Power Automat| PDFファイルを結合はできる?をわかりやすく説明・手順は?

Power AutomateでPDFファイルを「まとめて一つにする」方法:複数の資料を効率よく結合しよう!

 

「Power Automate(パワー・オートメイト)を使って、バラバラのPDFファイルを自動的に一つにまとめたいんだけど、どうすればいいの?」「毎月届く請求書PDFを、自動でまとめて一つのファイルに結合して、アーカイブしたいな…」

こんな風に感じたことはありませんか? PDFファイルは、見た目を崩さずに情報を共有するのにとても便利ですが、関連する複数のPDFファイルがバラバラに存在していると、管理や閲覧が少々手間になることがありますよね。例えば、複数の部署から集まった報告書を一つのPDFにまとめたい、顧客向けの資料が複数のPDFに分かれているのを統合したい、といったニーズはよくあります。

Microsoft Power Automateを使えば、特定のコネクタやツールと連携することで、複数のPDFファイルを自動的に結合し、一つの新しいPDFファイルとして出力する仕組みを構築できます。これにより、手作業でのPDF結合作業から解放され、ドキュメント管理の効率と正確性が飛躍的に向上します。


PDFファイルを「結合する」ってどんなこと?その大きなメリット

Power AutomateでPDFファイルを「結合する」(または「マージする」とも言います)とは、複数の独立したPDFファイルの内容を、順番通りに連結させ、一つの新しいPDFファイルとして出力することを指します。例えば、3ページのPDF、5ページのPDF、2ページのPDFを結合すると、合計10ページの新しいPDFファイルが作成される、というイメージです。

 

なぜPDFファイルを結合したいのか?その主なメリット

PDFファイルをPower Automateで自動的に結合することには、たくさんの良い点があります。

  • ドキュメント管理の効率化:バラバラに管理されていた関連資料を一つにまとめることで、ファイルを探す手間が省け、情報の整理がしやすくなります。これにより、ドキュメントの検索性やアクセス性が向上します。
  • 閲覧・共有の利便性向上:複数の資料を閲覧する際に、何度もファイルを開き直す必要がなくなります。一つのPDFを開くだけで全ての情報が確認できるため、閲覧者はよりスムーズに情報を得られます。また、一つのファイルを共有するだけで済むため、共有相手にとっても便利です。
  • 手作業の削減とヒューマンエラー防止:手動でのPDF結合作業は、専用ソフトを立ち上げ、ファイルを指定し、順番を並べ替えるなど、意外と手間がかかります。自動化することで、これらの作業から解放され、ファイル指定ミスや順番の間違いといった人為的なエラーを防ぐことができます。
  • 業務プロセスの標準化:例えば、月末に自動で集められる複数のレポートPDFを常に同じ形式で結合してアーカイブするといった業務プロセスを標準化できます。これにより、誰が作業しても同じ品質で出力されるようになります。
  • データアーカイブの最適化:過去の契約書やプロジェクト資料、請求書などをまとめて一つにすることで、アーカイブの管理が簡素化され、ストレージの効率的な利用にも繋がります。

Power AutomateでPDFファイルを結合する主な方法

Power AutomateでPDFファイルを結合するには、PDFの操作に特化したコネクタやツールと連携する必要があります。Power Automate自体が、標準でPDFの結合機能を持っているわけではありません。

 

方法1:Adobe Acrobat Servicesコネクタを使う(最もおすすめ)

これが、Power AutomateでPDFファイルを結合するための、最も強力で推奨されるクラウドベースの方法です。Adobe Acrobat Services(アドビ・アクロバット・サービス)コネクタは、PDFの開発元であるAdobeが提供しているため、PDFの互換性が高く、結合だけでなく、PDFの作成、分割、圧縮、パスワード保護、OCR(文字認識)など、様々な高度なPDF操作をクラウド上で実行できます。

この方法の仕組みとメリット

  • クラウドで完結: ファイルのダウンロードや、パソコンにPDF編集ソフトがインストールされている必要がありません。すべてクラウド上でPDFの結合処理が行われます。
  • Adobeの技術: PDF開発元であるAdobeの技術を利用するため、結合の安定性や互換性が非常に高いです。
  • 設定がシンプル: アクションの設定項目が比較的分かりやすく、プログラミングの知識なしに利用できます。

「Adobe Acrobat Services」コネクタを使うやり方(例:SharePointフォルダに複数のPDFを置くと自動で結合)

