Slack(スラック)とMicrosoft Teams(チームズ)の違いを解説!ビジネスチャットの選び方と見落としがちなデメリット

Slack(スラック)とMicrosoft Teams(チームズ)の違いを解説!ビジネスチャットの選び方と見落としがちなデメリット

ビジネスにおいて、コミュニケーションツールの選択は、チームの生産性や情報共有の質を大きく左右します。特に、リモートワークが普及した現代において、リアルタイムでの連携を可能にするチャットアプリは、もはや業務の生命線とも言える存在になっていますね。その中でも、Slack(スラック)Microsoft Teams(チームズ)は、二大巨頭として多くの企業で導入が検討されています。

しかし、「結局、うちの会社にはどちらが合っているのだろう」「それぞれのメリットはよく聞くけれど、意外な落とし穴はないのだろうか」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


 

なぜ今、SlackとTeamsの比較が重要なのか

ビジネスチャットツールは、単なるメッセージのやり取りにとどまりません。プロジェクトの進捗管理、資料の共有と共同編集、Web会議の実施、外部ツールとの連携、そして何よりもチーム内の「情報の流れ」と「共同作業」の効率化に直結します。

SlackとTeamsは、それぞれ異なるコンセプトと強みを持っており、一見似て非なるツールです。

  • Slackは、「チャットファースト」で、情報共有のスピードと柔軟性に重きを置いています。
  • Teamsは、「コラボレーションファースト」で、特にMicrosoft 365(旧Office 365)との深い連携とWeb会議機能に強みを持っています。

どちらも優れたツールですが、自社の働き方や既存のITインフラに合わないツールを選んでしまうと、導入後の運用コストが増加したり、従業員の生産性が逆に低下したりといった事態を招きかねません。


 

Slack(スラック)の特性とメリットを深く知る

まずは、チャットファーストの思想を持つSlackが、どのような特性とメリットをビジネスにもたらすのか、具体的な視点から見ていきましょう。

直感的で軽快なコミュニケーション体験

Slackの最大の魅力は、その直感的な操作性と軽快なレスポンスにあるでしょう。まるでソーシャルメディアのような感覚で利用できるため、ITツールに不慣れな従業員でも比較的早く馴染むことができます。

  • 素早いメッセージのやり取り: テキストベースのチャットに最適化されており、メッセージの送受信が非常にスムーズです。これにより、メールでは手間がかかるような短い確認や情報共有も、瞬時に行えます。
  • 豊富なリアクションと絵文字: メッセージに対して絵文字で反応する「リアクション」機能が豊富です。これにより、テキストだけでは伝わりにくい感情や、簡単な賛成・反対の意思表示を素早く行え、コミュニケーションの活性化につながります。また、スタンプやGIF画像を活用することで、堅苦しくなりがちなビジネスコミュニケーションに、親しみやすさを加えることも可能です。
  • スレッド機能による情報整理: 特定のメッセージに対する返信を「スレッド」としてまとめることができます。これにより、一つのチャネル内で複数の話題が同時に進行しても、情報が混ざり合うことなく、関連する会話を追跡しやすくなります。複雑な議論でも、後から経緯を辿りやすいのは大きな利点です。
  • 多様なファイル共有: ドラッグ&ドロップで簡単に画像、ドキュメント、動画などを共有できます。共有されたファイルにはコメントを付けられるため、そのファイルに関する議論をチャネル内で完結させることが可能です。

