SharePoint|ライブラリの継承を共有または中断できない原因・改善方法を分かりやすく説明

SharePointのファイル棚(ライブラリ)の「アクセス権を変えられない!」原因と解決策:権限管理のトラブルを乗り越えよう!

 

「SharePoint(シェアポイント)のドキュメントライブラリ(ファイル棚)のアクセス権限を変えたいんだけど、なぜか『継承を共有または中断できませんでした』ってエラーが出て困るな…」「このフォルダだけ特定のメンバーにしか見せたくないのに、設定を変えようとしてもできないんだけど、どうすればいいの?」

こんな風に感じたことはありませんか? SharePointのアクセス権限管理は、誰がどの情報にアクセスできるかを制御する上で非常に大切です。特に、ドキュメントライブラリやフォルダーのアクセス権限を、サイト全体とは別に細かく設定したいと考えることはよくあります。これは、親からの権限の「継承(ケイショウ)」を「中断(チュウダン)」し、その場所独自のアクセス許可を与える操作にあたります。しかし、この重要な操作が、なぜかうまく動作しない、という問題に直面することがあります。

SharePointのドキュメントライブラリの継承を共有または中断できない原因はいくつか考えられますが、その多くは特定でき、適切な対処法を知っていれば、比較的簡単に解決できます。これは、あなたのアクセス権限、SharePointサイトの設定、あるいはシステムの一時的な状況によるものかもしれません。


「継承の中断」や「共有」ってどんなこと?なぜそれができないと困るの?

まず、SharePointにおける「継承」と「継承の中断」、「共有」という言葉が何を意味するのかを理解しておきましょう。

権限の「継承」とは?自動的な許可の引き継ぎ

SharePointのアクセス権限は、サイトコレクション(一番大きなまとまり)からサイト、ドキュメントライブラリ、フォルダー、ファイルへと階層的に設定されます。そして、上の階層で設定されたアクセス許可が、原則として下の階層に自動的に引き継がれる仕組みを「継承(ケイショウ)」と呼びます。例えば、あるSharePointサイトにアクセス許可を与えれば、そのサイト内にある全てのドキュメントライブラリやファイルも、自動的にその許可の対象となります。これにより、管理者は一つずつ細かく設定する手間が省けます。

 

権限の「継承の中断」とは?独自の許可設定

継承の中断(ケイショウノチュウダン)」とは、特定のドキュメントライブラリ、フォルダー、またはファイルに対して、親からのアクセス権限の継承を一時的に「停止」することです。そして、その停止した場所に対して、あなたが独自にアクセス許可を設定することを「固有のアクセス許可(コユウのアクセス・キョカ)」と呼びます。例えば、サイトのメンバー全員には見せたくない「極秘プロジェクト資料」のフォルダーなど、特定の情報だけを、限定されたメンバーにのみアクセス許可を与えたい場合に、この「継承の中断」が必要になります。

 

ドキュメントライブラリの「共有」とは?アクセス権を与えること

ドキュメントライブラリの「共有(キョウユウ)」とは、そのドキュメントライブラリに、まだアクセス許可を持っていないユーザーやグループに対して、新しくアクセス許可を与える操作全般を指します。この操作を行うと、もしそのライブラリが親からの権限を継承している場合でも、裏側で自動的に継承が停止され、固有のアクセス許可が付与されることがあります。

 

なぜ「継承の中断」や「共有」ができないと困るのか?その影響

これらの操作ができないと、以下のような問題が生じます。

  • 情報セキュリティのリスク: 機密性の高い情報が入ったドキュメントライブラリやフォルダーを、限られたメンバーにしか見せないようにできないため、情報漏洩のリスクが高まります。
  • 業務の非効率化: アクセス権を細かく制御できないため、全員が見れる場所にしかファイルを置けなかったり、手動で権限を回避するような手間が生じたりします。
  • 柔軟な情報管理の妨げ: サイト全体のルールとは異なる特別な管理が必要な場合に、それが実現できません。

「継承の中断」や「共有」ができない主な原因

SharePointのドキュメントライブラリの継承を共有または中断できない場合、様々な理由が考えられます。エラーメッセージが出ないことも多いため、一つずつ確認していくことが大切です。

 

1. あなたの「アクセス権限」が足りない(最も多い原因)

  • これが「継承の中断」や「共有」ができない最も一般的で、かつ中心的な原因です。これらの操作は非常に重要な権限管理の機能であり、誰でも行えるわけではありません。
  • あなたが、権限を変更したいドキュメントライブラリ、またはそのドキュメントライブラリが属するSharePointサイト全体に対して、「フルコントロール」権限、または少なくとも「デザイン」権限や「アクセス許可の管理」権限を持っていない。
  • 「編集」権限しか持っていない場合、ファイルの編集はできても、アクセス権限自体を変更する(継承を中断する、新しいユーザーに共有する)ことはできません。

