SharePoint|アイテムが “保留中” 状態に戻る原因・改善方法を分かりやすく説明

SharePointのアイテムが勝手に「保留中」に戻る原因と解決策:資料の承認状況を正確に保とう!

 

「SharePoint(シェアポイント)で承認されたはずのファイルやリストの項目が、いつの間にかまた『保留中』に戻ってしまっているんだけど、これってどういうこと?」「せっかく承認したのに、また最初からやり直しになるのは困るな…どうすれば直るんだろう?」

こんな風に感じたことはありませんか? SharePointのドキュメントライブラリやリストで「コンテンツの承認」機能を使っていると、一度「承認済み」や「却下」になったはずのアイテムが、なぜか勝手に「保留中」の状態に戻ってしまう、という不思議な現象に遭遇することがあります。これは、承認プロセスの信頼性を損ない、業務の混乱を招く大きな問題です。

SharePointのアイテムが「保留中」状態に戻る原因はいくつか考えられますが、その多くは特定でき、適切な対処法を知っていれば、比較的簡単に解決できます。これは、SharePointのバージョン管理やワークフローの設定、あるいは不適切な操作によるものかもしれません。


 

harePointでアイテムが「保留中」に戻るってどういうこと?その影響

SharePointのドキュメントライブラリやリストで「コンテンツの承認」機能が有効になっている場合、新しく作成されたアイテムや、内容が変更されたアイテムは、通常、最初に「保留中」というステータスになります。これは、「承認者からの判断を待っている状態」を意味します。一度「承認済み」や「却下」になったアイテムが、何らかの操作によって再び「保留中」に戻ってしまうと、承認プロセスが混乱し、以下のような問題が生じます。

なぜ「保留中」に戻ってしまうのか?その影響

  • 承認プロセスの混乱: 承認済みのものが再び保留になるため、承認者が「また承認しないといけないのか?」と混乱したり、誰が最終的に承認したのか分からなくなったりします。
  • 情報の信頼性低下: 公開されている情報が本当に承認された最終版なのか、それとも現在審査中なのか、利用者が判断できなくなります。
  • 業務の停滞: 再度承認プロセスが必要になるため、資料の公開や次の業務ステップへの移行が遅延します。
  • 監査記録の不正確さ: 承認履歴が不安定になり、コンプライアンス(法令遵守)や監査の際に問題が生じる可能性があります。

 

アイテムが「保留中」に戻る主な原因

SharePointのアイテムが「保留中」状態に戻ってしまう場合、様々な理由が考えられます。エラーメッセージが出ないことも多いため、一つずつ確認していくことが大切です。

 

1. コンテンツの「メジャーバージョン」が発行されていない場合

SharePointのドキュメントライブラリでバージョン管理が有効になっている場合に、よく発生する原因です。

原因

ドキュメントライブラリで「メジャーバージョンとマイナーバージョン」の両方が有効になっている場合、新しく作成されたり変更されたりしたアイテムは、まず「マイナーバージョン」(下書き)として保存されます。承認ワークフローは通常、このマイナーバージョンに対して実行され、承認されると「承認済み」の状態になります。しかし、その後、そのアイテムが明示的に「メジャーバージョンとして発行」されないと、他のユーザーが再度そのアイテムを編集するたびに、SharePointは新しいマイナーバージョンとして扱い、自動的にステータスを「保留中」に戻してしまうことがあります。これは、まだ「正式なバージョン」として確定していないため、再審査が必要だとSharePointが判断するからです。

具体的な対処法

「承認済み」になった後に「発行」操作を行う:アイテムが承認された後、サイトの権限を持つユーザーが、そのアイテムを明示的に「発行」操作(Publish)を行う必要があります。

やり方: SharePointサイトで対象のドキュメントライブラリを開き、該当のアイテムを選択します。画面上部のメニューバーの「」(三点リーダー)をクリックし、「発行」または「メジャーバージョンとして発行」を選択します。コメントを入力して発行を完了させます。

ドキュメントライブラリのバージョン設定を見直す:「ライブラリの設定」→「バージョン設定」で、「送信されたアイテムの承認を必須にする」が「はい」になっていることを確認します。また、「下書きアイテムのセキュリティ」を「承認済みバージョンのユーザーのみ」ではなく、「アイテムを読み取りできるすべてのユーザー」に設定することで、ワークフローの起動が安定しやすくなる場合があります。

Power Automateフローで「発行」アクションを追加する:承認フローをPower Automateで作成している場合、承認された後に「SharePointの項目を更新します」アクションでステータスを「承認済み」にした後、「項目を発行する (SharePoint)」アクション(または「ファイルをメジャーバージョンとして発行 (SharePoint)」アクション)を追加し、承認後に自動でアイテムを発行するように設定します。

