TeamsとPower Automate自動で従業員の記念日(誕生日、入社記念日)のお祝いをしたい!作り方を分かりやすく説明

TeamsとPower Automate自動で従業員の記念日(誕生日、入社記念日)のお祝いをしたい!

従業員の誕生日や入社記念日、ちゃんと覚えてお祝いできていますか?「一人ひとりの記念日を把握するのが大変」「忙しくて、ついお祝いのメッセージを送り忘れてしまう」「もっとパーソナルなお祝いをして、従業員のモチベーションを上げたい」。従業員にとって、会社からの「お祝い」は、自分が大切にされていると感じ、会社へのエンゲージメントを高める大切な機会です。しかし、手動での管理やメッセージ送信は、手間がかかり、見落としのリスクも伴いがちですよね。ご安心ください!Power AutomateとTeams、そして従業員データを管理するSharePointリストを組み合わせることで、従業員の記念日(誕生日、入社記念日など)を自動で検知し、パーソナルなお祝いメッセージをTeamsで自動通知する仕組みを構築できます。これにより、従業員満足度とエンゲージメントを向上させ、人事・総務部門の業務を効率化できますよ。


 

なぜ従業員の記念日を自動でお祝いすることが大切なの?

従業員の記念日をお祝いすることは、単なるイベントではありません。従業員のモチベーションとエンゲージメントに直結する重要な取り組みです。自動化がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。

 

従業員満足度とエンゲージメントが向上するから

会社から自分の誕生日や入社記念日を祝ってもらえることは、従業員にとって「自分は会社に大切にされている」と感じる強いきっかけになります。このようなパーソナルな体験は、従業員満足度を高め、会社への帰属意識やエンゲージメントを向上させ、ひいては離職率の低下にも繋がるでしょう。

 

人事・総務部門の業務負担を大幅に軽減できるから

全従業員の誕生日や入社記念日を把握し、手動でメッセージを作成したり、送ったりする作業は、非常に手間がかかる定型業務です。従業員数が増えれば増えるほど、その負担は大きくなります。自動化システムを導入することで、これらのルーティンワークから解放され、担当者はより戦略的な人事施策や従業員支援といった、価値の高い業務に集中できるようになります。

 

お祝いの抜け漏れを防ぎ、常に公平性を保てるから

手動での管理では、うっかりお祝いを送り忘れてしまったり、特定の従業員だけが漏れてしまったりするリスクがあります。自動化システムは、データに基づいて確実にメッセージを送信するため、お祝いの抜け漏れを防ぎ、全従業員に対して公平に祝うことができます。これにより、従業員の不満を防ぎ、公正な企業文化を育めるでしょう。

 

チーム内のコミュニケーションが活性化するから

従業員の記念日をTeamsチャネルで共有することで、チームメンバーがその日を認識し、自由に祝福のメッセージを送れるようになります。これにより、チーム内のコミュニケーションが活性化し、メンバー間の結束力が高まるきっかけにもなるでしょう。


 

構築システムの準備を始めよう

従業員の記念日自動お祝いシステムを作る前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進められます。

 

従業員情報の「置き場所」を決めよう

Power Automateがお祝いを送信するためには、従業員の氏名、メールアドレス、誕生日、入社日といった基本情報が必要です。ここでは、「SharePointリスト」で管理することを想定します。

SharePointリストの作成

    1. 人事・総務部門用のSharePointサイトを選択または新規作成します。
    2. リスト名(例:従業員マスタ)で新しいリストを作成します。
    3. 必要な列の追加(例):
      • タイトル(既定): 氏名
      • メールアドレス: テキスト(1行、必須)
      • 誕生日: 日付と時刻(必須、年を含めて登録)
      • 入社日: 日付と時刻(必須)
      • 所属部署: テキスト(1行)または選択肢
      • お祝いメッセージ送信済_誕生日(最新年): 数値(例: 2025。その年のお祝いメッセージが送信済みか記録)
      • お祝いメッセージ送信済_入社記念日(最新年): 数値
      • 備考: 複数行テキスト

 

(補足)既存の人事システムとの連携:

もし貴社で既に人事システム(HRIS)を利用している場合、そのシステムがPower Automateのコネクタを提供しているか確認してください。コネクタがあれば、SharePointリストを介さずに直接連携できる場合があります。コネクタがない場合は、システムから従業員データをCSVで定期的にエクスポートし、それをSharePointに保存する、またはAPI連携(より高度)を検討します。

 