「チャンネル」による高度な情報整理と透明性

Slackの根幹をなすのが「チャンネル」という概念です。これを効果的に使うことで、チーム内の情報整理と透明性が飛躍的に向上します。

  • テーマごとの情報集中: プロジェクトごと、部署ごと、特定の話題ごと(例:#新製品開発、#営業戦略、#社内イベント)にチャンネルを作成し、関連する全ての会話やファイルをそのチャンネルに集約します。これにより、必要な情報がどこにあるか迷うことが減り、各自が自分の業務に必要な情報に集中しやすくなります。
  • オープンな情報共有の促進: 多くのチャンネルを「パブリック(公開)」に設定することで、チーム内の情報共有が促進され、透明性が高まります。誰がどのような議論をしているのか、どのような決定がなされたのかが可視化されやすくなり、部門間の壁を低くすることにも貢献します。
  • 新しいメンバーのオンボーディング: 新しくチームに加わったメンバーは、関連するパブリックチャンネルの過去の会話履歴を遡ることで、プロジェクトの経緯や背景、チーム内の文化を効率的に把握できます。これは、情報共有が属人化しがちな従来のメールシステムにはない大きなメリットです。
  • 外部メンバーとの連携: 有料プランでは、外部の企業や顧客との共有チャンネルを設定することも可能です。これにより、メールのやり取りよりも迅速かつ安全に情報共有を行うことができ、共同プロジェクトの推進がスムーズになります。

圧倒的な外部サービス連携と「業務のハブ」としての機能

Slackは、非常に多くの外部アプリケーションやサービスと連携できる点が強力な武器です。これにより、Slackがチームの「業務のハブ」として機能し、日々の業務効率を劇的に向上させます。

  • 通知の一元化: プロジェクト管理ツール(Asana、Trelloなど)、コード管理ツール(GitHub)、顧客管理システム(Salesforce)、マーケティングツール、HRツールなど、貴社が利用している様々なSaaSからの通知をSlackの特定のチャンネルで受け取ることができます。これにより、複数のアプリを頻繁に確認する手間が省け、重要な情報を見落とすリスクが減ります。
  • Slack上からの操作: 連携したアプリによっては、Slackのメッセージ入力欄から簡単なコマンドを入力するだけで、タスクの作成、Web会議の開始、ファイルの検索といった操作を行える場合があります。これにより、アプリ間の移動による時間のロスを最小限に抑え、思考の中断も減らせます。
  • カスタム連携の容易さ: API(アプリケーションプログラミングインターフェース)が公開されており、開発者が独自のカスタムインテグレーションを構築しやすい環境が整っています。これにより、貴社の特定の業務フローに合わせた独自の連携を開発し、さらに業務を効率化することも可能です。
  • Botの活用: 自動化されたメッセージ送信や、特定の情報に応答するBot(ボット)を簡単に導入できます。例えば、定時報告を促すBotや、特定のキーワードに反応してFAQを自動で提供するBotなど、工夫次第で様々な業務を自動化できます。

検索機能の優秀さ(有料版の真価)

Slackの検索機能は非常に強力で、過去のチャットメッセージ、共有ファイル、スレッド内の会話など、Slack内のあらゆる情報を素早く、的確に見つけ出すことができます。

  • 詳細な検索フィルター: 誰が、いつ、どのチャンネルで、どのようなキーワードを使い、どのようなファイル(例:PDF、画像)を共有したかなど、様々な条件で絞り込み検索が可能です。これにより、漠然とした記憶からでも目的の情報を探し出すことができます。
  • 情報資産の活用: Slackに蓄積された会話は、単なるチャット履歴ではなく、チームの知識や意思決定のプロセスが詰まった貴重な情報資産となります。強力な検索機能があるからこそ、これらの情報資産を最大限に活用し、後からプロジェクトの経緯を振り返ったり、同様の問題への対処法を探したりすることが容易になります。

Microsoft Teams(チームズ)の特性とメリットを深く知る

コラボレーションファーストの思想を持つMicrosoft Teamsが、どのような特性とメリットをビジネスにもたらすのか、具体的な視点から見ていきましょう。

Microsoft 365との圧倒的なシームレス連携

Teamsの最大の強みは、やはりMicrosoftが提供する他のビジネスツール、特にMicrosoft 365(旧Office 365)との圧倒的なシームレス連携にあります。これは、Microsoft製品を日常的に利用している企業にとっては非常に大きなメリットです。

