Power Automateで社内規定やマニュアルの改訂をTeamsに自動通知する!
社内規定や業務マニュアル、日々更新されていますが、「新しいマニュアルが公開されたの、いつの間にか知らなかった!」「改訂された規定、どこが変わったのか探しにくい…」。こんな経験、ありませんか?従業員が最新の規定やマニュアルを参照できないと、業務の質が低下したり、コンプライアンス違反のリスクが生じたりする可能性があります。しかし、毎回手動で全従業員に通知したり、変更箇所を細かく説明したりするのは、大きな負担ですよね。
Power AutomateとTeams、そして社内規定やマニュアルが保存されているSharePointを組み合わせることで、文書の改訂を自動で検知し、関係者へ迅速にTeamsで通知する仕組みを構築できます。
なぜ社内規定やマニュアル改訂の自動通知が大切なのでしょう?
最新の情報が確実に伝わることは、組織運営の基盤となります。自動通知がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。
最新情報を確実に見落とさずに共有できるから
社内規定や業務マニュアルは、企業のルールや業務手順の根幹となる情報です。これらの文書が改訂された際、従業員がその変更に気づかなければ、古い情報に基づいて業務を進めてしまう可能性があります。自動通知システムは、文書の改訂を検知し、Teamsのチャネルに直接通知することで、情報の見落としを防ぎ、全従業員が常に最新の情報にアクセスできる環境を提供します。
コンプライアンス遵守と業務の正確性を高められるから
法令改正や業務プロセスの見直しに伴う規定・マニュアルの改訂は、コンプライアンス遵守の観点から非常に重要です。しかし、情報が伝わらないと、知らず知らずのうちに規定違反をしてしまうリスクがあります。自動通知によって、改訂情報がタイムリーに共有されることで、従業員は迅速に内容を確認し、業務に反映できます。これにより、コンプライアンスリスクを低減し、業務の正確性を向上させられるでしょう。
人事・総務部門の連絡業務負担が大幅に減るから
規定やマニュアルの改訂があるたびに、人事・総務部門が全従業員向けにメールを作成したり、社内ポータルを更新したりする作業は、大きな手間です。特に大規模な組織ほど、その負担は増大します。自動通知システムを導入することで、これらの定型的な連絡業務から解放され、担当者はより戦略的な制度設計や従業員サポートといった、価値の高い業務に集中できるようになります。結果として、部門全体の生産性向上とストレス軽減に貢献するでしょう。
従業員エンゲージメントと自己解決能力を高められるから
従業員が会社のルールや業務手順について疑問を持った際に、最新のマニュアルにすぐにアクセスできる環境は、自己解決能力を高めます。情報が「どこにあるか分からない」「古い情報かもしれない」といったストレスがなくなることで、従業員は安心して業務に取り組むことができ、会社への信頼感やエンゲージメントの向上にも繋がるでしょう。
管理システムの準備を始めましょう
社内規定やマニュアル改訂の自動通知システムを構築する前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進めることができます。
社内規定やマニュアルの「置き場所」を決めましょう
Power Automateが文書の改訂を検知するためには、その文書がどこに保存されているか、そしてその更新履歴が追跡できる環境にある必要があります。Microsoft 365環境では「SharePoint」が最適です。
- SharePointドキュメントライブラリの活用:社内規定やマニュアルは、SharePoint上の専用ドキュメントライブラリに保存しましょう。これにより、バージョン管理やアクセス権限の設定が容易になります。
- 専用のサイト/ライブラリ:
社内規定・マニュアルや規程集といったSharePointサイトやドキュメントライブラリを作成し、そこに全ての文書を一元的に保存します。 - フォルダ構成:
人事規定、経理規程、営業マニュアルといったように、カテゴリ別にフォルダを作成し、整理しましょう。 - ファイルの形式: Word、Excel、PDFなど、文書として扱いやすい形式で保存します。
- 専用のサイト/ライブラリ:
- バージョン管理の有効化(重要):SharePointのドキュメントライブラリでは、ファイルのバージョン管理を有効にできます。これにより、ファイルの変更履歴が自動で記録され、Power Automateが改訂を検知するトリガーとして利用できます。
- ドキュメントライブラリの設定から、「バージョン管理の設定」を開き、「メジャーバージョンとマイナーバージョン (下書き項目) を作成する」または「メジャー バージョンを作成する」を有効にしましょう。
通知を送るTeamsのチャネルを決めましょう
改訂通知を送るTeamsのチャネルを、対象となる従業員全員がアクセスできる場所に設定します。
- 全従業員向けチャネル: 全従業員が参加している「一般」チャネルや、
重要通知、社内ニュースといった専用のパブリックチャネルを作成し、そこに通知を送ることをお勧めします。 - 部門別チャネル: 特定の部署に関する規定やマニュアルの場合、その部署のチャネル(例:
経理部_お知らせ)にも通知を送ることを検討します。
通知メッセージの内容を考えましょう
自動で送信される改訂通知のメッセージは、簡潔かつ明確で、従業員が次の行動に移しやすい情報が過不足なく含まれている必要があります。
- 件名:
【重要】社内規定が改訂されましたのように、通知の意図を明確にします。 - 改訂された文書名: どの規定やマニュアルが改訂されたのかを正確に伝えます。
