TeamsとPower Automate連携で経費精算を自動化したい!作り方を分かりやすく説明

TeamsとPower Automate連携で経費精算を自動化!

経費精算、正直面倒だと感じていませんか?領収書を溜め込んで、月末にまとめて処理するあの憂鬱な時間。せっかくの業務時間を、もっと生産的なことに使いたいですよね。でも、ご安心ください。Microsoft TeamsとPower Automateを連携させれば、そんな経費精算の煩わしさから解放され、スマートな働き方を実現できるんです。


なぜ経費精算の自動化が必要なの?

経費精算の自動化は、単なる業務効率化に留まらない、大きなメリットを秘めています。手作業による精算は、どうしても時間がかかり、人的ミスも発生しがちです。小さなミスが積み重なると、経理部門への負担も増え、最悪の場合、会社の信用問題にも発展しかねません。自動化によって、これらの課題を根本から解決し、従業員は本来の業務に集中できる時間を確保できるようになります。これは現代のビジネス環境において、企業が競争力を維持し、成長を続ける上で避けては通れない道と言えるでしょう。自動化は、単に「楽になる」というだけでなく、「ビジネスを強くする」ための投資なのです。

手作業の限界を知る

手作業での経費精算は、従業員にとっても経理担当者にとっても、多大な時間と労力を要します。例えば、出張後や月末には、多くの従業員が領収書を整理し、Excelシートに手入力で情報を打ち込む作業に追われます。この作業は、内容の確認、金額の転記、勘定科目の選択といった、一見単純に見える作業の連続ですが、膨大な数の領収書を扱う場合、その負荷は計り知れません。また、紙の領収書を物理的に保管し、必要に応じてファイリングする手間も発生します。これらの作業は、本来従業員が集中すべきコア業務から時間を奪い、企業の生産性を低下させる一因となります。経理部門においても、送られてくる申請書の内容確認、不備があれば差し戻し、そして最終的な会計システムへの入力という一連の作業は、非常に時間がかかります。特に月末や期末など、処理が集中する時期には、残業時間の増加やストレスの増大といった問題も発生しやすくなります。この手作業に依存する体制は、もはや持続可能なビジネスモデルとは言えません。

エラーのリスクを減らす

どんなに注意を払っていても、手作業によるデータ入力には必ずミスがつきものです。例えば、領収書の金額を誤って入力したり、桁数を間違えたり、あるいは日付を間違えたりといった単純な入力ミスは日常的に起こりえます。また、経費の種類を間違えて勘定科目を誤って選択してしまう、といった経理処理上のミスも少なくありません。これらの小さなミスが積み重なると、後から修正に手間がかかるだけでなく、企業の財務情報に誤りが生じる可能性もあります。さらに、税務調査などの際に誤りが発覚すれば、企業の信頼性に関わる重大な問題に発展するリスクもゼロではありません。自動化されたシステムであれば、一度正しいルールを設定してしまえば、同じ種類のミスを繰り返し行うことはありません。入力チェック機能や自動振り分け機能により、ヒューマンエラーの発生を劇的に減少させることが可能です。これにより、経理データの正確性が向上し、経理部門の負担も軽減され、より高度な分析や戦略的な業務に集中できる環境が整います。

承認プロセスを素早くする

従来の経費精算では、申請書が承認者の机に届くまで時間がかかったり、承認者が不在で滞ったりすることがあります。例えば、申請書を印刷し、上司の机に置いておいても、上司が多忙で席にいない、あるいは出張中で数日間戻らないといった状況では、承認プロセスが停滞してしまいます。電子メールでのやり取りであっても、大量のメールに埋もれて見落とされたり、添付ファイルの確認に手間取ったりすることもあります。このような承認プロセスの遅延は、経費の支払い遅延に繋がり、従業員のモチベーション低下を招く可能性もあります。また、経理部門にとっても、承認が完了しない限り次の処理に進めないため、全体的な業務効率を悪化させる要因となります。自動化されたワークフローであれば、申請が送信された瞬間に、システムが自動的に適切な承認者へ通知を飛ばし、承認者が自身の都合の良いタイミングで、どこからでも内容を確認し、承認・却下・差し戻しの判断を下せるようになります。これにより、承認プロセスは劇的に短縮され、経費精算のサイクル全体がスムーズに流れるようになります。

コスト削減に繋がる理由

経費精算にかかる時間と労力は、目に見えないコストとして企業に負担をかけています。従業員が経費精算に費やす時間は、本来であれば売上向上や顧客満足度向上に繋がる業務に充てられるべき貴重なリソースです。経理部門の人員が手作業による処理に忙殺されているとすれば、それは人件費という直接的なコストだけでなく、その人員がより付加価値の高い業務に取り組む機会を失っているという機会損失にも繋がります。自動化を導入することで、これらの間接的なコストを削減し、浮いたリソースをより戦略的な業務に振り向けることが可能になります。例えば、経費精算に費やしていた時間を、新しいサービスの企画や、顧客データの分析、あるいは営業活動の強化に充てることで、企業の収益性を向上させることが期待できます。さらに、紙の領収書の保管にかかるスペースや、印刷用紙、インクといった消耗品費も削減できる可能性があります。自動化は単なる効率化ツールではなく、企業の財務体質を強化し、成長を加速させるための戦略的な投資と言えるでしょう。


TeamsとPower Automateって何?自動化の強力なツールを理解する

Microsoft TeamsとPower Automateは、どちらもMicrosoftが提供する強力なツールですが、それぞれ異なる役割を持っています。Teamsはコミュニケーションとコラボレーションの中心となり、Power Automateは様々な業務プロセスを自動化します。この二つを組み合わせることで、まさに業務自動化の理想的な環境が構築できるんです。それぞれのツールの特性を理解することが、効果的な自動化への第一歩となります。これらのツールは、今日のデジタルワークプレイスにおいて、企業が直面する様々な課題を解決し、従業員の生産性を向上させるための強力な基盤を提供します。

Teamsの役割を知る

Microsoft Teamsは、現代のビジネス環境において不可欠なコミュニケーションとコラボレーションのハブとして機能します。チャットによるリアルタイムな情報共有はもちろんのこと、ビデオ会議機能を使えば、離れた場所にいる同僚とも顔を見て話し合いができます。また、ファイルを共有し、共同で編集することで、プロジェクトの進行をスムーズに進められます。経費精算の文脈でTeamsを考えると、従業員が経費申請を行うためのインターフェースとして非常に有効です。例えば、Teamsの特定のチャネルに経費申請用のメッセージを投稿したり、専用のアプリケーション(タブ)を組み込んだりすることで、従業員は普段使い慣れているTeamsの画面から直接申請作業を行うことができます。承認者も、Teamsの通知を通じて承認依頼を受け取り、その場で内容を確認し、承認・却下といった判断を下すことが可能になります。これにより、経費精算のためにわざわざ別のシステムを立ち上げたり、メールを確認したりする手間が省け、よりスムーズな申請・承認体験が実現します。Teamsは単なるチャットツールではなく、業務プロセスを統合し、従業員の生産性を向上させるための強力なプラットフォームなのです。