  • ファイル共同編集の最適化: Teamsのチャネル内で共有されたWord、Excel、PowerPointなどのOfficeファイルを、そのままTeamsの画面上で共同編集できます。複数のメンバーが同時に同じファイルを編集できるため、メールでのファイルのやり取りやバージョン管理の煩雑さから解放され、リアルタイムでの共同作業が劇的に効率化されます。編集履歴もTeams上で確認可能です。
  • Outlookとの連携: Outlookの予定表とTeamsの会議が深く連携しています。Outlookで会議をスケジュールする際にTeams会議のリンクを自動で生成したり、Teamsの予定表からOutlookの空き時間を確認したりと、会議の準備から実行、フォローアップまでを一貫して行えます。
  • SharePointとOneDriveとの統合: Teamsで共有されるファイルは、裏側でSharePointやOneDriveのストレージを利用しています。これにより、Microsoft 365の強力なファイル管理、バージョン管理、アクセス権限設定、セキュリティ機能がTeams上でも利用できます。膨大なファイルを効率的に管理し、必要な情報にセキュアにアクセスできるのは、特に大規模な組織にとって大きな強みです。
  • ビジネスアプリケーションの統合: Power Apps、Power Automate(旧Microsoft Flow)などのMicrosoft Power Platformと連携することで、業務ワークフローの自動化やカスタムアプリケーションの構築をTeams上で行うことが可能です。例えば、承認プロセスをTeamsのチャット内で完結させる、といった高度な使い方もできます。

高品質で多機能なWeb会議システム

Teamsは、チャット機能だけでなく、Web会議システムとしても非常に高い性能と豊富な機能を備えています。ビデオ会議が日常的な業務の中心となっている企業にとって、この点は非常に重要です。

  • 安定した高品質なビデオ/音声: 大人数での会議でも安定した接続品質を提供し、クリアな音声と映像でのコミュニケーションが可能です。Microsoftのグローバルなインフラがその安定性を支えています。
  • 会議オプションの充実: 画面共有(デスクトップ全体、特定ウィンドウ、特定のアプリケーション)、仮想ホワイトボード、背景ぼかしやバーチャル背景、投票機能、挙手機能、ブレイクアウトルーム(分科会)など、Web会議を円滑に進めるための機能が多数搭載されています。
  • 会議の録画と文字起こし: 会議の内容を録画し、自動的に文字起こし(トランスクリプト)を作成する機能があります(有料プラン)。これにより、会議に参加できなかったメンバーも後から内容を確認でき、議事録作成の手間も削減できます。
  • ライブイベント機能: 大規模なウェビナーや社内向けの一斉配信など、数千人規模の参加者に対応するライブイベント機能も提供しています。

チームとチャネル構造による共同作業の最適化

Slackと同様に「チーム」と「チャネル」という概念で情報を整理しますが、Teamsは共同作業に特化した機能がより充実しています。

  • チームの概念の明確化: 特定のプロジェクトや部署ごとに「チーム」を作成し、その中に複数の「チャネル」を設定します。これにより、必要なメンバーだけが参加するクローズドな環境で、集中して共同作業を進めることができます。
  • チャネル内のタブ機能: 各チャネルには、標準で「投稿(チャット)」「ファイル」「Wiki」といったタブが用意されています。さらに、Planner(タスク管理)やOneNote(ノート)など、Microsoft 365の様々なアプリをタブとして追加し、チャネル内で直接利用できます。これにより、特定のプロジェクトに関する情報(チャット履歴、共有ファイル、タスク、メモ)が1ヶ所に集約され、情報を見つけやすくなります。
  • 共同作業スペースの強化: ファイルタブではSharePointやOneDriveの強力なファイル管理機能が利用でき、共同編集もスムーズです。Wikiタブは、チームの共有知識ベースやFAQとして活用でき、情報の蓄積と共有を促進します。

