Power Automate経由でTeamsの緊急通知機能を使って送信する!
緊急性の高い情報をチームメンバーに確実に、そして迅速に伝えたい場面に遭遇したことはありませんか?通常のメッセージでは見落とされてしまうかもしれない重要な連絡を、確実に相手に届けたい…そんな時に役立つのが、Teamsの「緊急」メッセージ機能です。しかし、この緊急メッセージを毎回手動で送信するのは手間がかかりますし、特定の条件で自動的に送りたい、というニーズもあるのではないでしょうか。
Power AutomateとTeamsの連携を使えば、この「緊急」メッセージの自動送信が可能です。
なぜTeamsの緊急通知が大切なのか?
通常のメッセージと比べて、Teamsの緊急通知が持つ特別な意味とその重要性について見ていきましょう。
見落としを防ぐ理由
Teamsでの通常のチャットメッセージは、特に多くのチャネルや会話に参加している場合、流れてしまい見落とされがちです。しかし、Teamsの緊急メッセージは、受信者がメッセージを既読にするまで、2分間隔で最大20分間(繰り返し)通知が届き続けます。これは、まさに「見落とし厳禁」の状況において、情報を確実に届けるための強力な手段となるのです。
迅速な対応を促す理由
緊急メッセージは、通常の通知とは異なる特別な音と視覚的なアラートで受信者に届きます。これにより、受信者はそのメッセージが通常の連絡とは異なり、即座の注意と対応が必要であることを直感的に認識できます。事故発生時、システム障害時、あるいは災害時など、一刻を争う状況において、迅速な状況把握と行動を促す上で極めて有効です。
危機管理能力を高める理由
組織における危機管理において、情報の伝達速度と確実性は非常に重要です。緊急メッセージ機能を活用することで、特定の危機発生時に、関係者全員に瞬時に、かつ強制力のある形で情報を届けられます。これにより、状況の悪化を防ぎ、適切な初期対応を迅速に行うための基盤を構築し、組織全体の危機管理能力を高めることに貢献します。
特定の状況で自動化できる理由
手動での緊急メッセージ送信は、緊急時においては心理的負担も大きく、入力ミスなどのヒューマンエラーのリスクも伴います。Power Automateと連携することで、特定のシステムイベント(例:システムダウン、在庫の異常値)、特定のフォーム回答、あるいは特定のメール受信といった条件をトリガーとして、緊急メッセージを自動で送信できるようになります。これにより、人手を介さずに確実な通知を実現し、担当者の負担を軽減できます。
緊急通知の準備をしよう
Power AutomateでTeamsの緊急通知を自動化する前に、いくつか準備しておくべきことがあります。これらをきちんと設定しておくことで、スムーズに自動化を進めることができます。
通知を送るTeamsの場所を決める
緊急通知を送りたいTeamsのチャネルや、通知を送る特定のメンバー(個人チャット)を事前に決めておきましょう。
- 特定のチャネル: 例えば、「緊急連絡網」や「システム監視アラート」といった専用のチャネルを作成し、関係者全員がそのチャネルに参加していることを確認します。
- 特定の個人チャット: 緊急通知を受け取るべき主要な担当者や管理者の個人チャットに直接送ることも可能です。
どのような条件で緊急通知を送るか考える
どのような状況が発生したら緊急通知を送るのか、そのトリガーとなる条件を具体的に検討しましょう。
- 外部システムのイベント: 監視システムからのアラート(例:サーバーダウンの検知)、Webサイトの異常(例:エラー率の上昇)。
- 特定のメール受信: 特定の件名や送信元からのメールを受信した際(例:システム障害報告メール)。
- FormsやPower Appsからの入力: 緊急事態報告フォームが送信された際。
- スケジュールベース: 特定の時間になっても、あるタスクが完了していない場合のリマインダー(ただし、これは「緊急」の用途としては限定的かもしれません)。
通知メッセージの内容を考える
緊急通知のメッセージは、簡潔かつ明確で、必要な情報が過不足なく含まれている必要があります。
- 緊急性の明確化: 「【緊急】」「【重要】」「至急ご確認ください」などのキーワードを冒頭に入れる。
- 何が起きたか: 状況の概要を簡潔に。
- 誰が何をするべきか: 必要であれば、対応担当者や次のアクションを明確に指示。
- 詳細情報へのリンク: 詳細な報告書やダッシュボード、対応手順書などへのリンクを含める。
- 連絡先: 質問や追加報告のための連絡先(担当者名、内線番号など)。
- 繰り返し通知の注意: 緊急メッセージは繰り返し通知されるため、必要最低限の情報に絞り、何度も通知されても問題ない内容に留めるのが良いでしょう。
必要な権限があるか確認する
Power Automateでフローを作成し、Teamsにメッセージを送信するためには、フローを実行するアカウントがTeamsへのメッセージ投稿権限を持っている必要があります。通常、Teamsのメンバーであれば問題ありませんが、ゲストユーザーなどの場合は権限が制限されることがあります。