送信する「お祝いメッセージ」のテンプレートを準備しよう

自動でTeamsに投稿するお祝いメッセージのテンプレートを作成しておきます。パーソナルな情報(氏名、入社年数など)を埋め込めるようにしておきましょう。

  • メッセージのタイプ例:
    • 誕生日メッセージ:
      • 件名(Teamsチャットの通知表示用): 【🎉Happy Birthday!】〇〇さん、お誕生日おめでとうございます!
      • 本文(Teamsチャットのメインメッセージ):
        • 〇〇さん
        • お誕生日おめでとうございます!
        • 〇〇さんのこの一年が、素晴らしいものになりますように!
        • チーム一同より心ばかりのお祝いです。
        • [特別なメッセージや会社からのプレゼントの案内、絵文字など]
    • 入社記念日メッセージ(個人向け):
      • 件名: 【✨入社記念日】〇〇さん、入社〇周年おめでとうございます!
      • 本文:
        • 〇〇さん
        • 本日、〇〇さんの入社〇周年記念日ですね!
        • これまでの〇〇さんのご活躍と、会社への貢献に心より感謝申し上げます。
        • これからも一緒に会社を盛り上げていきましょう!
        • [特別なメッセージや会社からの感謝の言葉]

 

通知を送るTeamsの「場所」を決めよう

お祝いメッセージを、どこに、誰に対して送りたいのかを決定します。

  • 従業員本人へのTeamsチャット(推奨): 最もパーソナルで、見落とされにくい方法です。
  • 所属チームチャネル: 従業員の所属するチームのチャネルに通知し、チームメンバー全員でお祝いできるようにします。
  • 全社向け共通チャネル: 全従業員がアクセスできる「お知らせ」チャネルなどに通知し、会社全体でお祝いします。
  • 人事・総務部門チャネル(オプション): お祝いメッセージ送信完了のログや、エラー通知用。

 

Power Automateで自動化を設定しましょう(基本編)

ここからはいよいよ、Power Automateを使って従業員の記念日自動お祝いフローを作成していきます。毎日特定の時間にフローを実行し、その日が誕生日の従業員をSharePointリストから検索し、Teamsで自動通知する基本的なフローから見ていきましょう。入社記念日のお祝いも、同様のロジックで作成できます。

 

フローを作成する場所を決めよう

Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、毎日特定の時間にフローを実行し、対象の従業員を検索して通知するフローなので、「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。

 

トリガーを設定しましょう

フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ここでは、「毎日特定の時間にフローを実行する」というスケジュールトリガーを設定します。


作成例1:従業員の誕生日にTeamsへ自動でお祝いメッセージを送信

このフローは、毎日実行され、今日が誕生日の従業員をSharePointリストから検索し、Teamsチャットでパーソナルなお祝いメッセージを送信します。

  1. Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
  2. 「作成」から「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。
  3. フロー名を指定し、トリガーを設定します。フロー名には「従業員誕生日_自動お祝い」など、分かりやすい名前を付けます。
    • 繰り返し間隔:1」日、「」を選択します。
    • 開始時刻: 毎日フローを実行したい時刻(例:09:00)を設定します。
    • 作成」をクリックします。
  4. 新しいステップを追加し、今日の「月日」と「年」を取得します。誕生日を「月日」で比較し、重複送信防止のために「年」も利用します。
    • 「タイムゾーンの変換 (日付と時刻)」アクション(今日の月日):
      • 基本時間: utcNow()
      • ソース タイム ゾーン: 「協定世界時」
      • ターゲット タイム ゾーン:(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京
      • 書式設定文字列:MM-dd」(月-日 の形式)
      • 補足: これをTodayMonthDayという変数に格納すると後で使いやすいです。
    • 「タイムゾーンの変換 (日付と時刻)」アクション(今年の年):
      • 基本時間: utcNow()
      • 書式設定文字列:yyyy」(年 の形式)
      • 補足: これをCurrentYearという変数に格納します。
  5. 新しいステップを追加し、SharePointリストから今日の誕生日の従業員を取得します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: 従業員マスタリストを作成したSharePointサイトのURLを選択します。
    • リスト名: 従業員マスタリストを選択します。
    • フィルタークエリ: formatDateTime(誕生日, 'MM-dd') eq '@{outputs('タイムゾーンの変換')?['body']}' and お祝いメッセージ送信済_誕生日_最新年 ne '@{outputs('タイムゾーンの変換_2')?['body']}'
      • 補足: これは「今日が誕生日」の従業員で、かつ「今年の誕生日のお祝いメッセージがまだ送信されていない」従業員を抽出します。formatDateTime(誕生日, 'MM-dd')で誕生日の月日だけを取得します。
  6. 新しいステップを追加し、取得した各従業員に対して処理を繰り返します。「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加し、「アイテムの取得」アクションの値を選択します。
  7. 「アプライ トゥー イーチ」の中にTeamsにお祝いメッセージを投稿します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
      • 投稿者:Flow bot」を選択します。
      • 投稿先:チャット」を選択します(従業員本人に通知するため)。
      • 受信者: アプライ トゥー イーチ内のアイテムから取得した従業員の「メールアドレス」を選択します。
      • メッセージ:
        @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']}さん
        