高度なセキュリティとコンプライアンス対応

Microsoftがエンタープライズ向けのサービスを提供してきた実績から、Teamsは非常に高いセキュリティ基準とコンプライアンス要件に対応しています。

  • データ保護とプライバシー: 強固な暗号化技術を用いてデータが保護され、データ損失防止(DLP)などの機能も充実しています。企業の機密情報や個人情報の取り扱いに関する厳しい規制(GDPR、CCPAなど)にも対応しており、安心して利用できます。
  • アクセス管理と認証: Azure Active Directory(現Microsoft Entra ID)との統合により、ユーザー認証とアクセス管理が高度に行えます。多要素認証(MFA)もサポートしており、不正アクセスリスクを低減できます。
  • 監査ログとレポート: 管理者向けに詳細な監査ログや利用状況レポートが提供され、誰がいつ何をしたか、どのような情報が共有されたかなどを追跡できます。これにより、内部統制の強化やセキュリティポリシーの遵守に役立ちます。

SlackとTeamsのデメリット:見落としがちな落とし穴

どちらのツールも素晴らしいメリットを提供しますが、その特性ゆえに、見落とされがちなデメリットも存在します。導入を検討する際には、これらの「落とし穴」も十分に考慮に入れるべきです。

Slackのデメリット(見落としがちな落とし穴)

「情報の流れが速すぎる」ことによる疲弊

  • 詳細: Slackの「軽快さ」はメリットである一方で、活発なチームでは、リアルタイムでメッセージが絶え間なく流れてくるため、情報過多による疲弊や、重要な情報を見落とすリスクが高まります。常に新着メッセージをチェックしなければならないというプレッシャーを感じる人もいるでしょう。夜間や休日も通知が鳴り続けることで、ワークライフバランスが崩れる原因となる可能性もあります。
  • 対策: 通知設定の細やかなカスタマイズ(時間帯オフ、キーワードミュートなど)、「おやすみモード」の活用、そして「即時返信が必須ではない」というチーム内の文化醸成が不可欠です。

無料版の機能制限がビジネスには不十分

  • 詳細: Slackの無料版は、メッセージ履歴が直近90日間に限定され、検索できる範囲が非常に狭いです。また、連携できる外部アプリの数も10個までと制限されています。さらに、グループ通話や画面共有の機能が限定的です。
  • 対策: 無料版はあくまで「お試し」と割り切り、本格的なビジネス利用には有料版への移行がほぼ必須となります。このコストを事前に考慮に入れる必要があります。

ファイル管理の分散と整理の手間

  • 詳細: Slackはファイルを簡単に共有できますが、それらのファイルが特定のチャンネルに紐づけられて散在しやすく、後からまとめて管理するのが困難になりがちです。特に、バージョン管理や細かなアクセス権限設定が必要な場合は、Slackだけでは不十分で、別途Google DriveやDropboxなどの外部ストレージサービスと連携し、そちらでメインのファイル管理を行う必要があります。
  • 対策: ファイル共有に関する明確なルール(「最終版は〇〇にアップロードする」「Slackでの共有は一時的なもの」など)を定め、チーム全体で遵守することが重要です。

Web会議機能の機能制限とコスト増

  • 詳細: SlackはWeb会議機能自体が貧弱で、多人数での会議や高度な機能(会議の録画、ブレイクアウトルームなど)は、ZoomやGoogle Meetといった外部サービスに頼らざるを得ません。
  • 対策: これらの外部Web会議サービスを別途契約する必要がある場合、追加コストやツール間の連携設定の手間が発生します。これは、「単一ツールで完結したい」と考える企業にとってはデメリットとなり得ます。

情報の「ストック」がしにくい構造

  • 詳細: リアルタイムな「フロー」情報共有には強い一方で、長期的に活用すべきナレッジや決定事項を体系的に「ストック」する機能は、専用のWiki機能などと比べると限定的です。情報がチャット履歴の中に埋もれてしまいやすい性質があります。
  • 対策: Slackの活用と並行して、ConfluenceやNotion、Google Sitesといった専用のナレッジマネジメントツールやWikiツールを併用し、重要な情報をそこに集約する運用が必要です。

Microsoft Teamsのデメリット(見落としがちな落とし穴)