Power Automateで自動化を設定しよう(基本編)
Power Automateを使ってTeamsの緊急通知を送信するフローを作成していきます。まずは、最も基本的な設定から見ていきましょう。
フローを作成する場所
Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、特定のイベントが発生したときに自動的に実行されるフローを作成するので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。
トリガーを設定する
フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。例として、ここでは「特定のキーワードを含むメールを受信したとき」をトリガーに設定します。このトリガーは、Outlook(Office 365 Outlook)コネクタの「新しいメールが届いたとき (V2)」が適しています。
作成例:基本的なPower Automateフロー(特定のメール受信時にTeamsへ緊急通知)
ここでは、Power Automateを使った最も基本的なTeams緊急通知フローの作成手順をご紹介します。
- Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
- 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
- フロー名を指定し、トリガーを検索します。フロー名には「緊急通知(メールトリガー)」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「Outlook」と入力し、「新しいメールが届いたとき (V2)」を選択して「作成」をクリックします。
- トリガーの詳細を設定します。
- フォルダー: 監視したいメールフォルダーを選択します(例: 「受信トレイ」)。
- 差出人 (To): 特定の送信者からのメールのみを対象とする場合、そのメールアドレスを入力します。
- 件名フィルター: 特定のキーワードが件名に含まれるメールのみを対象とする場合、そのキーワードを入力します。例:
【緊急】システムアラート - 本文に含める: メールの本文に特定のキーワードが含まれる場合。
- 新しいステップを追加し、Teamsに緊急メッセージを投稿します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」を選択します。
- メッセージ投稿の詳細を設定します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します(ユーザーとして投稿すると、フロー作成者の名前で通知されます)。
- 投稿先: 緊急通知を送りたい場所を選択します。「チャネル」または「チャット」。
- 投稿先が「チャネル」の場合:
- チーム: 通知を投稿したいTeamsのチームを選択します。
- チャネル: 通知を投稿したい特定のチャネルを選択します(例: 「緊急連絡網」)。
- メッセージ: ここに緊急通知のメッセージ内容を記述します。トリガーで取得したメールの情報を動的なコンテンツとして挿入できます。
【🚨緊急🚨】システム障害発生の可能性!至急確認をお願いします。 件名: @{triggerOutputs()?['body/Subject']} 受信日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/ReceivedDateTime'], 'yyyy/MM/dd HH:mm:ss')} 詳細な状況は、受信メールをご確認ください。補足:
formatDateTime関数は、日付と時刻の表示形式を整えるために使用します。 - 重要度: ここが最も重要な設定です!「緊急」を選択します。これにより、2分ごとに20分間通知が繰り返されます。
- 投稿先が「チャット」の場合:
- 受信者: 緊急通知を受け取る特定のユーザーのメールアドレスを入力します。複数人に送る場合は、カンマ区切りで入力します。
- メッセージ:
【🚨緊急🚨】〇〇様、至急ご確認ください。システムに異常を検知しました。 件名: @{triggerOutputs()?['body/Subject']} 受信日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/ReceivedDateTime'], 'yyyy/MM/dd HH:mm:ss')} 詳細はこちらのダッシュボードをご確認ください: [ダッシュボードへのリンク] - 重要度: 同様に「緊急」を選択します。
- フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。フローのトリガーとなる条件を満たすテストメールを送信します(例: 件名に【緊急】システムアラートを含むメールを自分宛に送る)。
