Power AutomateとTeamsで顧客フォローアップのリマインダーを自動化する
「忙しくて、顧客への定期的な連絡をうっかり忘れてしまう」「前回いつ連絡したか、毎回CRMを確認するのが手間」「顧客への継続的なアプローチが課題」。顧客との良好な関係を維持し、長期的なビジネスを構築するためには、定期的なフォローアップが欠かせません。しかし、手動でのリマインド管理や連絡は、手間がかかり、見落としのリスクも伴いがちですよね。
Power AutomateとTeams、そして顧客データを管理するシステム(ここではCRMシステムやSharePointリストを想定します)を組み合わせることで、顧客への定期的なフォローアップが必要なタイミングを自動で検知し、担当者へ迅速にTeamsでリマインダー通知を送信する仕組みを構築できます。
なぜ顧客フォローアップのリマインダー自動化が大切なの?
顧客との継続的な関係構築は、ビジネス成長の鍵です。フォローアップのリマインダー自動化がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。
顧客へのアプローチ機会を見落とさないから
多忙な日々の中で、顧客への定期的な連絡を忘れてしまったり、連絡時期を逃してしまったりすることはよくあります。自動リマインダーシステムは、事前に設定した条件(例:最終連絡日から3ヶ月経過、特定製品の契約更新1年前)を満たした顧客を自動で検知し、担当者へ確実に通知を送ります。これにより、顧客への適切なアプローチ機会を見落とすことなく、関係維持や新規提案のチャンスを最大化できます。
担当者の負担を大幅に削減し、より戦略的な活動に集中できるから
「この顧客には3ヶ月に1回連絡する」「あの顧客は年に1回のアポイントが必要」といったフォローアップの計画は、顧客数が増えるほど管理が複雑になります。手動でのリストチェックやリマインド設定は、担当者の貴重な時間を奪うルーティンワークです。自動化システムを導入することで、これらの作業から解放され、担当者は顧客の課題解決や、より戦略的な営業活動といった、価値の高い業務に集中できるようになります。
顧客との関係維持が強化され、顧客満足度が向上するから
定期的に、そしてパーソナルな内容で連絡が届くことは、顧客に「大切にされている」という印象を与えます。自動リマインダーによって、タイミングを逃さずに適切なフォローアップが行われることで、顧客は企業への信頼感を深め、満足度が向上します。これにより、リピート購入や継続契約に繋がり、長期的な顧客ロイヤルティの構築に貢献できるでしょう。
営業活動の透明性が高まり、チーム連携がスムーズになるから
顧客へのフォローアップ状況が自動で記録され、Teamsに通知されることで、チームリーダーはメンバーの活動状況を把握しやすくなります。また、チーム内で顧客へのアプローチ状況が共有されるため、必要に応じて他のメンバーがサポートに入ったり、情報共有を行ったりできます。これにより、チーム全体の情報活用能力が高まり、連携もスムーズになりますよ。
構築システムの準備を始めよう
顧客フォローアップのリマインダー自動化システムを作る前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進められます。
顧客データの「置き場所」を決めよう
Power Automateが顧客情報とフォローアップの状況を検知するためには、そのデータがどこかに保存されており、Power Automateからアクセスできる必要があります。ここでは、CRMシステムを主要な置き場所として想定しますが、簡易的にSharePointリストで代用することも可能です。
- CRMシステム(推奨):
- Microsoft Dynamics 365 Sales, Salesforceなど: これらのシステムは、顧客情報、最終活動日、契約満了日などを管理しており、Power Automateのコネクタが豊富に提供されています。
- 必要なデータ項目:
- 顧客名(会社名、担当者名)
- 顧客メールアドレス
- 担当営業/担当サポート(ユーザー情報)
- 最終連絡日(または最終活動日)
- 次回フォローアップ予定日(または最終活動日から〇日後)
- 契約満了日(契約更新フォローの場合)
- 購入製品/サービス
- フォローアップ種別(例:定期連絡、契約更新、新製品案内)
- SharePointリスト(簡易版):
- 顧客情報を管理するためのリスト(例:
顧客フォローアップリスト)を作成します。 - 必要な列(例):
タイトル(顧客名)顧客メールアドレス担当者(ユーザー列)最終連絡日(日付)フォローアップ周期(数値、例: 90日)次回フォローアップ予定日(日付、計算列でも可)契約満了日(日付)フォローアップ種別(選択肢)リマインダー通知状況(選択肢: 未通知, 〇日前通知済, 期限到来通知済)
- 顧客情報を管理するためのリスト(例:
通知する「リマインダーメッセージ」の内容と「タイミング」を決めよう
自動で送信されるリマインダーメッセージは、簡潔かつ明確で、担当者が次の行動に移しやすい情報が過不足なく含まれている必要があります。
- タイミングの例:
- 最終連絡日から〇日後: 例:最終連絡日から90日経過したらリマインド。
- 次回フォローアップ予定日の〇日前: 例:予定日の7日前、3日前。
- 契約満了日の〇ヶ月前: 例:契約満了の3ヶ月前、1ヶ月前。
- メッセージ内容の例(担当営業向け):
- 件名:
【フォローアップリマインダー】〇〇社へのご連絡期日が迫っています - 本文:
- 「〇〇様(担当営業)、〇〇社へのフォローアップが必要です。」
- 「最終連絡日:〇月〇日(〇日経過)」
- 「推奨アクション:〇〇(電話、メール、アポイント)」
- 「CRMレコードへジャンプ」リンク。
- 件名:
- 重要度: Power AutomateのTeamsアクションで「重要度」を「重要」に設定することを検討しましょう。
通知を送るTeamsの「場所」を決めよう