Power Automateの役割を知る

Power Automateは、Microsoftが提供するRPA(Robotic Process Automation)ツールの一つであり、繰り返しの多いタスクや業務プロセスを自動化するためのクラウドサービスです。多種多様なアプリケーションやサービス(例えば、Outlook、SharePoint、Excel、Twitter、そしてもちろんTeamsやFormsなど)と連携し、特定の「トリガー」をきっかけに一連の「アクション」を自動で実行させることができます。例えば、「新しいメールが届いたら、その内容をTeamsに通知する」といった簡単なフローから、「顧客からの問い合わせがあったら、自動で返信メールを送信し、CRMシステムに顧客情報を登録し、担当者にタスクを割り当てる」といった複雑なワークフローまで、様々な業務を自動化できます。経費精算の自動化においては、Power Automateがまさにその「」の役割を担います。従業員からの経費申請をトリガーとして受け取り、その内容を解析し、承認ワークフローを開始し、承認者への通知、承認結果の記録、そして最終的な会計システムへのデータ連携までの一連のプロセスを、人の手を介さずに自動で実行することが可能になります。これにより、手作業によるミスや遅延を排除し、経費精算プロセス全体の効率性と正確性を飛躍的に向上させることができます。

二つの連携で何ができるのか

TeamsとPower Automateを連携させることで、単一のツールでは実現できない、相乗効果の高い自動化が可能になります。Teamsが「申請・承認の窓口」となり、Power Automateが「裏側の処理を実行するエンジン」となるイメージです。具体的な例を挙げると、従業員がTeamsのチャネルに経費申請の情報を投稿したり、Teamsに組み込まれたMicrosoft Formsのフォームから申請を送信したりすると、その投稿や送信をPower Automateがトリガーとして検知します。するとPower Automateは、その申請内容に基づいて、事前に設定された承認ワークフローを自動的に開始します。例えば、申請金額に応じて異なる承認者に通知を送ったり、特定の経費項目(例えば交際費)であれば、追加の承認を求めたりといった複雑なルールも適用可能です。承認者にはTeamsの個人チャットやチャネルを通じて承認依頼が届き、承認者はTeamsの画面上から「承認」や「却下」のボタンを押すだけで、次のステップへ進めます。承認が完了すれば、Power Automateは再び動き出し、承認済みであることを申請者や経理部門にTeamsで通知したり、承認されたデータをExcelシートやSharePointリストに自動で記録したり、さらに進んで会計システムへデータを連携させたりといった後続の処理を実行します。この連携により、従業員は日常的に利用しているTeamsを離れることなく経費精算を完結でき、経理部門も自動化されたプロセスによって業務負担を大幅に軽減できるため、全員にとってメリットのある働き方が実現します。

ローコード開発の魅力とは

Power Automateは、プログラミングの専門知識がなくても、マウス操作とドラッグアンドドロップでフローを作成できる「ローコード」ツールです。従来のシステム開発では、業務プロセスを自動化するためには、専門のプログラマーやIT部門に依頼し、何ヶ月もの時間をかけてコードを記述する必要がありました。しかし、Power Automateのようなローコードツールが登場したことで、ITの専門家ではない業務部門の担当者でも、自らの業務の課題を理解し、それを解決するための自動化フローを自らの手で作成できるようになりました。これは、業務の現場で日々発生する細かな問題点や改善点を、その場で迅速に解決できることを意味します。例えば、経理部門の担当者が、「経費申請書の特定の項目が入力されていない場合に自動で申請者に差し戻す」といったルールを、IT部門に依頼することなく、自分でフローに組み込むことが可能になります。これにより、IT部門はより戦略的な大規模システム開発に集中でき、業務部門は自律的に業務改善を進められるという、Win-Winの関係が構築されます。ローコード開発は、ビジネスのスピードを加速させ、イノベーションを促進する、現代のビジネスにおける強力なドライバーとなるでしょう。


どんな自動化ができるの?経費精算の様々なケースを想定する

経費精算の自動化と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。単純な申請フローだけでなく、領収書のOCR処理、勘定科目の自動振り分け、そして承認後の会計システム連携など、様々なケースが考えられます。ここでは、経費精算における具体的な自動化のシナリオをいくつかご紹介し、皆さんのビジネスに最適な方法を見つけるヒントを提供します。これらのシナリオは、単なる概念的なものではなく、実際に多くの企業で導入され、効果を発揮している具体的な実装例に基づいています。貴社の経費精算プロセスに合わせて、これらのアイデアを組み合わせたり、発展させたりすることで、理想的な自動化を実現できるでしょう。

 

領収書提出を楽にする

紙の領収書は、経費精算における最大の煩わしさの一つです。会計処理のために保管し、申請書に添付し、手入力で情報を打ち込む作業は、従業員にとって大きな負担です。これをPower AutomateとTeamsで自動化することで、この負担を大幅に軽減できます。例えば、従業員がスマートフォンで領収書を撮影し、それをTeamsの特定のチャネルにアップロードするだけで、Power Automateがトリガーされて動作を開始するフローを構築できます。この際、Microsoft Power AppsのキャンバスアプリをTeamsに埋め込み、領収書の画像をアプリ内で直接撮影・アップロードさせることで、より洗練されたユーザー体験を提供することも可能です。アップロードされた画像は、AI Builderのフォーム処理モデル(以前はAI Builderのレシート処理モデルなどと呼ばれていました)を利用して、日付、金額、店舗名、通貨などの必要な情報を自動で抽出できます。抽出されたデータは、そのまま経費申請フォームの関連フィールドに自動入力されるため、従業員は手入力の必要がなくなり、確認作業だけで済みます。これにより、領収書の紛失リスクも減少し、いつでもどこからでも申請が可能になるため、精算漏れも防ぐことができるでしょう。このアプローチは、従業員の利便性を向上させるだけでなく、経理部門での入力ミスを減らし、処理の迅速化にも貢献します。

 

申請フローを効率化する

経費申請のフローを効率化することは、全体の経費精算プロセスをスムーズにする上で非常に重要です。Power AutomateとTeamsを組み合わせることで、紙の申請書やメールでのやり取りに頼ることなく、電子的な申請プロセスを確立できます。具体的には、TeamsのチャネルにMicrosoft Formsへのリンクを貼り付けて従業員に経費申請を行わせる、あるいはAdaptive Cardsを使ってTeamsのチャット内に直接入力フォームを表示させるといった方法があります。従業員がこれらのフォームに必要事項(日付、費目、金額、備考など)を入力して送信すると、Power Automateが自動でトリガーされます。Power Automateは、送信された申請内容を解析し、事前に設定された承認経路に沿って承認者へ通知を送信します。この通知は、Teamsの個人チャットや特定の承認チャネルに送信されるため、承認者は見落とすことなく迅速に対応できます。通知には、申請内容の概要と、「承認」「却下」「差し戻し」といったアクションボタンを含めることで、承認者はTeamsの画面を離れることなく、ワンクリックで承認プロセスを進めることができます。これにより、申請から承認までのリードタイムが劇的に短縮され、経費精算全体のスピードが向上します。

 

承認を素早く終わらせる

承認プロセスにおける遅延は、経費精算全体のボトルネックとなりがちです。しかし、Power AutomateとTeamsを使えば、このボトルネックを解消し、承認を劇的に素早く完了させることができます。申請がPower Automateによって処理され、承認者の段階に進むと、承認者のTeamsに直接通知が届きます。この通知は、申請内容の概要(申請者、金額、目的など)を簡潔に表示し、承認者がすぐに状況を把握できるように工夫されます。さらに、通知メッセージ内には、「承認」「却下」といったアクションボタンが直接埋め込まれているため、承認者はTeamsの画面を離れることなく、メッセージをクリックするだけで承認の判断を下すことができます。承認後には、その承認状況が自動的に申請者や関連する経理担当者にTeamsで通知されるため、申請者は自分の経費が今どの段階にあるのかをリアルタイムで把握でき、不必要な問い合わせが減少します。また、Power Automateは承認履歴を自動的に記録するため、誰がいつ、どの経費を承認したかという監査ログも自動で生成され、内部統制の強化にも繋がります。これにより、承認者は場所や時間にとらわれずに承認作業を行えるため、出張中や外出先からでもスムーズに経費精算を完了させることが可能になります。