 

2. Power Automateフローによる「更新」の問題

Power Automateフローが、承認済みアイテムを意図せず再度「保留中」に戻してしまうことがあります。

原因

フローが「承認済み」アイテムを更新し、それがトリガーを再起動している:

フローが「アイテムが変更されたとき」をトリガーにしている場合、フローがアイテムの他の列を更新した際に、その更新が再びトリガーを起動し、その結果アイテムの承認ステータスが「保留中」に戻ってしまうことがあります。これは、SharePointのコンテンツ承認機能が「アイテムが変更されると承認状態をリセットする」という特性を持っているためです。

フローが「承認状況」列以外の列を更新している:

Power Automateのフローで、承認ステータス以外の列(例:備考欄、日付など)を更新するアクションが含まれている場合でも、その更新が「アイテムが変更された」と認識され、承認状態がリセットされることがあります。

 

対処法

Power Automateフローのトリガー条件を調整する:

フローが「項目が変更されたとき」をトリガーにしている場合、そのトリガーの「設定」を開き、「トリガーの条件」を追加します。

対策例(無限ループ防止にも有効): @{not(equals(triggerOutputs()?[‘body/Editor/Email’], ‘your.flow.account@yourcompany.com’))}

これは「更新者がフローを実行するアカウント自身でない場合のみトリガーを起動する」という意味です。これにより、フローが自分で項目を更新しても、それがトリガーを再起動しなくなります。

対策例(特定の列の変更のみを検知): @{equals(triggerOutputs()?['body/Status'], '完了')} (ただし、これは特定のAPIでしかOldStatusが取得できない場合があり、より確実な方法はトリガー後に「条件」アクションで前回との差分をチェックする方法です。)

承認後に「最終的な承認ステータス以外の列を更新しない」:

承認フローが完了し、SharePointの承認状況を「承認済み」に更新した後は、同じリストの他の列をPower Automateフローで更新するのを避けるか、更新が必要な場合は、その更新が承認状態をリセットしないような工夫(例えば、その更新は別のリストで行う、または更新後に自動承認の仕組みを再度起動する)を検討します。

「コンテンツの承認を必須にする」を一旦オフにしてテストする:

トラブルシューティングの一環として、ドキュメントライブラリの「バージョン設定」で「コンテンツの承認を必須にする」を一時的に「いいえ」にしてから、フローを実行し、問題なく更新できるかを確認します。これで問題がなければ、コンテンツ承認の設定とフローの連携に問題がある可能性が高いです。

 

3. 「チェックアウト」状態と「チェックイン」忘れ

ドキュメントライブラリで「チェックアウト」が必須になっている場合に発生しやすいです。

原因

ファイルを編集する際に「チェックアウト」が必須になっているドキュメントライブラリで、ユーザーがファイルを編集し、保存したものの、「チェックイン」を忘れてしまった場合。ファイルは「下書き」の状態のままロックされ、承認済みであっても、その変更が正式に公開されません。その後、別のユーザーがそのファイルを操作しようとすると、SharePointが状態をリセットして「保留中」に戻してしまうことがあります。

対処法

ファイルを必ず「チェックイン」する:

ファイル編集後に必ず「チェックイン」操作を行い、コメントを付与して変更を保存してください。これにより、変更が正式なバージョンとして扱われ、承認プロセスが正しく進行します。

Power Automateフローで自動でチェックインする:

承認フローをPower Automateで作成している場合、承認された後、またはファイルの更新アクションの後に、「ファイルをチェックインする (SharePoint)」アクションを追加し、自動でチェックインが完了するように設定します。

 

4. ユーザーのアクセス権限による問題

コンテンツを操作するユーザーの権限レベルが、コンテンツの承認プロセスの仕組みと合っていない場合に発生することがあります。

原因

「項目を読み取りできるすべてのユーザー」設定:

ドキュメントライブラリのバージョン設定で、「下書きアイテムのセキュリティ」が「アイテムを承認するユーザーのみ」に設定されている場合、コンテンツを作成したユーザーが、その下書きアイテムに対して適切な権限を持っていないと、承認ワークフローが起動しない、あるいはアイテムの状態が不安定になることがあります。

ユーザーが「下書き」を編集するたびに「保留中」に戻る:

「承認済み」のアイテムに対し、一部のユーザー(下書きを見る権限を持つが、承認権限はないユーザー)が内容を変更すると、SharePointは新しいマイナーバージョンを作成し、それを「保留中」として扱います。

対処法

「下書きアイテムのセキュリティ」設定を見直す:

ドキュメントライブラリの「ライブラリの設定」→「バージョン設定」で、「下書きアイテムのセキュリティ」(誰が下書きアイテムを表示できるか)を、「アイテムを読み取りできるすべてのユーザー」に設定することを検討してください。これにより、承認者以外も下書きを見れるようになり、ワークフローの起動が安定しやすくなる場合があります。