  1. 事前にPDF結合用のファイルをSharePointに準備します。結合したいPDFファイル(例: 「レポート_部署A.pdf」「レポート_部署B.pdf」など)が、SharePointやOneDriveなどのクラウドストレージに保存されていることを確認してください。
  2. Power Automateで新しいフローを作成します。ウェブブラウザでPower Automate(https://www.google.com/search?q=make.powerautomate.com)にアクセスし、あなたのMicrosoft 365アカウントでサインインします。

    「作成」から、自動で動かしたい「自動化したクラウド フロー」(例: 特定のフォルダーにファイルが追加されたら実行)や、手動で動かす「インスタント クラウド フロー」(例: ボタンを押したら実行)を選択してください。フローに分かりやすい名前を付けます(例: 「PDF結合自動化」)。

  3. トリガーを設定し、結合したいPDFファイルの情報を取得します。
    • 例(手動で結合ファイルを指定): 「フローを手動でトリガーします」トリガーに「ファイルピッカー」(ファイルの選択)を追加し、結合したい複数のPDFファイルをユーザーが選択できるようにします。これは、トリガーの設定で「入力の追加」→「ファイル」を選ぶことで設定できます。
    • 例(特定のフォルダのPDFを結合): SharePointの「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)」をトリガーにし、そのフォルダー内の全てのPDFファイルを「ファイルのプロパティの取得」アクションで取得します。この場合、ファイルの種類がPDFであることをフィルターする条件を加えると良いでしょう。
    • 例(ファイル名を指定して検索): 「ファイルの検索 (SharePoint)」アクションなどを使って、特定のキーワードを含むPDFファイルを検索して取得します。
  4. 結合したいPDFファイルの「コンテンツ」と「ファイル名」を準備します。Adobe Acrobat Servicesコネクタの「PDFを結合」アクションは、結合したいすべてのPDFファイルの「ファイルコンテンツ」(中身のバイナリデータ)と、それぞれの「ファイル名」を配列(複数のデータが集まったもの)の形式で渡す必要があります。これは少し複雑なステップになります。
    • 変数を作成する: まず、「変数を初期化します」アクションで、結合したいPDFファイルの情報を格納するための「配列」型の変数を作成します(例: varPdfFilesToCombine)。
    • 各PDFのコンテンツを取得し、変数に追加する:もし複数のPDFをループで取得している場合(例: 「ファイルの検索」の結果や、特定のフォルダ内のファイルの場合)、そのループ(「Apply to each」)の中に、以下のステップを追加します。
      • ファイルのコンテンツを取得 (SharePoint)」アクションで、個々のPDFファイルの中身を取得します。
      • 変数に追加 (配列)」アクションで、先ほど初期化した配列変数(varPdfFilesToCombine)に、以下の形式のオブジェクトを「値」として追加します。

        JSON

        {
            "fileName": "[現在のファイルのファイル名].pdf",
            "fileContent": "[現在のファイルのコンテンツ]"
        }
        
        • [現在のファイルのファイル名]は「ファイルのコンテンツを取得」アクションの出力から「ファイル名」を選択。
        • [現在のファイルのコンテンツ]は「ファイルのコンテンツを取得」アクションの出力から「ファイルコンテンツ」を選択。
        • 【ポイント】: ファイル名には必ず.pdf拡張子を含めてください。
  5. 「PDFを結合」アクションを追加します。準備したPDFファイルの配列変数(varPdfFilesToCombine)の準備ができた後(例えば、全てのPDFのコンテンツを配列に追加し終わった後)に、「新しいステップ」を追加します。

    検索ボックスに「Adobe Acrobat Services」と入力し、「PDFを結合」アクションを選択してください。

    • ファイル: ここには、準備した配列変数「varPdfFilesToCombine」を動的なコンテンツとして選択します。
  6. 結合されたPDFファイルを保存するアクションを追加します。「PDFを結合」アクションの後に「新しいステップ」を追加します。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルの作成 (SharePoint)」アクションを選択してください。
    • サイトのアドレス: 結合されたPDFファイルを保存したいSharePointサイトのURLを選択または入力します。
    • フォルダーパス: PDFファイルを保存したいドキュメントライブラリとフォルダー(例: 「結合済みPDF」といった専用フォルダー)を選択します。
    • ファイル名: 結合されたPDFの新しいファイル名を指定します(例: 「結合済みレポート_@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyyMMddHHmmss')}.pdf」のように、日時を含めるとユニークな名前になります)。
    • ファイル コンテンツ: 動的なコンテンツから、直前の「PDFを結合」アクションの「結合済みPDFファイル」(結合されたPDFのデータ)を選択します。
  7. フローを保存し、テストします。フローに名前を付けて保存します。そして、設定したSharePointフォルダーに結合したいPDFファイルをいくつかアップロードするか、手動でフローをトリガーして、自動的にPDFが結合され、指定のフォルダーに保存されるかを確認します。