 

最終的な会計処理まで見据える

経費精算の自動化の最終目標は、単に申請・承認プロセスを効率化するだけでなく、最終的な会計処理までをシームレスに繋げることです。承認された経費データは、Power Automateを通じて会計システムに自動で連携させることが可能です。これは、Power Automateが持つ豊富なコネクタ機能によって実現されます。例えば、多くの会計システムはAPI(Application Programming Interface)を提供しており、Power AutomateはこれらのAPIを介してデータを送受信できます。具体的には、承認された経費データをExcel Online、SharePointリスト、またはDataverse(Power Platformのデータストレージサービス)に一時的に保存し、そこから会計システムへのデータ転送をトリガーすることも可能です。連携の方法としては、CSVファイルの生成とFTPサーバーへのアップロード、直接のAPI呼び出し、あるいはRPA(Power Automate Desktop)と組み合わせて会計システムの画面操作を自動化するといった手法が考えられます。これにより、経理部門での手入力作業を完全に排除し、入力ミスや転記ミスといったヒューマンエラーのリスクをゼロに近づけられます。データ連携の自動化は、経理部門の業務負担を劇的に軽減し、月次・年次決算の早期化に貢献するだけでなく、リアルタイムでの経費状況の把握を可能にし、より精度の高い経営判断を支援する基盤となります。


 

実際に作ってみよう!基本的な経費精算自動化フローの作成例

さあ、いよいよ具体的なフロー作成に取り掛かりましょう。ここでは、Power Automateを使って最も基本的な経費精算の自動化フローを作成する手順を、ステップバイステップでご紹介します。初めてPower Automateに触れる方でも、この手順に沿って進めれば、きっと基本的な自動化の仕組みを理解できるはずです。まずはシンプルなフローから始めて、その便利さを実感してください。この基本的なフローは、貴社の経費精算プロセスの基盤となり、後から様々なカスタマイズや機能追加を行う際の出発点となるでしょう。

 

フロー作成の準備をする

Power Automateでフローを作成する前に、いくつかの準備が必要です。まず、Power Automateの環境にアクセスできることを確認します。通常、Microsoft 365のライセンスがあれば、Power Automateを利用できます。ご自身のMicrosoft 365アカウントでサインインしてください。次に、どのようなトリガーでフローを開始させるかを決めます。今回の基本的な経費精算フローでは、Teamsのチャネルにメッセージが投稿されたことをトリガーとします。また、経費申請の入力にはMicrosoft Formsを使用しますので、事前にFormsで申請フォームを作成しておく必要があります。フォームには、申請者名、日付、費目、金額、備考といった基本的な項目を含めておきましょう。さらに、Power AutomateがTeamsやFormsにアクセスするためのコネクタが正しく設定されていることを確認してください。通常は初回利用時に自動で接続されますが、もしエラーが発生する場合は、コネクタの接続状況を確認し、必要に応じて再接続が必要となります。これらの準備を整えることで、スムーズにフロー作成に取り掛かることができます。

 

申請フォームを作る

経費精算の自動化において、従業員が情報を入力する申請フォームは非常に重要な要素です。このフォームの使いやすさが、従業員の利用率に直結します。最も手軽な方法は、Microsoft Formsを利用することです。Formsは、直感的で分かりやすいインターフェースで、アンケートやクイズを作成するのと同じ感覚で、経費申請フォームを作成できます。フォームには、以下のような項目を含めると良いでしょう。

  • 申請者名: テキスト形式(自動入力される場合は不要)
  • 申請日: 日付形式
  • 費目: 選択肢形式(交通費、飲食費、宿泊費、消耗品費など)
  • 金額: 数値形式
  • 目的・用途: テキスト形式(複数行)
  • 添付ファイル: ファイルアップロード形式(領収書画像など)

Formsでフォームを作成したら、そのURLをTeamsの特定のチャネルに共有し、従業員が簡単にアクセスできるようにしておきます。より高度な方法としては、Power Appsを使ってカスタマイズされたアプリを作成し、それをTeamsのタブとして組み込むことも可能です。Power Appsを利用すれば、より柔軟なレイアウトや、条件に応じた項目の表示・非表示、さらには経費規程との連携といった高度な機能を実装できます。どちらの方法を選ぶにしても、従業員が迷わず、正確に情報を入力できるような、シンプルかつ明確なフォーム設計を心がけましょう。

承認フローを組み立てる

Power Automateにおける承認フローの組み立ては、経費精算自動化の中核をなす部分です。申請フォームから情報が送信された後、Power Automateがその情報を基に承認プロセスを開始します。主要なアクションは「承認を開始して待機」です。このアクションを設定する際には、以下の点を考慮します。

承認の種類

  • 全員が承認または却下する: 指定された全ての承認者が承認しない限り、フローは次のステップに進みません。複数の承認者が必要な場合に適しています。
  • 最初に返信する人が承認または却下する: 指定された承認者のうち、誰か一人が承認すればフローが進みます。承認作業を迅速化したい場合に有効です。

タイトル: 承認依頼の件名です。申請者名や申請金額など、承認者が一目で内容を把握できるような情報を動的コンテンツで含めると良いでしょう。

割り当て先: 承認者のメールアドレスを指定します。複数の場合はセミコロンで区切ります。特定の役職者や部署のメンバーに自動で割り当てることも可能です。

詳細: 承認者が承認判断を下すために必要な、より詳細な情報を記載します。申請目的、費目の詳細、添付された領収書のリンクなどを含めます。

項目オプション: 承認者が選択できるボタンの名前です。「承認」「却下」が一般的ですが、「差し戻し」「確認依頼」など、業務プロセスに合わせて追加できます。

承認アクションの後に、「条件」アクションを使って、承認結果に基づいてフローを分岐させます。例えば、「承認」された場合は次の会計処理へ進み、「却下」された場合は申請者に通知を送り、フローを終了させる、といったロジックを組むことができます。この承認プロセスは、会社の経費規程や承認階層に合わせて、柔軟に設計することが可能です。

 

申請状況を通知する

経費申請プロセスの透明性は、従業員の満足度を高める上で非常に重要です。申請者が自分の経費が今どの段階にあるのかをリアルタイムで把握できることで、不必要な問い合わせが減り、経理部門の負担も軽減されます。Power Automateは、この通知機能を効果的に実現できます。

通知のタイミングとしては、主に以下の3つの段階が考えられます。

  1. 申請受付時: 従業員が経費申請を提出した直後に、申請者自身のTeams個人チャット、または申請者が所属するチームのチャネルに、「申請を受け付けました」という確認メッセージを送信します。このメッセージには、申請内容の概要や、承認状況を確認できるリンクなどを含めると親切です。
  2. 承認・却下時: 承認者が申請を「承認」または「却下」した際に、その結果を申請者に通知します。却下された場合には、承認者が入力したコメント(却下理由など)を含めることで、申請者は次に何をすべきかを理解しやすくなります。同時に、経理担当者や関連部署にも通知を送り、次の処理を開始する準備を促します。
  3. 差し戻し時: 承認者が申請を「差し戻し」た場合にも、その旨と理由を申請者に明確に通知します。修正が必要な箇所や、再提出の方法などを具体的に指示することで、スムーズな対応を促せます。