        🎉🎉🎉 お誕生日おめでとうございます! 🎉🎉🎉
        
        この一年が、@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']}さんにとって、さらに素晴らしいものになりますように!
        これからも、一緒に会社を盛り上げていきましょう!
        
        チーム一同より、心ばかりのお祝いです。
        
        • 補足:TitleはSharePointリストの「氏名」列です。
      • 重要度:標準」または「重要」を選択します。
  8. 新しいステップを追加し、SharePointリストの「お祝いメッセージ送信済_誕生日(最新年)」を更新します。
    • 「項目を更新します (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: 従業員マスタリストのサイト
    • リスト名: 従業員マスタ
    • ID: アプライ トゥー イーチ内のアイテムのID
    • お祝いメッセージ送信済_誕生日(最新年): @{outputs('タイムゾーンの変換_2')?['body']} (今年の年)
  9. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。

    SharePointリスト(従業員マスタ)に、今日が誕生日のテスト従業員情報(例: 誕生日を今日に設定、お祝いメッセージ送信済_誕生日(最新年)を空欄または昨年以前の年に設定)を登録します。

    Power Automateのフロー実行履歴を確認し、従業員宛てのTeamsチャットにお祝いメッセージが届いていることを確認します。


 

アクションを設定しましょう

トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。

  • スケジュールアクション:
    • 繰り返し」: 毎日特定の時間にフローを実行するためのトリガーです。
  • データ操作アクション:
    • タイムゾーンの変換」: 日付を月日形式や年形式に変換し、タイムゾーンを合わせるために使用します。
    • アイテムの取得」: 従業員マスタリストから、記念日に該当する従業員情報を取得します。
    • アプライ トゥー イーチ」: 取得した従業員情報ごとにループ処理を行います。
  • SharePointアクション:
    • 項目を更新します」: 従業員リストの「お祝いメッセージ送信済_誕生日(最新年)」などの列を更新し、重複送信を防ぎます。
  • Teamsアクション:
    • チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 従業員個人へ、お祝いメッセージを送信します。
    • 「重要度」の設定: このアクションの設定項目の中に、「重要度」というドロップダウンがあります。お祝いメッセージは「標準」で問題ないでしょう。

 

通知メッセージをカスタマイズしましょう

お祝いメッセージの本文は、動的なコンテンツを利用して、従業員の氏名、入社年数などを自動的に埋め込むことができます。

  • 従業員名: Title (SharePointリストの氏名)
  • 今年の年数/入社年数: formatDateTime(utcNow(), 'yyyy') (今年) や、入社日を基に計算した勤続年数など。

これらの情報を適切に配置することで、パーソナルで心温まるお祝いメッセージを自動で送信できます。


 

Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)

基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。

 

入社記念日のお祝いメッセージも自動送信する

誕生日と同様に、従業員の入社記念日にも自動でお祝いメッセージを送信することで、長期的な貢献を称え、エンゲージメントを高めます。


作成例2:従業員の入社記念日にTeamsへ自動でお祝いメッセージを送信

基本編のフローをコピーして、トリガーのフィルタークエリとメッセージを修正します。

  1. 基本編のフロー(従業員誕生日_自動お祝い)をコピーして、新しいフローを作成します。
    • フロー名:「従業員入社記念日_自動お祝い
  2. 新しいフローのステップ5の「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションの「フィルタークエリ」を修正します。
    • 入社記念日メールの場合:formatDateTime(入社日, ‘MM-dd’) eq ‘@{outputs(‘タイムゾーンの変換’)?[‘body’]}’ and お祝いメッセージ送信済_入社記念日_最新年 ne ‘@{outputs(‘タイムゾーンの変換_2’)?[‘body’]}’
      • 補足: 入社日はSharePointリストの列名です。
  3. 新しいフローのステップ7のTeams通知メッセージを修正します。入社年数を計算してメッセージに含めると、よりパーソナルになります。
    • 「作成」アクション(勤続年数計算):sub(int(formatDateTime(utcNow(), ‘yyyy’)), int(formatDateTime(items(‘アプライ_トゥー_イーチ’)?[‘入社日’], ‘yyyy’)))
      • 補足: これをYearsOfServiceという変数に格納します。
    • メッセージ:
      @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']}様
      