この方法の知っておいてほしいこと

  • Adobe Acrobat Servicesのライセンスが必要: 「Adobe Acrobat Services」コネクタは、Power Automateのプレミアムコネクタです。利用には、Adobe Acrobat Servicesのサブスクリプション(有料)と、Power Automateの有償ライセンス(Power Automate Premiumなど)が必要になります。これは、月額または年額の費用が発生する可能性があります。
  • APIクレジットの消費: PDF結合の操作は、Adobe Acrobat ServicesのAPIクレジットを消費します。大量のPDFを結合する場合、その消費量に注意が必要です。
  • ファイルサイズの制限: 結合できるPDFファイルの総サイズや、ファイル数に制限がある場合があります。詳細はAdobe Acrobat Servicesのドキュメントで確認してください。

 

その他のPDF結合方法(より複雑または代替案)

Adobe Acrobat Servicesコネクタが最もおすすめですが、他に以下のような方法も考えられます。

 

方法2:Power Automate Desktop(RPA)を使ってパソコン上のPDF編集ソフトを操作する

この方法は、あなたのパソコンにインストールされているPDF編集ソフト(例: Adobe Acrobat Pro DC、PDF-XChange Editorなど)を、Power Automate Desktop(PAD)で自動操作してPDFを結合します。

この方法の仕組みとメリット

  • 実際のソフトウェアを操作: パソコンにインストールされているPDF編集ソフトの機能を直接利用するため、そのソフトが提供する結合機能(順序指定、ページの削除など)を細かく再現できます。
  • オフラインで実行可能: パソコンがインターネットに接続されていなくても、ローカルにファイルがあれば結合処理を実行できます。

Power Automate Desktopを使うやり方(概要)

  1. Power Automate Desktopをインストールします。あなたのパソコンにPower Automate Desktopをインストールし、サインインしておきます。
  2. クラウドフローとデスクトップフローを連携させます。
    • まず、クラウドフローでPDFファイルがSharePointに転記されたり、特定のフォルダに集められたりするのをトリガーにします。
    • 次に、クラウドフローからPower Automate Desktopのデスクトップフローを呼び出すアクション(「デスクトップ用フローを実行します」)を追加します。
  3. デスクトップフローでPDF結合操作を記録・作成します。Power Automate Desktopを開き、新しいフローを作成します。ここで、以下のPC操作を記録または手動でアクションを追加します。
    • ファイルを開く」アクションでPDF編集ソフトを起動します。
    • ファイルの入力」アクションで結合したいPDFファイルを指定します(SharePointからダウンロードしたファイルをローカルパスで指定)。
    • UI要素をクリック」や「キーの送信」アクションを使って、PDF編集ソフトの結合メニューを操作し、結合を実行します。
    • 結合されたPDFを「ファイルを保存」アクションでパソコンに保存します。
    • 結合されたPDFを、SharePointやOneDriveに「ファイルをアップロード」アクションなどで保存し直します。

この方法の知っておいてほしいこと

  • パソコンの起動が必要: デスクトップフローを実行するには、Power Automate Desktopがインストールされたパソコンが起動している必要があります。自動実行(無人実行)を行うには、追加のライセンスや特別な設定が必要です。
  • ソフトウェアのライセンス: 操作するPDF編集ソフト自体のライセンス(有料ソフトの場合)が必要になります。
  • 環境の変化に弱い: パソコンの画面解像度、PDF編集ソフトのバージョン、OSの更新などによって、UI(ユーザーインターフェース)の配置が変わると、フローが動作しなくなる可能性があります。定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。

 

方法3:Azure Functionsや外部APIサービスとの連携(高度な開発者向け)

より専門的な知識が必要ですが、Azure Functions(アジュール・ファンクションズ)や、PDF結合のAPIサービス(例: Aspose.Cells Cloud, PDFTronなど)を利用する方法もあります。