これらの通知には、Power Automateの「チャネルにメッセージを投稿する」アクションや「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する(V3)」アクションが利用できます。通知メッセージの内容は、動的コンテンツを使って、申請者名、金額、承認結果、コメントなどを自動で挿入できるため、パーソナライズされた情報を提供できます。これにより、申請者は常に自分の経費精算の状況を把握でき、経費精算に対する不安や不満を軽減できるでしょう。


作成例:基本的な経費精算自動化フロー

この例では、Teamsの特定のチャネルに経費申請の投稿があった際に、承認フローを開始し、承認結果をTeamsに通知するフローを作成します。

必要なもの:

  • Microsoft Teams: 経費申請の窓口と承認通知の受信に使用します。
  • Power Automate: ワークフローエンジンとして機能します。
  • Microsoft Forms: 経費申請の入力フォームとして使用します。

フローの概要:

  1. トリガー: Teamsの特定のチャネルに、Microsoft Formsの経費申請フォームへのリンクを含む新しいメッセージが投稿されたとき、またはフォームが直接送信されたとき。
  2. アクション:
    • フォームの回答内容を詳細に取得します。
    • 取得した情報に基づいて、承認フローを開始し、承認者が決定を下すまで待機します。
    • 承認者の決定(承認、却下、差し戻し)に応じて、適切な通知メッセージをTeamsの関連チャネルまたは個人チャットに投稿します。

Power Automate フロー作成手順:

Power Automateにサインイン

  • Webブラウザを開きアクセスします。
  • お持ちのMicrosoft 365のアカウント情報(メールアドレスとパスワード)を入力し、サインインします。これがPower Automateを利用するための最初のステップです。

 

新しいフローの作成

  • Power Automateのホーム画面左側にあるナビゲーションペインから、「作成」を選択します。
  • 次に表示されるオプションの中から、「インスタント クラウド フロー」をクリックします。これは、手動でトリガーできるフロー、あるいは特定のイベントが発生したときに自動的に起動するフローを作成するためのものです。
  • 「フロー名」の入力欄に、このフローの目的が明確にわかるような名前(例: 「Teams経由経費精算承認フロー」)を入力します。
  • 「フローのトリガー方法を選択します」の項目では、今回は後で詳細を設定するため、「スキップ」をクリックします。
  • 最後に、画面下部の「作成」ボタンをクリックして、フローの編集画面に進みます。

トリガーの設定(Microsoft Formsの応答時)

  • フローの編集画面で、「新しいステップ」をクリックします。
  • 検索バーに「Forms」と入力し、「Microsoft Forms」コネクタを選択します。
  • トリガーの一覧から「新しい応答が送信されるとき」を選択します。これは、Microsoft Formsで作成したフォームに新しい回答が送信された際に、このフローが自動的に起動するためのトリガーです。
  • フォーム ID」のプルダウンから、事前に作成しておいた経費申請フォームの名前を選択します。フォームをまだ作成していない場合は、Microsoft Formsで「経費申請フォーム」のような名前で作成し、必須項目(申請者名、費目、金額、日付、目的、領収書添付など)を設定しておきましょう。

フォーム回答の取得

  • 新しいステップ」をクリックします。
  • 再び検索バーに「Forms」と入力し、「Microsoft Forms」コネクタを選択します。
  • アクションの一覧から「応答の詳細を取得する」を選択します。このアクションは、前のステップでトリガーされたフォームの具体的な回答内容を取得するために必要です。
  • フォーム ID」は、前のステップと同じ経費申請フォームの名前を選択します。
  • 応答 ID」の入力欄には、動的コンテンツのリストから、「応答 ID」(「新しい応答が送信されるとき」トリガーの出力)を選択します。これにより、今回送信された特定のフォーム回答のIDが自動的に取得され、その詳細内容が次のステップで利用可能になります。

承認フローの開始

  • 新しいステップ」をクリックします。
  • 検索バーに「承認」と入力し、「承認」コネクタを選択します。
  • アクションの一覧から「承認を開始して待機」を選択します。このアクションが、経費精算の承認プロセスの中核を担います。
  • 承認の種類」は「全員が承認または却下する」を選択します。これにより、割り当てられた全ての承認者が明示的に承認しない限り、フローは次のステップに進みません。
  • タイトル」には、承認者に表示される依頼の件名を設定します。例えば、「新規経費申請:」と入力し、動的コンテンツから「申請者名」(Formsの応答詳細から取得)と「金額」(Formsの応答詳細から取得)を追加すると、新規経費申請:[申請者名]様 - [金額]円 のようになります。
  • 割り当て先」には、承認者のメールアドレスを入力します。複数いる場合はセミコロン(;)で区切って入力します。または、特定のグループや役職者を指定することも可能です。
  • 詳細」には、承認者が判断するための詳しい情報を入力します。動的コンテンツを使って、フォームから取得した「申請日」「費目」「目的」「領収書URL」(もしあれば)などを記載すると良いでしょう。
  • 項目オプション」には、承認者が選択できるボタンの名前を設定します。デフォルトの「承認」「却下」に加えて、「差し戻し」などを追加することも可能です。

 

条件分岐(承認結果による処理)

  • 新しいステップ」をクリックします。
  • 検索バーに「条件」と入力し、「制御」カテゴリから「条件」を選択します。このステップで、承認結果が「承認」か「却下」かによって、その後のフローを分岐させます。
  • 値の選択」の左側の入力欄に、動的コンテンツから「応答」(「承認を開始して待機」アクションの出力)を選択します。
  • 中央のプルダウンから「次の値に等しい」を選択します。
  • 右側の入力欄に、「承認」と正確に入力します。これにより、承認結果が「承認」であれば「はい」のブランチへ、そうでなければ「いいえ」のブランチへ進むようになります。

承認された場合の処理(「はい」ブランチ)

 

  • はい」のブランチ内で「アクションの追加」をクリックします。
  • 検索バーに「Teams」と入力し、「Microsoft Teams」コネクタを選択します。
  • アクションの一覧から「チャネルにメッセージを投稿する」を選択します。このアクションで、申請者や経理部門に承認されたことを通知します。
  • 投稿元」は「フローボット」を選択します。
  • 投稿先」は「チャネル」を選択し、承認完了通知を送るTeamsの「チームID」と「チャネルID」を指定します。
  • メッセージ」には、「経費申請が承認されました。」と入力し、動的コンテンツから「申請者名」「金額」「承認者名」(承認を開始して待機 の出力)などを追加します。例: [申請者名]様の経費申請([金額]円)が承認されました。承認者:[承認者名]
  • (応用例:SharePointリストへのデータ登録) ここでさらに、「新しいステップ」を追加し、「SharePoint項目を作成する」アクションを使って、承認された経費データをSharePointリストに自動で記録することも可能です。事前にSharePointサイト内に経費管理用のリストを作成しておき、フォームの各項目とリストの列をマッピングします。これにより、経費データの集計や管理が容易になります。

 

却下された場合の処理(「いいえ」ブランチ)

  • いいえ」のブランチ内で「アクションの追加」をクリックします。
  • 承認された場合と同様に「チャネルにメッセージを投稿する」アクションを追加します。
  • メッセージ」には、「経費申請が却下されました。」と入力し、動的コンテンツから「申請者名」「金額」に加え、「承認時のコメント」(承認を開始して待機 の出力)を追加します。これにより、却下理由が申請者に明確に伝わります。例: [申請者名]様の経費申請([金額]円)は却下されました。理由:[承認時のコメント]