動作が重く、PCスペックやネットワーク環境に依存する

  • 詳細: Teamsは非常に多くの機能を統合しているため、Slackと比較して、アプリの起動や動作が重く感じられることがあります。特に、PCのメモリが少ない、CPUが古い、あるいはネットワーク回線が不安定な環境では、フリーズしたり、Web会議中に音声や映像が途切れたりするなどのパフォーマンス問題が発生しやすくなります。
  • 対策: 快適な利用には、ある程度のPCスペック(特に推奨メモリ8GB以上)と安定したインターネット環境(有線LAN接続を推奨)が不可欠です。動作が遅い場合は、不要なアプリケーションを終了させる、キャッシュをクリアするといった対処が必要になることもあります。

インターフェースの複雑さと学習コスト

  • 詳細: TeamsはMicrosoft 365との深い連携やWeb会議の多機能性ゆえに、Slackのような「チャットに特化したシンプルさ」とは異なり、機能が多く、初期設定の段階でどこに何があるのか分かりにくいと感じるユーザーも少なくありません。特に、「チーム」「チャネル」「ファイルタブ」「チャット」といった概念の理解や、Microsoft 365の各アプリとの連携方法を習得するのに、一定の学習コストがかかることがあります。
  • 対策: 新規導入時には、丁寧なオンボーディングプログラムや、社内向けの利用マニュアル、トレーニングを実施することが重要です。利用を促進するためには、管理者側からの積極的なサポートが欠かせません。

通知設定の煩雑さと通知過多

  • 詳細: Teamsは、チャットメッセージ、ファイル更新、会議の開始、@メンション、アプリからの通知など、様々なアクティビティに対して自動で通知を生成します。初期設定のままだと通知が多すぎて、一日中通知が鳴り響き、集中を妨げられたり、「通知疲れ」を引き起こしたりする可能性があります。
  • 対策: 個人レベルで通知設定を細かくカスタマイズ(デスクトップ通知のオフ、特定のチャンネルのミュート、活動フィードのみ表示など)することが必須です。チームや部署全体で「通知を減らすためのルール」を設けることも有効でしょう。

Microsoft製品以外との連携に限界がある場合

  • 詳細: TeamsはMicrosoft 365の各製品との連携は非常に強力ですが、それ以外の特定の外部サービス(特に、Microsoftと競合するサービスや、ニッチなSaaS)との連携においては、Slackほど柔軟性がない場合があります。カスタム連携の開発も、Slackのそれと比較すると、難易度が高いと感じる開発者もいるかもしれません。
  • 対策: 貴社がMicrosoft製品以外を多数利用しており、それらをビジネスチャットツールと深く連携させたい場合は、事前に必要な連携が可能かどうかを十分に確認する必要があります。

情報共有の「慣習」の転換が難しい

  • 詳細: TeamsはMicrosoft 365との連携が強力であるがゆえに、既存のメールやSharePointでの情報共有の慣習から抜け出せず、「結局メールでやり取りしている」「ファイルはTeamsではなくOneDriveに直接保存している」といった状況に陥りがちです。チャットツールを導入しても、既存のワークフローや社員の慣れを変えるのは容易ではありません
  • 対策: 導入目的を明確にし、具体的な利用ルールを定めて周知徹底すること、そしてTeamsでできることのメリットを継続的に発信し、利用を促すための社内プロモーションが不可欠です。経営層やマネージャー層が率先して利用する姿勢も重要になります。

 

SlackとTeams、貴社にとって最適な選び方

SlackとTeamsは、それぞれ異なる強みとデメリットを持っています。どちらを選ぶべきかは、貴社の現状と将来のビジョンによって判断が分かれます。

Slackが適しているのはこんな企業やチーム

コミュニケーションの速度とカジュアルさを重視する企業:

IT企業、Web業界、スタートアップなど、意思決定のスピードが求められ、活発なテキストベースのコミュニケーションを好む文化があるチーム。

Microsoft 365以外のSaaSを多用している企業:

プロジェクト管理ツール、開発ツール、デザインツールなど、多種多様な外部サービスを既に導入しており、それらの通知や操作を一元化したい場合。

小規模から中規模のチームで、柔軟な運用を求める企業:

チーム規模が比較的小さく、管理者権限を細かく設定するよりも、メンバーが自由にチャンネルを作成したり、連携アプリを追加したりする自由度を重視する場合。

リモートワークでリアルタイムな情報共有を重視する企業:

地理的に分散したチームでも、タイムリーな情報共有と素早い意思決定を可能にしたい場合。

Microsoft Teamsが適しているのはこんな企業やチーム

既にMicrosoft 365を深く利用している企業:

Word、Excel、PowerPointでの共同作業、Outlookでのメール・予定表管理が業務の中心である場合、Teamsは既存のワークフローにシームレスに統合され、圧倒的な効率化をもたらします。

Web会議を日常的に多用する企業:

大人数でのオンラインミーティングやウェビナーを頻繁に行う場合、Teamsの高品質で多機能なWeb会議システムは非常に強力です。

高いセキュリティとコンプライアンス要件が求められる企業:

大規模な企業や、金融、医療など、厳格なデータ保護規制や監査要件がある業界の場合、Microsoftのエンタープライズ向けセキュリティは大きな安心材料となります。

統合されたワークスペースで情報の一元管理を目指す企業:

チャット、ファイル、会議、タスク管理など、様々な共同作業を一つのプラットフォームで完結させ、情報が分散するのを避けたい場合。

比較的PCスペックに余裕があり、安定したネットワーク環境が整っている企業:

アプリの動作の重さを許容でき、安定した通信環境を確保できる場合に、その多機能を最大限に活かすことができます。

 

ハイブリッド戦略も視野に入れる

どちらか一方を選ぶだけでなく、部署やプロジェクトの特性に応じてハイブリッドな戦略を取ることも可能です。例えば、

  • 開発部門は、外部連携やカジュアルなコミュニケーションを重視してSlackを使用する。
  • 管理部門や営業部門は、Microsoft 365との連携やWeb会議の安定性を重視してTeamsを使用する。
  • 両ツールを導入し、必要に応じて特定の情報(例:全社への重要なお知らせ)は両方に流す運用ルールを設ける。

重要なのは、「何のためにチャットツールを導入するのか」という目的を明確にし、チームの働き方に合わせて最適なツールを選択し、そして導入後の運用ルールをしっかりと定めることです。無料版や試用期間を活用し、実際にチームで試してみて、使い勝手やフィット感を確かめることが、成功への第一歩となるでしょう。


 

ビジネスチャットツール導入成功のためのステップ

SlackやTeamsのようなビジネスチャットツールは、ただ導入するだけではその真価を発揮しません。効果的に活用し、チームの生産性を向上させるためには、いくつかの実践的なステップを踏むことが重要です。

導入目的と解決したい課題を明確にする

ツール導入の前に、「なぜこのツールを導入するのか」「どのような課題を解決したいのか」を具体的に言語化することが最も重要です。

  • 目的の例: メールでのやり取りを減らし、コミュニケーション速度を向上させる。プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで共有し、意思決定を迅速化する。リモートワーク下でのチームの一体感を醸成する。
  • 課題の例: 情報がメールの中に埋もれてしまう。ファイル共有が煩雑で、最新版がどれか分からない。Web会議の接続が不安定で、スムーズな議論ができない。

この目的が明確であればあるほど、ツール選択の軸がブレず、導入後の評価も容易になります。

スモールスタートで試験導入する

いきなり全社に導入するのではなく、まずは特定の部署やプロジェクトチームで試験的に導入し、効果を検証することをお勧めします。

  • 効果検証: 実際に使ってみて、チャットのスピード、ファイル共有のしやすさ、Web会議の安定性、そして何よりも「チームメンバーが使いこなせるか」という点を評価します。
  • 課題の洗い出し: 予想していなかった問題点(例:通知が多すぎる、特定の機能が使いにくい)や、運用上の課題(例:ルールが守られない)をこの段階で洗い出します。
  • フィードバックの収集: 実際に利用したメンバーから率直な意見や要望を収集し、本格導入時の改善点や運用ルールに反映させます。