      ✨✨✨ 入社@{outputs('作成_勤続年数')?['body']}周年おめでとうございます! ✨✨✨
      
      本日、@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']}さんの入社@{outputs('作成_勤続年数')?['body']}周年記念日です!
      これまでのご活躍と、会社への貢献に心より感謝申し上げます。
      
      これからも、一緒に会社を盛り上げていきましょう!
      
      チーム一同より。
      
  4. 新しいフローのステップ8のSharePointリストの更新アクションを修正します。
    • お祝いメッセージ送信済_入社記念日(最新年): @{outputs('タイムゾーンの変換_2')?['body']} (今年の年)
  5. フローを保存してテストします。SharePointリストに、今日が入社記念日のテスト従業員情報(入社日を今日に設定、お祝いメッセージ送信済_入社記念日(最新年)を空欄または昨年以前の年に設定)を登録し、お祝いメッセージが届くことを確認します。

 

従業員の所属部署チャネルにもお祝いメッセージを共有する

本人へのお祝いメッセージだけでなく、所属するチームや部署のTeamsチャネルにもメッセージを投稿することで、チーム全体でお祝いできる機会を作ります。


作成例3:所属部署チャネルにもお祝いメッセージを共有するPower Automateフロー

基本編のフローに、Teamsチャネルへの追加通知アクションを追加します。

  1. 基本編のフロー(従業員誕生日_自動お祝い)を開きます。
  2. ステップ8の「項目を更新します (SharePoint)」アクションの後に新しいステップを追加します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
      • 投稿者: Flow bot
      • 投稿先: チャネル
      • チーム: 従業員の所属するTeamsのチームを選択します(SharePointの所属部署列から取得した部署名でチームを検索するロジックも可能)。
      • チャネル: 従業員の所属する部署のチャネル(例: 営業部_全体)を選択します。
      • メッセージ:
        【🎉お祝い】@{outputs('作成_社員名')?['body']}さん、お誕生日おめでとうございます!
        
        本日、@{outputs('作成_社員名')?['body']}さんの誕生日です。
        ぜひ、チームの皆さんからもお祝いのメッセージをお願いします!
        
      • 重要度: 「標準」を選択します。
  3. フローを保存してテストします。テスト用の従業員の誕生日が設定された日に、本人へのメッセージに加えて、所属部署のチャネルにもお祝いメッセージが届くことを確認します。

 

特定の役職者やグループには別のTeamsチャネルで自動通知する

役員や管理職など、特定の役職者に対しては、共通チャネルではなく、より限定されたチャネルや個人チャットでのお祝いに限定する、あるいは通知内容を調整します。


作成例4:特定の役職者やグループには別のTeamsチャネルで自動通知するPower Automateフロー

基本編のフローに、役職やグループを判断する条件分岐を追加します。

  1. 基本編のフロー(従業員誕生日_自動お祝い)を開きます。
  2. ステップ7のTeams通知アクションの前に「条件」アクションを追加します。SharePointリストに従業員の「役職」(テキスト)や「所属グループ」(テキスト)の列を追加しておきます。
    • 左側の値: @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['役職']} (SharePointの役職列)
    • 演算子:次の値と等しい
    • 右側の値:部長」または「執行役員
  3. 「はい」のパス(役職が「部長」以上の場合)に、別のTeams通知アクションを設定します。
    • 投稿先: 例えば、役員・部長連絡といったプライベートチャネル、または特定の個人チャットに限定。
    • メッセージ: 役員・部長向けに調整したお祝いメッセージ。
  4. 「いいえ」のパス(通常従業員の場合)に、既存のTeams通知アクション(本人へのチャット)を移動します。
  5. フローを保存してテストします。役職が設定されたテスト従業員に対して、お祝いメッセージが正しく分岐して届くことを確認します。

 

エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう

Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特に従業員の記念日通知は、会社のホスピタリティに関わるため、信頼性が非常に重要です。誤作動も避けたいものです。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。

権限不足のエラーが出た場合

「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePointのリストを操作したり、Teamsにメッセージを送信したりするための権限が不足している可能性があります。