エラーメッセージの例

  • Access denied. You do not have permission to perform this action. (HTTP 403 Forbidden)
  • アクセス許可がありません。 (画面上のエラーメッセージ)
  • この操作を実行する権限がありません。

 

2. SharePointサイトの「設定」や「機能」に問題がある

SharePointサイト全体の細かい設定が、権限操作を制限している場合があります。

  • 「カスタムスクリプト」が無効になっている:SharePoint Onlineでは、セキュリティ上の理由から、一部のサイトで「カスタムスクリプト」の実行が許可されていない場合があります。これは、通常のサイトオーナーが利用できる一部の高度な機能や、裏側で動作するスクリプトベースの権限操作に影響を与えることがあります。
  • 「制限付きアクセス権限ロックダウンモード」が有効になっている:サイトコレクションの機能として「制限付きアクセス権限ロックダウンモード」が有効になっている場合、SharePointは非常に厳しいセキュリティ設定になります。これにより、特定のユーザーが権限設定の画面を見ることすらできなかったり、一部の権限操作がブロックされたりすることがあります。
  • 特定のサイトコレクション機能が有効になっている:ごく稀に、他のサイトコレクション機能が、権限管理のプロセスに干渉する場合があります。

エラーメッセージの例

  • 特定の操作がグレーアウトしていてクリックできない。
  • この機能は現在ご利用いただけません。
  • 詳細なエラーメッセージなしに、操作が完了しない。

 

3. ドキュメントライブラリの「状態」や「構成」に問題がある

権限を変更しようとしているドキュメントライブラリ自体が、一時的にアクセスできない状態にあったり、特定の複雑な構成になっていたりする場合です。

  • ドキュメントライブラリが非常に多くの「固有のアクセス許可」を持っている:既にそのドキュメントライブラリ内の多くのフォルダーやファイルで個別に権限が設定されている(固有のアクセス許可が多数存在する)場合、そのライブラリ全体で再度権限を操作する際に、システムが過負荷になったり、処理に失敗したりすることがあります。
  • ドキュメントライブラリが大規模である:非常に大量のファイルやフォルダーを含むドキュメントライブラリの場合、権限変更のような操作がタイムアウトしたり、SharePointのスロットリング(API制限)に引っかかったりすることがあります。
  • 何らかの破損や不整合:ごく稀に、ドキュメントライブラリ自体が何らかの理由で破損しているか、内部的な不整合を抱えている場合。

 

4. 一時的な問題またはブラウザの問題

ごく一時的なシステムの不具合や、使用しているWebブラウザが原因であることもあります。

  • SharePointサービスの一時的な不具合:マイクロソフト側のSharePoint Onlineサービスに、一時的な障害やメンテナンスが発生している場合。
  • ブラウザのキャッシュの問題:Webブラウザに古い情報や破損したデータがキャッシュされており、それがSharePointの機能の動作を妨げている。
  • ネットワーク接続の問題:インターネット接続が不安定だったり、一時的に切断されたりすると、権限変更の操作が中断されて失敗することがあります。

 

「継承の中断」や「共有」ができない時の具体的な対処法

原因を特定し、以下の対処法を順番に試していくことが推奨されます。

対策1:あなたの「アクセス権限」を徹底的に確認・付与する(最も重要!)

これが「継承の中断」や「共有」ができない問題の最も一般的で、かつ中心的な解決策です。

  1. あなたが持つ権限を確認する:SharePointサイトにアクセスし、該当のドキュメントライブラリを開きます。画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックし、「ライブラリの設定」を選びます。設定画面で「このドキュメントライブラリのアクセス許可」というリンクをクリックしてください。この画面で、あなたのユーザー名がどのグループに属し、どんな権限を持っているかを確認できます。
  2. 「フルコントロール」または「デザイン」権限の付与を依頼する:もしあなたが「編集」以下の権限しか持っていない場合は、SharePointの管理者またはサイトの所有者(サイトの「フルコントロール」権限を持つ人)に連絡し、あなたに「フルコントロール」権限、または「デザイン」権限を付与してもらうよう依頼してください。これらは、サイトのアクセス許可を管理するために通常必要な権限です。
  3. 権限付与後、ブラウザを再起動し、再度試す:権限が付与されたことを確認したら、Webブラウザを一度完全に閉じてから開き直し、SharePointにアクセスし直して、権限変更を試みてください。ブラウザのキャッシュをクリアすることも有効です。

 

対策2:SharePointサイトの「設定」や「機能」を確認・調整する(管理者向け)

これらの設定は、通常、Microsoft 365の管理者やSharePointの管理者しか変更できません。

「カスタムスクリプト」の設定を確認する:SharePoint Onlineのサイトコレクション設定で「カスタムスクリプト」が無効になっていると、特定の権限操作やWebパーツが動作しないことがあります。

  • 確認方法: SharePoint管理センター(https://www.google.com/search?q=admin.sharepoint.com)にアクセスし、「設定」から「カスタムスクリプト」の項目を確認します。
  • 対策: 必要であれば、「サイトで個人用スクリプトを許可する」や「ユーザーがブラウザーからスクリプトを実行できるようにする」設定を有効にすることを検討してください。ただし、これはセキュリティ上の影響があるため、慎重な検討と会社の承認が必要です。