このスモールスタートで得られた知見は、全社展開時の成功確率を格段に高めるでしょう。

明確な運用ルールとガイドラインを策定する

ツールを導入するだけでなく、「どのように使うか」という運用ルールを明確にすることが非常に重要です。

コミュニケーションのルール

  • 「緊急の連絡は電話、それ以外はチャット」
  • 「重要な決定事項は〇〇チャンネルに投稿し、スレッドで議論を完結させる」
  • 「業務時間外の通知は原則オフにする」
  • 「リアクションの積極的な活用を推奨する」

ファイル共有のルール

  • 「最終版のファイルはチャットツールでなく〇〇(例:SharePoint、Google Drive)に保存する」
  • 「共有するファイルの命名規則」

チャンネル運用のルール

  • 「チャンネルの命名規則(例:#prj_〇〇、#dept_〇〇)」
  • 「どのような情報をどのチャンネルで共有するか」

これらのルールを明確にし、従業員に周知徹底することで、情報の混乱を防ぎ、ツールのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

積極的なオンボーディングと継続的なサポート

新しいツールを導入する際には、従業員がスムーズに利用を開始できるよう、積極的なオンボーディングと継続的なサポートが不可欠です。

  • 導入トレーニング: ツールの基本的な使い方、主要機能、社内ルールなどを説明する研修会を実施します。初心者向けのガイドブックやFAQを作成するのも有効です。
  • Q&A対応: ツールに関する疑問やトラブルが発生した際に、すぐに質問できる窓口や担当者を設けます。
  • 利用促進の働きかけ: 経営層やマネージャー層が率先してツールを利用し、そのメリットを体現することで、全社的な利用促進につながります。成功事例を共有し、利用意欲を高める働きかけも重要です。

定期的な見直しと改善

ビジネスチャットツールの導入は、一度行えば終わりではありません。チームの成長や業務の変化に合わせて、定期的にツールの利用状況を見直し、改善を加えていくことが重要です。

  • 利用状況のモニタリング: ツールの利用頻度、活発なチャンネル、よく使われている機能などをデータで把握します。
  • フィードバックの収集: 定期的にアンケートを実施したり、ヒアリングを行ったりして、利用者の声を聞きます。
  • ルールの改訂: 運用ルールが現状に即しているか、形骸化していないかを確認し、必要に応じて改訂します。
  • 新機能の活用: ツールがアップデートされて新しい機能が追加された場合、それを業務にどう活かせるかを検討し、積極的に取り入れていきます。

これらのステップを踏むことで、ビジネスチャットツールは単なる連絡手段ではなく、貴社のチームの生産性向上と、より良い企業文化の醸成に貢献する強力な武器となるでしょう。


 

まとめ

この記事では、ビジネスで広く利用されているSlack(スラック)とMicrosoft Teams(チームズ)について、その基本的な違いから、それぞれの持つメリット、そして見落とされがちなデメリットまで、詳細に解説いたしました。

  • Slackは、軽快なチャットと圧倒的な外部連携数を誇り、情報共有のスピードと柔軟性を重視するチームに適しています。しかし、Web会議機能の限界や無料版の制限、情報の流れやすさには注意が必要です。
  • Teamsは、Microsoft 365との深い連携と高品質なWeb会議機能が強みで、統合されたコラボレーション環境を求める企業に最適です。一方で、動作の重さやインターフェースの複雑さ、通知の多さといったデメリットも考慮に入れる必要があります。

どちらのツールも、一長一短があり、「どちらが絶対的に優れている」というものではありません。重要なのは、貴社の既存のIT環境、チームのコミュニケーションスタイル、そして何よりも「どのような課題を解決し、どのような働き方を目指したいのか」という明確な目的を持つことです。