Power Automateのフロー実行履歴を確認し、正常にTeamsに緊急通知が届いていることを確認します。Teamsで通知が繰り返し届くことを確認してください。
アクションを設定する
トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。
- Teamsにメッセージを投稿する: Outlookのメールが検知されたら、そのメールの情報を基にTeamsにメッセージを投稿するアクションを設定します。ここでは、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを使用します。
- 「重要度」の設定: このアクションの設定項目の中に、「重要度」というドロップダウンがあります。ここで必ず「緊急」を選択してください。これが、メッセージを緊急通知として送信するための最も重要な設定です。「標準」や「重要」と間違えないように注意しましょう。
通知メッセージのカスタマイズ
メッセージの内容は、トリガーで取得した動的なコンテンツを利用して、メールの件名、本文、送信日時などを自動的に埋め込むことができます。
- メール件名:
Subject - メール本文:
Body - 送信者:
From - 受信日時:
ReceivedDateTime
これらの情報をメッセージ本文に適切に配置することで、受け取った人が一目で何が起きたのか、どこからの情報なのかを把握できるように工夫しましょう。特に緊急時には、余分な情報を排除し、必要な情報だけを伝えることが重要です。
Power Automateで自動化を設定しよう(応用編)
基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。
複数の条件で緊急通知を送る
一つのフローで、複数の異なる条件に対応して緊急通知を送りたい場合があります。例えば、「件名がAの場合」と「本文にBが含まれる場合」の両方に対応するなどです。
作成例:複数の条件で緊急通知を送るPower Automateフロー
トリガーの後に「条件」アクションや「切り替え」アクションを組み合わせて、複数の条件に対応します。
- 基本編のフローを開きます。Power Automateの「マイ フロー」から、作成済みの基本編のフローを開きます。
- トリガー(新しいメールが届いたとき)の後に「条件」アクションを追加します。
- この条件で、通知を送るかどうかの大まかな判断を行います。
- 例:「件名」が「次の値を含む」
システム障害 - 「または」条件で、「差出人 (From)」が「次の値と等しい」
監視システム@〇〇〇.com
- 「はい」のパスにTeamsへの緊急通知アクションを移動します。
- さらに詳細な分岐が必要な場合:「切り替え」アクションを追加します(オプション)。もし、「システム障害」メールの中でも、件名によって通知チャネルを変えたいなど、より多くの分岐が必要な場合は、「はい」のパスの中に「切り替え」アクションを追加します。
- On:
Subject(メールの件名)を選択します。 - Case 1: 「値が次の値と等しい場合」に「
システム障害:データベース」と入力。このケースの中に、データベース関連の緊急通知アクション(例:DB担当者チャットへの通知)を設定します。 - Case 2: 「値が次の値と等しい場合」に「
システム障害:Webサーバー」と入力。このケースの中に、Webサーバー関連の緊急通知アクション(例:インフラ担当者チャットへの通知)を設定します。 - 既定: どのケースにも当てはまらない場合の処理(例:一般的な緊急通知チャネルへの通知)を設定します。
- On:
- フローを保存してテストします。複数の条件を満たすメール、満たさないメール、および「切り替え」の各ケースに合致するメールを送信し、フローが正しく動作することを確認します。
ユーザーグループや役割に応じて通知先を変える
緊急通知の受信者を、個々のユーザーだけでなく、Teamsのユーザーグループや役割(例:オンコール担当者)に応じて柔軟に設定したい場合があります。
作成例:ユーザーグループや役割に応じて通知先を変えるPower Automateフロー
この例では、Azure ADグループのメンバーに個人チャットで緊急通知を送る方法を示します。
- 基本編のフローを開きます。Power Automateの「マイ フロー」から、作成済みの基本編のフローを開きます。
- 「新しいメールが届いたとき」トリガーの後に「グループ メンバーの取得」アクションを追加します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Azure AD」と入力し、「グループ メンバーの取得 (Azure AD)」を選択します。
- グループ ID: 通知を送りたいTeamsのグループ(またはAzure ADのセキュリティグループ)を選択します。例えば、「オンコールチーム」といったグループです。補足:Teamsのチームは、裏側でMicrosoft 365グループ(Azure ADグループ)と関連付けられています。