承認済みアイテムの編集ルールを明確にする:

承認済みのアイテムは、編集後に再度承認が必要になることをユーザーに周知徹底するか、承認済みアイテムへの編集を特定の権限を持つユーザー(例: サイト所有者)のみに限定するなどの運用ルールを設けます。

 

5. SharePoint環境やパフォーマンスの問題

ごく稀に、SharePoint環境自体の一時的な不具合や、パフォーマンスの問題が原因で、アイテムの状態が不安定になったり、ワークフローが正しく起動・更新されなかったりすることがあります。

原因

SharePointスロットリング(API制限):

短時間に大量のコンテンツがアップロード・変更されたり、多くのフローが起動しようとしたりする場合、SharePointが一時的に要求を制限(スロットリング)し、アイテムの状態更新が遅れたり、正しく処理されなかったりすることがあります。

Microsoft 365サービスの一時的な不具合:

マイクロソフトのSharePoint Onlineサービスに、一時的な障害やメンテナンスが発生している場合。

対処法

時間をおいて再試行する:

多くの場合、一時的な遅延であれば、数分から数時間待ってから再度コンテンツの作成・変更を試すと、自動でワークフローが起動し、状態が安定することがあります。

Power Automateフローに再試行ポリシーを設定する:

Power AutomateフローがSharePointのアイテムを更新するアクションに「再試行ポリシー」を設定することで、一時的なエラーを自動で吸収し、確実にステータスが更新されるようにします。

Microsoft 365 サービス正常性ダッシュボードを確認する:

会社のMicrosoft 365管理者に依頼し、Power AutomateやSharePoint Onlineのサービスに障害が発生していないか確認してもらいます。


「保留中」に戻る問題を根本的に解決するための「大切なポイント」

SharePointのアイテムが「保留中」に戻る問題を解決し、承認ワークフローを安定して運用するためには、原因の特定と、以下のベストプラクティスを実践することが非常に重要です。

1. バージョン管理の設定を正しく理解し、運用ルールを定める

  • 「コンテンツの承認を必須にする」は「はい」に設定。
  • 「下書きアイテムのセキュリティ」は、誰が下書きを見れるかに影響します。承認者以外にも下書きを見せる場合は「アイテムを読み取りできるすべてのユーザー」を選択すると、ワークフローが安定しやすい場合があります。
  • 承認後の「発行」操作の徹底: アイテムが承認されたら、Power Automateフローで自動的に「発行」アクションを追加するか、ユーザーが手動で「発行」を行うように徹底します。これが、アイテムを「確定」させるために不可欠なステップです。

 

2. Power Automateフローの「トリガー条件」を細かく設定する

  • 無限ループ防止: Power Automateフローでアイテムの状態を更新した場合、その更新が再びトリガーを起動し、無限ループになる可能性があります。トリガーの「設定」で、「トリガーの条件」を追加し、「変更者がフローのアカウント以外である場合のみ」起動するように設定することで、この問題を回避できます。
  • 特定列の変更のみを検知: フローが起動すべき列(例: 承認状況)の変更のみを検知するように、トリガー条件をより具体的に設定することも有効です。

 

3. Power Automateフローの「接続アカウント」に適切な権限があることを確認する

フローがSharePointのアイテムの状態を更新するには、フローが使用するアカウントが、そのSharePointサイトやドキュメントライブラリに対して「編集」権限以上、特に「リストの権限の管理」や「フルコントロール」権限が必要となる場合があります。権限が不足していると、状態の更新が拒否され、アイテムが不安定な状態に戻ることがあります。

 

4. エラーハンドリングと通知を設定する

フローが「保留中」に戻る、またはその他のエラーが発生した場合に備えて、必ず「エラーハンドリング」を設定し、問題が発生したことを管理者へ通知する仕組みを構築しておきましょう。これにより、問題発生時にすぐに気づき、対応することができます。

 

5. 定期的なテストと監視を行う

承認ワークフローは、設定が複雑になりがちです。新しい変更を加えた後や、定期的に、テスト環境でフローを十分にテストし、コンテンツの作成、変更、承認、拒否の各シナリオで、アイテムのステータスが期待通りに変化し、最終的に安定した状態になるかを確認してください。


SharePointのアイテムが「保留中」に戻る問題は、バージョン管理やワークフローの設定、あるいは不適切な操作が複雑に絡み合って発生することがあります。上記で解説した原因と対処法を一つずつ確認し、ベストプラクティスを実践することで、あなたはこれらの問題を解決し、承認プロセスの信頼性を高め、スムーズな情報公開を実現できるようになるでしょう。