- 改訂日時: いつ改訂されたのか。
- 改訂内容の概要: 可能な範囲で、どのような点が改訂されたのかを簡潔に示します(例: 「育児休業に関する規定の一部変更」)。
- 文書へのリンク: 改訂された規定やマニュアルの最新版への直接リンクを含めます。
- 確認依頼: 「内容をご確認ください」など、従業員への行動を促すメッセージ。
- 重要度: Power AutomateのTeamsアクションで「重要度」を「重要」に設定することを検討します。
Power Automateで自動化を設定しましょう(基本編)
Power Automateを使って社内規定やマニュアルの改訂通知フローを作成していきます。SharePoint上の文書が改訂されたことをトリガーに、Teamsチャネルへ自動通知を送る基本的なフローから見ていきましょう。
フローを作成する場所を決めましょう
Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、SharePointのファイルが更新されたときに自動的に実行されるフローなので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。
トリガーを設定しましょう
フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ここでは、SharePointドキュメントライブラリ内のファイルが改訂されたときにフローを実行したいので、トリガーには「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」を選択します。
作成例1:SharePointの規定/マニュアルが改訂されたらTeamsに自動通知
このフローは、SharePointドキュメントライブラリ内の社内規定やマニュアルファイルが更新されたことを検知し、Teamsチャネルへ通知を送信します。
- Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
- 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
- フロー名を指定し、トリガーを検索します。フロー名には「規定マニュアル改訂通知」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」を選択して「作成」をクリックします。
- 補足: このトリガーはファイルのプロパティが変更された時だけでなく、ファイルの内容が変更され、新しいバージョンが作成された時にも発動します。より厳密に「公開済みメジャーバージョンが作成された時」をトリガーにする場合は、別途設定が必要になります。
- トリガーの詳細を設定します。
- サイトのアドレス: 社内規定やマニュアルが保存されているSharePointサイトのURLを選択します。
- ライブラリ名: 社内規定やマニュアルが保存されているドキュメントライブラリを選択します(例:
ドキュメント、社内規定・マニュアル)。- ヒント: 特定のフォルダ内のファイルのみを監視したい場合は、「フォルダー」オプションでそのパスを指定します。
- 新しいステップを追加し、Teamsに通知を投稿します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」を選択します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します。
- 投稿先: 「チャネル」を選択します。
- チーム: 通知を送りたいTeamsのチームを選択します(例:
全社共通)。 - チャネル: 通知を送りたいチャネル(例:
一般、重要通知)を選択します。 - メッセージ: ここに改訂通知のメッセージ内容を記述します。改訂されたファイルの情報を動的なコンテンツとして挿入できます。
【📣重要】社内規定/マニュアルが改訂されました! 以下の規定/マニュアルが更新されましたので、内容をご確認ください。 文書名: @{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']} 最終更新日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/LastModified'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')} 更新者: @{triggerOutputs()?['body/Editor/DisplayName']} ▼最新版はこちらからアクセスできます [文書を開く]@{triggerOutputs()?['body/{Link}']} ご不明な点がございましたら、人事/総務部門までお問い合わせください。- 補足:
FilenameWithExtensionはファイル名と拡張子、LastModifiedは最終更新日時、Editor/DisplayNameは最終更新者の表示名、Linkはファイルへの直接リンクです。formatDateTime関数は日付の表示形式を整えるために使用します。
- 補足:
- 重要度: 必要に応じて「重要」を選択します。
- フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。SharePointの指定したドキュメントライブラリ内にある社内規定やマニュアルファイルを開き、内容を少し変更して保存します。Power Automateのフロー実行履歴を確認し、Teamsの指定チャネルに通知が届いていることを確認します。