フローの保存とテスト

  • フローの作成が完了したら、画面右上の「保存」ボタンをクリックして、変更内容を保存します。
  • フローが正しく機能するかを確認するため、「テスト」ボタンをクリックします。
  • 「手動」を選択し、「テスト」をクリックします。
  • Microsoft Formsで経費申請フォームを開き、テスト用の情報を入力して送信します。
  • その後、Power Automateの実行履歴を確認し、フローが正常に動作し、Teamsに適切な通知が届いているかを確認します。エラーが発生した場合は、エラーメッセージの内容をよく確認し、各ステップの設定を見直しましょう。

 

さらに高度な自動化を目指す!応用編とカスタマイズ

基本的なフローが作成できたら、次はさらに高度な自動化に挑戦してみましょう。経費精算は、企業によってルールやプロセスが大きく異なります。Power Automateは柔軟性が高いため、それぞれのビジネス要件に合わせてカスタマイズが可能です。ここでは、承認経路の分岐や会計システムとの連携など、より実践的な応用例とカスタマイズのヒントをご紹介します。これらの応用技術を習得することで、貴社の経費精算プロセスは、これまでにないレベルの効率性と正確性を達成できるでしょう。

承認ルートを柔軟に変える

企業の経費規程では、申請金額や費目、あるいは申請者の部署や役職に応じて、承認者が異なるケースがよくあります。Power Automateの「条件」アクションや「スイッチ」アクションを組み合わせることで、このような複雑な承認ルートを柔軟に実現できます。

応用例1:金額に応じた承認者の変更 例えば、「申請金額が5万円未満なら課長承認、5万円以上なら部長承認」といったルールを実装できます。

  • Formsから取得した「金額」を条件アクションで比較します。
  • 金額が50000より小さい」という条件を設定し、「はい」のブランチには課長を割り当てた「承認を開始して待機」アクションを配置します。
  • 「いいえ」のブランチには部長を割り当てた「承認を開始して待機」アクションを配置します。

応用例2:費目に応じた承認者の変更 例えば、「交際費なら経理部長の承認が必要」といったルールも実装可能です。

  • Formsから取得した「費目」を条件アクションで比較します。
  • 費目が交際費に等しい」という条件を設定し、「はい」のブランチには経理部長を割り当てた承認アクションを配置します。

応用例3:複数条件の組み合わせ 例えば、「申請金額が10万円以上かつ海外出張費の場合のみ、役員承認が必要」といった複雑な条件も、「And」や「Or」の論理演算子を条件アクション内で使用することで実現できます。これにより、きめ細やかな承認ルールを自動化し、手動での承認ルートの判断ミスを排除できるでしょう。また、承認者情報をSharePointリストなどで管理しておき、動的に承認者を割り当てることで、組織変更時にもフローの修正を最小限に抑えることが可能です。

会計システムと自動で連携する

承認された経費データを会計システムに手入力する作業は、経理部門にとって非常に大きな負担であり、ミスも発生しやすい部分です。Power Automateを活用することで、この最終ステップまでを自動化し、エンドツーエンドの経費精算プロセスを実現できます。連携方法は、会計システムが提供する機能によって異なります。

連携方法1:API連携 多くのモダンな会計システム(例: SAP S/4HANA Cloud, Dynamics 365 Finance, Workdayなど)は、RESTful APIを提供しています。Power Automateは「HTTP」コネクタや、各会計システム専用のコネクタ(もしあれば)を利用して、これらのAPIを直接呼び出すことができます。

  • 承認が完了した後に、取得した経費データをJSON形式などに整形します。
  • HTTP」コネクタの「HTTP リクエストを送信します」アクションを使用し、会計システムのAPIエンドポイントに対してPOSTリクエストを送信し、経費データを登録します。
  • この際、認証情報(APIキー、OAuth2.0トークンなど)を安全に管理する必要があります。

連携方法2:ファイル連携(CSV, Excelなど) API連携が難しい場合や、古い会計システムを利用している場合は、ファイル形式での連携が一般的です。

  • 承認が完了した経費データを、「CSVテーブルの作成」アクションや「Excelテーブルに追加」アクションを使って、CSVファイルやExcelファイルとして整形します。
  • 生成したファイルを「SharePoint ファイルの作成」アクションでSharePointドキュメントライブラリに保存したり、「FTP」コネクタや「SFTP」コネクタを使って会計システムが参照するサーバーにアップロードしたりします。
  • 会計システム側で、定期的にこれらのファイルを読み込むバッチ処理を設定しておくことで、自動的なデータ取り込みが実現します。

連携方法3:RPA(Power Automate Desktop)との連携 もし会計システムがクラウドベースではなく、デスクトップアプリケーションである場合や、APIが提供されていない場合は、Power Automate Desktopを組み合わせることで連携が可能です。

  • クラウドフロー(Power Automate)で承認が完了した後に、デスクトップフロー(Power Automate Desktop)をトリガーします。
  • デスクトップフローは、会計アプリケーションを起動し、承認された経費データを画面上の入力フィールドに自動で入力していくRPA処理を実行します。
  • この方法は、画面レイアウトの変更に影響を受けやすいという注意点がありますが、レガシーシステムとの連携には非常に有効です。

これらの連携を実装することで、経理部門は手入力作業から完全に解放され、データ入力ミスによる修正作業も不要になります。これにより、月次決算や年次決算の早期化に貢献し、経理部門の戦略的な役割を強化できるでしょう。

 

領収書情報を自動で読み取る

経費精算における手間の一つに、領収書からのデータ手入力があります。これを自動化するために、AI Builderフォーム処理機能(旧レシート処理モデル)や、Azure Cognitive ServicesForm Recognizer(現Azure AI Document Intelligence)といったAIを活用できます。

AI Builderのフォーム処理モデルの活用

  • Power Automateのフローに、「AI Builderで情報を抽出」アクションを組み込みます。
  • 従業員がTeamsにアップロードした領収書画像(PNG, JPG, PDFなど)をこのアクションの入力として渡します。
  • AI Builderは、画像から日付、金額、店舗名、通貨、品目といった必要な情報を自動的に認識・抽出します。
  • 抽出されたデータは、そのまま経費申請フォームの関連フィールドに自動入力されます。従業員は、抽出された内容が正しいかを確認し、必要であれば修正するだけで済みます。

カスタムモデルの作成: もし、貴社独自の領収書フォーマットや、特定の項目(例えば、プロジェクトコードなど)も抽出したい場合は、AI Builderでカスタムフォーム処理モデルを作成することも可能です。少数のサンプル領収書(5枚以上)をAI Builderに学習させることで、特定の書式に対応した高精度なデータ抽出が可能になります。

メリット

  • 従業員の手入力の手間が大幅に削減され、申請時間が短縮されます。
  • 手入力によるミスがなくなるため、データの正確性が向上します。
  • 経理部門での領収書内容確認作業が簡素化されます。

これにより、経費精算の最初の手間である「領収書からの情報抽出」が自動化され、従業員の利便性と全体の効率が飛躍的に向上するでしょう。

過去のデータと照合する

自動化された経費精算プロセスに、さらに不正検知監査機能を組み込むことで、内部統制を強化し、潜在的なリスクを軽減できます。Power AutomateとExcel Online、SharePointリスト、またはDataverseに蓄積された過去の経費データを組み合わせることで、様々な異常検知の仕組みを構築できます。