リマインダー通知を、どこに、誰に対して送りたいのかを決定します。
- 担当者(営業・サポート)への個人チャット(推奨): リマインドされる担当者個人へ直接通知します。
- 営業・サポートチームチャネル: チーム全体でフォローアップ状況を把握できるように、共有チャネル(例:
営業部_顧客フォロー、CS_定例連絡)にも通知します。 - 営業部長/マネージャーへの個人チャット: 特定の重要顧客へのフォローアップ漏れを防ぎたい場合などに通知します。
必要な「権限」を確認しよう
Power Automateでフローを作成し、顧客データのあるシステムから情報を読み取り、Teamsでメッセージを送信するためには、フローを実行するアカウントが適切な権限を持っている必要があります。
- CRMシステム/SharePointリストへのアクセス権: 顧客データに対する「読み取り」権限が必要です。また、「最終連絡日」などを更新する場合は「書き込み」権限も必要です。
- Teamsチャネル/チャットへのメッセージ投稿権: 投稿先のTeamsチャネルまたは個人チャットへのメッセージ投稿権限が必要です。
Power Automateで自動化を設定しよう(基本編)
Power Automateを使って顧客フォローアップのリマインダー自動化フローを作成していきます。SharePointリストの顧客データに基づき、最終連絡日から一定期間が経過した顧客を検知し、担当者へTeamsで通知する基本的なフローから見ていきましょう。
フローを作成する場所を決めよう
Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、毎日特定の時間にフローを実行し、対象の顧客を検索してリマインダーを送信するフローなので、「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。
トリガーを設定しよう
フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ここでは、「毎日特定の時間にフローを実行する」というスケジュールトリガーを設定します。
作成例1:最終連絡日から90日経過した顧客へTeamsでフォローアップリマインダーを自動送信
このフローは、毎日実行され、SharePointリストの顧客データを確認し、最終連絡日から90日経過した顧客を検知して、担当営業へTeamsチャットでリマインダー通知を送信します。
- Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
- 「作成」から「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。
- フロー名を指定し、トリガーを設定します。フロー名には「顧客_フォローアップリマインダー_90日」など、分かりやすい名前を付けます。
- 繰り返し間隔: 「
1」日、「日」を選択します。 - 開始時刻: 毎日フローを実行したい時刻(例:
09:00)を設定します。 - 「作成」をクリックします。
- 繰り返し間隔: 「
- 新しいステップを追加し、SharePointリストから顧客データを取得します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「アイテムの取得 (SharePoint)」を選択します。
- サイトのアドレス:
顧客フォローアップリストを作成したSharePointサイトのURLを選択します。 - リスト名: 作成したSharePointリスト(例:
顧客フォローアップリスト)を選択します。 - フィルタークエリ:
最終連絡日 le '@{formatDateTime(addDays(utcNow(), -90), 'yyyy-MM-dd')}'- 補足: これは「最終連絡日が今日から90日以上前である」顧客を抽出します。
formatDateTimeは日付形式を整えるため、addDaysは日付の加算に使用します。
- 補足: これは「最終連絡日が今日から90日以上前である」顧客を抽出します。
- サイトのアドレス:
- 新しいステップを追加し、取得した各顧客に対して処理を繰り返します。「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加し、「アイテムの取得」アクションの値を選択します。
- 「アプライ トゥー イーチ」の中に、リマインダー通知を送信するための条件を設定します(重複通知防止)。同じ顧客に短期間で何度も同じリマインダーを送らないようにするために、最終リマインダー通知日時のような列をSharePointリストに持たせておくと便利です。
- 「条件」アクション:
- 左側の値:
@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['最終リマインダー通知日時']} - 演算子: 「が空である」
- 右側の値: (空欄のまま)
- 「または」条件:
最終リマインダー通知日時が@{formatDateTime(addDays(utcNow(), -7), 'yyyy-MM-dd')}'より古い(例:前回の通知から7日以上経過している)
- 左側の値:
- 「条件」アクション:
- 「はい」のパス(リマインダー送信対象の場合)に、Teamsにリマインダー通知を投稿します。
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクションを追加します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します。
- 投稿先: 「チャット」を選択します(担当者個人に通知するため)。
- 受信者:
アプライ トゥー イーチ内のアイテムから取得した担当者の「担当者メールアドレス」を選択します。 - メッセージ:
@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['担当者']?['DisplayName']}様 【📢顧客フォローアップリマインダー】 〇〇社へのフォローアップが必要です。最終連絡日から90日以上が経過しています。 顧客名: @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']} 最終連絡日: @{formatDateTime(items('アプライ_トゥー_イーチ')?['最終連絡日'], 'yyyy/MM/dd')} 推奨アクション: 電話、メール、または次アポイント設定。 ▼CRMレコード(または顧客リスト)を確認 [顧客詳細]@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['WebUrl']}- 補足:
TitleはSharePointリストの「顧客名」列、担当者はユーザー列です。WebUrlはSharePointリストアイテムへの直接リンクです。
- 補足:
- 重要度: 「重要」を選択します。
- 新しいステップを追加し、SharePointリストの「最終リマインダー通知日時」を更新します。
- 「項目を更新します (SharePoint)」アクションを追加します。
- サイトのアドレス:
顧客フォローアップリストのサイト - リスト名:
顧客フォローアップリスト - ID:
アプライ トゥー イーチ内のアイテムのID - 最終リマインダー通知日時:
utcNow()(式から取得)
- フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。SharePointリスト(顧客フォローアップリスト)に、テスト用の顧客情報(最終連絡日を3ヶ月以上前に設定し、最終リマインダー通知日時を空欄または古く設定)を登録します。
Power Automateのフロー実行履歴を確認し、担当者のTeamsにリマインダー通知が届いていることを確認します。
アクションを設定しましょう
トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。
- スケジュールアクション:
- 「繰り返し」: 毎日特定の時間にフローを実行するためのトリガー。
- SharePointアクション:
- 「アイテムの取得」: 顧客フォローアップリストから、リマインド対象の顧客情報を取得します。
- 「項目を更新します」: 顧客リストの「最終リマインダー通知日時」を更新し、通知が重複しないように管理します。
- データ操作アクション:
- 「タイムゾーンの変換」: 日付を整形したり、タイムゾーンを合わせたりするために使用します。
- 「作成」: 日数計算など、一時的なデータ処理に使用します。
- 「アプライ トゥー イーチ」: 取得した顧客情報ごとにループ処理を行います。
- 制御アクション:
- 「条件」: リマインダーの送信条件(経過日数、重複通知の有無)を判断します。
- Teamsアクション:
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 担当者へリマインダー通知を送信します。
- 「重要度」の設定: このアクションの設定項目の中に、「重要度」というドロップダウンがあります。リマインドの緊急性に応じて「重要」を選択することを検討しましょう。
通知メッセージのカスタマイズをしましょう
メッセージの内容は、動的なコンテンツを利用して、顧客名、最終連絡日、経過日数、担当者名、推奨されるアクション、顧客詳細へのリンクなどを自動的に埋め込むことができます。
- 顧客名:
Title - 最終連絡日:
最終連絡日(SharePointリストの列名) - 担当者:
担当者/DisplayName - 顧客詳細リンク:
WebUrl(SharePointリストアイテムへの直接リンク、またはCRMレコードへのリンク)
これらの情報をメッセージ本文に適切に配置することで、受け取った担当者が、どの顧客に、いつ連絡すべきか、そしてどこで詳細を確認できるのかを、一目で把握できるように工夫しましょう。簡潔で分かりやすいメッセージと、すぐにアクションできるリンクが重要です。
Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)
基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。
フォローアップ種別や顧客セグメントに応じてリマインド周期を分岐する
顧客のセグメント(例:VIP顧客、一般顧客)や、フォローアップ種別(例:定期連絡、契約更新、新製品案内)に応じて、リマインドの周期やメッセージ内容、通知先を変えることで、よりパーソナルで効果的なフォローアップを実現します。
作成例2:フォローアップ種別や顧客セグメントに応じてリマインド周期を分岐するPower Automateフロー
SharePointリストに「顧客セグメント」や「フォローアップ周期(数値)」といった列を追加し、その値に基づいてリマインドロジックを分岐させます。
- 基本編のフロー(顧客_フォローアップリマインダー_90日)を開きます。
- ステップ4の「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションのフィルタークエリを修正します。
- 特定のフォローアップ種別や顧客セグメントに絞り込む条件を追加します。例: フォローアップ種別 eq ‘定期連絡’
- 「アプライ トゥー イーチ」の中にある「条件」アクション(残り日数計算後)のロジックを修正します。
@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['フォローアップ周期']}のような、SharePointリストの「フォローアップ周期」列(例: 30, 60, 90, 180, 365など)の値を参照して、その周期を超過しているかを判断します。最終連絡日 le '@{formatDateTime(addDays(utcNow(), sub(0, items('アプライ_トゥー_イーチ')?['フォローアップ周期'])), 'yyyy-MM-dd')}'
