にデータを書き込む主な方法

Power AutomateでExcelの特定のセルにデータを書き込むには、「Excel Online (Business)」コネクタの「ワークシートに書き込みます」アクションを使います。このアクションは、SharePoint(シェアポイント)やOneDrive(ワンドライブ)などのクラウドストレージに保存されているExcelファイルに対して利用できます。

「ワークシートに書き込みます」アクションの仕組み

このアクションは、指定されたExcelファイルを開き、指定されたワークシート(シート名)の、指定されたセルアドレス(例: “A1″)に、あなたが与える「値」を書き込みます。この操作はすべてクラウド上で行われるため、あなたのパソコンにExcelアプリがインストールされている必要はありません。

 

Excelファイルと「ワークシート名」の準備

まず、データを書き込みたいExcelファイルがSharePointまたはOneDriveに保存されていることを確認してください。また、データを書き込みたい「ワークシート名」(例: “Sheet1” や “集計シート” など)を明確にしておきましょう。もし、そのシートが存在しない場合、このアクションはエラーになることがあります。


 

Excelの「特定のセル」にデータを書き込む具体的な手順

ここでは、「SharePointのリストからある情報を取得し、それをExcelファイルの特定のセルに転記する」というフローを例に、具体的な作成手順をステップバイステップで解説します。

 

事前準備:Excelファイルとデータソースの作成

  1. 転記先のExcelファイルを作成します。SharePoint(推奨)またはOneDriveに新しいExcelファイルを作成し、ファイル名を「売上サマリー.xlsx」など、分かりやすい名前にします。このExcelファイルを開き、例えば「Sheet1」の「A1」セルに「総売上」という見出しを、「B1」セルに「最終更新日時」という見出しを入れておきます。
  2. 転記したいデータがある場所を準備します。今回は例としてSharePointリストのデータを使うとします。例えば、SharePointに「日次売上データ」というリストがあり、そこに日々の売上データが記録されていると仮定します。

 

ステップ1:Power Automateで新しいフローを作成する

今回は、特定の時間になったら自動でExcelを更新するフローを例にします。

  1. ウェブブラウザでPower Automateのサイト(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。
  2. 左側のメニューから「作成」をクリックします。
  3. 表示されるフローの種類の選択肢の中から、「スケジュール済みクラウド フロー」(毎日、毎週など、特定のスケジュールで自動実行)を選択してください。
  4. フローに分かりやすい名前を付けます(例:「日次売上サマリー更新」)。
  5. トリガーのスケジュールを設定します(例: 「繰り返し」で毎日午前9時に実行)。
  6. 作成」ボタンをクリックします。

 

ステップ2:Excelに転記したい「データ」を取得・準備します。

Excelの特定のセルに書き込むための「値」を用意します。これは、前のステップで計算したり、他のシステムから取得したりします。

  1. 「繰り返し」トリガーの下に「新しいステップ」をクリックします。
  2. 例として、SharePointリストから最新の売上データを取得し、その合計値を計算するとします。
    • 検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「アイテムを取得します (SharePoint)」アクションを選択してください。
      • サイトのアドレス: 「日次売上データ」リストがあるSharePointサイトのURLを選択または入力します。
      • リスト名: 「日次売上データ」リストを選択します。
      • フィルタークエリ: 必要であれば、今日の日付のデータだけを絞り込むなどのフィルターを設定します。
    • 次に「新しいステップ」を追加し、「変数」と入力して「変数を初期化します」アクションを選択してください。
      • 名前: varTotalSales
      • 種類: 整数 (または浮動小数点数)
      • : 0 (初期値)
    • さらに「新しいステップ」を追加し、「コントロール」から「Apply to each」(各項目に適用)アクションを選択してください。
      • 「以前の手順から出力を選択」フィールドに、動的なコンテンツから「アイテムを取得します」アクションの「」を選択します。
    • 「Apply to each」ブロックの中に「アクションの追加」をクリックし、「変数」から「変数を増やす」アクションを選択してください。
      • 名前: varTotalSales
      • : 動的なコンテンツから、取得したリストの「売上」列のデータを選択します。(例: 「売上」という列があればそれを選択)
    • 【解説】: これで、リストのすべての売上データを合計した値がvarTotalSalesに格納されます。

 

ステップ3:Excelの「特定のセル」にデータを書き込むアクションを追加します。

合計売上データが準備できたら、それをExcelの特定のセル(例: “B2″)に転記します。

  1. 先ほどの「Apply to each」アクションの外側(つまり、ループが完了した後に実行されるように)に「新しいステップ」をクリックします。
  2. 検索ボックスに「Excel Online」と入力し、「ワークシートに書き込みます (Excel Online (Business))」アクションを選択してください。
  3. アクションの詳細を設定します。
    • 場所: Excelファイルが保存されているSharePointサイト(またはOneDrive for Business)を選択します。
    • ドキュメント ライブラリ: Excelファイルが保存されているドキュメントライブラリ(例: 「共有ドキュメント」)を選択します。
    • ファイル: データ転記先のExcelファイル名(例: 「売上サマリー.xlsx」)を選択します。
    • ワークシート名: データを書き込みたいExcelシートの名前を入力します(例: 「Sheet1」)。
    • アドレス: データを書き込みたい特定のセルのアドレスを正確に入力します(例: 「B2」)。
    • : そのセルに書き込みたいデータです。今回は、先ほど計算した合計売上である変数「varTotalSales」を動的なコンテンツとして選択します。
  4. (オプション)もう一つ「ワークシートに書き込みます」アクションを追加し、最終更新日時を記録します。
    • 上記と同様にアクションを追加し、アドレスを「B1」など、最終更新日時を記録したいセルに設定します。
    • : 「」タブを選択し、「formatDateTime(utcNow(), 'yyyy/MM/dd HH:mm:ss')」と入力します。これにより、フローが実行された現在の日時が「年/月/日 時:分:秒」の形式で自動的に書き込まれます。