アクションを設定しましょう
トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。
- SharePointアクション:
- 「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ)」: SharePointドキュメントライブラリ内のファイルが改訂されたことを検知するトリガー。
- Teamsアクション:
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 改訂された文書の情報をTeamsに通知として送信します。
- 「重要度」の設定: このアクションの設定項目の中に、「重要度」というドロップダウンがあります。通常の通知は「標準」で良いですが、重要な規定の改訂は「重要」を選択することも可能です。
通知メッセージのカスタマイズをしましょう
メッセージの内容は、動的なコンテンツを利用して、改訂された文書のファイル名、最終更新日時、更新者、文書への直接リンクなどを自動的に埋め込むことができます。
- 文書名:
{FilenameWithExtension}(SharePointの動的なコンテンツ) - 最終更新日時:
LastModified - 更新者:
Editor/DisplayName - 文書へのリンク:
{Link}(SharePointのファイルへの直接リンク)
これらの情報をメッセージ本文に適切に配置することで、受け取った従業員が、どの文書が、いつ、誰によって改訂されたのか、そしてどこで最新版を確認できるのかを、一目で把握できるように工夫しましょう。簡潔で分かりやすいメッセージと、すぐにアクセスできるリンクが重要です。
Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)
基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。
特定の文書タイプやフォルダの改訂のみ通知する
全てのファイルの改訂を通知するのではなく、特定のフォルダにあるファイルや、特定の命名規則を持つファイルなど、重要な文書の改訂のみを通知したい場合があります。
作成例2:特定の文書タイプやフォルダの改訂のみ通知するPower Automateフロー
トリガーの「フォルダー」オプションや、その後の条件分岐でフィルタリングを行います。
- 基本編のフロー(規定マニュアル改訂通知)を開きます。
- トリガー(ファイルが変更されたとき)の「フォルダー」オプションを利用します。
- もし、特定のフォルダ(例:
規定集フォルダ)内のファイルのみを監視したい場合は、「フォルダー」のドロップダウンリストからそのフォルダのパスを選択します。
- もし、特定のフォルダ(例:
- または、新しいステップを追加し、ファイル名や種類によって通知を分岐します。「条件」アクションを追加します。
- 例1:ファイル名に特定のキーワードが含まれる場合
- 左側の値:
@{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']}(ファイル名) - 演算子: 「次の値を含む」
- 右側の値: 「
規定」または「マニュアル」
- 左側の値:
- 例2:特定のファイル形式のみを通知する場合
- 左側の値:
@{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']} - 演算子: 「次の値で終わる」
- 右側の値: 「
.pdf」または「.docx」
- 左側の値:
- 例3:特定のフォルダ以外のファイルを無視する場合
- 左側の値:
@{triggerOutputs()?['body/{Path}']}(ファイルのパス) - 演算子: 「次の値を含まない」
- 右側の値: 「
/~sitepages/」(サイトページの更新を除外するなど)
- 左側の値:
- 例1:ファイル名に特定のキーワードが含まれる場合
- Teamsへの通知アクションを、これらの条件の「はい」のパスの中に移動させます。
- フローを保存してテストします。特定の条件を満たすファイルと満たさないファイルを更新してみて、通知が正しくフィルタリングされて届くことを確認します。
変更内容の概要を自動で取得して通知に含める(高度)
SharePointのバージョン管理で記録された変更コメントを通知に含めたり、より高度な方法で変更内容の概要を自動で生成したりすることで、従業員がどこが変わったのかを素早く把握できるようにします。
作成例3:変更内容の概要を自動で取得して通知に含める(高度)
この機能は、SharePointのバージョン履歴から変更コメントを取得したり、Microsoft 365のコンプライアンス機能(監査ログ)と連携したり、Azure AIサービス(Text Analytics)で文書の差分を分析したりする、より高度な技術を要します。ここでは、SharePointのバージョンコメントを取得する比較的簡易な方法を説明します。
- 基本編のフローを開きます。
- トリガー(ファイルが変更されたとき)の後に「バージョンを取得します (SharePoint)」アクションを追加します。
- サイトのアドレス: SharePointサイト
- ファイル:
@{triggerOutputs()?['body/{FullPath}']}(改訂されたファイルのフルパス)
- 新しいステップを追加し、「アプライ トゥー イーチ」で最新のバージョンを取得します。