応用例1:異常な金額の検知

  • 承認フローの途中で、申請された経費の「金額」が、過去の同じ費目や同じ申請者による平均的な金額と比べて、著しく高い場合にアラートを発するフローを追加します。
  • 例えば、Power AutomateでSharePointリストに格納された過去の経費データを読み込み、集計・分析するフローを実行します。
  • 新しい申請の金額が、過去の平均値から大きく逸脱する場合、「条件」アクションで検知し、経理担当者や上長にTeamsでアラート通知を送信します。

応用例2:頻繁な申請者の検知

  • 特定の従業員が短期間に異常に多くの経費申請を行っている場合、その情報を検知し、経理部門に通知します。
  • SharePointリストやDataverseに申請履歴を蓄積しておき、新しい申請があった際に、Power Automateが過去N日間の申請回数をカウントし、設定された閾値を超えた場合にアラートを発します。

応用例3:特定のキーワードの検知

  • 経費の「目的」や「備考」欄に、不適切なキーワード(例: 「個人的利用」、「趣味」など)が含まれていないかを自動でチェックします。
  • Formsから取得したテキストデータをPower Automateで解析し、キーワードが含まれていれば自動的に申請を差し戻すか、経理部門に確認を促す通知を送ります。

これらの機能を組み合わせることで、単なる自動化に留まらず、経費精算プロセス全体の透明性健全性を高めることができます。これにより、不正な経費申請のリスクを低減し、より厳格なガバナンス体制を構築することが可能になります。


トラブルシューティングと解決策

Power Automateでのフロー作成は、時に予期せぬエラーに遭遇することもあります。しかし、ご安心ください。ほとんどの問題は、適切なトラブルシューティングを行うことで解決できます。エラーメッセージの意味を理解し、原因を特定し、そして適切な対処法を知っておくことが重要です。ここでは、よくある問題とその解決策、そしてスムーズな運用を維持するためのヒントをご紹介します。決して焦らず、冷静に問題解決にあたることが、自動化成功の鍵となります。

エラーメッセージの意味を理解する

Power Automateがエラーを発生させた場合、フローの実行履歴に表示されるエラーメッセージには必ず原因の手がかりが含まれています。英語のメッセージであっても、表示されているエラーコードエラー内容のキーワードを読み解くことで、何が問題なのかを把握することが最初のステップです。

  • 「BadGateway」または「502 Bad Gateway」: コネクタ(Teams、Formsなど)が接続先のサービスと通信できなかった場合に発生しやすいエラーです。一時的なサービス障害か、コネクタの認証情報に問題がある可能性があります。
  • 「400 Bad Request」: 送信されたデータ形式が不正であったり、APIの要件を満たしていなかったりする場合に発生します。例えば、数値が期待されるフィールドに文字列を渡してしまった場合などです。動的コンテンツの出力内容を確認しましょう。
  • 「Unauthorized」または「401 Unauthorized」: コネクタの認証情報が期限切れであるか、必要な権限がない場合に発生します。コネクタの接続を再設定するか、管理者に権限の付与を依頼してください。
  • 「NotFound」または「404 Not Found」: 指定したリソース(例: TeamsのチャネルID、SharePointのリスト名など)が見つからない場合に発生します。IDや名前の入力ミスがないか確認しましょう。
  • 「Timeout」: 特定の操作が完了するまでに時間がかかりすぎた場合に発生します。大量のデータを処理しようとしている場合や、外部サービスの応答が遅い場合に起こりえます。

エラーメッセージを検索エンジン(もちろん、グーグルでも構いません)で検索することで、公式ドキュメントやコミュニティフォーラムで解決策が見つかることも多いです。

フローの実行履歴を確認する

フローが期待通りに動作しない場合、Power Automateの実行履歴は、最も重要な情報源です。フローの各ステップがどのように実行されたか、どのような入力が与えられ、どのような出力があったかを詳細に確認できます。

フローの実行履歴にアクセスする

  • Power Automateのマイフロー画面から、問題のあるフローを選択します。
  • 「実行履歴」タブまたは「履歴」セクションをクリックすると、過去の実行ログが一覧表示されます。
  • 失敗した実行(赤いX印が表示されているもの)をクリックすると、その実行の詳細画面に移動します。

 

ステップの入力と出力を確認する

  • 詳細画面では、フローの各ステップが展開されており、成功したステップには緑色のチェックマーク、失敗したステップには赤いX印が表示されます。
  • 失敗したステップをクリックすると、そのステップの詳細情報、特に「入力」と「出力」のセクションが表示されます。
  • 入力」を確認することで、そのステップがどのようなデータを受け取って処理しようとしたかが分かります。
  • 出力」を確認することで、そのステップがどのような結果を生成したか、あるいはエラーメッセージの詳細が表示されます。
  • 特に、あるステップの出力が次のステップの入力として正しく渡されているかを確認することは非常に重要です。動的コンテンツの指定ミスがないか、注意深く確認しましょう。

この実行履歴を丹念に追っていくことで、どのステップで、どのようなデータが原因でエラーが発生したのかを特定し、修正のための具体的な手がかりを得ることができます。

コネクタの接続を見直す

Power Automateは様々なサービスに接続するためにコネクタを利用します。このコネクタの接続が切れていたり、設定が誤っていたりすると、フローは正常に動作しません。

接続状態の確認

  • Power Automateの左側のナビゲーションペインから「データ」→「接続」を選択します。
  • 現在設定されているコネクタの一覧が表示されます。使用しているTeams、Forms、SharePointなどのコネクタが「接続済み」の状態になっているか確認してください。
  • もし「エラー」が表示されている場合や、接続が切れているように見える場合は、そのコネクタをクリックし、「接続の編集」または「再接続」を試みてください。多くの場合、認証情報の再入力や権限の再確認を求められます。

権限の確認

接続は成功しているものの、特定の操作(例: SharePointリストへの書き込み)ができない場合は、そのコネクタが接続しているアカウントに、対象サービスに対する適切な権限が付与されているかを確認してください。例えば、SharePointリストにアイテムを追加するには、「投稿」または「編集」権限が必要です。

サービス側の設定確認:

TeamsのチャネルIDやSharePointのリスト名など、フロー内で指定しているIDや名前が、接続先のサービス(Teams、SharePointなど)で実際に存在するか、大文字・小文字を含めて完全に一致しているかを確認してください。ちょっとしたスペルミスでも接続エラーに繋がることがあります。

条件設定を再確認する

特に「条件」アクションや「スイッチ」アクションを使ってフローを分岐させている場合、その条件式が正しく設定されていないために、フローが意図しないブランチに進んでしまうことがあります。

論理式の確認

  • 数値の比較(例: 金額が50000より大きい)の場合、数値型のデータが正しく入力されているか、比較演算子(より大きい、より小さい、等しいなど)が適切かを確認します。文字列型のデータ(例: 承認結果が「承認」に等しい)の場合、大文字・小文字の違いや全角・半角の違いが影響することがあります。厳密な比較が必要な場合は、equals()関数などで明示的に比較しましょう。
  • 複数の条件を組み合わせる場合(例: AかつB、AまたはB)、「And」または「Or」の選択が正しいか、括弧を使って評価順序が明確になっているかを確認します。