- 「はい」のパス(リマインダー送信対象の場合)に、さらに「切り替え」アクションを追加します。
- On:
@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['顧客セグメント']?['Value']}(SharePointリストの「顧客セグメント」選択肢列)
- On:
- 「切り替え」の各ケースを設定します。
- Case 1: 「VIP顧客」の場合
- Teams通知アクション:
- 投稿先: チャット(担当営業個人)、かつ 営業部長の個人チャット
- メッセージ: 件名に「【VIP顧客】」を追加し、より丁寧な文言で電話でのフォローアップを促す。
- 重要度: 「緊急」
- Teams通知アクション:
- Case 2: 「一般顧客」の場合
- Teams通知アクション:
- 投稿先: チャット(担当営業個人)、かつ 営業チーム共通チャネル
- メッセージ: デフォルトの連絡を促す文言。
- 重要度: 「重要」
- Teams通知アクション:
- Case 1: 「VIP顧客」の場合
- フローを保存してテストします。顧客セグメントやフォローアップ周期を変えたテスト顧客を登録し、リマインダーが正しく分岐して届くことを確認します。
フォローアップ完了後に「最終連絡日」を自動更新する
担当者が顧客へのフォローアップを完了した際に、その情報をCRM(またはSharePointリスト)に記録する仕組みを組み込み、その情報に基づいて「最終連絡日」が自動で更新されるようにします。これにより、次回のリマインドが正確に発動します。
作成例3:フォローアップ完了後に「最終連絡日」を自動更新するPower Automateフロー(別フロー)
このフローは、Teamsのチャットメッセージの「…」メニューから起動し、SharePointリストの「最終連絡日」を更新します。
- 新しいフローを「インスタント クラウド フロー」として作成します。
- フロー名:「顧客フォローアップ完了」
- トリガー: 「メッセージにキーワードが含められたときにフローをトリガーする (Microsoft Teams)」を選択します(キーワードは空欄)。
- トリガーにユーザー入力項目を追加します(オプション)。
- テキスト:
顧客名(手動で入力させる) - テキスト:
対応内容概要(手動で入力させる) - 補足: 顧客名をTeamsメッセージ本文から抽出するロジックを組むことも可能ですが、正確性のため手動入力も検討。
- テキスト:
- 新しいステップを追加し、SharePointリストから顧客データを検索します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを追加します。
- サイトのアドレス: 顧客フォローアップリストのSharePointサイト
- リスト名:
顧客フォローアップリスト - フィルタークエリ:
Title eq '@{triggerOutputs()?['body/text']}'(入力された顧客名で検索)
- 新しいステップを追加し、取得した顧客の「最終連絡日」を更新します。
- 「アプライ トゥー イーチ」コントロール: 検索結果をループします(複数見つかる可能性があるため)。
- 「項目を更新します (SharePoint)」アクション:
- サイトのアドレス/リスト名: 顧客フォローアップリスト
- ID:
アプライ トゥー イーチ内のアイテムのID - 最終連絡日:
utcNow()(現在日時) - 備考(オプション):
対応内容概要(手動入力)を記録。
- 新しいステップを追加し、Teamsに完了通知を投稿します。
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
- 投稿先: チャット
- 受信者:
@{triggerOutputs()?['body/from/user/email']}(フローを起動したユーザー) - メッセージ: 「@{triggerOutputs()?[‘body/text’]}へのフォローアップ状況を更新しました。ご協力ありがとうございます!」
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
- フローを保存してテストします。Teamsチャットのメッセージから「顧客フォローアップ完了」フローを起動し、顧客名などを入力して実行します。SharePointリストの「最終連絡日」が更新されることを確認します。
エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう
Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特に顧客フォローアップは、顧客関係に直結するため、信頼性が非常に重要です。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。
権限不足のエラーが出た場合
「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePointのリストを操作したり、Teamsにメッセージを送信したりするための権限が不足している可能性があります。
- 対策: フローを実行するアカウントが、対象のSharePointリストに対して「編集」権限(作成・更新のため)と、Teamsチャネルへのメッセージ投稿権限、個人チャットへのメッセージ送信権限を持っていることを確認してください。営業またはシステム管理の担当者がフローを作成・管理するのが望ましいでしょう。
SharePointリストのデータ型不一致の場合