フローを実行するアカウントが、対象のSharePointリストに対して「読み取り」権限、Teamsチャネルへのメッセージ投稿権限、個人チャットへのメッセージ送信権限を持っていることを確認してください。人事・総務部門やシステム管理者がフローを作成・管理するのが望ましいでしょう。

 

SharePointリストのデータ型不一致の場合

従業員情報をSharePointリストに登録・更新する際、列のデータ型とフローから送られるデータの型が一致しない場合にエラーが発生することがあります。特に日付形式やユーザー列へのマッピングに注意が必要です。

  • SharePointリストの列のデータ型と、Power Automateで処理する際のデータ型が一致しているか確認します。
  • formatDateTime() を使用して、日付の形式を「MM-dd」や「yyyy」など、比較や保存に適した形式に変換するようにしましょう。
  • ユーザー列には、メールアドレス形式の値を渡す必要があります。

 

通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)

Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。

  • Teamsの通知設定: 受信者(従業員本人、チームメンバー)のTeamsアプリの通知設定で、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
  • 受信者のメールアドレスの正確性: Teamsのチャット通知の場合、受信者のメールアドレスが正確であるかを確認しましょう。SharePointリストのメールアドレスが最新であるかを定期的に確認する運用も重要です。
  • 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。

 

フローの履歴を確認しましょう

エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要ですされます。

  1. Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
  2. 実行履歴」タブをクリックします。
  3. 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように処理され、どこでエラーが発生したか、そして入力/出力データやエラーメッセージの詳細を確認できます。

各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特にSharePointリストからの「アイテムの取得」アクションで、期待通りの従業員が抽出されているか、フィルタークエリが正しく機能しているかを確認しましょう。


 

セキュリティとアクセス管理を確認しましょう

従業員の誕生日や入社日といった個人情報は、非常に機密性の高い情報です。自動化システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に細心の注意が必要です。

 

SharePointリストの権限設定を適切にしましょう

従業員マスタリストに保存されたデータは、誰が閲覧・編集できるべきかを厳密に管理する必要があります。

  • 編集権限: 人事・総務部門の限られたメンバーにのみ「編集」権限を付与しましょう。
  • 閲覧権限: 原則として、従業員個人にはリスト全体の閲覧権限は与えず、人事・総務部門のみが閲覧可能とします。
  • 最小限の原則: 必要な人にのみ最小限の権限を与えましょう。
  • グループの活用: 個々のユーザーに権限を付与するのではなく、Active DirectoryグループやMicrosoft 365グループを利用して権限を管理することで、運用が容易になります。

 

Teamsチャネル/チャットの権限設定を適切にしましょう

お祝いメッセージが送信されるTeamsチャネルやチャットのメンバーシップも適切に管理しましょう。

  • 個人チャットの利用: 従業員本人へのお祝いメッセージは、個人チャットが最も安全で適切です。
  • 所属部署チャネルへの共有: 部署内でのお祝いは良いですが、誕生日や年齢に関する情報は共有しすぎないよう、メッセージ内容を調整しましょう。
  • プライベートチャネルの利用: 役員や管理職への特別な通知チャネルは、必ず「プライベート」チャネルとし、関係者以外が閲覧できないようにしましょう。

 

フローの作成と実行権限を管理しましょう

この自動化フローは、従業員の個人情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。

  • フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、人事・総務部門の責任者や特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
  • 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
  • サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。

 

個人情報保護への配慮を忘れずに

従業員の誕生日や入社日といった個人情報を取り扱うため、個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。

  • 利用目的の明確化: 従業員情報の収集目的を明確に伝え、自動お祝いの目的を従業員に周知し、同意を得ましょう。
  • 安全な保管: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
  • 保持期間の検討: 従業員情報の保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。

 

まとめ

ここまで、Power AutomateとTeams、SharePointリストを組み合わせることで、従業員の記念日(誕生日、入社記念日)のお祝いを自動化する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。

この自動化されたシステムは、従業員満足度とエンゲージメントを向上させ、人事・総務部門の業務負担を軽減するための強力なツールとなるでしょう。結果として、より温かく、公正な企業文化を育むことに貢献できます。

まずは、この記事で紹介した基本的なフローを実際に作成し、ご自身の環境で試してみてください。そして、貴社のお祝い文化や従業員情報の管理ニーズに合わせて、応用編で紹介した機能を追加したり、さらに独自のカスタマイズを加えたりすることで、より洗練された従業員エンゲージメントシステムを実現できるはずです。