- 「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加し、グループメンバーごとに通知を送信します。「+ 新しいステップ」をクリックし、「アプライ トゥー イーチ」を選択します。
- 以前の手順からの出力を選択: 「値」(「グループ メンバーの取得」からの出力)を選択します。
- 「アプライ トゥー イーチ」の中に「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを移動します。既存のTeams通知アクションをドラッグ&ドロップで「アプライ トゥー イーチ」の中に移動させます。
- 投稿先: 「チャット」を選択します。
- 受信者: 動的なコンテンツのリストから「User Principal Name」(「アプライ トゥー イーチ」内のアイテムからの出力)を選択します。補足:これにより、ループ処理中の各グループメンバーに個人チャットで緊急通知が送られます。
- メッセージ: 緊急通知のメッセージ内容を記述します。
- 重要度: 「緊急」を選択します。
- フローを保存してテストします。テストメールを送信し、指定したAzure ADグループのメンバー全員のTeams個人チャットに緊急通知が届くことを確認します。
緊急通知後に状況更新を促す
緊急通知を送った後、状況が変化した際に再度通知を送りたい場合や、対応状況の更新を促したい場合があります。これはフローの複雑度が高まるため、別のフローや手動での対応と組み合わせるのが現実的です。
作成例:緊急通知後に状況更新を促す(手動トリガーのフォローアップ通知)
この例では、一度緊急通知を送った後に、必要に応じて手動で「状況更新」の通知を送るフローを作成します。
- 新しいフローを「インスタント クラウド フロー」として作成します。
- フロー名:「緊急通知状況更新」
- トリガー: 「手動でフローをトリガーします」を選択します。
- 入力の追加: ユーザーが手動でフローを実行する際に入力する情報を設定します。
- テキスト入力: 「更新内容」
- テキスト入力: 「通知対象チャネル」(どのチャネルに更新を送るか)
- テキスト入力: 「元の緊急通知の件名」(参照用)
- Teamsに状況更新メッセージを投稿します。「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを追加します。
- 投稿先: 「チャネル」
- チーム: (手動入力から選択するか、固定で設定)
- チャネル: 「通知対象チャネル」
- メッセージ:
【状況更新】緊急通知(件名: @{triggerBody()['text_2']})に関する更新です。 更新内容: @{triggerBody()['text']} 引き続き、ご対応をお願いいたします。補足:
triggerBody()['text']などは、手動トリガーで設定した入力の名前によって変わります。 - 重要度: このメッセージは「緊急」ではなく「標準」または「重要」で良いでしょう。
- フローを保存してテストします。フローを保存し、TeamsやPower Automateのモバイルアプリから手動で実行し、必要な情報を入力して、Teamsに状況更新メッセージが届くことを確認します。
補足: 状況更新を完全に自動化するには、特定のシステムから「復旧」などのステータスが通知された際に、別のフローを起動する形を検討する必要があります。
エラー対策とトラブルシューティング
せっかく作ったフローも、エラーが出たら困りますよね。特に緊急通知に関わるフローは、確実に動作することが求められます。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。
権限不足のエラー
「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがTeamsにメッセージを送信するための権限が不足している可能性があります。
対策: フローを実行するアカウントが、対象のTeamsチャネルまたは個人チャットに対してメッセージ投稿権限を持っているか確認してください。Teamsの「所有者」または「メンバー」であれば通常問題ありません。
通知が届かない(フローは成功しているのに)
Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。
対策
- Teamsの通知設定: 受信側のTeamsで、Flow botからの通知がブロックされていないか、あるいは「緊急通知」の通知設定がオフになっていないかを確認します。Teamsのデスクトップアプリやモバイルアプリの設定を確認してください。
- チャネル/チャットの選択ミス: 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションで、意図したチャネルや受信者が正しく選択されているか、タイプミスがないかを再確認します。特に個人チャットの場合、メールアドレスが正しいか念入りに確認しましょう。