- 「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加します。
- 以前の手順からの出力を選択: 「バージョンを取得します」アクションの
body/value(バージョンのリスト)を選択します。 - 補足: 通常は最新のバージョン(リストの先頭)を取得したいので、ループする前に「条件」や「式」で最新バージョンに絞り込むと効率的です。
- 「アプライ トゥー イーチ」の中に「条件」を追加し、最新バージョンかどうかをチェックします。
- 左側の値:
@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['IsCurrent']}(Boolean値) - 演算子: 「次の値と等しい」
- 右側の値:
True
- 左側の値:
- 「はい」のパスにTeams通知アクションを移動し、メッセージにバージョンコメントを追加します。Teams通知アクションのメッセージ内容を修正します。
【📣重要】社内規定/マニュアルが改訂されました! 以下の規定/マニュアルが更新されましたので、内容をご確認ください。 文書名: @{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']} 最終更新日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/LastModified'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')} 更新者: @{triggerOutputs()?['body/Editor/DisplayName']} ▼変更概要(バージョンコメント): @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['CheckInComment']} ▼最新版はこちらからアクセスできます [文書を開く]@{triggerOutputs()?['body/{Link}']}- 補足:
CheckInCommentは、SharePointでファイル保存時に入力されるチェックインコメントです。
- 補足:
- フローを保存してテストします。SharePointでファイルを更新する際に、必ず「チェックインコメント」を入力して保存し、通知にコメントが含まれることを確認します。
承認プロセスと連携させる
重要な規定の改訂の場合、公開前に法務部門や関連部署の承認を得るワークフローを組み込むことで、情報の正確性と正当性を確保します。
作成例4:承認プロセスと連携させるPower Automateフロー
これは、基本編のフローの前に承認プロセスを挟む形、または「コンテンツの承認フロー」機能と連携させる形になります。ここでは、ファイルが承認されるまで通知を保留する例を挙げます。
- 新しいフローを「自動化したクラウド フロー」として作成します。
- フロー名:「規定改訂_承認&通知」
- トリガー: 「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」を選択します。
- 新しいステップを追加し、「コンテンツの承認 (SharePoint)」アクションを追加します。
- サイトのアドレス: SharePointサイト
- ライブラリ名: 規定・マニュアルのライブラリ
- ファイルに承認ステータス列を追加: このライブラリに「承認ステータス」(選択肢列:承認済み、拒否済み、保留中など)を追加し、既定値を「保留中」にします。
- 「ファイルが変更されたとき」トリガーの後で、「項目を更新します (SharePoint)」アクションを追加し、承認ステータスを「保留中」に設定します。
- その後、「コンテンツの承認を開始して待機します (SharePoint)」アクションを追加します。
- サイトのアドレス/ライブラリ名/アイテムID: トリガーから取得
- 割り当て先: 承認者のメールアドレス
- 承認依頼のメッセージ: 承認を求める内容とファイルへのリンク。
- 新しいステップを追加し、承認結果によって処理を分岐します。「条件」アクションを追加します。
- 左側の値: 「コンテンツの承認を開始して待機します」アクションの
Outcomeを選択。 - 演算子: 「次の値と等しい」
- 右側の値: 「
承認済み」と入力。
- 左側の値: 「コンテンツの承認を開始して待機します」アクションの
- 「はい」のパス(承認された場合)に、Teams通知アクションを移動します。
- ここで基本編で設定したTeams通知アクションを配置します。
- 「いいえ」のパス(却下された場合)に、却下通知と処理を追加します。
- 却下された旨を投稿者や関係者にTeamsで通知します。
- 必要であれば、SharePointのファイルを「却下済み」ステータスに更新したり、下書きに戻したりします。
- フローを保存してテストします。SharePointでファイルを更新し、「承認ステータス」を「保留中」に変更します。Teamsに承認依頼が届き、承認後に通知が送信されることを確認します。却下された場合の処理も確認しましょう。
エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう
Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特に社内規定の通知は、コンプライアンスに関わるため、信頼性が非常に重要です。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。