  • Azure Functions: PythonやC#などでPDF結合のカスタムコードを作成し、Azure Functionsとしてデプロイします。Power AutomateのHTTPアクションからこのAzure Functionsを呼び出し、PDF結合を依頼します。
  • 外部APIサービス: PDF結合APIを提供している外部サービスに直接Power AutomateのHTTPアクションからリクエストを送信し、結合されたPDFを受け取ります。

 

この方法の知っておいてほしいこと

 

  • 専門的な開発スキルが必要: プログラミングやAPIに関する深い知識が必須です。
  • コスト: Azure Functionsの利用料や、外部APIサービスの利用料が発生します。
  • 柔軟性: 非常に高い柔軟性でPDF操作をカスタマイズできます。

 PDFファイルを結合する際の「大切な注意点」とベストプラクティス

Power AutomateでPDFファイルを結合する機能は非常に便利ですが、そのメリットを最大限に引き出し、スムーズな運用を実現するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処する必要があります。

1. 結合したいPDFファイルの「順番」を明確にする

複数のPDFファイルを結合する場合、それらがどのような順番で結合されるかを確認することが重要です。

  • ファイル名の命名規則: ファイル名に「202501_レポート_A.pdf」「202501_レポート_B.pdf」のように連番や日付を含めておくことで、Power Automateがファイルを検索・取得する際に、ファイル名順でソート(並べ替え)して渡すことができます。
  • 配列の順序: 「PDFを結合」アクションに渡すファイルの配列データが、結合したい順番になっていることを確認してください。

 

2. ファイルの「コンテンツ」を正確に取得する

PDFファイルを結合するには、そのPDFファイルそのものの「コンテンツ」(バイナリデータ)をPower Automateに正しく読み込ませる必要があります。

  • 「ファイルのコンテンツを取得」アクションの活用: SharePointやOneDriveからPDFファイルを読み込む際には、必ず「ファイルのコンテンツを取得」アクションを使用してください。

 

3. 大量のファイル結合時のパフォーマンスと制限

結合したいPDFファイルの数が多い場合や、個々のPDFファイルのサイズが大きい場合、結合処理に時間がかかり、タイムアウトエラーが発生したり、APIクレジットの消費が増加したりする可能性があります。

  • 対策: Adobe Acrobat Servicesのドキュメントで、一度に結合できるファイルの数や総サイズの上限を確認してください。フローの実行時間(Power Automateのタイムアウト)も考慮し、「待機」アクションの追加や、結合処理を分割するロジックを検討することも有効です。

 

4. エラー通知と監視を設定する

PDF結合は、ファイル操作を伴う重要なプロセスです。PDFファイルが見つからない、結合に失敗する、タイムアウトするといった予期せぬ問題でフローが失敗した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定してください。

  • 設定方法: PDF結合アクションやその前後のアクションを「スコープ」で囲み、もしスコープ内で失敗したら、自動で管理者へ通知メールを送ったり、エラーログを記録したりするアクションを追加します。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。

 

5. テスト環境での十分な検証

本番環境で実際にPDF結合フローを稼働させる前に、必ずテスト環境でフローを十分にテストしてください。様々なPDFファイル(異なるサイズ、異なる内容、異なるページ数など)を使ってテストを行い、期待通りに結合されるか、レイアウトが崩れないか、エラーが発生しないかなどを確認することが不可欠です。


 

Power AutomateでPDF結合を自動化し、ドキュメント管理を効率化しよう!

Power AutomateでPDFファイルを結合する方法は、あなたの目的や、会社のライセンス状況、求める自動化レベルによって最適なアプローチが異なります。

  • 最も強力で推奨されるのは、Adobe Acrobat Servicesコネクタの「PDFを結合」アクションを使う方法です。 これはクラウド上で動作し、高い互換性を持ちます。ただし、プレミアムコネクタであり、別途Adobeのサブスクリプションが必要になる点に注意が必要です。
  • パソコン上でPDF編集ソフトを操作したい場合は、Power Automate Desktopを使う方法も有効です。

どちらの方法を選ぶ場合でも、結合したいPDFファイルの「順番」を明確にし、正確に「コンテンツ」を取得すること、そしてエラーハンドリングと十分なテストが成功の鍵となります。これらの方法を上手に活用して、あなたのドキュメント管理をよりスムーズで効率的なものに変えてくださいね。