- 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認します。接続に問題がある場合は、再接続を試みてください。
トリガーが動作しない
フローが全く実行されない場合、設定したトリガーの条件が満たされていない可能性があります。
対策
- トリガー条件の確認: 「件名フィルター」「差出人」「本文に含める」などの条件が厳しすぎる、あるいはタイプミスがないかを確認します。例えば、全角と半角、大文字と小文字の違いで条件が合致しないことがあります。
- テストトリガーの実行: フローを保存後、「テスト」機能を使って手動でトリガーを実行してみるか、実際にトリガー条件を満たすテストイベント(例:テストメール)を発生させて、フローが起動するかを確認します。
- 監視対象のフォルダー: Outlookのトリガーの場合、監視対象のメールフォルダー(例:受信トレイ)が正しいか確認します。サブフォルダーに振り分けられている場合は、そのフォルダーを指定する必要があります。
フローの履歴と「実行後の構成」
エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要です。
手順
- Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
- 「実行履歴」タブをクリックします。
- 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように実行されたか、どこでエラーが発生したか、そしてエラーメッセージの詳細を確認できます。
「実行後の構成」の活用: 各アクションには「実行後の構成」という設定があり、特定のアクションが失敗した場合でも、次のアクションに進むように設定できます。これにより、例えばメール取得は失敗しても、エラー通知だけは送るといった堅牢なフローを構築できますが、緊急通知フローでは、むしろエラー時にすぐに停止して原因調査を行う方が良い場合もあります。
セキュリティとアクセス管理
緊急通知は非常に重要な情報伝達手段であるため、そのセキュリティとアクセス管理は徹底する必要があります。誤送信や不正利用を防ぐための対策を講じましょう。
通知内容の機密性への配慮
緊急通知には、システムの障害状況や顧客情報など、機密性の高い情報が含まれる可能性があります。
- 情報範囲の限定: 通知メッセージには、必要最低限の情報のみを記載し、詳細情報は別途安全なリンク先(社内限定のドキュメント、認証が必要なダッシュボードなど)へ誘導するようにしましょう。
- アクセス権限の管理: 通知先のチャネルや、個人チャットの受信者が、その機密情報にアクセスする権限を持っていることを確認してください。
フローの作成と実行権限
緊急通知を送信するPower Automateフローは、不用意に作成・実行できないように、適切な権限管理が必要です。
- フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、特定のシステム管理者や限られたメンバーにのみ付与することを検討しましょう。
- 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
誤送信防止策
緊急通知の誤送信は、大きな混乱を招く可能性があります。これを防ぐための対策を講じましょう。
- トリガー条件の厳密化: トリガーとなる条件(メールの件名、送信元、特定のキーワードなど)をできる限り厳密に設定し、誤ってフローが起動しないようにしましょう。
- テスト環境での十分な検証: 本番環境にデプロイする前に、必ずテスト環境で十分な検証を行い、想定通りの動作と、誤動作のリスクがないことを確認してください。
- 手動承認ステップの追加(オプション): 極めて重要な緊急通知の場合、自動送信の直前に、特定のアクション(例:システム管理者によるPower Automateアプリからの承認)を挟むことで、最終確認を行うステップを追加することも可能です。これにより、誤送信のリスクをさらに低減できますが、緊急時の迅速性とのトレードオフになります。
監査ログの確認
Power Automateの実行履歴や、Teamsのメッセージログは、誰が、いつ、どのようなメッセージを送信したかの証拠となります。
定期的な確認: これらのログを定期的に確認し、不正な利用や誤動作がないかを監査する体制を構築しましょう。
まとめ
Power Automateを通じてTeamsの「緊急」通知機能を活用し、重要な情報を確実に、そして自動的に伝達する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで解説してきました。
この自動化された緊急通知システムは、特に危機的な状況や、迅速な対応が求められる場面において、皆様の組織の対応力を飛躍的に向上させる強力なツールとなるでしょう。手動での通知による見落としや遅延のリスクを排除し、必要な情報を必要な人に確実に届けることで、適切な意思決定と行動を迅速に促すことが可能になります。