権限不足のエラーが出た場合
「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePointの文書を読み取ったり、Teamsにメッセージを送信したりするための権限が不足している可能性があります。
対策: フローを実行するアカウントが、対象のSharePointサイトやドキュメントライブラリに対して「読み取り」権限(ファイル検知のため)と、Teamsチャネルへのメッセージ投稿権限を持っていることを確認してください。人事・総務部門やシステム管理者がフローを作成・管理するのが望ましいでしょう。
SharePointのバージョン管理設定の確認
トリガーが正しく動作しない場合、SharePointのドキュメントライブラリのバージョン管理設定が適切でない可能性があります。
対策: ドキュメントライブラリの設定で、「バージョン管理の設定」が有効になっており、かつ「メジャーバージョンを作成する」または「メジャーバージョンとマイナーバージョンを作成する」が選択されていることを確認してください。
通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)
Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。
対策
- Teamsの通知設定: 受信側のTeamsで、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
- チャネルの選択ミス: 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションで、意図したチャネルが正しく選択されているか、タイプミスがないかを再確認しましょう。
- 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。
フローの履歴を確認しましょう
エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要です。
手順
- Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
- 「実行履歴」タブをクリックします。
- 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように実行されたか、どこでエラーが発生したか、そしてエラーメッセージの詳細を確認できます。
ポイント: 各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特にSharePointのトリガーが期待通りに起動しているか、取得したファイル情報が正しいかを確認しましょう。
セキュリティとアクセス管理を確認しましょう
社内規定やマニュアルは、企業の運営に関わる重要な情報であり、アクセス権限の管理が不可欠です。自動通知システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に十分な配慮が必要です。
SharePointドキュメントライブラリの権限設定を適切にしましょう
社内規定やマニュアルが保存されるSharePointドキュメントライブラリの権限は厳密に管理する必要があります。
- 閲覧権限: 全従業員が常に最新版の規定やマニュアルを閲覧できるよう、「閲覧者」権限を付与しましょう。
- 編集権限: 文書の作成・改訂を担当する人事・総務部門などの限られたメンバーにのみ、「編集者」または「貢献」権限を付与しましょう。
- 最小限の原則: 必要な人にのみ最小限の権限を与えましょう。
- グループの活用: 個々のユーザーに権限を付与するのではなく、Active DirectoryグループやMicrosoft 365グループを利用して権限を管理することで、運用が容易になります。
Teamsチャネルの権限設定を適切にしましょう
改訂通知が送信されるTeamsチャネルのメンバーシップも適切に管理しましょう。
- パブリックチャネルの利用: 全従業員に通知する場合は、パブリックチャネルが適しています。
- プライベートチャネルの利用: 特定の部署に関する規定など、機密性が高い情報や対象が限定的な場合は、プライベートチャネルとし、必要なメンバーのみを招待しましょう。
フローの作成と実行権限を管理しましょう
この自動化フローは、会社の重要な情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。
- フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、人事・総務部門の担当者や特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
- 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
- サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。
まとめ
Power AutomateとTeams、SharePointを組み合わせることで、社内規定やマニュアルの改訂を自動で検知し、関係者へ通知する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。
この自動通知システムは、社内情報の見落としを防ぎ、コンプライアンス遵守と業務の正確性を向上させるための強力なツールとなるでしょう。結果として、人事・総務部門の業務効率化と、従業員全体の生産性向上に大きく貢献できます。