 

ステップ4:フローを保存してテストする

すべての設定が完了したら、フローを保存してテストしましょう。

  1. 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
  2. テスト」ボタンをクリックし、「手動」を選択してテストを開始します。
  3. テストが完了するのを待ちます。その後、SharePoint(またはOneDrive)に保存されている「売上サマリー.xlsx」ファイルを開き、指定したセル(例: B2とB1)にデータが正確に転記され、更新日時も記録されているかを確認してください。

これで、Excelの特定のセルにデータを自動転記する基本的なフローが完成し、自動で動作するようになります。


Excelの特定セルへの転記を確実・スムーズに実現するための「大切なポイント」

Power AutomateでExcelの特定のセルにデータを自動転記する機能は非常に便利ですが、そのメリットを最大限に引き出し、スムーズな運用を実現するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処する必要があります。

1. Excelファイルの「ワークシート名」と「セルアドレス」を正確に指定する

Power Automateがデータを書き込むためには、Excelファイル内の「どのワークシートの」「どのセル」に書き込むかを正確に指定する必要があります。

  • ワークシート名: Excelファイルのシート名(例: “Sheet1” や “集計シート”)に誤字脱字がないか確認してください。もしシート名がフローの実行中に変更される可能性がある場合は、シート名を動的に取得するロジックを検討する必要があるでしょう。
  • セルアドレス: セルのアドレス(例: “A1″、”B5″)を正確に入力してください。アドレスが間違っていると、意図しないセルにデータが書き込まれたり、エラーになったりします。

 

2. データ型の整合性を確認する

Excelのセルには、数値、文字列、日付など、様々なデータ型があります。Power Automateから書き込むデータが、そのセルのデータ型や、あなたが期待する形式に合っているかを確認することが重要です。

例えば、Excelのセルが「数値」形式なのにPower Automateから「文字列」を送ってしまうと、Excel上で計算ができなくなる場合があります。Power Automateの「式」(Expression)や「作成」(Compose)アクションを使って、データを適切なデータ型に変換する処理(例: int(), string(), formatDateTime() など)を挟むことを検討してください。

 

3. Excelファイルが「開かれている」状態に注意する

更新したいExcelファイルが他のユーザーによってExcelアプリ(特にデスクトップ版Excel)で開かれている場合、ファイルがロックされてしまい、Power Automateからの書き込みが失敗することがあります。

  • フローの実行時間を、そのファイルが使われていない時間帯(例えば深夜や早朝など)に設定することを検討してください。
  • Excel Online (Business) コネクタは、共同編集中のファイルにも書き込めますが、競合が発生する可能性はゼロではありません。
  • エラーハンドリングを設定し、ファイルがロックされていた場合に、エラー通知を送ったり、数分待ってから再試行したりするロジックを組み込むことも有効です。

 

4. 権限が適切であることを確認する

Excelファイルにデータを書き込むためには、フローが使用するアカウントが、そのExcelファイルが保存されているSharePointやOneDriveの場所に対して、「編集」権限(または「共同作成者」以上の権限)を持っている必要があります。権限が不足していると、書き込み操作が拒否されてエラー(401や403エラーなど)になります。

 

5. エラー通知と監視を設定する

Excelへのデータ転記は、データに直接影響を与える重要な操作です。予期せぬ問題(Excelファイルがロックされる、ネットワークエラーなど)でフローが失敗した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定し、Power Automateのフローがエラーになったことを、自動でメールやTeams(チームズ)に通知する仕組みを構築しておきましょう。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。

 

6. テスト環境での十分な検証

本番環境で実際にExcelファイルへのデータ転記を行う前に、必ずテスト環境でフローを十分にテストしてください。様々なシナリオ(例: Excelファイルがロックされている、転記データがない、データ型が異なる場合など)を想定してテストを行うことで、本番稼働後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズなデータ転記を保証できます。


 

Power AutomateでExcelのセルを自動更新し、データ管理を効率化しよう!

Power AutomateでExcelの特定のセルにデータを自動転記する方法は、あなたのExcelレポートやダッシュボードを常に最新の状態に保ち、データ管理を効率化するための強力な手段です。

  • Excel Online (Business)」コネクタの「ワークシートに書き込みます」アクションが主な方法です。
  • Excelファイルの「ワークシート名」と「セルアドレス」を正確に指定し、書き込みたいデータのデータ型が合っているかを確認することが重要です。
  • ファイルがロックされていないか、適切な権限があるか、そしてエラーハンドリングが設定されているかを確認することが成功の鍵となります。

これらの方法を上手に活用して、あなたのExcelファイルへのデータ転記を自動化し、業務の効率を飛躍的に向上させてくださいね。