「制限付きアクセス権限ロックダウンモード」を確認する:この設定が有効になっていると、非常に厳格なセキュリティが適用され、ユーザーは特定の権限操作が制限されます。

  • 確認方法: サイトの設定 → 「サイトコレクションの管理」セクションの「サイトコレクションの機能」に移動し、「制限付きアクセス権限ロックダウンモード」が「アクティブ」になっているか確認します。
  • 対策: もしこのモードが原因であれば、一時的に「非アクティブ」にすることで操作が可能になる場合があります。しかし、このモードはセキュリティを強化するためのものなので、無効にする場合はリスクを十分に理解し、会社の承認を得る必要があります。

 

対策3:ドキュメントライブラリの「状態」や「構成」を確認する

権限を変更しようとしているドキュメントライブラリ自体に問題がないかを確認します。

既に「固有のアクセス許可」が大量に存在しないか確認する:ドキュメントライブラリ内の多くのフォルダーやファイルに既に「固有のアクセス許可」が設定されている場合、ライブラリ全体の権限操作が複雑になり、エラーになることがあります。

対策: 権限の複雑性を避けるため、可能であれば、特定の機密情報を扱う場合は、その情報専用の別のSharePointサイトを新たに作成し、そのサイトのメンバーを厳選して管理することを検討してください。

ドキュメントライブラリの規模が大きいか確認する:非常に大量のファイルやフォルダーを含むドキュメントライブラリの場合、権限変更のような操作がタイムアウトしたり、SharePointのスロットリング(API制限)に引っかかったりすることがあります。

対策: 処理を分割する、またはアクセス権限の複雑性を避けるようなライブラリ設計を見直す必要があります。

 

対策4:一時的な問題やブラウザの問題を切り分ける

ごく一時的なシステムの不具合や、使用しているWebブラウザが原因であることもあります。

  1. 時間をおいてから再試行する:SharePointサービスの一時的な不具合であれば、数分から数時間待ってから再度操作を試みてください。
  2. Webブラウザのキャッシュをクリアする:使っているWebブラウザのキャッシュとCookieをすべてクリアし、ブラウザを完全に再起動してから、再度SharePointにアクセスして権限変更を試みてください。
  3. 別のWebブラウザで試す:普段使っているブラウザでうまくいかない場合、別のブラウザ(例: Microsoft EdgeやFirefox)でSharePointを開き直し、操作を試してみることで、ブラウザ側の問題が解決することがあります。

権限管理をスムーズに行うための「大切なポイント」

SharePointの権限管理は、情報セキュリティに直接影響を与える非常にデリケートな作業です。スムーズに行うために、以下のベストプラクティスを実践することが重要です。

 

1. 常に「フルコントロール」権限を持つアカウントで操作する

権限変更のような重要な操作は、必ずそのサイト(またはサイトコレクション)の「フルコントロール」権限を持つユーザー(通常はサイト所有者または管理者)として行ってください。権限が不足していると、操作が拒否される可能性が高まります。

 

2. 「グループ」を活用して管理をシンプルにする

ユーザー一人ひとりに権限を細かく設定していくのは、非常に手間がかかり、ミスも起きやすくなります。Microsoft 365グループやSharePointグループなど、ユーザーを「グループ」としてまとめて、そのグループに権限を与えることを強くおすすめします。これにより、ユーザーの追加や削除、異動があった際の権限管理が格段に楽になり、権限の複雑性を減らせます。

 

3. 「権限の継承の中断」は必要最小限に留める

「権限の継承を中断」して個別に権限を設定する方法は強力ですが、これを多用すると、「誰が何にアクセスできるのか」という全体像が把握しにくくなり、管理が非常に複雑になります。可能であれば、特定の情報専用の別のSharePointサイトを作成し、そのサイトのメンバーを厳選して管理する方が、シンプルで安全です。

 

4. 定期的に権限を見直す(棚卸し)

人事異動やプロジェクト終了など、組織の状況が変わった際に、不要になったアクセス権限が残っていないか、定期的に確認し、削除しましょう。例えば、半年に一度など、定期的なレビューの仕組みを作っておくと安心です。

 

5. 監査ログを活用する

SharePointの管理者は、「サイトの監査ログ」を利用して、誰が、いつ、どのような権限変更を行ったかを詳細に追跡できます。問題発生時の原因究明や、セキュリティ監査に対応するために非常に役立ちます。


SharePointでドキュメントライブラリの継承を共有または中断できない問題は、主にあなたのアクセス権限、サイトの設定、または環境の一時的な問題が原因で発生します。上記で解説した原因と対処法を理解し、ベストプラアクティスを実践することで、あなたはこれらの問題を解決し、SharePointの権限管理をよりスムーズに行えるようになるでしょう。