動的コンテンツの確認

条件式で使用している動的コンテンツが、期待通りの値を出力しているか、実行履歴の「出力」セクションで確認してください。例えば、Formsから取得したはずの金額が、なぜかテキストとして認識されていて数値比較ができない、といったケースも考えられます。その場合は、「int()」や「float()」などの関数でデータ型を変換する必要があるかもしれません。

空の値を考慮する

Formsのオプション項目などで、値が入力されない可能性があるフィールドを条件に使う場合、そのフィールドが空だった場合の挙動も考慮する必要があります。empty()関数やnullチェックを使って、値がない場合の処理も適切に定義しましょう。

これらのトラブルシューティングの手順を順に追っていくことで、ほとんどのフローの問題を自己解決できるはずです。焦らず、冷静に、一つずつ確認していくことが重要です。


セキュリティと権限管理の重要性

業務自動化を進める上で、セキュリティと権限管理は非常に重要な要素です。特に経費精算のように機密性の高い情報を取り扱うフローでは、適切なアクセス制御と監査体制を確立することが不可欠です。誰が何にアクセスでき、どのような操作ができるのかを明確にすることで、情報漏洩のリスクを最小限に抑え、安心して自動化されたプロセスを運用できます。セキュリティは、単なる技術的な対策ではなく、組織全体で取り組むべき経営課題であることを認識すべきです。

フローの共有範囲を決める

作成したPower Automateのフローは、デフォルトでは作成者のみが実行・編集できます。しかし、チームで利用する経費精算フローの場合、複数のユーザーが関わるため、適切な共有設定が必要です。

実行のみの共有

フローの利用者(経費申請を行う従業員)に対しては、「実行のみのユーザー」として共有します。これにより、フローの内容を編集することなく、トリガーを実行することだけが可能になります。フローのロジックが変更されるリスクを防ぎます。

共同所有者(編集権限)の共有

フローの作成者以外に、フローのメンテナンスや改善を担当するメンバー(例えば、経理部門の担当者やIT部門の担当者)がいる場合は、「共同所有者」として共有します。共同所有者は、フローの編集、削除、実行履歴の確認など、全ての操作が可能です。ただし、共同所有者が増えすぎると管理が複雑になるため、必要最小限のメンバーに限定すべきです。

ソリューションへの追加

より大規模な組織や、複数の関連フローを管理する場合は、Power Platformのソリューションにフローを追加して管理することをお勧めします。ソリューションは、関連するコンポーネント(フロー、アプリ、テーブルなど)をまとめて管理するためのコンテナであり、セキュリティとライフサイクル管理を強化できます。

共有設定は、フローのセキュリティ体制を構築する上で最初の、そして最も重要なステップです。誰に、どのレベルのアクセス権を与えるべきかを慎重に検討し、過剰な権限付与は避けるべきです。

データソースの権限設定を確認する

経費データが保存されるFormsやSharePoint、あるいはその他のデータベースなどのデータソースについても、適切なアクセス権限が設定されているかを確認することが不可欠です。Power Automateのフロー自体が安全に動作しても、そのフローがアクセスするデータソースのセキュリティが脆弱であれば、情報漏洩のリスクは残ります。

Microsoft Forms

  • 経費申請フォームの公開範囲を設定します。「組織内のユーザーのみ応答可能」を選択し、不特定多数の外部からのアクセスを防ぎます。
  • フォームの回答データはFormsの管理者のみが閲覧できるよう、権限設定を確認します。

SharePointリスト/ライブラリ

  • 経費データが保存されるSharePointリストや、領収書画像がアップロードされるドキュメントライブラリに対して、アクセス権限を厳密に設定します。
  • 経費申請を行う従業員には「アイテムの追加」権限のみを付与し、他の従業員のデータを閲覧・編集できないようにします。
  • 経理担当者や承認者には、必要に応じて「編集」または「フルコントロール」権限を付与します。
  • 特定の列(例: 承認状況、経費機密情報)に対して、アイテムレベルの権限設定や列レベルのセキュリティ(Power Appsなどのカスタムフォームと連携して実装)を検討することも重要です。

Dataverse

Power Platformの基盤であるDataverseに経費データを保存する場合、セキュリティロールを使用してきめ細やかなアクセス制御が可能です。特定のユーザーグループに、特定のテーブル(エンティティ)の読み取り、書き込み、作成、削除権限を付与できます。

データソースの権限設定は、フローのセキュリティの「裏口」を閉めるようなものです。いくら正面玄関を固めても、裏口が開いていれば意味がありません。データソースのセキュリティ設定も、フローのセキュリティ設計と並行して、厳密に行うべきです。

承認者リストを管理する

経費精算フローにおいて、承認者は申請の正当性を判断する重要な役割を担います。承認者リストの正確性と最新性は、フローの適切な運用に直結します。人事異動や組織変更があった際に、速やかに承認者を更新する仕組みを確立することが重要です。

静的な承認者の設定

フロー作成時に、承認者をメールアドレスなどで直接指定する方法です。シンプルな組織構造の場合や、承認者が固定されている場合に有効です。ただし、承認者が変更になるたびにフローを編集する必要があるため、メンテナンスの手間がかかります。

動的な承認者の設定(推奨)

  • Power Automateのフロー内で、承認者を動的に取得する方法です。例えば、SharePointリスト、Excelファイル、またはDataverseに承認者リスト(社員ID、部署、役職、対応承認者など)を作成しておき、申請者の情報に基づいて適切な承認者を検索・取得するようにします。
  • Office 365 ユーザーコネクタを使って、ユーザーの役職や部署情報に基づいて承認者を検索することも可能です。例えば、「申請者のマネージャーを取得する」といったアクションを利用できます。
  • これにより、人事異動や組織変更があった場合でも、承認者リストのデータを更新するだけで済み、フロー自体を修正する手間が大幅に削減されます。

代理承認者の設定

承認者が長期休暇や出張で不在になる場合に備え、代理承認者を設定できる仕組みを導入することも検討しましょう。Power Automateの承認アクションには、代理人の設定機能があります。

承認者リストの管理は、単なるフローの運用効率だけでなく、内部統制の観点からも非常に重要です。常に最新の状態を保ち、承認の権限が適切に委譲されていることを確認できる体制を構築すべきです。

監査ログを定期的に確認する

Power Automateは、作成されたフローの全ての実行履歴と詳細なログを自動的に記録します。これらの監査ログを定期的に確認することは、フローが意図通りに動作しているか、不審なアクティビティがないか、そして潜在的な問題がないかを監視する上で非常に重要です。

実行履歴の確認

  • 各フローの「実行履歴」セクションでは、いつ、誰が、どのフローを実行したか、成功したか失敗したか、各ステップでどのようなデータが処理されたか、といった詳細な情報が記録されています。
  • 定期的にこの履歴をチェックし、失敗している実行がないか、異常な実行時間やデータ量がないかを確認します。

Power Automate Analyticsの活用

  • Power Automateの管理センターには「Power Automate Analytics」という機能があり、フローの利用状況、パフォーマンス、エラー発生状況などをグラフやレポート形式で視覚的に確認できます。
  • これにより、特定のフローでエラーが頻発していないか、処理に時間がかかっているステップがないかなどを、俯瞰的に把握することができます。

Microsoft 365監査ログとの連携

  • Microsoft 365のコンプライアンスセンターで提供されている監査ログは、Power Automateのフローの作成、変更、削除などの管理操作も記録しています。
  • これにより、誰がいつ、フローにどのような変更を加えたか、といったガバナンスに関わる情報を確認できます。

監査ログの確認は、フローの健全性を維持し、問題が発生する前に兆候を捉えるためのプロアクティブなアプローチです。定期的なレビュープロセスを確立し、必要に応じてアラートを設定することで、常に安全かつ効率的な経費精算プロセスを維持できるでしょう。


自動化の未来は?