顧客データをSharePointリストに登録・更新する際、列のデータ型とフローから送られるデータの型が一致しない場合にエラーが発生することがあります。特に日付形式やユーザー列へのマッピングに注意が必要です。
- SharePointリストの列のデータ型と、Power Automateで処理する際のデータ型が一致しているか確認します。
formatDateTime()を使用して、日付の形式を変換・整形するようにしましょう。- ユーザー列には、メールアドレス形式の値を渡す必要があります。
通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)
Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。
- Teamsの通知設定: 受信者(担当者)のTeamsアプリの通知設定で、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
- 受信者のメールアドレス: Teamsのチャット通知の場合、受信者のメールアドレスが正確であるかを確認しましょう。SharePointリストのメールアドレスが最新であるかを定期的に確認する運用も重要です。
- 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。
フローの履歴を確認しましょう
エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要です。
- Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
- 「実行履歴」タブをクリックします。
- 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように処理され、どこでエラーが発生したか、そして入力/出力データやエラーメッセージの詳細を確認できます。
ポイント: 各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特にSharePointリストからの「アイテムの取得」アクションで、期待通りの顧客が抽出されているか、フィルタークエリが正しく機能しているかを確認しましょう。
セキュリティとアクセス管理を確認しましょう
顧客データは、氏名、連絡先、最終連絡日といった個人情報を含むため、自動化システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に細心の注意が必要です。
SharePointリストの権限設定を適切にしましょう
顧客フォローアップリストに保存されたデータは、誰が閲覧・編集できるべきかを厳密に管理する必要があります。
- 編集権限: 営業部門やカスタマーサポート部門など、顧客情報を更新する権限を持つ限られたメンバーにのみ「編集」権限を付与しましょう。
- 閲覧権限: 顧客情報にアクセスする必要がある部署には「読み取り」権限を付与しましょう。
- 最小限の原則: 必要な人にのみ最小限の権限を与えましょう。
- グループの活用: 個々のユーザーに権限を付与するのではなく、Active DirectoryグループやMicrosoft 365グループを利用して権限を管理することで、運用が容易になります。
Teamsチャネル/チャットの権限設定を適切にしましょう
顧客フォローアップリマインダーが送信されるTeamsチャネルやチャットのメンバーシップも適切に管理しましょう。
- 個人チャットの利用: 担当者へのリマインダーは、個人チャットが最も安全で適切です。
- プライベートチャネルの利用: 顧客フォローアップの全体状況や、特定の顧客情報が流れるチャネルは、必ず「プライベート」チャネルとし、関係者以外が閲覧できないようにしましょう。
- 一般チャネルへの通知の制限: 全員がアクセスできる「一般」チャネルには、機密性の低い、概要のみの情報に留めるか、通知自体を行わないようにしましょう。
フローの作成と実行権限を管理しましょう
この自動化フローは、顧客情報という重要なデータを扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。
- フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、営業部門やカスタマーサポート部門の責任者、または特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
- 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
- サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。
個人情報保護への配慮を忘れずに
顧客の氏名、メールアドレス、最終連絡日といった個人情報を取り扱うため、個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。
- 利用目的の明確化: 顧客情報の収集目的と、自動フォローアップの目的を顧客に明確に伝え、同意を得ましょう。
- 安全な保管: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
- 保持期間の検討: 顧客情報の保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。
まとめ
Power AutomateとTeams、SharePointリストを組み合わせることで、顧客への定期的なフォローアップのリマインダーを自動化する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。
この自動化されたリマインダーシステムは、顧客へのアプローチ機会を見落とすことなく、担当者の負担を軽減し、顧客との関係維持を強化するための強力なツールとなるでしょう。結果として、顧客満足度の向上と、営業活動の効率向上に大きく貢献できます。