経費精算の自動化は、一度構築すれば終わりではありません。技術の進化とともに、さらに賢く、効率的な運用が可能になります。AIの活用やRPAとの連携、そして継続的な改善を通じて、経費精算プロセスはさらに洗練され、企業の競争力向上に貢献するでしょう。未来を見据えた経費精算のあり方について、少しだけ考えてみませんか?これらの進化は、経理業務の概念そのものを変え、より戦略的で付加価値の高い役割へとシフトさせる可能性を秘めています。

AIとの連携でさらに賢く

AI技術の進化は目覚ましく、経費精算の自動化においてもその恩恵は計り知れません。既存のOCR技術に加えて、さらに高度なAI連携が可能です。

AI-OCRの精度向上

  • AI Builderのフォーム処理モデルは継続的に進化しており、より多様なレイアウトの領収書や請求書から、日付、金額、費目、事業者名などの情報を高精度で自動抽出できるようになります。これにより、手入力や目視確認の必要性がさらに低減され、ほぼ完全に自動化されたデータ入力が実現するでしょう。
  • 多言語対応も進み、海外出張時の領収書処理もスムーズに行えるようになります。

異常検知AIの導入

  • 過去の経費データ(金額、頻度、費目など)をAIに学習させることで、通常とは異なる「異常な」経費申請を自動的に検知できるようになります。例えば、過去のパターンから逸脱した高額な経費、特定の費目が異常に頻繁に計上されるケース、あるいは特定の時間帯や場所での不審な申請などを自動で識別し、経理担当者や監査部門にアラートを送信します。
  • これにより、潜在的な不正や誤りを未然に防ぎ、監査工数を大幅に削減できるだけでなく、コンプライアンス体制を強化することができます。

勘定科目の自動推論

経費の目的や内容の記述(テキストデータ)から、AIが最適な勘定科目を自動的に推論し、提案する機能も導入されつつあります。これにより、従業員が勘定科目を迷うことがなくなり、経理部門での修正作業が減少します。AIが学習するにつれてその精度は向上し、より精緻な自動仕訳が可能になるでしょう。

AIとの連携は、経費精算の自動化を単なる反復作業の効率化から、インテリジェントな意思決定支援システムへと進化させ、経理部門の業務を劇的に変革します

RPAとの連携で死角をなくす

Power Automate(クラウドフロー)は主にクラウドサービスやAPI連携に強みを発揮しますが、一部のレガシーシステムや、ウェブブラウザではなくデスクトップ上でしか操作できないアプリケーションとの連携には限界があります。ここでRPA(Robotic Process Automation)、具体的にはPower Automate Desktopのようなデスクトップフローがその役割を担います。

レガシーシステムへのデータ入力自動化

  • もし貴社の会計システムがAPIを提供しておらず、手動で画面入力が必要な場合は、Power Automate Desktopを活用できます。クラウドフローで承認された経費データをデスクトップフローに渡し、デスクトップフローが会計システムの画面を自動で操作し、データを入力するシナリオが考えられます。
  • 例えば、承認された経費明細をクラウドフローがCSVファイルに出力し、そのCSVファイルをデスクトップフローが読み込み、会計システムの所定の画面に自動入力していく、といった連携が可能です。

 

ウェブベースの複雑な操作の自動化

ウェブベースのシステムでも、複雑なJavaScriptの実行や特定のボタンのクリック順序など、クラウドフローの標準コネクタだけでは難しい操作がある場合があります。そのような場合にも、Power Automate Desktopのウェブオートメーション機能を利用することで、ブラウザ上のあらゆる操作を自動化できます。

エンドツーエンドの自動化

  • クラウドフローとデスクトップフローを組み合わせることで、経費申請から最終的な会計システムへのデータ入力、そして場合によっては銀行への支払い指示まで、経費精算プロセス全体をエンドツーエンドで完全に自動化することが可能になります。
  • これにより、あらゆる段階での手作業を排除し、経理部門の負担をゼロに近づけることができるでしょう。RPAとの連携は、企業の「デジタル化の死角」をなくし、真の自動化を実現するための強力な手段となります。

モバイルからの申請を強化する

現代のビジネスパーソンは、外出先や出張先で経費が発生することが頻繁にあります。そのため、スマートフォンからの経費申請体験を強化することは、従業員の利便性を向上させ、経費精算の迅速化に直結します。

専用モバイルアプリの導入

  • Power Appsで開発したカスタム経費精算アプリを、Teamsのモバイルアプリにタブとして組み込むことで、従業員はTeamsアプリから離れることなく、経費申請を完結できます。
  • このアプリでは、スマートフォンのカメラ機能を利用して領収書をその場で撮影・アップロードしたり、GPS情報から交通費を自動計算したり、音声入力で備考を記録したりといった、モバイルならではの機能を活用できます。

Push通知の活用

  • 承認依頼や申請状況の更新通知を、TeamsのモバイルアプリへのPush通知として送信することで、承認者はどこにいてもリアルタイムで状況を把握し、迅速に承認判断を下せるようになります。
  • これにより、承認の遅延がさらに減少し、経費精算のサイクルが最短化されます。

オフライン対応

インターネット接続が不安定な場所でも申請が行えるよう、Power Appsアプリのオフライン機能を実装することも考えられます。オフライン中に申請データを一時保存し、接続が回復した際に自動で同期する仕組みです。

モバイルからの申請を強化することで、従業員はいつでもどこでもストレスなく経費精算を行えるようになり、結果として申請忘れや遅延が減少し、経理部門の業務もよりスムーズに進むことになるでしょう。

継続的な改善と最適化

自動化された経費精算フローは、一度構築したら終わりではありません。ビジネス環境や企業のルールは常に変化するため、それに合わせてフローも継続的に見直し、改善を続けることが重要です。これは、DevOps(開発と運用の融合)の考え方にも通じる、アジャイルなアプローチです。

パフォーマンスモニタリング

  • Power Automate Analyticsやカスタムログ(SharePointリストやDataverseに記録)を利用して、フローの実行状況やパフォーマンスを定期的に監視します。
  • 特定のステップでエラーが頻発していないか、処理に異常な時間がかかっていないか、利用状況は想定通りかなどを確認します。

フィードバックの収集

  • フローの利用者(従業員、承認者、経理担当者)から定期的にフィードバックを収集します。使いにくい点はないか、改善してほしい機能はないか、新しい要件は出てきていないかなどをヒアリングします。
  • Teamsのチャネルでフィードバック用のチャネルを設ける、Formsでアンケートを実施するなどの方法が考えられます。

フローのバージョン管理

  • Power Automateはフローのバージョン管理機能を備えています。変更を加える際には、新しいバージョンとして保存し、いつでも以前のバージョンに戻せるようにしておくことが重要です。これにより、意図しない変更によるトラブルを最小限に抑えられます。
  • より高度な環境では、DevOpsツール(Azure DevOpsなど)と連携して、開発・テスト・本番環境へのデプロイを自動化するCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインを構築することも可能です。

新しい機能の導入

Power AutomateやMicrosoft 365の新しい機能がリリースされた際には、それらを既存のフローに組み込むことで、さらなる効率化や機能強化を図ります。例えば、新しいAI機能やコネクタの追加があれば、積極的に検証し導入を検討します。